トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

blogramランキング参加中

blogram投票ボタン

だますテクニックを知りましょう/『疑似科学入門 (岩波新書)』

2009-08-04 02:02:57 | 読書
疑似科学入門 (岩波新書)
池内 了
岩波書店

このアイテムの詳細を見る


 世の中にはびこる不合理主義と、疑似科学の相関関係は無視することができない。著者もいうように、どちらも自分の頭で考えることなく、そうした考えを何の疑問を持たずに受け入れてしまう危険があることだ。こうした傾向を利用したのが、ファシズムであった。「そのような現代人の傾向は、非常に危なっかしい。自分で考え決断して選択するという生き方を忘れ、私たちが社会の主人公であるという本来の民主主義から離れていくからだ。「観客民主主義」に堕していくのだ。それが身に染まってしまうと、ただ提示されたメニューから好みのものを指し示すだけとなり、それを民主主義と誤認してしまう。現に、「改革、改革」と一方的に宣伝されると、それが唯一の選択であるかのように思い込み、こぞって支持するようになったことを思い出せばよい。その行き着く先は、観客民主主義が政治的に利用されファシズムに導かれていく方向だろう」
 「思考停止」は、もっぱら、感情や感覚に頼ることになる危険性をはらんでいる。ナチスが感情に訴えた例を挙げるまでもないであろう。疑似科学も不合理主義に対しても、健全な懐疑主義が求められる。
 著者は、疑似科学を3つに分類している。第一種疑似科学(現在当面する難問を解決したい、未来がどうなるか知りたい、そんな人間の心理(欲望)につけ込み、科学的根拠のない言説によって人に暗示を与えるもの)。第二種疑似画学(科学を援用・乱用・誤用・悪用したもので、科学的装いをしていながらその実体がないもの)。第三種疑似科学(「複雑系」であるがゆえに科学的に証明しづらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説で、疑似科学と真正科学のグレーゾーンに属するもの)。
 それぞれのだましのテクニックについての解説についての入門書となっている。

 疑似科学がはびこる社会的背景についての言及に関して興味ある本であった。
 著者が提唱する予防措置原則の応用については、関心のある方は本書をお読みください。

会うことのなかったお父さんへの思い/絵本『お父さん』

2009-08-04 01:00:13 | 絵本・児童文学
おとうさん
シャーロット ゾロトウ
童話屋

このアイテムの詳細を見る


 最初は、主人公の少年の父親の回想の話だと思っていた。でも、この少年の父親は、彼が生まれた時にはもういなかった。
 だから、この絵本に出てくる父親は、少年が心に思い描く、彼にとってのイメージとしての父親像である。彼に夢であるかも知れない。家庭を愛し、妻を愛し、少年を愛する父親像が、理想的な父親として描かれている。でも、実際に生きていれば、そう遠くない存在だったのであろう。
 父親と取っ組み合いをする。ぶってもいいと聞くと、軽くならいいよと答える。それからとうさんは悲しそうにいう。「人間は本気でなぐったり、殺しあったりする」

 かあさんに、とうさんはどこに行ったのと聞くと、戦争で死んだと思い口を開いた。涙が出てきたが、かあさんは、あなたが未来のとうさんと少年に行ってくれた。彼は、思い描いたようなとうさんになることだろう。

 少年が、父親になった時に、戦争で悲しむ子どもたちがこの世界にいないように祈りながら、本のページを閉じた。

DVD「村田朋泰作品集 俺の路」

2009-08-04 00:41:41 | アニメ・テレビ
村田朋泰作品集 俺の路 [DVD]

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


透析の時間に観たDVD。Mr.Childrenのビデオクリップ「HERO」で注目を集めた映像作家“村田朋泰”の作品集出会った。特典としてMr.Childrenの2002年ツアーPV「いつでも微笑みを」を収録している。このPVは、YouTubeで時々みかけるが、著作権の問題があるのだろう。消されることになりそうだ。他に、「HERO」に関係する白の路や朱の路、睡蓮の人などを観てみた。ピアニストの孤独な回想を抱いての旅は、何とも言えない哀愁と哀しみを感じた。睡蓮の人も、人の記憶と哀しみを描いている。「俺の路」は、2Dの作品から、クレイアニメまで、10作品が収録されていた。
「いつでも微笑み」は、ミスチルのコンサートのバックに流れているアニメであった。

Mr.Children いつでも微笑みを