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「非定形うつ病のことがよくわかる本」を読んで

2008-10-16 01:46:26 | 読書
 以前、gooニュースで「非定形うつ病」が取り上げられていた。新型のうつ病と紹介されていたようだ。この病気の診断が出来る医師の少ないらしい。世間からは、怠け者とか、わがままとか誤解を受けているという。

 今一つ、わかりにくい病気だった。今回、この病気に対する一般向けの解説書が出版された。

『非定形うつ病のことがよくわかる本 「気まぐれ」「わがまま」と誤解を受ける新型うつ病のすべて』 医療法人和楽会理事長・貝谷久宣[監修] 講談社 健康ライブラリー イラスト版

 この病気の特徴は①好きな事なら出来るが、嫌な事は体が動かない ②何時間でも寝られ、甘い物の過食、著名な体重増加、食欲の増加 ③手足に鉛が詰まった様に身体がだるい ④些細な事に激しくイラつく、他人の言動にひどく敏感になり、激しく反応する ⑤夜になると気分が落ち込んでくる、わけもなく悲しく泣けてくる等があげられている。

 定形うつ病では、特に朝起きた時に気分が落ち込み、夕方になると少し軽快するのに対し、非定形うつ病の場合は日暮れから夜にかけて一番落ち込むという。また、些細な事に激しく怒る「怒り発作」や「フラッシュバック」の症状が見られることがある。パニック発作との強い関係がある。

 脳の前頭葉の血流障害が原因として考えられている。定型うつ病とは、治療法も違う。そして、「がんばれ」と、多少の励ましをすることも必要だという。また、パーソナリティ障害と誤診されやすい。こうした性格の変化は、本来の自分になる過程で現れた一時的な現象として理解されるという。又、仕事を持っている人が発病した時は、休職するより仕事を続ける方がいいケースもあり、その場合は職場の人の理解ある対応が欠かせない。

 要は、定型うつ病と対処の仕方がまるで違うということだ。この病気に詳しい医師の治療を受けることが必要だ。

 本書は、本人や周りの人が出来る改善法も載っている。軽い運動の奨励や、日常生活で非定型うつの症状を悪化させるものの指摘など、具体的な対処法も載っていた。

 一般のうつ病のイメージとかけ離れていることが、わかり易く説明されていた。この病気の人は、世間から誤解を受け、ストレスがたまる一方なのだろう。また、軽い症状の人は、性格上のわがままと受け取られているのだろう。この病気に関する社会の理解が進むことを望む。しかし、この病気の患者はメールの使用は控えた方がいいなどと思いつくことは難しい。