トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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体の大きさに関する2冊の絵本②/『リックとリック』

2010-06-26 01:30:41 | 絵本・児童文学
リックとリック
エリック・バトゥー
ほるぷ出版

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 次の絵本のキーワードは、「和解」かもしれない。世界中で今でも紛争が絶えない現実。内戦が終わったアフリカのルワンダは、今、ツチ族とフツ族の間でかつての憎しみを乗り越えて国の再建をしようとしている。今、サッカーで盛り上がっている南アフリカ共和国も、かつてのアパルトヘイト政策を乗り越えようと、和解委員会を作っている。

 でも、アフガニスタン、イラクをはじめ、未だ、戦争や紛争状態の国が少なくない。わが国も、今年日韓併合100年の年に、和解ということの重要性は変わらない。

 物語は、大男の国と小人の国をめぐるお話である。広大な土地に二つの種族は、にらみ合って生活していた。お互いを理解しようともしないで、悪口を言い合っていた。
 運命のいたずらなのだろうか。大男の国に、とても体の小さなリックが生まれた。リックが、大男の国で暮らすのはとても困難な事であった。
 小人の国にも、大きな子どもが生まれた。やはり、リックという名前だった。大きな体のリックが小人の国で暮らすのも困難な事であった。

 ある秋の日のこと、生きづらい思いをして一人ぼっちの二人のリックが、それぞれの国から、国境に向かって歩いていた。無意識の自分探しの旅だったのかもしれない。雨が降り出した国境で、二人は出会った。そこで、帽子を好感して、自分の国とは逆の国にそれぞれ目指した。

 たどり着いた国は、二人のリックにとっては、ある意味で住みやすい国であった。そこの国の人々も、新しいリックを受け入れてくれた。
 でも、二人のリックは、生まれた国のように振る舞うことがあった。それは、新しい国の人々には、とても変わった振る舞いに思えた。でも、決して深いなものではなく、好意すら覚えることができるものであった。
 やがて、二人のリックには、恋人ができた。その時、彼女を伴ったそれぞれのリックは、国境目指して歩きだした……。

 さて、この後のお話の展開のカギも「和解」という言葉かも知れません。

体の大きさに関する2つの絵本①/「おおきく おおーきく なりたいな 』

2010-06-26 01:30:07 | 絵本・児童文学
おおきく おおーきく なりたいな (わくわく世界の絵本)
アナベラ ハートマン
小峰書店

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 今回読んだ2冊の本は、当初は意識していなかったのだが、身体の大きさを巡る二つのお話であった。
 最初の『おおきく おおーきく なりたいな 』は、子どもの成長にとって、とても大切な自己肯定感に関するものであった。現代の子どもは、自己肯定感の喪失という危機を迎えている。※関係ないことであるが、一時代前に「現代っ子」という言葉が流行したことがあった。

 ある王国の生まれた王子様は、生まれつき、とても体が小さかった。カール君という王子様の身体は、大きなチーズを3つ積み重ねたよりも小さかったというのだから、周りの世界はどんなに大きく感じられただろう。当然のように、王子様は、おおーきくなりたかった。3歳の誕生日のプレゼントには、すごーく大きなおもちゃが欲しかった。王様に池のように大きな船が欲しいといった。でも、ダメだって。次に木のように大きな三輪車が欲しい言った。これもダメだって。とうとう怒りだして、お城ほどの大きさのゾウが欲しいと言いだした。
 その晩、夜中に目が覚めたカール君は、不思議な感じがしながらいお城のドアを開けてみた。誰もが寝静まった夜のこと、そこで城よりも大きなゾウにであった。アーキーという名前だった。かくれんぼをしても、隠れたお城から体がはみ出してしまう。その晩は、ずっとアーキーと遊んだ。そして、すっかり疲れ果ててベッドに寝込んでしまった。何と不思議な誕生日だったのだろうか。

 翌朝、王様に、つまりはお父さんに、アーキーの事を話した。でも、夢でも見たのだろうと信じてくれなかった。
 それからもらったプレゼントは、何と、カール君と同じように小さな体のゾウであった。ゾウは、カール君を見て、にっこりと笑った。

 もう、体が大きくなりたいとは思わなかった。アーキーは、カール君と同に小さかったんですから。カール君は、そのままの自分が幸せだと思えました。