全ては後付け。
確かにそうかもしれない。
だけど、自分がBLUESという音楽を好きになったのは、
「ここ」に辿り着くためだったのだと、
確かにそう感じられる瞬間がある。
「ブルース」というキーワードを手繰り寄せて夫と出逢い、
そこから幸せの連鎖が始まり、
今の私がある。
これだけはどうしたって変わらない事実だ。
夢だったシカゴ・ブルースフェスティバルにも新婚旅行で行けた。
そこで出逢った人々も皆、優しく熱いBluesManであり、
日本に帰ってきてからもmixi等を通じて繋がりがある。
昨年の秋、シカゴで知り合ったシューさんの日記に、
「ロケット副島君から郵便物が届いた」という話があった。
ロケット副島さんは、九州ではとても有名なブルースマン。
その彼がDJとして活躍するミュージックバー「ジューク・ジョイント」では、
「BLUES・After・Hours」というイベントを行っているとか。
数人で選んだブルースを、毎回テーマをもって流し、
それを聞きに来られたお客様には手作りのパンフレットを渡している。
シューさんに届いたのは、そのパンフのバックナンバーだった。
日記にはこう書かれてあった。
「ブルースを愛する男達が辛い仕事を終え、
一生懸命に手製のパンフ製作作業をしてる。
何のために?
信じてやまない愛するブルースを
ひとりでも多くの人に知ってもらいたいから。
ただそれだけの為に。
手元にある薄っぺらのパンフ、
僕には最高の宝のように思えます。」
それを読んで私も感動し、ぜひそのパンフを読んでみたいと頼んでみた。
シューさんは快くそれを承諾してくれ、
昨年末、もう年も暮れようかという頃にパンフが送られてきた。
ご存知の通り、年末年始はもうむちゃくちゃに忙しく、ゆっくり目を通す時間がなかった。
やっと一段落して目を通したが、今度はその内容の深さに驚き、
これはいい加減な感想を送るのではいけないと、
ちゃんとこの気持ちをお伝えしたいと思っているうちにまた忙しくなり、
結局、いただいてから1ヵ月後の今日、
こうしてここで書くことになってしまった。
パンフには毎回テーマがある。
バレンタインデーにちなんで、「SWEET」「SUGAR」「告白」に関係する曲の特集。
ナイスジャケット特集。
ライブ盤特集。
南部ブルース特集など。
手作り感いっぱいのそのパンフには、ブルースに対する熱い想いが詰まっていた。
それぞれのDJがテーマにちなんで曲を選ぶ。
そして、その曲の聴き所、楽しみ方はもちろんのこと、
歌詞の意味や曲が作られた背景などが詳しく綴られている。
知っている曲、大好きな曲でも目からウロコの解釈があったり、
全く知らない曲があったり・・・
お気に入りの曲のことが書いてあると、それを聴きながら読んで、
うん、うん、と納得したり。
全部この選曲通りに聴いてみるのも面白いかもしれない。
(この選曲通りのCDが販売されていたら買いたい。
1曲ずつ解説を読みながら聴けたらもっと楽しいだろうなぁ)
また、BLUESが好きだ、好きだと言いながら、
自分の勉強不足、知識不足を思い知ったりもした。
私は基本的に曲名すらあまり覚えないほうで、
本当にいい加減なブルースウーマンなのだが、
歌詞の意味や背景を知ると、もっと違う聴き方ができるんだなぁと、
いい刺激になった。
スリーピー・ジョン・エスティスとか、ジョン・リー・フッカーとか、
最近遠ざかっていたブルースも、もう一度聴きたくなってかけてみたり……。
曲の解説だけでなく、テーマにちなんだコラムもあり、
それがまた興味深くて面白い。
特に「チャーリー」のことは知らなかったので、勉強になった。
※「チャーリー」=「白人」のこと
全部よかったのだけど、私が一番気に入ったのは、
昨年9月のライブ盤特集のロケット副島さんが書かれた
B.Bキングの「Live At Regal」のこと。
なぜだかわからないが、読んでいると涙が出てきた。
自分が一番好きなアルバムだからかもしれない。
(お棺にはこのCDを入れてくれと言っている)
世の中のブルースマンで、このアルバムに影響を受けた人って本当に多い。
それくらいすごいアルバムだ。
もう20年くらい習慣的に聴いているが、飽きるどころかいつも感動する。
本当に、いくら言葉を連ねたところで、
このアルバムの魅力を十分に表現することなど不可能だ。
これって一体何なんだろうな・・・
単にB.Bの演奏がいいとかじゃなくて、このライブに漂う空気感みたいなの・・・
臨場感というのとはちょっと違って、
本を読むときの「行間を読む感じ」に似てるというか、
そういう目に見えない、音にも聴こえない、「何か」。
それがなぜだかこのアルバムからはダイレクトに伝わってくるのだ。
おそらく、ブルースマンであれば、絶対に無視できない感覚・・・
このパンフに書かれているロケット副島さんの中継(笑)を読んでいると、
聴いているときの興奮度や感動がほとんど同じであることに嬉しくなる。
他の回でも、選曲がわりと私好みで・・・
そういうのって、すごく嬉しい。
「僕達が大好きなブルースの素晴らしさを少しでも伝える事が出来れば・・・」
そう思ってロケット副島さんたちが作られている、このパンフ。
本当に頂けて嬉しかった。
この場を借りて、ありがとうございます。
近くに住んでいれば、毎月「BLUES・After・Hours」にも参加したい。
たぶん、シカゴでのライブハウス巡りのように、
一番バーボンをたくさん飲んで、一番盛り上がってる人になるだろうけど。
いつか、そんな機会が巡ってくればいいな。
最後に、これ。
↑何かと言えば、いただいたパンフではありません。
実は、私が20歳くらいのときに作っていた会報誌・・・
同じロックウッドのライブ盤を表紙にしているのを見て、「あっ!」と思い出したのだ。
この会報誌はブルースとは全く関係なくて、
当時、大学生だった私が参加していた小説の同人誌の会報。
お互いの小説を読んだ感想とか、短いエッセイなんかを載せていた。
それを私がまとめる役割になったのをいいことに、
全く個人的な趣味でお気に入りのブルースジャケットを載せていたのだ。
(メンバーには迷惑だったと思うが・・・)
ロックウッド、スリムハーポ、ハウリンウルフ、スヌークス・イーグリン、Tボーン・・・
この他にも戦前ブルースや、ジョンレノン、妹尾隆一郎、憂歌団、ジュニアウェルズ、
バディガイ、ドクタージョンなど・・・
ブルースに限らず、好きなジャケットを載せていた。
このパンフのロックウッドの表紙を見て、それからロケット副島さんのコメントを読んで、
こういうのも失礼だけれど、すごく自分と似ていたので嬉しくなってしまった。
ロケットさんはこう書いています。
「この1974年に東京、大阪で行われた『第一回ブルースフェスティバル』
のライブを聴くと、ブルースに憧れを抱きリアルなブルースライブを
初めて目の当たりにしたこの時の聴衆の気持ちはいったいどんなものだったろう
・・・といつも想いを馳せずにいられなくなってしまいます」
私は自分の会報誌のロックウッドの表紙の裏にこう書いていた。
「これはもう最高傑作である。74年に来日した時のものだ。
大の男が涙を流した伝説のライブと言われているこのライブを
CDで聴けるだけでも、生きていてよかったと思う。
実際に見られたら死んでもよかったが……。
とりあえず、部屋を閉め切って莫大な音量にして、
この熱気を感じ取っている。
中でも「Stormy Monday」は始まりから泣ける。
最高やな、もう。」
・・・こんな20歳くらいの女、ちょっと嫌やな~(笑)
でも、ライブ盤では本当に好きなアルバムの1つ。
本当に、あのときの聴衆はどんな気持ちだったんだろう・・・
私もいつも思う。
そんなふうに、ブルースへの想いをいろいろと湧き上がらせてくれたこのパンフたち。
私にとってもとても尊く感じられる。
ブルースマンとしてだけでなく、
ブルース伝道師としてのご活躍を、これからも楽しみにしています。
シューさん、ロケット副島さん、ありがとうございました。
確かにそうかもしれない。
だけど、自分がBLUESという音楽を好きになったのは、
「ここ」に辿り着くためだったのだと、
確かにそう感じられる瞬間がある。
「ブルース」というキーワードを手繰り寄せて夫と出逢い、
そこから幸せの連鎖が始まり、
今の私がある。
これだけはどうしたって変わらない事実だ。
夢だったシカゴ・ブルースフェスティバルにも新婚旅行で行けた。
そこで出逢った人々も皆、優しく熱いBluesManであり、
日本に帰ってきてからもmixi等を通じて繋がりがある。
昨年の秋、シカゴで知り合ったシューさんの日記に、
「ロケット副島君から郵便物が届いた」という話があった。
ロケット副島さんは、九州ではとても有名なブルースマン。
その彼がDJとして活躍するミュージックバー「ジューク・ジョイント」では、
「BLUES・After・Hours」というイベントを行っているとか。
数人で選んだブルースを、毎回テーマをもって流し、
それを聞きに来られたお客様には手作りのパンフレットを渡している。
シューさんに届いたのは、そのパンフのバックナンバーだった。
日記にはこう書かれてあった。
「ブルースを愛する男達が辛い仕事を終え、
一生懸命に手製のパンフ製作作業をしてる。
何のために?
信じてやまない愛するブルースを
ひとりでも多くの人に知ってもらいたいから。
ただそれだけの為に。
手元にある薄っぺらのパンフ、
僕には最高の宝のように思えます。」
それを読んで私も感動し、ぜひそのパンフを読んでみたいと頼んでみた。
シューさんは快くそれを承諾してくれ、
昨年末、もう年も暮れようかという頃にパンフが送られてきた。
ご存知の通り、年末年始はもうむちゃくちゃに忙しく、ゆっくり目を通す時間がなかった。
やっと一段落して目を通したが、今度はその内容の深さに驚き、
これはいい加減な感想を送るのではいけないと、
ちゃんとこの気持ちをお伝えしたいと思っているうちにまた忙しくなり、
結局、いただいてから1ヵ月後の今日、
こうしてここで書くことになってしまった。
パンフには毎回テーマがある。
バレンタインデーにちなんで、「SWEET」「SUGAR」「告白」に関係する曲の特集。
ナイスジャケット特集。
ライブ盤特集。
南部ブルース特集など。
手作り感いっぱいのそのパンフには、ブルースに対する熱い想いが詰まっていた。
それぞれのDJがテーマにちなんで曲を選ぶ。
そして、その曲の聴き所、楽しみ方はもちろんのこと、
歌詞の意味や曲が作られた背景などが詳しく綴られている。
知っている曲、大好きな曲でも目からウロコの解釈があったり、
全く知らない曲があったり・・・
お気に入りの曲のことが書いてあると、それを聴きながら読んで、
うん、うん、と納得したり。
全部この選曲通りに聴いてみるのも面白いかもしれない。
(この選曲通りのCDが販売されていたら買いたい。
1曲ずつ解説を読みながら聴けたらもっと楽しいだろうなぁ)
また、BLUESが好きだ、好きだと言いながら、
自分の勉強不足、知識不足を思い知ったりもした。
私は基本的に曲名すらあまり覚えないほうで、
本当にいい加減なブルースウーマンなのだが、
歌詞の意味や背景を知ると、もっと違う聴き方ができるんだなぁと、
いい刺激になった。
スリーピー・ジョン・エスティスとか、ジョン・リー・フッカーとか、
最近遠ざかっていたブルースも、もう一度聴きたくなってかけてみたり……。
曲の解説だけでなく、テーマにちなんだコラムもあり、
それがまた興味深くて面白い。
特に「チャーリー」のことは知らなかったので、勉強になった。
※「チャーリー」=「白人」のこと
全部よかったのだけど、私が一番気に入ったのは、
昨年9月のライブ盤特集のロケット副島さんが書かれた
B.Bキングの「Live At Regal」のこと。
なぜだかわからないが、読んでいると涙が出てきた。
自分が一番好きなアルバムだからかもしれない。
(お棺にはこのCDを入れてくれと言っている)
世の中のブルースマンで、このアルバムに影響を受けた人って本当に多い。
それくらいすごいアルバムだ。
もう20年くらい習慣的に聴いているが、飽きるどころかいつも感動する。
本当に、いくら言葉を連ねたところで、
このアルバムの魅力を十分に表現することなど不可能だ。
これって一体何なんだろうな・・・
単にB.Bの演奏がいいとかじゃなくて、このライブに漂う空気感みたいなの・・・
臨場感というのとはちょっと違って、
本を読むときの「行間を読む感じ」に似てるというか、
そういう目に見えない、音にも聴こえない、「何か」。
それがなぜだかこのアルバムからはダイレクトに伝わってくるのだ。
おそらく、ブルースマンであれば、絶対に無視できない感覚・・・
このパンフに書かれているロケット副島さんの中継(笑)を読んでいると、
聴いているときの興奮度や感動がほとんど同じであることに嬉しくなる。
他の回でも、選曲がわりと私好みで・・・
そういうのって、すごく嬉しい。
「僕達が大好きなブルースの素晴らしさを少しでも伝える事が出来れば・・・」
そう思ってロケット副島さんたちが作られている、このパンフ。
本当に頂けて嬉しかった。
この場を借りて、ありがとうございます。
近くに住んでいれば、毎月「BLUES・After・Hours」にも参加したい。
たぶん、シカゴでのライブハウス巡りのように、
一番バーボンをたくさん飲んで、一番盛り上がってる人になるだろうけど。
いつか、そんな機会が巡ってくればいいな。
最後に、これ。
↑何かと言えば、いただいたパンフではありません。
実は、私が20歳くらいのときに作っていた会報誌・・・
同じロックウッドのライブ盤を表紙にしているのを見て、「あっ!」と思い出したのだ。
この会報誌はブルースとは全く関係なくて、
当時、大学生だった私が参加していた小説の同人誌の会報。
お互いの小説を読んだ感想とか、短いエッセイなんかを載せていた。
それを私がまとめる役割になったのをいいことに、
全く個人的な趣味でお気に入りのブルースジャケットを載せていたのだ。
(メンバーには迷惑だったと思うが・・・)
ロックウッド、スリムハーポ、ハウリンウルフ、スヌークス・イーグリン、Tボーン・・・
この他にも戦前ブルースや、ジョンレノン、妹尾隆一郎、憂歌団、ジュニアウェルズ、
バディガイ、ドクタージョンなど・・・
ブルースに限らず、好きなジャケットを載せていた。
このパンフのロックウッドの表紙を見て、それからロケット副島さんのコメントを読んで、
こういうのも失礼だけれど、すごく自分と似ていたので嬉しくなってしまった。
ロケットさんはこう書いています。
「この1974年に東京、大阪で行われた『第一回ブルースフェスティバル』
のライブを聴くと、ブルースに憧れを抱きリアルなブルースライブを
初めて目の当たりにしたこの時の聴衆の気持ちはいったいどんなものだったろう
・・・といつも想いを馳せずにいられなくなってしまいます」
私は自分の会報誌のロックウッドの表紙の裏にこう書いていた。
「これはもう最高傑作である。74年に来日した時のものだ。
大の男が涙を流した伝説のライブと言われているこのライブを
CDで聴けるだけでも、生きていてよかったと思う。
実際に見られたら死んでもよかったが……。
とりあえず、部屋を閉め切って莫大な音量にして、
この熱気を感じ取っている。
中でも「Stormy Monday」は始まりから泣ける。
最高やな、もう。」
・・・こんな20歳くらいの女、ちょっと嫌やな~(笑)
でも、ライブ盤では本当に好きなアルバムの1つ。
本当に、あのときの聴衆はどんな気持ちだったんだろう・・・
私もいつも思う。
そんなふうに、ブルースへの想いをいろいろと湧き上がらせてくれたこのパンフたち。
私にとってもとても尊く感じられる。
ブルースマンとしてだけでなく、
ブルース伝道師としてのご活躍を、これからも楽しみにしています。
シューさん、ロケット副島さん、ありがとうございました。