かずの里山ハイク

山や花、日常の出来事などの気まぐれブログ

福智山

2008年02月05日 | 追憶の山

1976年3月16日 天候 晴れ 参加者14名 走行200km 会費1200円
コースタイム
小郡(6:40)→門司(8:00~8:10)→福智水源地(9:30~9:50)→七重の滝入口(10:15~10:20)→一の滝(10:30)→大滝(10:50)→山瀬(11:15)→豊前越(11:35~11:50)→福智山頂(12:35~14:25)→五合目(15:00~15:10)→福智水源地(16:30~16:40)→門司(17:35~17:50)→小郡(18:50~19:00 解散)
定刻集合もすっかり板に付き、6:40に出発!まだ見ぬ福智の山頂に思いをはせて車を走らす。少しまわり道もしながら福智水源地に車を止め、山頂を仰ぎ見ながら春き始める。道が交差しているところに案内板があり、そこよりルートを右にとり七重の滝入口に出る。清流を右に見ながら広い平坦な道を行くと七重の滝が始まる。そこからは滝、高巻きの連続で沢好きの私にとっては絶好のコース、滝には形により色んな名前が付けてある。思索の広場という場所もあり、雰囲気が良い。

このルートのハイライトは大滝、そこには虹もかかってグッドな感じだった。この滝を抜けると平坦な道となり、ゆるやかな流れが続く。しばらくいくとてっぺん広場という山の中のオアシスという感じのところに出る。ここはテン場にも良さそうで3~4張は設営可能。もうすぐ尾根に出るところだが道標に従いきれいな滝つぼの前を渡る。
しばらく山瀬までは沢を左に見ながら歩き、平坦な道が続く。山瀬に着くと立派な道標がありルートを左にとる(このルートは道標が完備しているので見落とさなければ迷うことはない)。

山瀬から少し歩くと杉のうっそうと茂る木立の中をくぐり抜け、水量の少ない枝沢を詰めることになる。このあたりは人の手も加えられておらず、自然がそのまま残っている。もっと荒れていると思っていたが予想外だった。また、皆の体調も少し汗ばむ程度で時折、沢を抜ける陽春の風が気持ち良く、快適だったらしい。段々と水量が少なくなり、沢が枯れてくると急坂になる。一気に登り切ると尾根に出る。豊前越である。ここからは尾根道なので大休止とする。冗談を言いながら軽口をたたいていると、尺岳から福智山へと向う縦走パーティが次々と通り過ぎていく。どの顔も元気一杯、先ほどまでの静寂?ムードは一変し、にぎやかになった。今回初参加のN氏はニコンでニコニコ顔を撮りまくる。きっと名作が出来上がるだろう。

SLが出発2分前を告げるとM、T、M´、Aの4名を除きすぐに出発する。取り残された4名はあぜんとして後を追いかける。ここからはプロムナードコース、交通量?も多いため、山道というよりも歩道である。山口近郊の山でもこのような縦走路があればいいなあと思う。振り返ると尺岳のピークが望まれ、一路福知山頂へと向う。ピークが近付くにつれ堂々とした秀麗な山容が眼前に迫ってくる。登山口で見た彼女?の姿は十種ヶ峰程度に写ったのであるが、近づいてみると実に堂々としている。山は自分の足で踏んでみないと語れないものだなと実感する。

カラス落としに着くと内ガ磯からのルートと出合い、急坂の直登になる。立派な山小屋(30人宿泊可、湧水あり)の側を通り、巨岩の露出したクマ笹の草原の中をいくと目指す福智山頂に着いた(クマ笹の丈は十種ヶ峰のものより長い)。
山頂からの展望は360°北には周防灘、響灘の海が広がり、遠く皿倉山、帆柱山のピークが望まれる。また南には英彦山、犬ヶ岳、東には平尾台のカルスト台地も確認できる。

登頂を祝ってY氏はイモショウチュウ、Y´氏はタヌキを出して祝杯を上げる。S氏はどこでみつけたのか雪をコッフェル一杯に詰めてくる。アラスカの雪を空輸したという説も?かくしてタヌキのオンザスノーの出来上がり。OHCの恒例としてどんな料理もタヌキベースになるらしい。昼食に作ったラーメン風山賊ごった煮もタヌキを少々という始末。

山ならではの豪華な料理?をおいしく頂き、食欲をなんとか満たすと次はゲーム、歌の時間でM氏の指揮の元に福智山雑音合唱団が大声を張り上げる。中には乗りすぎてアルペンダンスを繰り出す人も!山の神もさぞ迷惑がられたであろう。歌うのは山口県民の歌etc・・・・。山口県の歌を小さく歌えばいいものをわざと大きくしたり・・・とくかく楽しい一時を過ごした(福岡県民の皆様・・ごめんなさい。見逃して下さい!)。

復路はピークより東南にルートを取り、歌いながらの下山になった。少し下り肩の地点で左のススキの中の小道に入る。右に英彦山、犬ヶ岳を見て、左には先ほどの福智山のピークを見ながら進むと樹林帯になり、単調な下りとなる。途中五合目の道標を見つけると小休止とする。ここよりルートを左に取り、沢づたいに約50mも下ると、また山道になる。さらに進むと小さな滝に出合い、丸木橋を渡り、ここで食器を洗うと共にリンゴが配られる。おいしかったね!

ここからは平坦道となり、杉の木立の中を進む。しばらく歩くと今朝の道の分岐に出る。朝とは反対側の道を水源地を右に見ながら歩き、振り返ると福智山のピークを望むことができる。全員良く歩いたなと実感する瞬間でもあった。福智山は朝感じたものより、内容もあり素晴らしい山だった。それは皆が体で感じたものと思います。
(18:50全員無事に小郡に到着、お疲れさんでした。また山に!)

後日談:この山行からもう30数年も福智山には登っていない。山の様子も変わっているだろうが、また近いうちに同じコースを登ってみたいと思っている。当時、グループ登山では昼食後やキャンプファイヤー、天幕内で合唱が定番だった。数年前、現在所属している会の例会で同じようなことを目論んだが・・大失敗に終わった。やはり青春譜のひとつとして胸にしまい込んでいた方が良さそう。

ところで今日、恐羅漢山頂に向かって歩いて行き、連絡の取れなかった7名のグループが全員無事に見つかり救出されたとの報道があった。

下手に動かず、廃屋で焚き火にあたりながら体力を温存し、天候の回復を待って下山したことが、大事に至らなかった主要因だろう。

山頂付近は新雪50cmを含め2mぐらいの積雪だったとのこと。これぐらい積もればまともには行動出来なかっただろう。

「雪の多いところで楽しもうといった安易な気持ちで行動し、山を甘く見ていた」とは当事者の弁。最近バックカントリーを楽しもうと軽装で山に入る人も多いらしい。

自然の猛威の中で人はあまりに無力、それなりの準備も必要だし、天候悪化の兆しがあれば早めに撤退するなど畏敬の気持を忘れてはいけないと思った。

自身、冬山の怖さや大変さは少し経験もしている。本格的な冬山や岩登りは気力、体力及び技術面で到底無理なことも自覚している。これからも無理をせずに楽しみたいと思う。