医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

慶応大学経済学部生 てんとう虫公園 幼女への強制わいせつ事件 被害者意見陳述

2022-10-13 19:44:39 | 傍聴記
午前10時30分から801号法廷(小林麻子裁判官)で幕張の公園で起きた強制わいせつ事件の被害者意見陳述、論告求刑の裁判が開かれました。

証言台の周りに衝立が立てられ被告人、傍聴者から見えないように遮蔽の措置が取られて、被害者のお母さんが証言しました。

今年4月、8歳の娘は性暴力を受けました。あれから6か月経ちますが怒りや悲しみが癒えることはありません。事件のあった日に娘は泣いて帰ってきて警察官が来た時にも震えていて逃げ出しそうな様子でした。そんな娘を見て、どんなに怖かったか辛く悲しくなりました。
鑑識の際に下着に血が付いているのを見て更なる怒りがこみ上げてきました。
どうすればこのような事件を防ぐことが出来るのでしょうか。娘が小学生に入学してからは行き慣れた公園には一人で行くことを許していました。いつも沢山の子供たちが遊んでいる公園で昼間からこのような事件が起きるとは思ってもみませんでした。
娘は外に遊びに行きたくないとか学校にも行けず男性恐怖症に陥る心配をしました。
前回の法廷での被告人やお母さんを見ていると反省しているようにも見えますが、犯罪の原因が病気にあると言っているように見え疑問に思えました。 二度と同じことが起きないように、悪いことをしたら捕まり裁かれることを知ってほしいです。
娘に犯人がどうなって欲しいか聞くと一生牢屋に入って出てきてほしくない、それが出来ないのなら家族ごと遠くに引っ越してほしい。それは叶いませんでしたが、示談をしました。
決して許したということではありませんが受けるべき賠償を受けました。
生涯にわたり娘と被告人が遭遇しないように行動制限を設けるための示談をしました。
被告人が更生し二度と事件を犯さない、世界中から幼い子供への性犯罪が無くなることを願っています。

検察官からの論告求刑

情状について、被害者は8歳の女児で肉体的、精神的に未熟で被告人に対し強い抵抗が出来ない被害者を狙った犯行で極めて悪質です。被告人は被害者が公園に一人でいる事を確認してその隙をつき被害者の膣内に指を入れるなどわいせつ行為の内容も悪質です。
被害者が痛いなどと言い犯行を止めてほしいと言ったにもかかわらず犯行を続けており態様が悪質です。被告人は小学生など女児に対して関心を有していて自身の性欲を満たす為に犯行に及んでおり動機に酌量の余地はありません。被害者の精神的苦痛は甚大で今後の成長に影響を与えかねません。被害結果は重大であります。
被告人が被害弁償をしていること、前科がない、両親が監督を誓っている被告人に有利な事情を斟酌したとしても、本件犯行の悪質性、結果の重大性を鑑みると厳罰を持って望むのが相当です。
求刑です、以上の諸般等を考慮して、被告人を懲役2年に処するのが相当と考えます。

弁護側の意見

被告人は自身の抱えている病気が原因で性的衝動を抑えきれず本件犯行に及んでいる。
犯行経緯がどうであろうと被告人の行為は決して許されるものではない。
しかし被告人は真摯に反省し二度と犯罪に手を染めない事を誓っている。今回限り執行猶予の判決を付するのが相当です。
被告人の犯行は帰宅途中の突発的、偶発的なもので計画性を持って行われたものではない。
示談金300万円が支払われて示談が成立していることは被告人に有利な事情です。
被告人は被害者及び被害者家族に謝罪文を送り、示談において被害者感情を考えて行動制限を設けている。再犯をしないように自分自身にも言い聞かせている。
被告人は勾留後、性衝動を抑えきれずに犯行に及んでしまったのか、二度と同じ過ちを繰り返さない為に何をすれば良いのか考えて両親の助言のもと心療内科を通院したところ発達障害、気分障害の診断を受け、小児性愛の疑い治療できるクリニックおいて、これらの症状が犯行に影響したことを知って治療していくことは強い反省をしている行動といえます。
被告人を実刑とするのではなく執行猶予に付して社会内で更生と謝罪の道を歩ませるのが相当と考えます。

最後に本人が証言をしました。
感情にまかせて卑劣で最低なことをしました。
被害者様とそのご家族様には大変申し訳ありませんでした。
今後は働いて社会貢献をして償いを意識して生きていこうと考えています。
多くの方に迷惑をかけて申し訳ありませんでした。
この記事についてブログを書く
« 国の「盗聴騒動」は米軍関連... | トップ | 船橋整形外科病院 関節鏡視... »

傍聴記」カテゴリの最新記事