セッカと蒲の穂(坊主)・・・
蒲の穂にセッカ・・・赤トンボも写り込む
夏草の上にセッカ・・・
秋の陽気の中でセッカを撮る・・・
残暑厳しい中、ここ数日暑さが一休みとなりましたので、だるさが残る体をいくらかでも動かそうと、夏セッカが出ていると言う秋川河川敷に隣接している農耕地の中の休耕田に出掛けて来ました。
農耕地は稲の生育が順調なのか、腰の高さほどになっており、稲穂の付いているところが垂れ下がっており、秋のような陽気の中稲穂を撫でるように吹いて来る涼しい風が青臭く感じられましたが、この夏一番の気持ちのいい野鳥撮りとなりました。
各地で集中豪雨により河川の堤防が決壊し河川の氾濫で田んぼが水浸しの光景を数多く見て来ましたが、我々の住むところは幸いにも一度もそんな災害に見舞われることもなく、素人が見ても稲の生育の状態は順調そのものと判断できます。全国的にも「良作」だと、今朝のテレビのニュースで言っていた・・・。
クラブの仲間達が数日前からセッカの写真を撮っていると聞いていたので、現地に行くと誰の姿の見えずカメラマンもいなかったため、他の仲間のところに電話すると詳しく教えてくれ移動して来ると、数人の仲間がセッカが出ている方へカメラのレンズを向けて構えていましたので、一緒に仲間に入れて貰い4時30分過ぎまで撮ってきました。
あのムンムンするような湿度の高い真夏の暑さは全くなく、そこはまるで別世界のように感じられましたし、あまり待つこともなくセッカもよく出て来てくれましたので、暑さだけでなくストレスのない撮影が出来ました。
殆どの仲間達は前から撮っているため、4時頃になると引き上げて行きましたが、仲間が帰った後も暫く残ってカメラとレンズを変えて撮ってきましたが、目的のところには止まってくれませんでした。
留鳥又は漂鳥のセッカは13cmとスズメより小さく、東北以南に生息している鳥ですが南に行くほど個体数は多く、河原や葦原・農耕地などで繁殖期にはつがいか一夫多妻で生活しているが、オスが幾つかの巣を造り、オスの造った巣をメスが気に入ると営巣する。オスは縄張り内を鳴きながせ巡回して飛び回っている。
同じウグイス科には「オオセッカ」がいるが、13cmと殆んど「セッカ」と個体の大きさも同じであり、生息場所も変わらず一夫多妻などの生態や習性も同じだが、青森県や秋田県・茨城県と千葉県の一部で繁殖していると言われているため、首都圏ではあまり見られない野鳥ですが、何故「オオセッカ」と呼ばれるのか分からない。セッカの方が幾らか個体の色や柄にメリハリがあり、綺麗かも知れません・・・。
セッカが出ている休耕田に蒲の穂が沢山生えており、セッカは縄張りとしている周辺の農耕地を上下しながら鳴いて飛び回っており、鳴き声が近くに聞こえると必ずと言っていいほど、飛んでくると蒲の穂の上に止まると縄張り誇示のためなのか鳴いていました。
「蒲の穂」(がまのほ)は生け花の材料となっているが、お花屋さんで買うと結構「高価な花材」と言われているらしいが、セッカなどの地味な野鳥がそんな「蒲の穂」の上に乗ると、「野鳥風・・・月」の情緒のある野鳥写真となり、一段上の野鳥写真となるのではないでしょうか・・・。
野鳥写真の質の向上を考えると、小鳥の場合には野鳥に花を絡めて撮られているものは前述のとおり、芸術性が低いと言われる「野鳥写真」が綺麗い・可愛い・鮮明だけでなく、多少でも芸術性が高まるのではと個人的には思っている。
花だけでなくいろいろな題材(木の葉・新緑・紅葉・キノコ・苔・木や枝等)が存在していると思われるため、野鳥の仕草や動きと組み合わせると、もっと野鳥写真の価値が引き上げられると思われます。
同じところに出ている野鳥を多くの人が撮ることが多く、そのために同じ画像を撮った人が持っていることも多く、同じところで撮ってもテーマを決めて撮っている人は野鳥の違ったところを常に狙っているため、同じ場所で同じ被写体の野鳥を撮っても、何故こんな写真が撮れるのと意外性のあるシーンの野鳥写真を撮っているのも事実です。偶然に撮れる野鳥写真では、いいこともあるがそれだけでは駄目だと言うことではないでしょうか・・・。
むやみにやたらシャッターを連射すればいいとは思えないが、ある程度連射しないと野鳥の仕草や動きのあるシーンの一瞬のシャッターチャンスを切り取ることは出来ないと思います。
枝に止まっている野鳥の動きを見ながら、口を開き鳴くところを撮ることは殆んどの人はやっていると思われるが、そんな野鳥の写真は感動の一枚にはならないため、野鳥を撮っているカメラマンだけしか撮れないような野鳥の仕草や動きのあるものには、見る人達に感動を与える野鳥写真になるのではと思います。芸術性が低ければ、何故こんな写真が撮れるのと言われる撮影技術で勝負するとか・・・。
もう直ぐ冬の鳥の季節がやってきますが、それまでの間、留鳥のセッカの面白い写真を撮ることにします。