楽しみ
どんな世界に住んでいても、そこにはそこの楽しみがある。楽しみを作り出すというのが人間の世界だとある人がいった。苦しい世界でのたうち回るだけでなく、その苦しい世界に一筋の光明を見いだして、それを楽しみに転換していく能力があるとは、人間はやはりすばらしい。人間には輝かしい未来がある。夢がある。私はそれを信じる。
事実、現象、現実をそのまま模写するのではなくそれをいかに昇華して芸術作品にまで高めるか、それが芸術家の仕事である。従って、芸術家にはある種の強烈な価値観が必要である。それはヒューマニズムでもよい。真でも、美でも、善の追求でもよい。芸術の追究も詰まるところ人間が見いだした楽しみに一種である。