布団の中での密かな楽しみ。

地球温暖化が信じられないくらいに激寒い今日この頃，うちでは暖房を一切つけないので夜は僕の布団に
住猫が何匹もやってくる。

この間までは茶色いのといえばきなーくだったのだが，いつの間にか兄弟のしゅろりろと入れ替わり，年末年始はきなーくは夜すっかり姿をひそめ，気がつくとしゅろが布団の奥に入り込んでいる。

夜のお供の常連といえば甘えん坊のもぐちゃんだが，神経質なのでちょっと気に入らないことがあるとすぐに布団から出て行ってしまう。そのくせすぐに戻ってきて布団に入れてもらいたがって，僕の首筋あたりを引っかいてくる。そうすれば布団がどけられると思っているらしいが，無意味なだけでなく，むしろ迷惑である。一所懸命ひっかいても布団に入れそうにないので，もぐちゃんは「にゃあうぅ～」と高い声で不満げに鳴く。僕の耳元でやるものだから，かわいくもあり，やかましくもある。

さて，そんなこんなで布団の中に集まってきた猫たちを撫でてやろうとすると，僕の手と猫たちの体の間に静電気のショックが走る。特に猫の耳の先は尖っているので，うっかり手が触れると確実に「パチッ」といく。暗闇の中で青白い閃光がチラチラ見えるほどである。

この間，カー用品売り場で静電気除去グッズを買った。去年買ったものもまだ使っているが，自宅用と携帯用ということでもう一つ欲しかったのである。
古い方はオレンジ色のランプが光るタイプで，これは今時期，毎日着替えのときに光らせて楽しんでいる。
一方，新しい方は古い方が明るく光るときと同じ条件でも光っているようには見えない。
そこで，静電気の巣窟である僕の寝床へ持ち込むことにした。

すると，部屋の照明を消して布団の中にもぐりこみ，新しく買った静電気除去ランプを毛布に近づけると，蛍の光のような青白いほのかな光がちらついた。あちこちに動かしてみると，ランプがついたり消えたりと，移動に応じて不規則に明るさが変化する。なんだか仰向けになって星空を眺めているような気分になった。まるで小さなプラネタリウムにいるみたいで妙にわくわくする。