おおきく おおーきく なりたいな (わくわく世界の絵本)アナベラ ハートマン小峰書店このアイテムの詳細を見る |
今回読んだ2冊の本は、当初は意識していなかったのだが、身体の大きさを巡る二つのお話であった。
最初の『おおきく おおーきく なりたいな 』は、子どもの成長にとって、とても大切な自己肯定感に関するものであった。現代の子どもは、自己肯定感の喪失という危機を迎えている。※関係ないことであるが、一時代前に「現代っ子」という言葉が流行したことがあった。
ある王国の生まれた王子様は、生まれつき、とても体が小さかった。カール君という王子様の身体は、大きなチーズを3つ積み重ねたよりも小さかったというのだから、周りの世界はどんなに大きく感じられただろう。当然のように、王子様は、おおーきくなりたかった。3歳の誕生日のプレゼントには、すごーく大きなおもちゃが欲しかった。王様に池のように大きな船が欲しいといった。でも、ダメだって。次に木のように大きな三輪車が欲しい言った。これもダメだって。とうとう怒りだして、お城ほどの大きさのゾウが欲しいと言いだした。
その晩、夜中に目が覚めたカール君は、不思議な感じがしながらいお城のドアを開けてみた。誰もが寝静まった夜のこと、そこで城よりも大きなゾウにであった。アーキーという名前だった。かくれんぼをしても、隠れたお城から体がはみ出してしまう。その晩は、ずっとアーキーと遊んだ。そして、すっかり疲れ果ててベッドに寝込んでしまった。何と不思議な誕生日だったのだろうか。
翌朝、王様に、つまりはお父さんに、アーキーの事を話した。でも、夢でも見たのだろうと信じてくれなかった。
それからもらったプレゼントは、何と、カール君と同じように小さな体のゾウであった。ゾウは、カール君を見て、にっこりと笑った。
もう、体が大きくなりたいとは思わなかった。アーキーは、カール君と同に小さかったんですから。カール君は、そのままの自分が幸せだと思えました。