goo blog サービス終了のお知らせ 

英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

講師の資質

2011-04-09 | レッスン風景
先日東京から知人がやってきたので、名古屋名物の「ひつまぶし」をご馳走しようと、おいしい鰻屋さんに行きました。

 いつも満員なので予約をして行ったのですが、入り口はいって名前を告げて部屋に案内される時に、案内してくれた若い女性が「的馬先生ですよね?」と言ったので、びっくりしました

 「先生、私です 」とにっこり笑ってくれたのですが、全然誰だかわからない

 「ごめんね、誰だっけ」と冷や汗をかきながら顔を覗きこんだどころ、「私、○○幼稚園からずっと教えてもらった○○ルミです。」とまたまたにっこり

 「あー 思い出した ルミちゃん 全然わかんなかった

 中学校1年生以来だもの、背は伸びてるし、お化粧してきれいだし、髪の色は変わってるし・・・・・わからないはずだわ。 

 でも彼女とは9年のお付き合いでしたから、名前は絶対に忘れません。高校に入ってからも携帯のメルアドを送ってくれたりしていました。

 私       「今、なにやってるの?」
 ルミちゃん  「4月から大学2年です。○○外大に行ってます 

という具合に東京の知人をそっちのけで、同級生の誰がどうなったのだの、話に花が咲きました。

  今回は名前がちゃんと思い出せましたが、実は私、人の名前を覚えるのがとーっても苦手です。洋画の俳優の名前はすぐ覚えるのですが、生徒の名前はどうしてだか覚えるのに時間がかかります。

 今教えている生徒の中にも、セイナちゃん、サイナちゃん、サアヤちゃん、という女の子がいますが、このうち2人は同じクラスで、このうち2人は姉妹です。それでこの3人がいつも混乱します。

 長い付き合いだし今さら名札を見るのも気がひけるし、だけどまちがえちゃいかん と思うと、名前につまって、じーっとその子の顔を見ることになるんですが、最近はそうすると彼女の方から 「センセ、私はセイナだよ 」とにっこり笑って教えてくれるーう~ なんて優しいんでしょう。

 とはいえ、この名前を覚えられないというのは「講師」としては失格です。「生徒の名前を呼んで笑顔で褒める」ことがとても重要だからです。新学期はそれで少し緊張するのですが、こっそりとレッスン前に生徒の名前の復習をするようにしています。

 そしてもうひとつ「講師の資質」として大事なのが「ユーモアのセンス」ではないでしょうか。これはひょっとして講師に限ったことではないかもしれませんが、'Sense of humor'がある人は人気がありますね。

 私もレッスンでどれだけ自分の生徒が声を出して笑ったか、ということをひとつのバロメーターにしています。というのは、楽しいほどに学習は効果的だからです。

 もちろん講師が楽しくなくては生徒を楽しませることはできません。だから子どもたちを取り巻く状況にもアンテナをはって情報を入手するようにしています。

 今日も楽しいレッスンをしてきました。みんなでゲラゲラ笑いました 
 来週も笑顔でレッスンしたいです。

ハードルを下げてー褒めることの大切さ

2011-02-27 | レッスン風景
ある小学生クラスでジャーナルを書いています。

 ジャーナルというのは与えられた題について書くものです。

 その日の題は「どういう時にお母さんに褒められたか?」でした。宿題として書いてくるはずでした。

 ある男の子のジャーナルを見ると白紙です。「どうしたの?」と聞くと「書けなかった」

 「どんな時に褒められた?」と聞くと頭をかかえながら「お母さんに褒められたことがない」というのです。

 驚きました  いやーそんなはずないでしょう。

 5分くらいたって聞いてみても「わからない」とのこと。これは大変!と思って、レッスン後にお母さんにたずねると、

 「そういえば、あんまり褒めた記憶がないわ」

 そこで懇談会でこの話をほかのお母様としたところ、「あら、うちもだわ」とか「あー確かに、できて当たり前と思っちゃう」「そんなこともできないの?」と言ってしまう、などなど意見がでました。

 やっぱり


 実は私にも経験があります。長男は最初の子でしたので、それなりに期待も高く、ある意味「できて当たり前」と思うところもありました。ある日彼が「ボクは母さんにあんまり褒めてもらえない」と言うのを聞いて愕然としました 

 そうだっけ?と思いながら、いろいろ考えてみると明らかに次男と差がありました。次男は二人目なので、もともとあまり期待もなく、どんな小さいことー例えば、朝ひとりで自分で起きてくるとか、弁当箱を催促されなくても自分で出して洗うとか、彼が自分でできると、

 「すごーい」 「やるなあ」という言葉が出ていました。あまり言い過ぎるので、中学生になった頃は「母さん、ぼくを馬鹿にしてるの?」とか「あのさあ、それできて普通、あんまり言うと親ばかだと思われるよ」と言われたくらいです。

 この差はどこにあるのかというと、親の設定する「ハードルの高さ」だと思います。

 親が自分の期待に合わせてハードルを勝手に設定するため、それに子どもは影響されます。

 ハードルが高いと「褒めてもらえない」 低いと「褒めてもらえる」ということになるわけです。

 では、どちらが子どもの力を伸ばすのか?

 当然、後者でしょう。子どものモティベーションを高めるのは「褒められる」ことが一番大事です。私たち大人だって褒められれば嬉しいはずです。

 私たち講師はどんな小さいことも褒めますが、毎日一緒に生活している親にとって、これは意識しないとできないことでしょう。だから裏を返せば、親に褒められるということは、子どもにとって「最高の喜び」になるわけです。

 お父さんが認めてくれている、お母さんが認めてくれているーこれが子どもの自信につながるわけです。

 欧米文化では親が子どものことをよくこういいます。

 'I'm proud of him/her.' (私は彼/彼女のことを誇りに思っている)

 最初にこの言葉を聞いた時、正直に心を打たれました。素晴らしい言葉だと思います。'I'm proud of you'と言われた子どもは揺るぎない自信をもち、自分の能力を開かせていくことでしょう。

 子どもはいてくれるだけで、その存在だけでも親にとっては至上の喜びです。

 その存在に感謝して、どうかお父さん、お母さん、期待の「ハードル」をちょこっとだけ下げて、お子さんを褒めてください。

 そうすればきっと子どもたちはもっと力を伸ばしていきます 

 

 

クリスマスに伝えたいこと

2010-12-14 | レッスン風景
12月はクリスマス月間 各教室でクリスマスをテーマにレッスン参観日を設けていて、保護者の方も一緒にクリスマスのアクティビティを楽しんでいただいています。

 もともと「クリスマス」というのはキリストの降誕を記念する祝日であって、キリストの誕生日はいまだに不明です。また「サンタクロース」は4世紀に存在した聖ニコラウスがモデルとなっています。この聖ニコラウスは貧しい人に金貨与えて救ったりしたという伝説があり、オランダ語の「シンタクラース」が「サンタクロース」になったといわれています。



 レッスンで子どもたちに「クリスマスってなあに?」と聞くと、

 「プレゼントをもらう日」 
 「ごちそうを食べる日」

などと答えが返ってきて、びっくりすることがあります 

 確かに、日本は宗教的に違うのと、商業ベースに塗り替えられてしまっているのかもしれませんが、本来、クリスマスは「他者を思いやる日」であってほしいと思っています。

 私のスクールのクリスマス参観日には「プレゼント交換」が最後にあります。

 前もって、くじでプレゼントを渡す相手を決め、その人は何が喜ぶだろうか?と考えて、プレゼントを用意してもらいます。ですから、子どもたちはくじを引く日が待ち遠しく、「先生、今日くじの日だよね?」「わーどきどきしちゃう」「今年は誰かなあ?」と興奮気味です。

 そして当日は用意したプレゼントを 'Merry Christmas! This is for you.'と言って渡すのです。その時の子どもたちの顔は輝いています 

 我が家も息子たちが幼児の頃はサンタがプレゼントを持ってきましたが、「サンタはいない」と認識してからは家族でプレゼント交換しています。息子たちからプレゼントされた「肩たたき券」や「トイレ掃除券」、あるいはおこずかいを貯めて買ってくれた靴下などは今でも私の宝物です

 クリスマスは子どもたちだけがプレゼントをもらう日ではなく、はたまた、「クリスマスケーキを食べる日」でもなく、大好きな人・大切な人たちのことを想いながら楽しむ日であってほしいなあ、と思います。
 
 みなさんも'The Night Before Christmas'の絵本や「賢者の贈り物 'The Gift of Magi'」のお話を読みながら、クリスマスって何かな?とお子さんとお話してみてください。

Show and Tell の効果

2010-12-03 | レッスン風景
来週はオープンクラス(授業参観日)なので今日はクラスで Show & Tell のリハーサルをしました。

私の小学3年生のクラスには10名の生徒がいます。ほとんどの子が年中さんから一緒なので、まちがえたって平気 とにかく英語を声に出そうと励ましてきました。

 Show and Tell はアメリカの小学校でも朝の会によく行われていて、例えば、自分のペットなどを持ってきて、みんなの前でそれを披露しながら簡単なスピーチをします。小さい頃からおこなうことによって、みんなの前で発表する力をつけていきます。

 私のスクールではこの Show & Tell を幼児クラスからおこなっていますが、この3年生クラスの目標は、自分のことについて短いスピーチができることです。

 4月は 'Hi, my name is ______________.'(とニッコリする)
5月は 'I'm ____ years old. ' と続き、
 学年、学校名、家族やペットなどについて文を増やしてきています。
 もちろん毎月それらの文を暗記していきます。

 今月は12月なので 'I want _______ for Christmas.' でした。

 すでに文は10個になりました。これをみんなの前で発表します。

 「じゃあ、今から3分あげるから、できる子は全部覚えてね」と英語で指示を出しますと、「えー、できるかなあ」「やってみよ 」と各自ぶつぶつと練習し始めました。

 結果、ほとんどの子がつっかえることもなく上手に発表しました。この年齢から集中力が高まりますが、彼らの力がどんどん伸びているのが手にとるようにわかります。

 そして、また表現力も磨かれていきます。小さい頃は恥ずかしくてもじもじしていたり、ほとんど声が聞こえない子、下ばかり向いていたり、身体をくねらせていた子もいましたが、当たり前のようにこの Show and Tell を繰り替えしていると、聴衆へのアイコンタクトもとれるようになりますし、笑顔で言う力ついてきます。声も段々大きくなってきます。

 また'Who's next?' (次やりたい人は?)と聞くと、さっさっと手が挙がるようになってきます。積極性も高まってきます。

 以前、あるお母さまに、
「うちの子は恥ずかしがりやなんですが、学校でも手があげれるようになってきました。」と聞いて嬉しくなったことがあります。

 積み重ねの力、継続の力ってすごいなあ、と実感します。

 人前で発表することに快感を感じて、さらに力を伸ばしてほしいと願っています。



継続の力

2010-11-23 | レッスン風景
私のスクールでは小学校クラスから絵本の音読を行っています。2月には全クラスから代表が集まってファイナルコンテストが開かれるのですが、今月は各クラスでリーディングチェックとクラスコンテストを開いています。

 先日、あるクラスを見学に行ったところ、小学校2年生の男の子が表現力豊かに堂々と上手に絵本を読んでいました。よくよくその子を見ると、幼児期、ほとんど声を発しなかった子であることを思い出し、非常に驚きました。

 実は同じような経験があります。

 私のクラスにSくんという男の子がいました。3月生まれで身体も小さく、年中さんから私のクラスに入ってきたのですが、ちょっとしたことで泣いてしまうし、みんなが歌っている時もかすかに口を動かす程度。質問するとわずかに首を振って意思表示をします。

 「いったいこの子はどんな声をしているんだろう」と思ったものです。

 それでも年中・年長と二年通ってきてくれました。小学校にあがる時になってお母さまから相談を受けました。

 「先生、このまま続けていても大丈夫でしょうか?何にも学んでいないようで不安なんです。英語はもうやめたほうがいいでしょうか。」

 確かに私も不安がありました。でもクラスの中では私の言うことを聴いているし、私が英語で言っていることも理解している。Sくんの力を信じたかったのでこう言いました。

 「お母さん、あと半年、待ってください。小学校から内容も変わります。Sくんの力を信じたいです」

 お母さまは「わかりました、先生にお任せします。」とおっしゃられました。

 そしてその後小学生になったSくんは絵本の音読でめきめき力を発揮しました。それまで溜め込んでいた音を一揆に吐き出しているようでした。発音もいいですし、絵本を渡すともう次の週にはそこそこ読めるようになってレッスンにやってきます。

 これには驚きました

 Sくんのなかでカチッと音をたてて何かスイッチがはいったようでした。

 クラスメートも「Sくん、すごーい」と毎回、尊敬のまなざしで見ます。そしておそらくそれがSくんの自信に繋がったのでしょう。小学校では、発言も増え、手をあげて学級委員になったりして活躍し、お母さまも喜ばれていました。

 そのSくん、今は高校の進学校に元気に通っています。中学時代、英語はずっとトップだったそうです。高校の合格知らせを受けた時、お母さまがおっしゃられました。

 「先生、あの時、ほんとにやめなくてよかったわ」

 子どもの学習過程では英語に限らず、必ず波があります。波は大きい時もあるし小さい時もある。小さいからといって、そこでやめてしまうと、次の大きな波を経験することができません。

 ましてや「一生懸命やらないならお金がもったいないからやめるよ」なーんて、子どもを脅迫しないでください 全く効果がないばかりか、やる気を失います。何かやり始めたら、親は先行投資だと思って腹を据えましょう。

 大切なのはゴールを定めたら、親がぶれないこと。

 子どもの力を信じて、続けていけるように励ましサポートすることだと思います。