爺の世間ばなし

思いつくままのお喋り

二十歳の春

2020年03月01日 | 日記
3月になると67年前の昭和28年3月、20歳の春を思い出してしまう。親が用意してくれた寝具一式、行李、蚊帳、炬燵、たらいと洗濯板を持って、親元から離れ下宿生活に入った月である。

小言を言う者もなく、自由気ままに寝る時間も惜しんで遊び転げる日々が始まった。ラジオもない部屋で楽しいことは何もない。当時の娯楽である映画、パチンコ、麻雀に明け暮れていた。

安月給の中から、好きだった映画(30円)の帰りに夜食のラーメン(30円)、勝ち目のないパチンコ店への投資、遊び仲間が増える度に金欠病、13円の銭湯代も事欠くこともあった。

掃除は箒で、洗濯はたらいで、暖房は炬燵、冷房は無し、家電製品は一切なし。自転車もないので何処へ遊びに出るにも専ら歩くだけだった5年間の生活は、懐かしいばかり、何の悔いもない。


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