トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

会うことのなかったお父さんへの思い/絵本『お父さん』

2009-08-04 01:00:13 | 絵本・児童文学
おとうさん
シャーロット ゾロトウ
童話屋

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 最初は、主人公の少年の父親の回想の話だと思っていた。でも、この少年の父親は、彼が生まれた時にはもういなかった。
 だから、この絵本に出てくる父親は、少年が心に思い描く、彼にとってのイメージとしての父親像である。彼に夢であるかも知れない。家庭を愛し、妻を愛し、少年を愛する父親像が、理想的な父親として描かれている。でも、実際に生きていれば、そう遠くない存在だったのであろう。
 父親と取っ組み合いをする。ぶってもいいと聞くと、軽くならいいよと答える。それからとうさんは悲しそうにいう。「人間は本気でなぐったり、殺しあったりする」

 かあさんに、とうさんはどこに行ったのと聞くと、戦争で死んだと思い口を開いた。涙が出てきたが、かあさんは、あなたが未来のとうさんと少年に行ってくれた。彼は、思い描いたようなとうさんになることだろう。

 少年が、父親になった時に、戦争で悲しむ子どもたちがこの世界にいないように祈りながら、本のページを閉じた。


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