トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

blogramランキング参加中

blogram投票ボタン

ネットと選挙/ある動画をめぐって

2009-08-25 23:07:38 | 政治
 公選法もネットの時代にできたものではないので、時代にあった変化を遂げていない。今、一部のネット上で話題になっている動画であるが、こうした映像を通してどのようなイメージが伝わるのであろうか。ネットと選挙を考える上での参考になるものであった。

小泉進次郎 vs よこくめ勝仁 対面でも完全無視 in 横須賀



多様な生き物との共存/『15歳の寺子屋 ペンギンの教え』

2009-08-25 01:39:55 | 読書
15歳の寺子屋 ペンギンの教え
小菅 正夫
講談社

このアイテムの詳細を見る


 動物たちの「行動展示」で、日本中で有名になった人気動物園の旭山動物園名誉園長の小菅正夫氏による、15歳の寺子屋シリーズの中の命の授業。

 6時間の授業を通して、小菅氏の生き方が語られていく。

 人間は何故生きているのだろうという哲学的疑問を動物に聴く氏の話。回答は、う余命少ないカバの最後の繁殖の機会に教えられた。

 また、将来の進路は性急に決める必要はないという、氏の体験談。その時に打ち込めるものがあれば打ち込むこと。勉強をする機会が来たらば、無我夢中で自分の力を最大限に生かした勉強すること。聴くべきことがたくさんある。

 旭山動物園の経営難で、閉園の危機を仲間たちとどう乗り越えたかというエピソードも多くの事を教えてくれる。

 また、動物園の役割も再認識させてもらえる。動物は決して「かわいくない」。彼らの生存が人間により脅かされている今、動物園で、動物を繁殖させていつかは自然に帰したい。多様な生き物が共存している環境こそが、人間にとっても望ましい環境であるという、小菅氏の思いが15歳を中心にした青少年に伝わることができれば、本書の目的の一つは達成できるだろう。

 題名に関しては、動物園で行われているペンギンの行進では、フンボルトペンギンが参加していないことに由来するのだろう。フンボルトペンギンは、まったくの人嫌いだそうだ。動物園で孵化したヒナでさえ、動物園の人間が近づいても逃げていく。これは、かつて、自生地で受けた人間からの迫害の歴史が、負の記憶として世代を超えて受け継がれていったのかもしれないと小菅氏は指摘する。我々人間が、今までにしてきた動物への仕打ち。北海道の自然も、アイヌの生活ではおかされることなく共存できた。それが、明治以降の人間に都合のよい「開発」の名の下に環境が破壊されたいった歴史も忘れることができないのである。

独りになりたかった男と島の物語/絵本『はるかな島』

2009-08-25 00:45:42 | 絵本・児童文学
はるかな島
ダイアン ホフマイアー
光村教育図書

このアイテムの詳細を見る


 男は独りになりたかった。そうすることを認められぬ男は、船から飛び降り不毛の島に泳ぎ着いた。岩肌がむき出しの島であった。生きていく為の水はあった。また、寝床と隠れ家となる洞窟もあった。不幸な男であった。
 明くる朝、海岸に死にかけた雄鶏と、米のもみが入った袋が流れ着いた。ここから、孤独な男と島の物語がスタートする。米を雄鶏に与え、雄鶏は死を免れた。それから残ったもみを蒔いた。やがて、稲が実る頃、強風に吹き流された船が島に流れ着いた。乗組員たちは洞窟の中の男を読んだが、男はついに姿を現さなかった。乗組員たちは、実った稲を刈り取ると、レモンの木を残して去って行った。男はレモンの木を植えた。それから時間がたち、また、島に強風に吹き寄せられた船があった。乗組員たちは、稲を刈り、レモンの実をとると、バナナやパイナップルの苗を置いて行った。この時も、男は隠れ通した。不毛の島は、段々と緑の島へと変貌していった。
 その後も、何回も船が風に弾き寄せられて島にやってきた。その都度、島の収穫物をとると、何らかの苗や家畜を置いていった。そして、島は、さらに緑と生き物が増えていった。
 この島のうわさは、ポルトガル女王の耳に入った。強制的に島から、ポルトガルに連れてこられた男は、女王に謁見して望みを聴かれた。しかし、男の望みは、1日も早く島に帰ることであった。島へ帰る日、女王の縫物をしている娘が男についてきた。彼女は、男を通じてはるかな島を夢見たのだろう。男が拒んでも、娘は島についていった。口もきかずに、2人は、島の土地を掘っては植え、掘っては植えて働き続けた。娘は、楽しそうに歌を歌う。
 ある日、男は娘の身体に新しい命が宿ったことに気がついた。そう、彼はもう化けものではない、世界一幸福な男であった。

 この本を読んでいて、男の本当の孤独な理由は結局はわからずじまいである。

 ただ、本書の後書きでこの話が実話に基づいていることが明かされる。
しかし、本書を読むときには、必ずしもこの実話を知らなくても、それは一つの大事な読み方である。

 1510年、インドのゴアにポルトガルの総督が艦隊を率いて来航した。その時、乗組員にフェルナンド・ロペスという男がいた。ゴアを占領したアルブケルケ総統は、軍事力補給のために、ロペスを残して帰国した。ロペスは現地の人間を仲良くなりすぎた。このことが、再来航した総督の怒りをかい、要望が変わるほどの拷問を受けることになった。ロペスは逃亡し、別のポルトガル船に乗り込み、セントヘレナ島というさびしい島で船が水を補給している間に、島に姿を隠した。これが、彼の独りで隠れて生活を始めた理由。

 不毛の島が、命あふれる島に変わっていく様子に、男の孤独感を重ねながら、その変貌に心が躍る。