抗うつ薬「パキシル」など(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)の副作用が疑われる症例が相次いだ問題で、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会は8日、服用により他人への攻撃性が増したり、激高したりする場合があることを添付文書に盛り込み、医師や患者に注意喚起することを決めた。
今日のNHK,クローズアップ現代は、今問題になっている抗うつ薬SSRI(製品名はパキシル・ルボックス・デプロメール・ジェイゾロフト・。トレドミンなど)の他人への攻撃性などの副作用に関する内容であった。2000年に使用できるようになってから、安易に使用されるようになったのではないかとの指摘があった。(パキシルは、国内の市場のSSRIの約半分を占めていて、発売以後、推定100万人超が使用している。)
我が国で、裁判上SSRIの因果関係が認められたのは、4年前に判決が確定した1998年に起こった全日空機ハイジャック事件であった。この時に20代の男性が機長を刺殺したことに対して、SSRI服用との因果関係を認め、死刑の求刑に対して無期懲役の判決が下りた。この件を含めて、因果関係が認められた件数は4件に過ぎないが、厚生労働省は、服用により他人への攻撃性が増したり、激高したりする場合があることを添付文書に盛り込み、医師や患者・家族に注意喚起することを命じている。また、医療問題に取り組む弁護士を中心としたグループが刑事事件の当事者に対するSSRIの服用の全国調査が始まっている。
うつ病に有用なSSRIに関する副作用が問題となるのは、精神科医の技量不足と、誤った使用量が大きな原因となっている。
番組では、20代の女性の例が紹介されている。4年前にあるクリニックでうつ病と診察され、SSRIの服用が始まった。家庭内でも攻撃性が増し、主治医は薬を増量、その2週間後に、近所のコンビニで持参の包丁を使い20万円を強盗。裁判上で、SSRIの影響が認められ、犯行時の心神耗弱状態が認められ執行猶予判決を受けた。彼女の場合は、医師による安易な薬物使用と、誤った使用法・および増量が原因であった。このように、薬の有用性にばかり目が行って、その使い方に注意を払わない医師がいるのも現実である。増量の前に、薬を止めている時期もあったが、徐々に減らすべきところを、いっぺんに中止している。
もう1例の紹介例は、40代の男性で、うつと診断後SSRIを服用中に、小言を言った妻に対して、駅のホームで暴力を振るい、妻は20針も縫う全治1カ月の頭部の傷害を受けた。後に、男性の病気がうつとそうをくり返す躁うつ病(双極性傷害Ⅰ型)であることが別の医師の診断で判明した。この病気の処方には、本来は気分安定薬を使うのが原則で、SSRIを使用すると、気分の波を大きくして躁状態の時に危険な行為をするリスクが高まる。原因は、最初に診た医師の誤診であった。
今回の副作用の問題で、うつ病の治療法の見直しも検討の時期に入っている。日本うつ病学会も、薬の使用に精通し、他の治療法にも対処できる専門医の養成に力を入れようとしている。
なお、SSRIが何故一部の患者に攻撃性を高めるのか、原因は特定できていない。
うつ病の治療に、心理療法を試み、極力、薬の処方を最低限にして効果をあげている医療機関もある。しかし、今の診療報酬体系では、医師が患者の話を聴くことに時間をかけても、100円くらいの報酬しか得ることができない。そのため、その期間では、臨床心理士。精神保健福祉士・栄養士・看護師等のスタッフ全体で患者の話をかわるがわる効いて、様子を診ることが試みられている。その結果、よそでうつ病と診断されていた患者が、躁うつ病であることが判明することができた。そんな例も挙げられていた。
イギリスにおけるケンブリッジ大などの共同研究で、1年後の再発率を調査したところ、抗うつ薬のみでは44%、抗うつ薬と心理療法(認知行動療法に寄る)を併用した場合には27%と、薬と心理面でのアプローチの併用の効果が示された。
SSRIの副作用は、アメリカにおいては、マイケル・ムーア監督が映画に取り上げたこともある、1999年4月に起きたコロンバイン高校銃乱射事件で、犯人の1人が事件直前にSSRIを大量に服用していることが判明している。その後も、攻撃性を疑わせる症例が続いたことから、アメリカ政府は2004年に薬の注意文書に攻撃性が現れた症例があることを明記させるようになった。日本の対応は遅れた。医薬情報の患者・家族からの厚労省等への報告などを、IT化により制度化することが求められる。
SSRIは、病気に有効なので、患者が勝手に服薬を中止することは危険である。疑問がある時は、医師の相談し、それでも不安のある場合は、他の医師にセカンドオピニオンを求めることを番組では強調していた。あくまでも、患者の勝手な行動は慎まなければならない。また、医師の技量にもばらつきがあることが番組を通して理解できた。うつ病が誰でもかかりうる病気である現代、こうした情報をテレビで提供する意義は大きかった。
厚労省などには今春までに、攻撃性などの副作用報告が268件あった。うち実際に他傷行為などに至ったのは35件。分析すると、4件で服用が行為につながる可能性を否定できず、残りは、他の病気によるものか副作用のためか区別できなかった。部会に参考人として参加した樋口輝彦・国立精神・神経センター総長は「典型的なうつ病以外での処方で、攻撃性を示す例が多い印象だ」という。
日本うつ病学会も、患者や医師に適正使用を呼びかける委員会を新設することを決めた。
今日のNHK,クローズアップ現代は、今問題になっている抗うつ薬SSRI(製品名はパキシル・ルボックス・デプロメール・ジェイゾロフト・。トレドミンなど)の他人への攻撃性などの副作用に関する内容であった。2000年に使用できるようになってから、安易に使用されるようになったのではないかとの指摘があった。(パキシルは、国内の市場のSSRIの約半分を占めていて、発売以後、推定100万人超が使用している。)
我が国で、裁判上SSRIの因果関係が認められたのは、4年前に判決が確定した1998年に起こった全日空機ハイジャック事件であった。この時に20代の男性が機長を刺殺したことに対して、SSRI服用との因果関係を認め、死刑の求刑に対して無期懲役の判決が下りた。この件を含めて、因果関係が認められた件数は4件に過ぎないが、厚生労働省は、服用により他人への攻撃性が増したり、激高したりする場合があることを添付文書に盛り込み、医師や患者・家族に注意喚起することを命じている。また、医療問題に取り組む弁護士を中心としたグループが刑事事件の当事者に対するSSRIの服用の全国調査が始まっている。
うつ病に有用なSSRIに関する副作用が問題となるのは、精神科医の技量不足と、誤った使用量が大きな原因となっている。
番組では、20代の女性の例が紹介されている。4年前にあるクリニックでうつ病と診察され、SSRIの服用が始まった。家庭内でも攻撃性が増し、主治医は薬を増量、その2週間後に、近所のコンビニで持参の包丁を使い20万円を強盗。裁判上で、SSRIの影響が認められ、犯行時の心神耗弱状態が認められ執行猶予判決を受けた。彼女の場合は、医師による安易な薬物使用と、誤った使用法・および増量が原因であった。このように、薬の有用性にばかり目が行って、その使い方に注意を払わない医師がいるのも現実である。増量の前に、薬を止めている時期もあったが、徐々に減らすべきところを、いっぺんに中止している。
もう1例の紹介例は、40代の男性で、うつと診断後SSRIを服用中に、小言を言った妻に対して、駅のホームで暴力を振るい、妻は20針も縫う全治1カ月の頭部の傷害を受けた。後に、男性の病気がうつとそうをくり返す躁うつ病(双極性傷害Ⅰ型)であることが別の医師の診断で判明した。この病気の処方には、本来は気分安定薬を使うのが原則で、SSRIを使用すると、気分の波を大きくして躁状態の時に危険な行為をするリスクが高まる。原因は、最初に診た医師の誤診であった。
今回の副作用の問題で、うつ病の治療法の見直しも検討の時期に入っている。日本うつ病学会も、薬の使用に精通し、他の治療法にも対処できる専門医の養成に力を入れようとしている。
なお、SSRIが何故一部の患者に攻撃性を高めるのか、原因は特定できていない。
うつ病の治療に、心理療法を試み、極力、薬の処方を最低限にして効果をあげている医療機関もある。しかし、今の診療報酬体系では、医師が患者の話を聴くことに時間をかけても、100円くらいの報酬しか得ることができない。そのため、その期間では、臨床心理士。精神保健福祉士・栄養士・看護師等のスタッフ全体で患者の話をかわるがわる効いて、様子を診ることが試みられている。その結果、よそでうつ病と診断されていた患者が、躁うつ病であることが判明することができた。そんな例も挙げられていた。
イギリスにおけるケンブリッジ大などの共同研究で、1年後の再発率を調査したところ、抗うつ薬のみでは44%、抗うつ薬と心理療法(認知行動療法に寄る)を併用した場合には27%と、薬と心理面でのアプローチの併用の効果が示された。
SSRIの副作用は、アメリカにおいては、マイケル・ムーア監督が映画に取り上げたこともある、1999年4月に起きたコロンバイン高校銃乱射事件で、犯人の1人が事件直前にSSRIを大量に服用していることが判明している。その後も、攻撃性を疑わせる症例が続いたことから、アメリカ政府は2004年に薬の注意文書に攻撃性が現れた症例があることを明記させるようになった。日本の対応は遅れた。医薬情報の患者・家族からの厚労省等への報告などを、IT化により制度化することが求められる。
SSRIは、病気に有効なので、患者が勝手に服薬を中止することは危険である。疑問がある時は、医師の相談し、それでも不安のある場合は、他の医師にセカンドオピニオンを求めることを番組では強調していた。あくまでも、患者の勝手な行動は慎まなければならない。また、医師の技量にもばらつきがあることが番組を通して理解できた。うつ病が誰でもかかりうる病気である現代、こうした情報をテレビで提供する意義は大きかった。
厚労省などには今春までに、攻撃性などの副作用報告が268件あった。うち実際に他傷行為などに至ったのは35件。分析すると、4件で服用が行為につながる可能性を否定できず、残りは、他の病気によるものか副作用のためか区別できなかった。部会に参考人として参加した樋口輝彦・国立精神・神経センター総長は「典型的なうつ病以外での処方で、攻撃性を示す例が多い印象だ」という。
日本うつ病学会も、患者や医師に適正使用を呼びかける委員会を新設することを決めた。
>NHKさんは、”SSRIは治療効果が高く、副作用
>もほとんど無い”ということを長年広報して
>きましたが、
私がSSRIを3粒(10mmx1回+2回/日)飲んでいたときの経験では、うつ状態になっている症状を改善する効果は確認できませんでした。
全く効かなかったということです。
あたりまえです。原因は職場の争いで苦しんでいるわけですから、薬が職場に効くはずはないわけです。
心を安定にする効果もありませんでした。
現状の事実に基づく認識が苦しいのは生命体の人として自然な反応ではないかと思います。
>私の経験と、医学的知識、ネット上の経験者、
>周囲のうつの人々の様子を見る限り、
>そのような事実は無いのではないかと思います。
もう半年くらいそのうつの人は会社に出社できていません。
マキシルを飲んでいます。
この薬はまったく効いてないのです。
>また、SSRIに関する効果の放送と、
>クローズアップ現代の放送は、内容が
>全く反対で、矛盾しています。
これはNHKに招かれている精神科医が、製薬会社から頼まれてSSRIの効能を誇大宣伝しているのだと思います。
>銃乱射はアメリカでは時々ありますが、
>SSRIの副作用と直接結びつく根拠が
>無いと思います。
これは、躁病の人や自己愛人格障害者、あるいは境界事例の方の症状で、うつやSSRIの副作用という根拠は無いに等しいと考えます。
NHKの報道は全く信用できません。
>抗うつ薬
>脳の神経伝達物質を調整して、症状を改善する薬です。
>SSRI
>セロトニンと呼ばれる「感情を形作る脳内物質」の働きを強める薬。セロトニンにだけ>>働くので、副作用の少ない点に特徴があります。飲みはじめに一時的に、吐き気などの>>症状があらわれる場合もあります。
>SNRI
>もっとも最近に登場した薬。セロトニンとともにノルアドレナリンという脳内物質の働
>きを強めます。
>三環系・四環系
>三環系はもっとも古くから使用されている薬で、四環系はその次に開発された薬です。
>一般的にSSRIやSNRIで効果の出にくいケースに用いると言われます。三環系は効果は安
>定している代わりに副作用が出やすく、四環系は副作用が出にくいものの効果が多少劣
>ると言われます。
NHKさんは、”SSRIは治療効果が高く、
副作用もほとんど無い”
ということを長年広報してきましたが、
私の経験と、医学的知識、ネット上の経験者、
周囲のうつの人々の様子を見る限り、
そのような事実は無いのではないかと
思います。
また、SSRIに関する効果の放送と、
クローズアップ現代の放送は、内容が
全く反対で、矛盾しています。
銃乱射はアメリカでは時々ありますが、
SSRIの副作用と直接結びつく根拠が
無いと思います。
NHKの放送または報道も、信頼性がなく
信用できる事実は無いと認識しています。
このような無責任な放送は止めて欲しいと思います。
コンプライアンスを言うのなら、精神疾患を患った社員に関しても、責任を果たしてもらいたいです。
以下引用
■クローズアップ現代 NHK
6月1日(月)放送
抗うつ薬の死角
~転換迫られるうつ病治療~
5月8日、厚生労働省は抗うつ薬「SSRI」4種類について、他人を攻撃する危険性があると注意喚起を呼びかけた。服用後に他人に暴力を振るうなど影響が疑われた268件のケースのうち、4例については因果関係を否定できないと判断したのだ。すでにアメリカでは服用者が銃乱射事件を起こしたことなどから、5年前に同様の措置が取られている。
「SSRI」は従来の抗うつ薬に比べて副作用が少ないことから世界中で広く服用され、多くの患者を救ってきた。しかし、一部とはいえ、なぜ服用後に攻撃性を発現するのか。薬そのものが持つ問題に加えて、薬の効能に目を奪われ、ともすると「安易に」薬を増減させる医師の姿勢や、「誤診」により本来SSRIを投与しては危険な患者に処方することが背景にあると専門家は指摘する。転換を迫られるうつ病治療の現状を追う。
(NO.2742)
スタジオゲスト : 小出 五郎さんさん(科学ジャーナリスト)
医療制度も、患者のためには働いていないようです。
何度読んでも、薬の服用に慎重でない医師が、興味本位に処方していたのかと思える例です。
実際には患者の生活を見ずに、服用させる感性も、問題ありということになりますか。
サリドマイド事件から、最近同じ薬を治療で使う許可が出た事を、聞きました。
個人使用や医師の利用は、許可になっているとの話に、疑問が生じました。
おかしな話です。