午前10時から午後3時30分まで、旭中央病院に対する医療裁判の証人尋問が行なわれました。 新聞記事が2014年12月5日の千葉日報にあります。
訴えられているのは外科で、出廷した被告病院の医師は手術を執刀した女医です。腹腔鏡の術者としてのオペが50件ぐらいだそうですから、年齢はもしかしたら20代かもしれませんね。公立病院の外科医で体育会系のしっかりした女医さんという感じです。ちゃらちゃらした感じはありません。ただ外科医としては若いようですし腕の方はどうなのでしょうか。
午前中に原告の本人尋問が主尋問40分反対尋問40分です。
早期の胃ガンの治療として腹腔鏡手術をして一カ月後に合併症で病院で亡くなられた患者さんの家族が、病院の手術の説明義務違反や診療上の義務違反があったとして訴えています。
手術前に簡単な説明だけで腹腔鏡下切除術のリスクの説明を受けていない。難易度が高いと説明を受けていたら手術は受けていませんでした。敗血症で亡くなってからも医師から適切な説明がなく被告病院を退職されて行方が分からなくなってしまった。
手術後に医師からホワイトボードに胃と膵臓の絵を描かれ術中に膵臓に傷がついてしまった?との説明を受けました、その後、緊急で開腹の再手術を受けたのですが、この傷が原因で膵炎になり敗血症になり亡くなったのではないか。
病院側の主張 主尋問40分反対尋問60分
手術前のCT診断は、胃ガン転移は認めない。手術はお腹に孔を開けて腹腔鏡下に鉗子で胃の周囲のリンパ節を郭清し、胃を半分から3分の2の切除をして消化管を再建するというものでした。手術の前に絵を描いて説明をしました。
合併症として、出血、肺炎、縫合不全、膵炎、腹腔鏡特有の合併症を説明しました。
手術は癒着があり剥離するのに時間が掛かりました。
緊急の再手術の開腹手術をした理由は、膵炎と縫合不全を疑う所見があったからです。
しかし開けて見ると胃の下の十二指腸付近に縫合不全は無く、大きな合併症はありませんでした。広範な鹸化(膵液で臓器が変化した状態)は見られました。
最初の手術でリンパ節郭清のため膵臓の前面を剥がす操作から膵液が漏れたのではないか。
この時に膵臓を傷つけたという説明はしていない。鹸化の説明を傷と誤解されたのではないか。
反対尋問
>最初の手術時間が予定4時間から6時間半になったのは?
脂肪が多く癒着が多かったのと、十二指腸の自動吻合の圧着において、たわみが裂けていたように見え吻合のやり直しをしたからです。
>ドレーンから膵液から漏れ出ていた原因は?
膵液瘻、膵臓の前面を剥がした際に漏れ出た。
>開腹手術において肉眼での膵臓の損傷は?
損傷はない、不可避的な損傷だけです。
>手術中の動画を撮っていましたが、どうしたのですか?
カルテの一部になりますが残っていない、思い当たらない。
>ドレーンから胆汁を思わせる排液があったようですが?
褐色の排液はあったが縫合不全はなかった。
原告代理人 滝沢信弁護士(藤井・滝沢綜合法律事務所)樋口貴之弁護士(かなで法律事務所)東耕三弁護士(すみれ総合法律事務所)
被告代理人 浅野陽介弁護士(仁邦法律事務所)蒔田覚弁護士(仁邦法律事務所)
訴えられているのは外科で、出廷した被告病院の医師は手術を執刀した女医です。腹腔鏡の術者としてのオペが50件ぐらいだそうですから、年齢はもしかしたら20代かもしれませんね。公立病院の外科医で体育会系のしっかりした女医さんという感じです。ちゃらちゃらした感じはありません。ただ外科医としては若いようですし腕の方はどうなのでしょうか。
午前中に原告の本人尋問が主尋問40分反対尋問40分です。
早期の胃ガンの治療として腹腔鏡手術をして一カ月後に合併症で病院で亡くなられた患者さんの家族が、病院の手術の説明義務違反や診療上の義務違反があったとして訴えています。
手術前に簡単な説明だけで腹腔鏡下切除術のリスクの説明を受けていない。難易度が高いと説明を受けていたら手術は受けていませんでした。敗血症で亡くなってからも医師から適切な説明がなく被告病院を退職されて行方が分からなくなってしまった。
手術後に医師からホワイトボードに胃と膵臓の絵を描かれ術中に膵臓に傷がついてしまった?との説明を受けました、その後、緊急で開腹の再手術を受けたのですが、この傷が原因で膵炎になり敗血症になり亡くなったのではないか。
病院側の主張 主尋問40分反対尋問60分
手術前のCT診断は、胃ガン転移は認めない。手術はお腹に孔を開けて腹腔鏡下に鉗子で胃の周囲のリンパ節を郭清し、胃を半分から3分の2の切除をして消化管を再建するというものでした。手術の前に絵を描いて説明をしました。
合併症として、出血、肺炎、縫合不全、膵炎、腹腔鏡特有の合併症を説明しました。
手術は癒着があり剥離するのに時間が掛かりました。
緊急の再手術の開腹手術をした理由は、膵炎と縫合不全を疑う所見があったからです。
しかし開けて見ると胃の下の十二指腸付近に縫合不全は無く、大きな合併症はありませんでした。広範な鹸化(膵液で臓器が変化した状態)は見られました。
最初の手術でリンパ節郭清のため膵臓の前面を剥がす操作から膵液が漏れたのではないか。
この時に膵臓を傷つけたという説明はしていない。鹸化の説明を傷と誤解されたのではないか。
反対尋問
>最初の手術時間が予定4時間から6時間半になったのは?
脂肪が多く癒着が多かったのと、十二指腸の自動吻合の圧着において、たわみが裂けていたように見え吻合のやり直しをしたからです。
>ドレーンから膵液から漏れ出ていた原因は?
膵液瘻、膵臓の前面を剥がした際に漏れ出た。
>開腹手術において肉眼での膵臓の損傷は?
損傷はない、不可避的な損傷だけです。
>手術中の動画を撮っていましたが、どうしたのですか?
カルテの一部になりますが残っていない、思い当たらない。
>ドレーンから胆汁を思わせる排液があったようですが?
褐色の排液はあったが縫合不全はなかった。
原告代理人 滝沢信弁護士(藤井・滝沢綜合法律事務所)樋口貴之弁護士(かなで法律事務所)東耕三弁護士(すみれ総合法律事務所)
被告代理人 浅野陽介弁護士(仁邦法律事務所)蒔田覚弁護士(仁邦法律事務所)