【奈良・天理市】日本最古の鐘楼門。
平安時代の天長元年(824)、弘法大師・空海によって建立された。 平安時代天長元年(824)、淳和天皇の勅願により、弘法大師が大和神社の神宮寺として創建した長岳寺に建つ鐘楼門で、国の重要文化財に指定されている(かつては国宝だったようだ)。
一間一戸の下層に対して上層は三間二間の吹き放しの造りで、上層に梵鐘を吊った遺構が遺っている。 また、下層は室町時代~安土桃山時代の間に改築されたようだ。 組物は出三斗で、下層の中備には間斗束、その両側に詰組が設けられている。
正面からはよく見えないが、本堂境内から眺めると、杮葺屋根の深い軒と軒反の曲線が美しく、気品が感じられる。 弘法大師空海がこの鐘楼門を何度かくぐったかと思うと、感慨深いものを感じる。
境内参道の石段上に建つ日本で最古の鐘楼門
入母屋造杮葺の鐘楼門(重文)....平安時代の建立で、吹き放ちの上層に梵鐘を吊った遺構がある
下層は一間四方一戸、上層は三間二間....下層は室町時代~安土桃山時代の間に改築されたようで様式が残る
軒廻りは二軒繁垂木、組物は出三斗で中備無し、上層に組高欄付廻縁を設けている
組高欄付廻縁を支える腰組は出三斗で、中備には2つの詰組と中央に間斗束を設けている
本堂境内から眺めた鐘楼門....大棟端に鬼瓦が乗る杮葺屋根の深い軒と軒反が美しい
境内の放生池越しに眺めた鐘楼門....水面に映る逆さ鐘楼門が美しい