この作曲家の名前を聞くと誰しも、有名な「バイオリン協奏曲 ホ短調」を思い浮かべることでしょう。今日は、メンデルスゾーンの生誕日です(1809年)。メンデルスゾーンほど幸せな作曲家はいなかった、といわれています。裕福な銀行家の家に生まれ、祖父は有名な哲学者、才能に溢れ、若いころから作曲を行っていました。名前の「フェリックス」は、「幸福な」という意味です。ただ、父の死、姉(ピアニストであり作曲家でもあった)の死に気力も萎え、40歳前に亡くなっています。こういうと「幸せな」はどうなのかと言われそうですが、彼の音楽は、幸福感に満ちた美しい旋律に満たされているというのは事実でしょう。イタリア旅行の印象から作曲した交響曲第4番「イタリア」はその第1楽章はとりわけ有名です。スコットランドへの旅行にヒントを得た、交響曲第3番「スコットランド」と「フィンガルの洞窟」も名曲です(この後者の曲を指してワーグナーは、「メンデルスゾーンは一流の風景画家だ」と述べています。)「真夏の夜の夢」の中の「結婚行進曲」は超が付くほど有名です。無言歌集の中の「春の歌」、これも有名で、幸せな気分溢れる名曲と思います。他にも室内楽曲、合唱曲など、聴くべき作品はたくさんあると思います。そういった作曲活動と共に、忘れてはならないことが一つあります。それは、大バッハの「マタイ受難曲」の蘇演です。その年、1829年はまさにバッハ「復活の年」といってもいいでしょう。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者に迎えられ、この楽団を一躍世界的なオーケストラにするなど演奏活動の面でも才能を発揮した。やはり、こういうと、メンデルスゾーンは「フェリックス」かな。