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ALS嘱託殺人

2020年07月23日 | 時事
現行法ではもちろん安楽死は違法ですが、尊厳死の考え方については議論が分かれると思っています。

以前起きた障がい者施設の無差別殺人などは論外として、尊厳死(安楽死ではなく、積極的治療を望まない、延命治療を途中でやめることによる自然死を意識のあるうちに選択する)を認めるかについては現在法案を元に議論が進んでいるところのようです。というか2013年の記事なのでとっくに可決されたのかと思っていましたがどうやらまだみたいですね。自分はこちらにも反対していますが、いろいろ調べた限り、現状の医療現場の逼迫度合いを見ていると、時代の流れなら仕方ないのかもしれません。

一方、安楽死についてはその実行を他者に委ねる分、やはり殺人行為に該当することは避けられないでしょう。仮に本人からの強い要望があったとしても、遺族が訴えない意思を示していても、その意思が未来にわたって確実かつ不変である証明はできませんし、請け負う側も、根本には善意があるのかもしれませんが、そこに金銭が絡むのであれば話は別になりますし、、繰り返すうちに死ぬ必要のない人にまで死を勧めるようになってしまうかもしれません。そうなると殺人衝動と何が違うのでしょうか。この医師の言い分は詭弁でしかありませんな。

ブラック・ジャックにも「ドクターキリコ」という人物が出てきて、安楽死をテーマに数本話が書かれています。戦争中などの非日常での体験と現代とは切り離して考えるべきですが、最後に主人公は「それでも私は人を助ける、自分が生きるために!」と叫びますし、彼の恩師も「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」 と言い残して死んでいきました。安楽死に対する議論はそのころからあったと思われますが、コロナ禍にある現代に至ってもこの主張を覆す反論は思いつきません。これが手塚治虫の答えであり、真理なのでしょう。