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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

天嶽院-(1) (藤沢)

2020年06月13日 | 寺社巡り-神奈川

【神奈川・藤沢市】室町時代の明応四年(1495)、後北条氏の祖の武将北条早雲によって伽藍の一寺「不動院」が建立され、不動院を改めて曹洞宗の禅寺とし、虚堂玄白禅師を迎えて開創された。
安土桃山時代の天正四年(1576)、四世住持の代に伽藍焼失の災難に遭うが、北条早雲菩提の為に発願した玉縄城主北条綱成・氏繁父子によって伽藍が復興された。 更に、紀伊大納言徳川光貞卿の帰依を受けた六世住持・月洲尊海禅師の代に七堂伽藍が完成した。 宗派は曹洞宗で、本尊は千手千眼観世音菩薩像。

杉林を背にして趣のある茅葺の山門が建ち、門前に、プロレスラーのような体型の一対の仁王像が陽を燦々と浴びて立っている。 「不許葷酒入山門」と刻まれた戒壇石が、仁王像に隠れるように袖塀前にひっそりと佇んでいる。
山門をくぐると深緑のトンネルの参道が真っ直ぐ延びている。 手入れが行き届いた参道は、切石敷石畳の左右に敷き詰められた苔が鮮やかな緑の絨毯のようで美しい。
石段を上ると、獅子の狛犬に護られた深緑に囲まれた明るい堂宇境内が広がり、ツツジが咲き誇る参道の左右と正面奥に堂宇が立ち並んでいる。 直ぐ左手の塀際に巨大な手水鉢があり、鉢の真ん中で二人の童子が支える蓮華座に、左手で開蓮を持つ聖観音菩薩坐像が鎮座している。
手水鉢に対面して不動殿が建ち、覗くと内陣に燃えるような火焔を背負った濃い青色の不動明王が鎮座している。 不動殿の左手に、道元禅師御道詠の碑を挟んで浄聖殿が建つ。 不動殿そして浄聖殿はいずれも「殿」の呼称だが、曹洞宗禅宗寺院ならではか....。

△杉林を背にして建つ茅葺の山門、門前は手入れが行き届いている

△水戸光圀公寄進の茅葺の山門は、江戸後期の火災を逃れた由一の建物....門前に「天嶽院」の寺号標石が立つ

△江戸中期建立の切妻造茅葺の山門....2段になって瓦葺の袖塀を設けている
  
△門前に阿形吽形の仁王像が露座し、仏敵の侵入を防いでいる/袖塀の前に立つ「不許葷酒入山門」と刻まれた石標(戒壇石)
 
△山門は薬医門の造り、袖塀は本瓦葺の築地塀/照り屋根、二軒繁垂木で拝は蕪懸魚

△山門を通して眺めた深緑に覆われた境内

△深緑のトンネルに続く切石敷の参道....石畳とその左右に敷き詰められた苔の緑が絨毯のようで美しい
 
△深緑のトンネルの中から眺めた石段上の堂宇境内/堂宇境内から眺めた手入れが行き届いた参道

△堂宇境内....右から不動殿、淨聖殿、中雀門、僧堂の屋根、法堂の屋根、そして寺務所が見える

△魔除けの力を持つ獅子の狛犬が護る堂宇境内

△左手の塀際にある巨大な手水鉢....後方は庫裡の屋根

△鉢に「感応」の刻....仏語で「感応」とは ”信心が神仏に通じること”
 
△二人の童子が支える蓮華座に結跏趺坐で鎮座する聖観音菩薩像....二重円光を背負い、左手に開蓮を持つ、右手の印相は来迎印

△左の吽形狛犬越しに眺めた正面の中雀門と右手に淨聖殿

△右の阿形狛犬越しに眺めた中雀門

△右側に建つ不動殿と奥に淨聖殿

△露盤宝珠を乗せた宝形造銅板葺の不動殿....身舎正面に庇を設けた向拝
  
△不動殿には不動明王像、大黒天像、愛染明王像を安置/火焔を背負って鎮座する宝剣と羂索を持つ濃い青色の不動明王像/八角青銅石燈籠

△「道元禅師御道詠の碑」越しにながめた中雀門と淨聖殿

△入母屋造銅板葺で妻入の淨聖殿....本尊の千手千眼観世音菩薩坐像を安置

△大棟と向拝の唐破風に獅子口、軒廻りは一軒繁垂木で組物は舟肘木、拝は猪目懸魚で唐破風の兎毛通も猪目懸魚、妻飾は狐格子....両開きの桟唐戸と上に菱格子欄間、脇間に花頭窓





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