日本語ぽこりぽこりアーサー・ビナード小学館このアイテムの詳細を見る |
日々の非常口アーサー ビナード朝日新聞社このアイテムの詳細を見る |
アメリカ出身の詩人アーサー・ビナード氏のエッセイ集である。声に出して読みたい云々という良く売れた本があったが、日本語の文章に対する愛情は、アーサー・ビナード氏に落ちるようだ。先人の作品を、売らんかなの商品主義に陥っている品位のなさで、ビナード氏に負けているのである。
日本語に対して向き合った時の、楽しいエピソードや新たな発見に驚かされる。アメリカで送った生活に関するエピソードも楽しい。言葉の使い方に、かけ言葉やシャレなどの遊びもみられ、その表現はさすがである。
日米の政治に対する痛烈な批判も大いに参考になる。
我々は、政治家や官僚の言葉のごまかしに騙されないように、言葉への感性や理解力を高めなくてはならない。
アーサー・ビナード氏の憲法9条に対する思いもしっかりと受け止めなくてはならない。
『今まで「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」、本気で外交に取り組んだ内閣はあっただろうか。古くて手垢がついたどころか、憲法九条はまだ新品同然だ。』
※そういえば、ニコ動の経営母体の会社で、ネット上の世論調査をやったら、自民党の支持率が民主党を上回ったという。ネット上で、麻生氏を支持する行動として彼の著者を購買する呼びかけにこたえて、その売り上げ部数が伸びたことがあった。家なり、ネット上は、一般社会と違ってネット右翼がうようよ状態が続いているようだ。彼等に対する警戒は怠ることのないように注意しなくてはなるまい。NHKの台湾の日本の占領政策に関する訴訟の原告の多くがネット右翼と、ネット上で暗躍する右翼のようである。彼等は、自分たちのバイブルとして、「古事記」『日本書紀」「万葉集」くらいは当然原典で読んでいるのだろうよ。なんせ、伝統を重んじる「愛国主義者」なんだから。「伝統」「愛国」、この言葉の胡散臭さにも気を付けよう。
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