野鳥と野鳥写真(観察と展示)

野鳥観察や野鳥写真展等を写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

夏鳥の托卵種・・・(カッコウ科)

2024-05-29 23:12:23 | 野鳥写真

カッコウ科の托卵種・・・(カッコウ・ツツドリ・ホトトギス・ジュウイチ等)

カッコウの画像・・・(初夏の高原)

 日本には夏鳥として5月頃渡来するが、アフリカや南アジアが越冬地で、ヨーロッパでは春を告げる鳥とされる。

 森林や草原に生息し、日本では主に山地に生息するが、寒冷地の場合平地にも生息する。和名はオスの鳴き声に由来し、英名 cuckoo も同様である。他言語においてもオスの鳴き声が名前の由来になっていることが多い。本種だけではなくCuculus属は体温保持能力が低く、外気温や運動の有無によって体温が大きく変動する(測定例:日変動29〜39℃)ことが知られている

ツツドリの画像(赤色型)・・・(初夏の公園)

 カッコウ目カッコウ科に分類される鳥類の1種。東南アジアからシベリアにかけて分布する渡り鳥である鳥。カッコウやホトトギスに近縁で、同様に托卵の習性を持つ。

 全長約33cmで、ホトトギスとカッコウの中間、キジバトくらいのの大きさである。体型はカッコウなどと同じくスマートだが、体色がやや濃く、虹彩が茶色っぽい。又、メス成鳥には背中側全体が赤褐色の地に黒い横しまを呈した「赤色型」も存在する。

 シベリアから中国南部、ヒマラヤ地方で繁殖し、東南アジアからオーストラリア北部にかけての地域で越冬する。ただしマレー半島からボルネオ島にかけては渡りをしない個体群もいる。日本には夏鳥として渡来し、四国以北で繁殖する。

ホトトギスの画像・・・(初夏の高原)

 カッコウ目・カッコウに分類される鳥類の一種。特徴的な鳴き声とウグイスなどに托卵する習性で知られている。日本では古来、様々な文書に登場し、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑など、漢字表記や異名が多い。※季語では夏を示す

 全長は28cmほどで、ヒヨドリよりわずかに大きく、ハトより小さい。頭部と背中は灰色で、翼と尾羽は黒褐色をしている。胸と腹は白色で、黒い横しまが入るが、この横しまはカッコウやツツドリよりも細くて薄い。目のまわりには黄色のアイリングがある。 

 日本へは九州以北に夏鳥として渡来するが、九州と北海道では少ない。カッコウなどと同様に食性は肉食性で、特にケムシを好んで食べる。又、自分で子育てをせずに主にウグイスに托卵する習性がある。

ホトトギスとカケスの画像・・・(初夏の高原)

ジュウイチ成鳥の画像・・・(初夏の高原)

 カッコウ目カッコウ科ジュウイチ属に分類される鳥類。別名ジヒシンチョウ(慈悲心鳥。和名、別名共にオスの鳴き声の聞きなし(「11ー」あるいは「ジヒシン」)に由来する

 日本では、夏季に九州以北に夏鳥として飛来するが、全長32cm前後で、背面は濃灰色の羽毛で覆われ、胸部から腹面にかけての羽毛は赤みを帯びる。 

 森林、日本では主に山地の広葉樹林に生息するが、食性は動物食で昆虫(主にチョウ目の幼虫のケムシ)、節足動物等を食べる。

 繁殖様式は卵生で、日本では5-7月にオオルリ、コルリ、ルリビタキなどの瑠璃三鳥の巣に卵を産み、それらの親鳥に雛を育てさせ、托卵し巣立たせる。※他の托卵種と同様に卵は10-12日程で孵化する。

ジュウイチ幼鳥の画像・・・(初秋の公園)

ジュウイチ若鳥の画像・・・(晩夏の公園)

オオヨシキリの画像・・・(おまけ)

 日本には夏鳥として5月頃に河川の葦原などに渡来するが、中華人民共和国や日本・モンゴル・朝鮮半島・アムール川流域で繁殖し、冬季になるとフィリピン・マレー半島・スマトラ島・モルッカ諸島などへ移動する※ヨシ原などに生息するが、渡りの途中では低地の森林に飛来することもある

托卵種・・・(カッコウ科の鳥)

 巣作り・抱卵・子育てなどを仮親に托す(代行させる)ことを托卵と表現する。一種の寄生と言ってよい同種に対して行う場合を種内托卵・他種に対して行う場合を種間托卵と言う

 種間托卵でよく知られているのは、カッコウなどカッコウ科の鳥類が、オオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に托卵する例である。カッコウの雛は比較的短期間(10-12日程度)で孵化し、巣の持ち主の雛より早く生まれることが多い。孵化したカッコウの雛は巣の持ち主の卵や雛を巣の外に押し出してしまう。その時点でカッコウの雛は仮親の唯一の雛となり、仮親の育雛本能に依存して餌をもらい、成長して巣立っていく。托卵を見破られないようにするため、カッコウは卵の色や斑紋などを仮親の卵に似せている仮親の卵に似た卵を生む性質が代を経て選択された)。※又、托卵する際に仮親の卵を抜き出すが、その行動の意義は判っていない。※基本的に、卵を託す相手は、同種または近縁種が選ばれる。※然し、稀に猛禽類など、場合によっては卵や雛を食べる肉食鳥が、選ばれることもある

対抗策・・・(同種の防衛策)

 托卵されるということは繁殖のためのリソースを空費させられることにほかならず、托卵が始まったことにより生息数が減少する鳥も見られる。托卵に対抗できれば繁殖で有利となるため、「個体差の大きな卵を産むことで、托卵された卵を見分けやすくする」、さらに托卵者との共生が長く続く環境では「托卵による雛を殺す、あるいは巣ごと放棄して育てない」といった進化を遂げた鳥も存在する※種内托卵でも自分の雛を見分けて、托卵された雛を排除する例が見られるという


最新の画像もっと見る

コメントを投稿