八犬傳 上(新装版) (廣済堂文庫) 価格:¥ 700(税込) 発売日:2010-06-15 |
八犬傳 下(新装版) (廣済堂文庫) 価格:¥ 700(税込) 発売日:2010-06-15 |
「八犬伝」は朝日新聞の夕刊に連載されていて、1983年10月、11月に単行本化された。上巻は1982年8月30日から1983年4月1日、下巻は1983年4月2日から11月14日分とある。
まだ子供だったので新聞を読むことはなかったが、この連載だけは読もうとしていた記憶がある。しかし、毎日断片的に読むことが面倒だったので断念した。
幼少のころなので記憶は定かではないが、この頃山田風太郎を知っていたのか不明だ。山田風太郎を知ったきっかけは「伊賀忍法帖」や「魔界転生」が映画化されて、原作を読んでみたくなり読み始めたのがきっかけだ。しかし、八犬伝という言葉もそもそもは「里見八犬伝」という映画がきっかけで知ったので、同じ八犬伝が新聞に連載されていて気になったのは確かだろう。そこで作者を見ると山田風太郎とある。あの山田風太郎と知っていたのか、そこで山田風太郎を知ったのかはよく思い出せない。
後になって朝日新聞社から上下巻の単行本として出版され、早速購入した。
風太郎八犬伝は、滝沢馬琴の執筆の様子を描く「実の世界」と、物語としての八犬伝の「虚の世界」が交互に書かれている。幼かった私は「実の世界」は飛ばして、もっぱら「虚の世界」ばかり読んでいた。しかしその当時はあまり面白い小説ではないと思っていた。
角川文庫から出ていたことも忘れてしまっていた。そもそも買った経緯としては、当時角川文庫が一番時代物を数多く揃えていて全集の様相だったので、 全部そろえてコレクションしようと思っていた。「秘戯書争奪」以来久しく出ていなかったのだが、八犬伝が出版されて、特段読みたいわけではないが、思わず買ったのだろうと思う。因みに「八犬伝」ではなく「八犬傳」となっている。因みに1986年3月に朝日文庫から文庫化されている。それは買わず、角川文庫板は1989年11月25日に出版され、私は翌日に買った。
当時の角川文庫のラインナップ。忍法帖のほとんどが角川文庫に収めれらていた。
今回初めて読破できたが、これが馬鹿みたいだが、廣済堂文庫版で改に買って読んだのである。3度目買いである。
それにしてもこの廣済堂文庫版、帯に書かれている一文が、この小説の本当に最後の(多分物語全体を完成させる重要な)一文なのだが、それはどうなのかと。