医療過誤事件の捜査対象だった品川美容外科に捜査情報を漏えいしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反に問われた元警視庁捜査1課警部、白鳥(しろとり)陽一被告(58)=懲戒免職=に対し、東京地裁は17日、懲役10月(求刑・懲役1年)を言い渡した。吉村典晃裁判長は「捜査の公正を害し、警察組織全体に対する信頼の失墜を招いた」と述べた。弁護側は控訴する方針。
判決によると、白鳥被告は品川美容外科池袋院での脂肪吸引手術を巡る業務上過失致死事件を捜査していた10年11月、手術で死亡した女性(当時70歳)に関する鑑定書や捜査状況を記した書面のコピーをかつての同僚で同外科渉外室顧問だった元警部(容疑不十分で不起訴)に手渡し、職務上知り得た秘密を漏らした。
公判で弁護側は「捜査資料を渡したことは一切ない」と無罪を主張。これに対し判決は、資料を受け取ったとされる元警部の証言の信用性を認めた上で、「秘密漏えい事案の中でも特に悪質で、反省の態度も認められない」と非難した。
白鳥被告と同外科の関係について判決は(1)事件発生後、被告のあっせんで元同僚が再就職した(2)元同僚や同外科関係者と複数回にわたり飲食を共にした--と認定し、捜査官と捜査対象側という立場にありながら密接な関係にあったと指摘した。【和田武士、小泉大士】
2012年2月17日 11時35分(最終更新 2月17日 12時36分) 毎日新聞
判決によると、白鳥被告は品川美容外科池袋院での脂肪吸引手術を巡る業務上過失致死事件を捜査していた10年11月、手術で死亡した女性(当時70歳)に関する鑑定書や捜査状況を記した書面のコピーをかつての同僚で同外科渉外室顧問だった元警部(容疑不十分で不起訴)に手渡し、職務上知り得た秘密を漏らした。
公判で弁護側は「捜査資料を渡したことは一切ない」と無罪を主張。これに対し判決は、資料を受け取ったとされる元警部の証言の信用性を認めた上で、「秘密漏えい事案の中でも特に悪質で、反省の態度も認められない」と非難した。
白鳥被告と同外科の関係について判決は(1)事件発生後、被告のあっせんで元同僚が再就職した(2)元同僚や同外科関係者と複数回にわたり飲食を共にした--と認定し、捜査官と捜査対象側という立場にありながら密接な関係にあったと指摘した。【和田武士、小泉大士】
2012年2月17日 11時35分(最終更新 2月17日 12時36分) 毎日新聞