明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

立ち飲み屋人間模様

2009-11-30 11:41:34 | 生活
寺取材に行った。
日曜日だったので、夫もついてきてくれた

久しぶりに行った地蔵院と鈴虫寺。
地蔵院は紅葉の時期、結構穴場で、とても好きなお寺のひとつ。
鈴虫寺はやっぱり人気で(芸能人もよく来る)、初めて「寺に入るのに並ぶ」という経験をした。
それも30分以上……
お茶とお菓子をいただきながら聞く説法がとても面白いのだ。
もちろん名前の通り、鈴虫は何千匹と鳴いているし、
確かに一度は訪れたい寺だ。

紅葉の時期ということもあって、本当にすごい人で、
説法を聞く書院の中は100人以上の人であふれていた。
これが何度も入れ替えがあるわけで・・・1日1000人は来るんじゃないのかな。
あんな辺鄙なところにある寺なのに、「話題性」ってすごい
(阪急嵐山線の松尾駅から徒歩15分)

幸福地蔵さんという、日本で唯一わらじを履いたお地蔵様がいらっしゃる。
お守りを買って祈れば、願い事を1つだけ叶えてくれる。
わらじを履いているのは、お地蔵様のほうからわざわざ訪ねて来てくれるのだとか。

何をお願い事しようかなーと悩んだけど、夫と二人だったので、
「子宝」を祈っておいた。
子供か……。
子供ね……。
まだ自分の中では微妙な選択肢だけど、生むならそろそろタイムリミット。
こうして祈って授かったのなら、それなりに覚悟もできるだろうと、
そんな気持ち。

鈴虫寺の後は、松尾大社でおまいり。
お酒の神様だからなぁ、「来年もおいしいお酒がいっぱい飲めますように」と祈っておいた

寺取材終了!
帰って原稿書かないといけなかったけど、なかなか楽しめた。

まだ5時くらいだったし、家に帰ればご飯も用意していたので、
「ちょっと1杯だけ立ち飲みしたいね」と、夫と二人、立ち飲み屋へ。

狭い狭い、8人も入ればいっぱいのお店。
オネエチャンが一人で切り盛りしている。

5時台から立ち飲み屋で飲もうなんていうのは、
まあ、アル中かヤクザな人間しかいないわけで(笑)
30分ほどいただけでも、いろんな人間模様が見えて面白かった。

私たちの後に入ってきたおっちゃん。
年は60くらいだろうか。
病気か?!と心配になるほど、ふらついている。
ビールを受け取っても泡をどんどんこぼしていた

話を聞いてみると、
「朝、5時から飲んどんのや」
とのこと……
もう私はそれを聞いて、面白くて面白くて仕方がない。

おっちゃん、朝5時って……

気持ちよくなったり、下がったり、また気持ちよくなったり、下がったりで、
1日を過ごし、そうして夕方5時にこの立ち飲み屋にたどりついたわけだ。
すげーな、おっちゃん!!
完全にアル中やん。
でも、なんか親しみわいてしまうんだよなぁ・・・

また別のおっちゃんが入ってきて、その人も既にゴキゲン。
何かと私に話しかけてくる。
私は酔っ払いが嫌いではないので、結構ニコニコして話し返す。
だから、私は酔っ払いのおっちゃんには非常に評判が良い。
にっこりしたら、
「おねーちゃん!なんやかわいいなー!」と喜ばれる

ただ、酔っ払って下ネタ言うおっさんはキライ。
その後に入ってきた「社長」と呼ばれるおっさんは、ずっと下ネタやった。
ちょっとやったらいいけど、しつこいっちゅうか、単に面白くない

先の酔っ払いのおっちゃんたちは、1杯も飲まずにふらふらで出て行った。
1杯も飲めないほど酔ってるのに、それでも立ち飲み屋に寄らずにはいられない……。
酒におぼれた人生を送ってるんやなぁ。

私も結婚してなかったら、間違いなくこういう人生だったと思う。
だから、ああいう酔っ払いのおっちゃんに対して優しくできるのかもしれない。
いや、ほんま。冗談じゃなく。


私は若い女の子が集まるお店は苦手だ。(旨い酒があったためしがない)
こういう立ち飲み屋でビール飲んでる時はとても落ち着く。
「今度、あの店一人でも行ってみよ
と言ったら、
「あかん!一人ではあかん!
と夫に止められた。

場末の立ち飲み屋で朝5時から飲んでるおっちゃんと一緒に
一人で飲むようになったら、やっぱりあかんか……(笑)


漱石フェア

2009-11-28 22:45:14 | 
読む本がなくなったが、新しい本を買うお金も本屋に行く時間もない。
そこで、昔読んだ本の再読でもしようかと、本棚を物色した。

ふと、漱石が目につき、「そうだ、久しぶりに漱石を全部読み返してみたらどうだろう」と思いついた。

大学時代に主な作品はほとんど読んだが、再読は数冊しかしていなかった。
それも、ここ10年くらいは漱石を手に取ったことがないのでは?

とりあえず、自分の中の漱石ベスト3から読むことにした。
「三四郎」「虞美人草」「草枕」


今、「三四郎」を読んでいるが、こんなに面白かったかと思うほど面白い。
昔読んだのとは、また違った感情が生まれることに気づく。

漱石の独特の文体。漢字使い。
久しぶりに触れて、やっぱりお札になるだけのことはある人だなと思った。
文学はやはり面白い。

先日、塾で個別の講師が高校生の教材で、森鴎外の「舞姫」を見ていた。
わぁ、いいなぁと羨ましく思った。

高校の現代文の授業で「舞姫」をやったとき、
「この青く清らにて物問ひたげに愁を含める目の、
 半ば露を宿せる長き睫毛に掩はれたるは、
 何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか」
という一文を読んで、あまりの美しさに胸がどきどきし、何度も繰り返し読んだことを思い出す。
こんなに美しい文章が世の中にあるのか、と思った。

今、中学生に古今和歌集などを教えているけれど、
やっぱり古典を教えるのが一番楽しい。

私の行っていた大学の国語国文学科は変わっていて、
国文科の「華」である、中古文学の専門の先生がいなかった。
万葉、中古中世の仏教文学、近世、近代のみ。
平安時代の和歌を勉強したいと思っていた私にはかなりの衝撃だった。

結果的に、中古中世の仏教説話を卒論でやって、それはそれで楽しかったのだが、
今でも中学生に和歌を教えていると、やっぱりいいなぁと思う。
もしもう一度何か勉強できるんだったら、平安時代の文学をやりたいね。
この世で、全く役に立たない学問・・・。

漱石を読んでいたら、この時代の文豪って役に立たない学問をやってるけど、
やっぱり今の時代にまで感動や潤いを与えてくれるのだから、
こういう存在って人の世に必要なんだなと思った。

とりあえず、しばらくは漱石で楽しめそうだ……

エンジェル

2009-11-26 19:30:30 | Weblog
今日の昼の授業はうまくできなかった。
また欲が出てしまい、証明の穴埋めだけでも…と思ってやらせたら崩壊した

計算だけにしとけばよかったなぁ…
そのうえ、また生徒の態度にキレて、ちゃんとみてあげられなかった

必死で真面目にやろうとしている子と、
適当でふわふわしてる子と、
その差についイラついてしまって。

気分屋で、自分がやりたいことだけやって、周りの迷惑を考えない、
そういう態度がどうしても許せなくて。

そんなにムキになる必要ないんかもしれんけど、関わってしまったから。
なんかわからんけど、関わってしまったから、
できるだけのことをしてあげたいのだ。
なのに…


怒りというより、やりきれなさと悲しさとでいっぱいになってしまった。
キャパが小さいんだなぁ、私は。
切り替えができない。

授業の後で落ち込んでたら、
八田さんが声をかけてくれた。

「キレるのは、それだけ相手を想ってるからですよ」

…エンジェルや
温かい言葉に救われた。
(ありがとう)

でも、反省。
次はもう少しちゃんとやるわ。

かおりさんがころんだ

2009-11-26 01:47:22 | 生活
大げさに言っているわけじゃなく、
本当に1週間に一度くらい、足をぐねる。
何もないところで。

あまりに何度もぐねるから万年捻挫状態で、
今ではもう正座をすることもできなくなってしまった

「ぐねる」だけでなく「ぶつかる」も異常に多い。
毎日過ごしている家の中で、曲がることのできない猪のごとく、
フツーに壁に突進したりするので、青あざが絶えない。
お風呂に入ると、だいたい新しい青あざを発見する。

そして、「こける」。
「大人がそんなふうにこけるの、初めて見た」と言われたことがあるが、
本当に、子供がビターンとこけるように、思い切りこける
だから、こんな大人やのに、膝小僧にかさぶたがある確率が非常に高い。

つい先日も、何もないところで、フツーに(でも派手に)こけた。
右足をぐねり、左ひざにかさぶたを作った。
小学生でもなかなかやらないやつだ。

さすがに隣を歩いていたおっちゃんに、「姉ちゃん!大丈夫か!」と言われた。
「大丈夫じゃないです・・・痛いです・・・おんぶして・・・」
とは言えない大人なので、歯を食いしばって立ち上がり、
「大丈夫です、すみません」となぜか謝った。

よく、人前でこけると恥ずかしくて笑ってしまう・・・
なんてことを聞くが、それは中途半端なこけかたなんだと思う。
私は本気ごけなので、マジで痛い。
涙をこらえて、必死に立ち上がる。

子供はいいなぁと思う。
痛かったら泣いて、抱っこしてくれる人がいて・・・
大人はこんなに痛くても、涙をこらえて立ち上がるしかないのだ

2、3日前のそんな傷が癒えないまま、今日また足をぐねった。
痛くて泣きそうだったが、ガマンした。

常に捻挫状態だからか、いよいよ右足首には、ピンポン玉くらいの水がたまっている
これって、どうなんだ……?

あまりに痛かったので、アイスを買った。
帰り道、足をひきずりながらアイスを食べた。
ちょっとだけ癒された。
120円で傷みをこらえた。

大人ってたいへんだ

家政婦が欲しい

2009-11-25 00:14:25 | Weblog
今日も終電…
しかし、まだ帰って原稿の修正がある…

朝から原稿1本書いて、昼から国語の模擬テストを作成して、4時に塾入り。
教材準備して5時~10時まで5時間授業。
さらに残りたい生徒を11時半までみた。
今やっと終電に乗り込んだとこ。

疲れは全くない。
今日作った模擬テストが明日どれくらい当たるだろうかと、それが気になる。
みんなできるといいなぁ…
いつもテスト前日は祈るような気持ちになる。

今朝、仕事の新規案件が入ってきた。
しかしながら、これがまた急ぎらしい
まだ打ち合わせもしてないのに12月上旬には発行したい広告だとか…
12月上旬って…
もう11月下旬なんですけど…

もう一つ、サイトのコピーも頼まれてるし、その取材もある。
明日もまた取材やし、原稿もたまってるし
しばらくはまだ忙しい日々が続きそうだ。
仕事がたくさんあるのはありがたや。
ただ、まともな食事ができれないのだけが辛い
節約中やのに毎日コンビニばっかりで、お金もすごくかかってる。
おうちご飯が食べたいなぁ…
ご飯作って食べる時間くらいは欲しいね、やっぱり。

そして、私はまだいいんやけど、夫まで外食ばっかりになるのが申し訳なくて、そのことがすごいストレスになる。

明日は頑張ってお弁当しよう。

期待を裏切らない店

2009-11-22 10:43:26 | Weblog
昨日も朝パン、昼ウィダーインゼリーという悲惨な食生活で授業をやった。
早めの夕方に帰宅して、
「美味しいもの食べたいよぉ~」
と数分間ジタバタしていたら、夫が根負けして、
「よし、じゃあ今晩はかおりの好きなもん食べに行こ!」
と言ってくれた。

やったぁ~

京都「なな治」へ。
久しぶりだったけど、やっぱり期待を裏切られなかった!

ヨコワとこしょう鯛のお造り
変わり串揚げ
うの花
胡麻豆腐の揚げ出し
聖護院かぶらと鶏の菊あんかけ
ちりめん山椒と大葉の焼きめし

どれもめちゃくちゃ美味しかった!
特に、うの花やなぁ。
鶏肉、人参、ゴボウ、九条ネギが入ってた。
味付けが薄めの甘口で、まさに私の好み
これと酒だけでも幸せな感じだ。

串揚げも7本セットでどれも上品かつ手のこんだ仕上がり。
豆をつぶしてクリームコロッケにしたり、車海老を大葉で巻いたり…
レンコンの上にはちょっぴりアンチョビバターをのせて。
どれも美味しかった。

日本酒がまた私と夫好みのラインナップ。
萩の露、大治郎、喜楽長、一博、雁木…

お店のご主人も奥さんも感じがいいし、ほんまに最高やった。
これでまた1週間頑張れるなぁ

お腹すいた!

2009-11-21 00:18:50 | Weblog
塾の帰り。
お腹すいた!

今日はろくなものを食べてない。

朝パン食べて取材行って、3時頃に上島珈琲でクロックムッシュ食べて、
塾行って教材準備しながらコンビニのパン食べて、授業して、
授業の合間にまたコンビニのパン食べて、
また教材準備して終電乗って帰るとこ。

お腹すいた!!!

こんな食生活耐えられない!

今食べるもののことしか考えられない。
今何でも好きなものが食べられるなら…
ブリ大根
生春巻き
いわしのから煮
鮭のゆうあん焼き
パリパリ鶏のネギソース
ナスの煮びたし
かぼちゃの素揚げそぼろあんかけ
ピーマンの肉詰めスープ煮
揚げ出し豆腐



定番メニューばっかり思い浮かぶなぁ。
今こういう何でもないお惣菜で美味しい日本酒をくうっとやれたら最高や…

握りもいいなぁ。
アジと鰻がいい。
鯖きずしも食べたい。鰆のたたきも…

とめどない思考に刺激される胃を抱えて家に帰る。

なんもないんだなぁ…
はぁ…

ささやかな夢・・・

2009-11-20 00:12:57 | 生活
なんか忙しいな・・・あれこれ。
いろんな取引先の仕事があるので、スケジュール帳なしには動けない私。
(歳のせいか、覚えていられない
今週、来週は、朝から夜中までびっしり埋まった。

そんな日々の憩いは、やっぱりおいしいもので。

今日も取材が終わった後、梅田のビールスタンドで立ち飲みして、
阪急で日本酒を試飲して2本購入して、
成城石井で、チーズとチョコとさつまあげを買ったら、すっきりした

一度でいいから成城石井で好きなだけ買い物をしてみたいと思う。
そんなささやかな夢……
なんであそこは美味しそうなものがいっぱいあるんだ?!

本当はスイス製のホワイトチョコが一番好きなんだけど、400円もするのでガマンした。
食べると、甘さでのどが焼けるようになるやつね。
それくらい甘くないと、美味しいと感じられないんだなぁ。

チーズもカマンベールとパルミジャーノを買いたかったけど、またガマン。
ミモレットの18ヶ月とお気に入りのデンマーク産ブルーチーズだけ買った。
(安かった!)

そういえば昨日、塾の後に講師数人で飲みに行って、食費の話になった。
1ヶ月で2万円かからない人もいて、びっくり。
そういえば、昔いた講師も1万円かからない人いたな・・・
1万円って・・・下手したら1回飲みに行ったらだいたいなくなるかも
見習わないといけないなー。


久しぶりのおいしいもの、先斗町「有恒」へ

2009-11-17 23:51:32 | 美味しいもの
家というでっかい買い物をしてしまったがために、
似合いもしない節約生活を強いられている今日この頃……。

しかし、先週は久しぶりに京都で贅沢をした。
先斗町で食事

前から行きたかった蒸し物専門のお店「有恒」へ。

先斗町に1軒でも行きつけの店があるといいなぁと思っていたが、
そうなりそうな予感のお店だ。
カウンター10席程度のこじんまりとした店内は、以前はお寿司屋さんであったことを感じさせる造り。
ご主人が一人で切り盛りしている。



生牡蠣~
大好き、大好き!



蒸し野菜の盛り合わせ~
九条ねぎや栗かぼちゃ、安寧芋、玉ねぎ、などなど・・・
どれもほっこりして、甘味が凝縮されていて、旨い。
いくらでも食べられる感じ……



鰆の豆鼓蒸し~
身が崩れるほどやわらかい。
添えられた水菜はシャッキリ。
お豆腐やお揚げさんもおいしかった。



京もち豚ときのこの蒸し物~
まさか、きのこを巻いた形で出てくるとは!
これもおいしい!
お肉柔らかい~



そして、デザートまで蒸し物!
黒糖蒸しパン~
味がしっかりしていて、めちゃうまい。
食後でもぺろっといけます。

お酒もこだわっているということだったが、
確かにこだわってはいるんだけど、私好みのお酒がなかったのだけが残念。
でも、ご主人も感じがいいし、一人でも利用できるタイプのお店だ。
最後にりんごをむいて、サービスしてくれたのも嬉しかった。

は~
久しぶりに、満足いった。

そのうえ、コスパがいい!
先斗町で一人4000円程度とは・・・!!
このお店はまた行きたいね

ああ・・・
できれば週に1回でいいから、贅沢したい。
前は毎日のように飲み歩いていたのに、この節約ぶりときたら!!
今月はもうこれでおしまい。
淋しいもんやね・・・

早く借金返せるように、やっぱり稼がないとあかんなぁ。

今日は私のクライアントでもある整体院の先生のところに取材に行って、
途中から私のカウンセリングになって、2時間も話してしまった。

私の仕事・・・書く文章をとても気に入ってくれている。
私の書くものには「価値」があると言ってくれる。
だから、私がもっと自分の書きたいものを書けるように、いろいろとアドバイスをしてくれた。

途中、泣きそうになった。
とても難しい問題がある。
自分と対峙するっていうのは、勇気もいるし、苦しい作業でもある。
自ら変わっていくことも・・・

でも、先生の気持ちが嬉しかったし、とても伝わってきたので、
ちゃんと考えてみようと思う。

今も幸せだけど、もっと幸せになっても罪ではないものね。
「幸せ」=「罪」という考え方が、まだ少し自分に残っていたことにびっくりする。
本当に少しだけど。

とりあえず、変わっていって、本当の意味での「稼げる自分」にならないといけないなぁ。
ちゃんと考えよう。



11月後半スタート

2009-11-16 10:29:42 | 生活
11月、最後の休みが終わった。
今週から11月いっぱいはめちゃくちゃ忙しくなり、もう休みはない。

土曜日は一日中、大掃除をしていた。
普段できないところ・・・キッチンの壁とか、換気扇の上とか。
お風呂のドアの隅がちょっと黒くなってるのを爪楊枝でこすったり。
あとは、あふれている仕事の資料と本をひたすら片付け。
巨大な本棚にも全くおさまりきらず、ついに押入れの洋服を入れる引き出しが
本の収納庫となってしまった

日曜日は、夫の実家へ家の報告に。
お昼ごはんにラザニアが出てきて「おいしい、おいしい」と食べていたら、
「よかったらこれも食べて」
と、ポテトグラタンが出てきた。
まさかのグラタン系、2段攻撃!!

他にも揚げ物や煮物やお吸い物や・・・いろいろあって、
さすがに食べ切れなかった。
でも、おかあさんのお料理はおいしいし、楽しいひと時だった。
そんな感じで、土日は平和に終わった。

今週、4本取材。
来週も1本は決まっていて、たぶんもう1回京都の寺取材へ行くと思う。
そのうえ、塾のテスト対策がまた始まる・・・
ひとつ、どうしてもとりたい仕事があって、その一次審査としての作品提出もある。
がんばらねば

テスト対策も、前回はコマ数をこなすので精一杯というところもあったが、
今回は数学の点数の底上げをしたい。
国語はかなり点数をとらせることができたが、数学はまだ10点台の子が2人いたので。
それでも、塾に来る前は0点だったのだから、たいした進歩である

とりあえず、30点・40点台の生徒をどうやって60点に近づけるか。
これを課題にしようと思っている。
私だけでなく、レギュラー講師には、それぞれ目標を設定してもらいたい。

この間、個別講師の模擬授業を見せてもらったのは本当によかった。
改めて自分の足りないところもわかったし、頭では何がいいかわかっているのに、
自分が手を抜いていたところ(要領でやっていたところ)もよく見えた。
反省して、全力で授業をして、ちゃんと結果を出したいと思う。
レギュラーも個別のように、もう少しお互いを批評し合ったりしながら、
切磋琢磨してレベルアップしていきたいと思ったわけだ。

ただ問題は、テスト範囲が「相似の証明」だってことだ
「証明」と聞いただけでテンション下がるCクラス……

「もういい」
「やらん」
「あきらめる」
と、教える前から言われ、すりこみって怖いなぁと思った。
やる前から「無理」って思ってるんだよなぁ・・・

だから、今回は「何を完璧にやらせて、何を捨てるか」というのを
自分自身、しっかり見極めようと思う。
全部を満遍なくやらせれば、間違いなく崩壊する。
勇気がいるけれど、こういう決断も大事だと思う。
それが昔はできたんだけど、最近はどうも欲張ってあれもこれもとやらせたくなってしまっていた。
決断。大事

Cクラスでも五木の模擬試験を受けたという生徒がちらほら出ていて。
結果を見せてもらったら、だいたい偏差値35~40くらい
さあ、これからが大変だ。

自分の仕事と、塾と、家事と、新築のことと・・・
3月まで慌しいけど、いろいろうまくいっているので、楽しい
とりあえず、11月後半、がんばろう

三浦しをん 『まほろ駅前 番外編』

2009-11-13 22:55:38 | 
最近、どうもせつない気分になることが多い。

この感じを「せつない」という言葉で表現するのが的確なのかはわからない。
ただ、これが読んだ人も自分に置き換えて感じられる、いちばん近い言葉だとは思う。

もう少しわかりにくく言えば、

酒を飲みながら独り言を言いたくなるような、
ブルース・スプリングスティーンのサンダー・ロードを聴きたくなるような、
誰でもいいから友達にメールしたくなるような、
昔好きだった本を取り出してお気に入りの一節を探したくなるような、
近所の子供が歩いているのを見るだけで泣きたくなるような、

・・・そんな感じだ。

物書きなんて商売は、こういうときに、本当に役立たずだと思う。
取材相手の想いを表現することばかり考える毎日で、
自分の言葉を忘れてる。

塾の近所のファミマで働いている昔の生徒が、パンを買う私に向かって、
「さんのーさん、まだ本書かないの?」
なんて、気軽に重い言葉を問いかけるもんだから、
私は一気にせつなくなる。
しょうがないから、家に帰って、サンダーロードをYouTubeで探したりするわけだ。

そして、もう冷蔵庫に日本酒がないから、夫の部屋に行って、
彼の秘蔵のハーパーをちょっと拝借したりもするわけだ。

今日は、三浦しをんの『まほろ駅前 番外編』を読み終わった。

2006年の直木賞に輝いた『まほろ駅前 多田便利軒』
私はこの作品がめちゃくちゃ好きで。



三浦しをんの本を読んだのはこれが最初だった。
そこから結構いろいろ読んだのだけど、ページが進まないほど自分とは合わない。
なのに、この作品だけは、自分の感性にぴったりで。

人生で読んだ数ある本の中でベスト10に入ると思っているくらいだ。
でも、意外に周りの人のだれも、この本の話をする人はいない。
(ちなみに私の友達は基本的に本好きだ)

今回の『番外編』も本屋で見つけてすぐに買った。
迷いもなく。

でも、よくあるように、続編というのは本編の半分も満足いかない。
前半は読まなきゃよかったと思っていた。
それでもやっぱり後半はよかった。
今は読んでよかったと思う。

私は、映画でも本でもそうなんだけど、その全体のストーリーうんぬんよりも、
自分にとって「たまらん!」という場面や一文にやられるタイプだ。
それがその作品の評価となってしまう。

たぶん、『まほろ・・・』もそうで、自分にとってはたまらない言葉があったのだ。

息子が死に、離婚し・・・という重い過去を背負った多田。
便利屋を始め、高校の同級生で変わり者の行天という男と関わりをもつようになる。
便利屋にくる様々な依頼。
その中で親の歪んだ愛情を受けている子供の送り迎えを依頼される。

いろんなことがあった後、最後に多田はその子供に言うのだ。

「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある。
 与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、
 おまえは新しくだれかに与えることができるんだ。
 そのチャンスは残されてる。
 生きていれば、いつまでだって。
 それを忘れないでくれ」

このせりふにやられてしまったわけだ、私は。

たぶん、自分が子供時代に、一番欲しかった言葉だからかもしれない。
いつもぼんやりと思っていた。
どんな形であれ、愛されていることを知らなかった私は、
いつか自分はだれかを愛して、自分が与えられなかったものを
必ず与えるんだ、と。

それも今では間違っていたことはよくわかっているけれど、
もし、あの時代の歪んで卑屈でどうしようもなかった私に、
この言葉をかけてくれる大人がいたなら、
もう少し早く「私も生きていていい」ということを実感できたのではないかと思うのだ。

それから、この本のラストにもうひとつ、たまらない文章がある。

  今度こそ多田は、はっきりと言うことができる。
  幸福は再生する、と。
  形を変え、さまざまな姿で、
  それを求めるひとたちのところへ何度でも、
  そっと訪れてくるのだ。

自分が伝えたいけれど、うまく言えない言葉・・・
それをこんなにも簡潔に表現されると、やはり感服する。

「幸福は再生する」

本当に、そうなんだよなぁ・・・
自分自身の幸福が再生したからこそ、これを真実の言葉として受け取ることができる。
だからこそ、感情が揺さぶられるのだろう・・・

今、夫が帰宅して、「あっ!ハーパーがこんなになくなってる!」と騒ぎ出したので、
今日はこれにて失礼。


この冬の白菜料理

2009-11-10 23:31:40 | 美味しいもの
今日は時間があったので2つもブログを更新して(今3つ目)、
3社に営業のメールを送った。

・大阪の某アパレルメーカーの企業コンセプト制作
・メルマガ
・教育業界のライティング

どれか一つでもひっかかってくれるといいのだけど。

今日は19000円分仕事をする予定が、まだ2500円ぶんしかしてなくて
既に日付が変わろうとしていることにびびっている

でも、今日は新作メニューがおいしかったので満足。



白菜と鶏だんごのクリームスープ。

白菜の芯ばかりを千切りにして入れて、
鶏のミンチをだんごにして。
あとは、鶏がらスープに牛乳と生クリーム。

あっさりしているけど、コクはあって、
なんかいくらでも食べられる感じ

久しぶりのヒット。
今年の冬の白菜料理はこれに決まりだなー

最近のおうちごはん

2009-11-10 11:24:57 | 美味しいもの
10月は忙しくてろくなものが食べられなかった
毎日パンをかじりながら、パソコンに向かうような感じで・・・

11月に入ってようやく落ち着いたので、とにかく野菜中心の生活を送っている。

中でもおいしかったものは・・・



チンゲン菜と帆立のクリーム煮。
クリームといっても、バターを使っていないし生姜もたっぷりなので、
どこか和風のあっさりしたお味。
ヘルシーです。



冬瓜のえびあんかけ
キャベツと帆立ときのこのあっさり煮
豚肉と水菜の煮物

大きな冬瓜を父親が持ってきてくれたので、大量に煮込んだ。

冷蔵庫の野菜がなかなか減らず、土曜日にはとにかく野菜を使いまくった。
定番ばっかりで、カンタンにできるものを・・・



こんなに豪勢な食事なのに、夫があきらかーに不満顔。
「肉ない・・・

いやいや、意外にあるよ!
でも、結局、肉じゃがばっかり食べていた。

私はこういう料理をいっぱい作って、それをちびちび食べながら
2時間くらいかけてちびちび飲むのが好きだ。
いわゆる定食的なごはんって、うちではあまり出てこない。

春菊のサラダがおいしかったなー。
厚切りのベーコンとしらすをオリーブオイルで炒めてカリカリにしてのせている。
ドレッシングはお酢にコンソメとにんにくすりおろしで作ったもの。

ターサイも豚肉と卵で炒めてオイスターソースで味付けしたらおいしかった。
こうして野菜を中心に食べていると、だんだん元気になってくる。

土曜の昼は、ちょっと前に外で食べたニョッキがおいしかったので、家でもやってみた。



厚切りのベーコンとハーブソルトがいい塩味になって、ビールとよく合う!

ニョッキ好き・・・
まだ少し残っているので、今日もお昼にやろうかなー。
(ビールは夜までガマン・・・)

今晩は白菜をなんとかしよう。
毎年のことやけど、白菜の新メニューを考えるのがたいへん。
去年はコンソメとベーコンで煮込んで、チーズを乗せてオーブンで焼くというのがヒットだった。
なんかカンタンでおいしいのないかなー

とりあえず、今日はロールキャベツふうにするか、
クリームスープにするか・・・

木の微笑み ~円空・木喰展へ

2009-11-10 10:01:30 | 生活
土曜日、一人でふらりと「円空・木喰展」に行ってきた。
http://wjr-isetan.com/kyoto/floorevent/index_7f.html

円空(えんくう)が活動したのは、17世紀。
それより100年ほど遅く木喰(もくじき)が現れる。
二人の共通点は、全国を巡る行脚僧として布教活動をしながら、仏像や神像を彫り歩いたこと。
ただひたすら自分の行と庶民救済のために仏像を彫り続けた。

円空は32歳で仏像を彫り始め、その後30年間の間に12万体もの仏像を彫ったといわれているが、これは1万体程度ではないかなど、諸説ある。
しかし、現在でも5000体以上が発見されているし、
庶民対象であっただけに見つけるのは困難なだけで、かなりの数があったのだろうと思われる。

木喰は驚くべきことに62歳で初めて造像し、93歳まで彫り続けた。
現在も700体以上が発見されている。
芸術としては完成されたように見える仏像で、表情もとても豊か。
「微笑仏」と呼ばれるその微笑をたたえた仏たちは、見る者の心を魅了する。

美術館内に入ると、まずは円空の作品が並んでいる。
3センチほどの小さなものから、見上げるほど大きなものまでさまざまだ。

円空は、「木」という素材を知り尽くしていて、
それを最大限生かす方法で像を彫る。
美術品としての像ではなく、あくまでも修行のための像だ。

だから、正面には仏様が彫られていても、裏にまわってみれば、
それは本当に朽ちた木だったりもする。
「木っ端仏」と呼ばれる小さなものがあるが、これはそれこそ木の端に仏を彫ったもので。
どんな木からも仏を彫り続けたというのがよくわかる。

素朴で、力強く、でも、どこかあたたかい。
熱と魂を感じてやまない。

近年になって千面菩薩厨子が発見されたとき、中からは1024体もの大小様々な仏様が現れたという。
それはまだ真新しく、彫りたてのように檜の香りがしたそうだ。
そして、その厨子には、このようなことが書かれてあった。

「たとえ、どんなに朽ち果てた木であっても、衆生救済のために私は彫り続ける」

これを読んだとき、何か執念にも近いものが感じられた。
ぞくっとした。

大きな木の根に顔と小槌だけを彫った大黒天。
朽ちた木の形をそのまま炎に見立てた不動明王。
木のゆがみや傷もそのまま生かして仏となる。

30年間もただ仏を彫り続けた・・・
そして、それを必要としている庶民がたくさんいた。
そういう時代だったのだなぁ。

対して木喰の仏は、もっと肉感的だし、表情も豊か。
丸みのある、滑らかな曲線で形造られている。

そこには、円空のような執念ではなく、どこか「自我」を感じさせるものがあった。
怖い顔をした十二神将の中に微笑んだ像を紛れ込ましたりするし、自身像も多い。
62歳で仏像を彫ろうと思うくらいだから、かなり自身に対してストイックでありながらも、
どこか煩悩を捨てきれなかったところがあるのではないかしら?
文学でいえば、鴨長明のように・・・

木喰の中では、子安地蔵菩薩といって赤ん坊を抱いている像がいくつかあるのだけど、
これが一番感動した。
まるで、イエスを抱くマリア像のようだ。
肉感的なところが日本の仏像とは違い、どこか西洋的。

母親が赤ん坊を抱く姿・・・
これは普遍的なものなのかもしれないなぁ。
どんな仏様よりも神秘的で美しかった。

それから、もう一つ面白いと思ったのは、秩父三十四所観音菩薩と自身像が
新潟の金比羅堂に安置されているらしいのだが、
その像たちは全部表面が削れて、傷だらけになっていた。
自身像など、表面が全部削れてしまい、のっぺらぼうだ。

これは、そのお堂の近所の子供たちが菩薩像を取り出してきて遊んでいたからだという。
自身像は中が空洞になっていたため、そこに子供たちが乗り、そりのようにして遊んでいたため、
表面が完全に削り取られてしまっているのだ。

ここからも、いかに「庶民」の仏であったかということがわかる。
バチが当たりそうに思える行為でもあるが・・・
「仏様と子供たちは仲良し」とよく聞くが、そうだったのだと思いたい。


1時間くらいだったが、とても充実したいい時間を過ごしたなぁ。
たくさんの仏様を見て、心が随分安らいだ。
円空の彫ったものに善財童子があり、それが一番のお気に入り。
私の好きな奈良・西大寺の善財童子様と同じように、可愛らしく微笑んでいた。

第1回ワイン会レポート ~ロマンはどこだ?

2009-11-09 13:47:08 | 
私が気に入って使うフレーズの一つに、

「酒造りはロマンだ!」

というのがある。

日本酒の伝統と技術、ウイスキーの年月と神秘。
何かに憑かれたように「うまい酒」をただひたすら求め、
情熱をもって造り続けてきた人々がいる。
そこには、いつも私の感情を揺さぶる“ロマン”があるのだ。
大げさに言えば、このロマンを知りたくて、追求したくて、
私も酒を飲み続けているのかもしれない。

私にとって、ビールは既に日常の清涼飲料水と化し、
日本酒は米を抜いて主食となり、
ウイスキーは夜と音楽(BLUES)の友である。

しかしながら、ワインだけは自分の生活に入り込んでくることはなかった。
阪急の地下の日本酒売場では、店員さんに顔を覚えられるまでになっているが、
ワイン売場はどこか高級なイメージがあるからか、立ち寄りがたい雰囲気だ。
「私には、ワインの味はわからない」と思ってもいた。
それから、私の好きな和食にどうやって合わせていいのかわからない。
そして、何より、あの横文字の名前が覚えられない!!

決してワインの味が好きではないわけではないし、
フレンチやイタリアンを食べに行った時はワインを自ら注文する。
勧められればかなり飲める。
上等のワインも随分口にしてきた。
だけど、どうしても入り込めない・・・。
自分で勉強するにはハードルが高すぎるのだ。

そこで、この間、夫とトシ君と3人でバーベキューに行った時、ワイン通のトシ君に、
「今度、ワインの会を開いてよ~」と頼んでみた。
ノリのいいトシ君は「おー!やってみるか!」と二つ返事。
あっと言う間に日取りも決まり、10月のある休日、トシ君の家でワイン会が開かれた。

午後、私と夫が訪ねていくと、トシ君の会社の人たちも集まっていた。
なぜか私と夫はよく会社の人たちの集まりに入れてもらっているので、
もうすっかり皆さんと顔馴染み・・・

今回はトシ君とあやと、私と夫、それに会社の人二人と、その彼女さん1人。
合計7名でのワイン会だった。

トシ君はめちゃくちゃ張り切っていて、ワインはもちろん料理もすべて自分で決め、仕込んでくれていた。
すごい!!
単にワインを飲んで料理を食べるというだけでなく、
壁に掲げられた、フランスとイタリアの地図を見ながら、1つ1つをレクチャーしてくれるのだ。
フランスのワインから始まって、イタリアへ上陸(?)し、最後はシシリアで終わるという予定。

最初は、やはり発泡系だろうと、スペインのスパークリングワインから。
「カステル ロード カヴァ ブリュット」

「スペインだから、スペインオムレツと合わせて」とオムレツが出てくる。
さらに、スモークサーモンも。
うん。
最初の1杯はやっぱり発泡系がいいな。爽やか。
食欲に火がつき、食事が楽しみになってくる。

2本目は、フランスはロワール川下流の地方の白ワイン「ミュスカデ セーヴル エ メーヌ」。
この地方の名前がそのままワインの名前になっている。

2本目が空になる前に3本目を開けてくれたので、2つグラスをもらって比べてみることにした。
3本目は、「アルザス」。フランスでもドイツに近い地域らしい。
これも地方の名前がそのままワインの名になっている。

ミュスカデは香りはやや弱め。しかし、アタックはやや強く、酸味を感じる。
喉越しはよく、すっきりと飲める。
アルザスは香りがやや強め。アタックは普通で、酸味よりも甘味を強く感じる。
アルコール感は少なく、落ち着いた味わい。日本酒で言うなら、「バランスがよいお酒」だ。

ミュスカデには、なんと「しめ鯖」を合わせるという。
私は魚介類とワインの組み合わせを信用していないタイプの人間だが、
これはすごい。
ミュスカデの強い酸味と、しめ鯖の酸味とが、見事に調和していて、
お互いに良いところだけを引き出してくれる。
日本酒の合わせ方とよく似ている。
王道の「よく似た味同士を合わせる」というやり方だ。
酸味のあるものには、酸味のある料理を。
それが成功している例だと思い、感動した。

さらに、「秋刀魚とごぼうのかき揚げ」が登場。
これ自体がめちゃくちゃ旨そう~
そして少し香ばしい秋刀魚としっかりしたコクと油も、ミュスカデがさっぱりとさせてくれる。

ちなみに、アルザスと合わせてみると、全くダメ。
やっぱりちゃんと選択してるんだなぁと感動した。

アルザスには、フォアグラと鴨のパテを合わせる。
このパテがすごい高級なもので、また旨い・・・
地の食材とその土地のワインを合わせるのがいいそうで、
非常によい組み合わせだった。
でも、このパテは旨すぎるので、結構広い範囲のワインに合わせられるような気もした。

みんな酒飲みなので、びっくりするような速さで3本目が空になり・・・
次はいよいよ赤ワインの登場だ。

4本目・・・「シャトーオーピカ」
いわゆるフルボディというやつで、渋みがあり、重い。
かなり渋めに感じられたが、「もっと渋いのはいくらでもある」とのこと。
タンニンっぽい、舌の上でザラつく感じ・・・

トシ君が「チーズとパンと赤ワイン」の組み合わせが一番だという話をしてくれた。
どんな料理もそれに勝る組み合わせはないのだとか。
それから、「ワインを飲むと、その土地の土の味がするっていつも思う」と言っていた。
これは、ヨーロッパ生活が長い人だからこその感想のように思う。
その土地へ実際に行って、その土地のワインを飲む。
それがたぶん一番ワインをおいしく飲む方法なんだろうな。

この赤には、カマンベールチーズとバゲットを合わせる。
さすがの組み合わせだ。シンプルながら。
それから、自家製のパテも2種類出してくれた。
トシ君が作ったというので、びっくり!おいしい~!
うちの夫はカレー味の納豆パテを気に入り、ひたすらパンにつけて食べていた。

ここまできて、いよいよイタリアへ!!
5本目は「マキャベリ」。トスカーナ地方の赤ワイン。
やや強めの香りと酸味。
バニラの香りがするといわれ、そう言われて嗅いでみると、そんな気も……

瓶に鶏の絵が入っていて、これがいいワインの証拠(?)なのだとか。
日本酒でも、食中酒というのがあるけど、
これはまさに食中ワイン。
香りは豊かだけど、味わいはフレッシュですっきりとしている。

私が持って行った自家製スモークチーズとも合ったし、
和牛のオリーブオイルソテーや豚肉と洋ナシのバルサミコ風味ともバッチリ!

この家には洋ナシが普通に置かれてあって、みんなで「すごいなー」といい合った。
なんかちゃうんやなぁ・・・
「洋ナシ」=「セレブ」発想をしてしまう自分もどうかと思うけど
所詮、うちはミカンですわ・・・

この豚肉と洋ナシのお料理がとてもおいしかった。
バルサミコもよく合っている。

6本目はもう一度フランスに戻り、「シャトーギザール」。
こちらのワインは当たりハズレがないらしい。
香りは普通くらいで、野性味のある渋みを感じる。
でも、飲みやすく、渋みのわりにあっさりしていた。

それから、7本目はイタリアの白ワイン「オルビエート クラシコ」。
赤が続いていたからか、この白は新鮮だった。
「枯れ草の香りがする」と言うのだけど、それはまだよくわからない。
日本酒でもそうだけど、この○○のような香りというのは、かなり意識してのみ比べて、
「これが○○の香りなんだ」と実践で理解しないと判別は難しい。
第一、「枯れ草」のにおいって・・・それ自体があまりわからん・・・
私はどちらかというと、「種」のような香りを感じた。
やや強めで、アタックは普通。
甘さはあるけれど、すっきりしていて、すっと消えるのが心地良い。
広がりはあるけど、余韻は短め。
後味が、より「種」っぽさを感じた。

ウンブリア地方というところのワインらしいのだが、
ここのワインはおいしいものが多く、人気も高いのだとか。
納得の味わいで、7人の中でも絶賛する人が多かった。

ここまでで既に7本・・・
7人だから、一人1本は飲んでいる計算になる。

トシ君は構わずどんどんワインを抜いていく。大丈夫なのか?!

8本目は、「サリーチェ サレンチノ」。
渋みはあるけど、しっかりしたおいしい赤ワインだ。
これに合わせる料理がよかった!
「新鮮なアオリイカとトマトのイカ墨ソースパスタ」

絶品!!

そして、いよいよラスト9本目。
ついにフランス・イタリアを巡り、シシリアまできたのだ。
「コルテ デイ モリ」

やや強めの甘い香り。酸味と甘味のバランスがよい。
トシ君が言うのには、「蜂蜜の甘さ」。
白といっても色味も濃い。
デザートワイン的な位置に持ってきてもいいのかなと思った。

これで終わりかと思ったら、トシ君が「もう開けちゃいましょう!」と、
秘蔵のワインを持ってきた。
「バローロ」1999年もの。



トシ君が一番好きなワインらしい。
渋みや酸味がしっかりしつつも、丸みのある味わい。
とてもおいしかった。

これで合計10本!!



いろいろ感想も書いてみたものの、正直、飲みすぎていて合っているのかわからない。
次に飲んだら全然違う感想かも……。

居合わせたメンバーはみんな酒に強く、最後まで誰一人、顔色ひとつ変えなかった。
とても穏やかで楽しく、いいオーラが充満しきった空間に幸せな気分。

ワインもこうやってレクチャーされながら、一つひとつをしっかり飲み比べると、その特長がわかって面白い。
ワインにはその土地柄が反映されている。
歴史と伝統、人々のたゆまぬ努力・・・
いろんな“ロマン”をワインからも感じることができ、
私にとっては、それがこのワイン会での収穫だったと思う。
感謝!!

それから、何よりもよかったのは、トシ君の語りだ。
ワインに対する情熱だ。

トシ君は言う。
「ワインが醸造される際には社会的背景や人々の想い、技術が味に刻印される。
これを自分の造語であるが、醸刻されていると言いたい。
ワインを知れば知るほど、その味には、
刻まれた人々の努力が醸しだされていることを感じることができる」

やっぱり彼も酒造りのロマンに魅せられた人の一人じゃないか!
素晴らしいワイン会をありがとう。
次は春頃、うちの新築で「日本酒の会」を・・・
そして、いつか「第2回ワイン会」があることも期待して・・・