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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

大報恩寺 (京都)

2016年01月20日 | 寺社巡り-京都

【京都・上京区】鎌倉時代初期の承久三年(1221)、藤原秀衡の孫・義空上人が開創したもので、猫間中納言光隆の家卒・岸高により寄進を受けたこの地に小堂を建て、釈迦如来像と十弟子像を安置したのが起こり。 その後、倶舎宗、天台宗、真言宗の三宗霊場として堂塔伽藍を整えたが、室町時代の応仁の乱(1467~1677)などで焼失....その中で、安貞元年(1227)建立で洛中最古の木造建造物である本堂(釈迦堂)だけが奇跡的に残った。 真言宗智山派。 千本通りに近く、釈迦如来像を本尊とすることから、当時から「千本釈迦堂」の名で親しまれてきた。
境内には、夫の窮地を救って自害した本堂建築の大工の棟梁・高次の妻・おかめを供養する「おかめ塚」があり、夫婦円満・子孫繁栄の守り神とされている。

筋塀に囲まれた真っすぐな参道が山門を通して本堂の釈迦堂まで続き、釈迦堂まで整然と燈籠が立ち並ぶ。 灯籠の色を筋塀と同じにしたセンスが素晴らしく、それが落ち着いた雰囲気を醸し出しだしている。 
山門に立ち止まって古色蒼然たる佇まいの釈迦堂を眺める....応仁の乱の戦火や享保の大火に遭っても奇跡的に残った鎌倉時代の荘厳な遺構に、暫くの間見惚れていた。
境内の隅に「おかめ塚」があり、穏やかな顔のおかめ像と塔身の月輪いっぱいに力強い梵字が刻まれた宝篋印塔がひっそりと佇んでいるが、後で、釈迦堂造営にかかる悲しくも素晴らしいエピソードを詳しく知った。
 
5本の筋が入った筋塀に囲まれた参道と落ち着いた雰囲気の門前..本堂まで続く参道の脇に筋塀と同じ色彩の燈籠が整然と立ち並ぶ

切妻造本瓦葺の山門(薬医門)..「千本釈迦堂」の札が下がる

山門から眺めた境内と本堂の釈迦堂
 
本堂は鎌倉時代安貞元年(1227)建立..快慶の弟子行快作の釈迦如来像を祀る

入母屋造檜皮葺の本堂(釈迦堂)..洛中一古い建築とされる

応仁・文明の乱や享保の大火を逃れた鎌倉時代の代表的な遺構
 
質素な一間の向拝..正面は全て蔀戸、回縁は切目縁、軒下は二軒の平行垂木

本堂(釈迦堂)は現存する最古の仏堂遺構(国宝)

寄棟造本瓦葺の太子堂
 
太子堂は江戸時代寛文十一年(1671)解体縮小された御堂「旧北野経王堂願成就寺」の木材を用いて縮小復元された建物

太子堂の右前に「山名陸奥大守氏清之碑」が立つ

不動明王堂

稲荷大明神を祀る稲荷社..参道に立つ形と色が異なる3基の鳥居
 
一番手前の台輪鳥居の額束の位置に人字形割束のような飾り/参道中央におかれた「千度石」

「おかめ塚」の宝篋印塔とおかめ像..夫婦円満と子孫繁栄の守り神
  
おかめ像(本堂建築の大工の棟梁高次の妻)/宝篋印塔..塔身の月輪の梵字はバク(釈迦)かな/阿亀(おかめ)桜と呼ばれる枝垂桜

本堂を見守る笑顔の布袋尊像
コメント
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