トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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自分探しの旅②/絵本『はちぞうのぼうけん』

2010-06-01 01:39:12 | 絵本・児童文学
はちぞうのぼうけん
葉 祥明,室生 あゆみ
朝日学生新聞社

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 とても不思議な青い夜明けの朝に、空から光が降り注いだ。その時、たった一つ残っていたハチドリの卵がかえった。生まれたのは「はちぞう」。ゾウの姿をしているが、羽が生えている。食べ物は、花の蜜。
 最初は、自分のことをハチドリだと思っていたが、やがて、本当の自分が誰なのかを知るために、たった一人で自分探しの旅に出ていく。心の中に、時々、母親のような声が聞こえてくる。
 旅の先々で出会うのは、絶滅危惧種の生き物たち。小さなはちぞうは、身体とは違って勇敢であった。また、心優しかった。消え入りそうな命の仲間たちの怒りを受けとめ、彼らの声を聴き、しっかりと心に刻んで、世の中に伝えようとした。最初は、敵意を持っていた生き物たちも、はちぞうの気持ちに打たれて、彼に自分たちの思いを託すのであった。
 この絵本の巻末には、絶滅危惧種の動物たちが紹介されている。その中には青い地球も含まれたいた。

 今年は、世界生物多様性年である。この地球上に生きている、仲間である生き物のことをもっともっと考える上で、この絵本が意味のある存在である。

 はちぞうの自分探しの旅は、しっかりと成功する。そして、彼は、自分の氏名すら感じることになる。
 彼の旅の途中で出会った、明日はもうこの世界にいないかもしれない生き物たちと、彼の正体は、是非、この絵本を読んで、はちぞうと一緒に旅をしながら発見してもらいたい。かけがえのない地球と、その上に暮らす仲間たちの思いを読者として、また、地球の仲間の一員として受け止めてもらいたい。

自分探しの旅①/絵本『ぼくはことり』

2010-06-01 01:28:31 | 絵本・児童文学
ぼくはことり
クリスチャン メルベイユ
セーラー出版

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 木の上にある巣に住んでいることりが、自分の生活にうんざりして、自分に相応しい生き方を求めて、木をそろりそろりと地上へと降りていった。最初にその様子を見ていたネズミの家を訪れる。しかし、そこは、ことりにとって満足できるものではなかった。次に会ったあひるも、自分が泳げない存在であることを思い知らされただけであった。同じようが姿をしていても、自分とは違うようにしか思えない。すっかり疲れ果てたことりは、これから先どうしようかと考えてしまう。
 その時、犬の鳴く声に誘われて犬の所に行く。しかし、猫を追いかける犬、追いかけられる犬を見て、身の危険を感じて、慌ててその場を去ろうとする。その時、自分は空を飛んでいた。そう、ことりが飛べるようになったのだ。
 ことりはことり、自分の居場所をやっと見つけることができた。

 自分は何者だろう、自分に相応しい場所はどこだろう、自己肯定感にかける子ども達が増えているという。
 まずは、自分の目で、自分の耳で、自分の体全部を使って、そして、頭と感情で持って考えてみることが必要だというメッセージなのだろう。
 「跳べたらほんこ」という言葉を思い出した。

肝臓病への障害者手帳交付―厳しすぎる適用基準/気になるニュース

2010-06-01 01:03:38 | 病気


 B型肝炎訴訟の原告団と行政との話し合いも進んでいないようだ。国の冷たい態度と、難病対策の無策を嘆いても仕方がない。できる範囲で、国に対して患者の声を伝え続ける必要があるようだ。

 障害者手帳の交付の対象に、今年の4月以降、肝臓病患者が含まれるというニュースを聴いた時は、朗報だと思った。多額の医療費を払わなくてはいけない患者の厳しい立場が、手帳の交付により緩和されると思ったからだ。交通費の割引や、税法上の障害者控除などをはじめとした、各種公的サービスを受けることができるからだ。
 しかし、現実は、制度ができても、その制度を受けるための認定基準が厳しすぎるために、障害者手帳の申請をした多くの患者が、交付を拒否され支援の体制の外に置かれている。

 5月31日付の「しんぶん赤旗」で、こうした事情が紹介されていた。その記事を読むまで、患者の厳しい状況を知ることがなかった。

 記事の中では、肝臓病治療のために、医療費が負担が年20万円にも上り、生活を圧迫されている東京都在住の患者の苦境が紹介されていた。この58歳の男性は、現在働くこともできず、病歴は15年で、現在は腹水が溜まり、脾臓も腫れているという。10か所以上の食道静脈瘤の手術を受けている。
 今年3月に役所に手帳の申請に行ったところ、病状の指標とされている認定基準に数値が足りないために、交付の対象外とされた。

 札幌のある病院の医師の話として、北海道での調査の結果、4月末までに認定された患者は、推定約200人であるという。この数字は、北海道の肝臓病患者総数約3万人のうち、0.5%にしか過ぎないそうだ。

 同医師の話では、交付の対象となる患者は、肝移植を受けた患者とか余命1,2年の重症の患者しか対象とならないとのことである。

 患者の切実な希望に応えるような国の早急な改善を、患者団体も望んでいることも記事に載っていた。

 政治とは、誰のための行われるか、今の政権にも、その原点を見直してほしいものである。制度があっても、実際には必要とする人たちの多くが適用されないのは、大いに問題があるのである。