忍法相伝73 (ミステリ珍本全集01) 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2013-09-01 |
読みはじめたら、やはり山田風太郎節だ、と安心した。どれだけ駄作なのだと心配したが、いい意味で裏切ってくれた。
松中半兵衛先生は老人のように描かれているが、59歳だ。時代性だな。今なら59歳といえばまだバリバリ現役で生命力がある。
山田風太郎自身は駄作と自己評価しているが、全然面白いと思う。全くナンセンスだが面白い。ユーモア小説の部類にはいる。神曲崩壊などと調子が似ている。いわゆる忍法帖シリーズとは深刻さが違う。全く何の役にも立ちそうにない忍法を、何とか面白いことに使えないだろうか?とバカみたいなイタズラに使うと言うものだ。くだらなさそうだが、さすが山田風太郎、展開が面白い。どんでん返しもしっかりある。
夏目漱石の三四郎と併読しているが、雰囲気が似ていて驚く。先生がいてその周りに様々な人が集う。その先生も立派な先生と言うよりは、頼りない、変人、怪しげだ。
忍法100、ここに登場する石川君の結末は一体どうなったのか?この章では明らかになっていない。後で明かされるのであろうか?
忍法103を読むほどに、神曲崩壊を彷彿とさせる。いや、神曲崩壊の内容は何十年も前に読んで記憶は定かではないが、そう感じさせる。もしや、この忍法相伝が駄作中の駄作と烙印を押したために、雪辱を晴らすために神曲崩壊を書いたのではないかと思わせるのだ。
第二次世界対戦のことは前の戦争と表現されている。今の我々からすると、過去の出来事のように考えるが、この時代。何度も繰り返す戦争のひとつに過ぎなかったという印象を受けた。
オリンピックでの不成績の理由は、体格の差だ。既に喝破している。そこで従来の風潮なら、山田風太郎でなく、気合いだ。根性だ、それで補えと言うのが従来の考え。ところが山田風太郎は体を大きくすればいいと言う。素晴らしい。
松中半兵衛先生は老人のように描かれているが、59歳だ。時代性だな。今なら59歳といえばまだバリバリ現役で生命力がある。
山田風太郎自身は駄作と自己評価しているが、全然面白いと思う。全くナンセンスだが面白い。ユーモア小説の部類にはいる。神曲崩壊などと調子が似ている。いわゆる忍法帖シリーズとは深刻さが違う。全く何の役にも立ちそうにない忍法を、何とか面白いことに使えないだろうか?とバカみたいなイタズラに使うと言うものだ。くだらなさそうだが、さすが山田風太郎、展開が面白い。どんでん返しもしっかりある。
夏目漱石の三四郎と併読しているが、雰囲気が似ていて驚く。先生がいてその周りに様々な人が集う。その先生も立派な先生と言うよりは、頼りない、変人、怪しげだ。
忍法100、ここに登場する石川君の結末は一体どうなったのか?この章では明らかになっていない。後で明かされるのであろうか?
忍法103を読むほどに、神曲崩壊を彷彿とさせる。いや、神曲崩壊の内容は何十年も前に読んで記憶は定かではないが、そう感じさせる。もしや、この忍法相伝が駄作中の駄作と烙印を押したために、雪辱を晴らすために神曲崩壊を書いたのではないかと思わせるのだ。
第二次世界対戦のことは前の戦争と表現されている。今の我々からすると、過去の出来事のように考えるが、この時代。何度も繰り返す戦争のひとつに過ぎなかったという印象を受けた。
オリンピックでの不成績の理由は、体格の差だ。既に喝破している。そこで従来の風潮なら、山田風太郎でなく、気合いだ。根性だ、それで補えと言うのが従来の考え。ところが山田風太郎は体を大きくすればいいと言う。素晴らしい。
駄作だ、駄作だと言われているが、全くそんなことはない。
これが書かれたのは今からほぼ50年前のことだ。表現されている世界は現在と全く変わらない。人間の(日本人の?)考え方、習性のようなものや、政治の悪どさなど全く変わっていないと感じる。何も教えられなければ、同時代の話と言われても違和感はない。大したことを言うつもりはないが、この物語は、時代背景を問題視せず、人間の本質、愚かしさをあぶり出し、ナンセンスな忍法でコミカルに成敗すると言う点で普遍的な物語を形成している。
20130910から読み始める
20131104読了
20130910から読み始める
20131104読了