明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

第2回 日本酒の会を開催、そして大成功!

2011-10-30 18:37:48 | 
シンガポールも新潟の話もちょっとしか書けていないが、とりあえず昨日の話から。

昨日は、わが家で「第二回日本酒の会」を開催。
第1回と同じメンバーで行った。(なぜかほとんどがトシくんの会社の人・・・)

昨年秋に開催した第1回も非常に好評ではあったが、
最後のほうで料理した記憶がぶっとび、最後までたどり着かなかったという反省があった。
今年はその反省を生かし、段取りよく、あまり飲みすぎず、とにかく最後までたどり着くんだ!ということを目標にしていた。

結果的に言うと、大成功だったと思う。
最後まで全く酔っ払うこともなく、お料理も全部出し切った。
皆も楽しんでくれたし、私も本当に楽しく過ごせた。
テーマは「水と米」。
きき酒タイムも作り、盛りだくさんだったと思う。

記録として振り返ってみる。
とにかくものすごい料理の量である。

まずはビールで乾杯。



アテにしたのは、自家製ジェノベーゼソースとチーズのバゲット。
バジルを大量に収穫したので、それでジェノベーゼソースを作っておいた。

手前は、ポテトとベーコンのチーズクリームソース。
こってりしているが、ビールによく合うし、私も大好きな1品。

そして、日本酒1本目は和歌山県平和酒造の「紀土 純米酒」。
この間、日本酒のイベントのチャリティオークションで落とした平和酒造さんのハッピを着てみたり(笑)。

この酒のコスパは本当にすごい。
1升が1890円で買えるのだから。
吟醸かと思うほど華やかな香りとまろやかな口当たりが特長。
水の柔らかさがよくわかるお酒だ。

トップに持ってきたのは、他のお酒に負けてしまうような、やさしいお酒だから。
天然カンパチのお造りと、蒸し野菜を出した。
蒸し野菜には、新潟で買ってきた塩と、自家製ポン酢を添えて。(写真なし)

2本目は愛知県の「醸し人九平次 純米吟醸 山田錦」。
こちらも超軟水でまろやか。
そして、山田錦の華やかさと芳醇な広がりをこれでもか!とふんだんに味わえる。

フランスの三ツ星レストランでも提供されているということで、あわせたのはタコとパプリカのカルパッチョ。


見た目もきれいでおいしいので(何より作るのが簡単!)、最近は人が来るたびに作る定番料理。
九平次のフルーティーな味わいがとても新鮮だったようで、「こんな日本酒もあるのね」と喜んでもらえた。

料理はもう1品。
ポークソテーバジル風味。(ピンボケ)


こちらもこの間、人に出したら好評だったので、今回も出してみた。
予想をはるかに越えるほど大好評!!
確かにうまいし、さっぱりしてるからいっぱい食べられるのよね・・・

さて、この辺りでと、きき酒大会。

今、私と夫が最も注目している神奈川の「相模灘 純米吟醸」で3種類の米の違うものを用意した。
山田錦、雄町、美山錦。
どれも協会9号酵母で醸し、磨きも50%。
果たして米の違いで、どれほどお酒の味が変わるのか?
私自身もこのような飲み方はしたことがなかったので、とても面白かった。

山田錦はやはり優等生の味。
香りは華やか。やや弱め。山田錦らしい、同心円状のふくらみをもつ。水のまろやかさも感じられる。
アタックは弱めで広がりが遅い。余韻に酸味。食中酒として幅広く使えるお酒。

雄町は、香りが特徴的。米っぽい。米の旨味やコクを感じられるお酒。
ちょっとクセがあるので、好き嫌いが分かれるかも。
ぬる燗くらいにすると、良さがもっと出るかもしれない。

美山錦は、雄町とはまた異なる米の旨味が前面に出る。
もう少し軽快で酸味がやや強く感じられる。
すっきりしているかと思いきや、余韻には美山錦らしい甘みがある。

私は山田錦が一番好きだったかな。
10人いたのだが、皆それぞれで、3、4票ずつ集まっていた。
人の味覚って面白いなと思う。

なかなかこのようなことは自宅でできないので、楽しんでもらえたようだ。

好きなお酒を好きなものと合わせてもらおうと思い、酒のアテ3種盛りを。


まー、我ながら酒飲みには魅力的な皿だこと!(笑)

手前から、小松菜の中華風胡麻和え、ゴボウのオイル煮、アスパラの白和え。
どれも酒のアテにはぴったりだ。
でも、結局どれもほとんど食べられず・・・。
びっくりするほど早々となくなった!!

「女子にはたまらん皿」だったらしい。
しかし、私はこう付け加えたい。
「酒飲みの女子にはたまらん皿」だろう(笑)

ゴボウのオイル煮だけは、今回初めて作ってみたのだけど、なかなか美味しかった。
皆が作り方を聞いていた。

そして、夫がベランダで備長炭を焼いてくれ、海鮮炭火焼も次々に登場。
メンバーの1人に持って来ていただいたシラサエビと穴子を焼く。
これがめちゃくちゃ旨い!!





エビは頭からバリバリいけるし、穴子はふっくら。
素材も新鮮でおいしかったけど、やっぱり備長炭すごい!と改めて思った。
火がつくのに2時間以上かかったが、一度つくと何時間ももつ。
それに、バーベキューで買う安い木炭とは全く違い、炭火の味がつくのが旨さを倍増させる。
ほんま、たまらんかった。

6本目のお酒は、福井県の「花垣 純米吟醸」。
こちらも水が柔らかく、さらに今日はじめての米、五百万石を使用。
穏やかな米の旨味は残しながらも、さらりと飲めるお酒に仕上がっている。



天然ぶりが手に入ったので、それを食べやすいようにカットし、また炭火焼に。
照り焼き用のタレを作り、塗りながら焼いてもらった。

7本目・8本目のお酒は、山口県の「獺祭(だっさい)」。
今度の飲み比べは、米の磨き方。
獺祭の中でも標準的な「純米大吟醸50」と、「三割九分磨き」。
その名の通り、50%精米と39%精米を比べる。

比べる以前に、まずみんなの反応が面白かった。
50から開けたのだが、とりあえず「おいしい!」という。
厳密に言えば1位ではないのかもしれないが、平均的に高得点を上げられる、一般受けする酒なんだなぁと実感。
人に勧めるときでも、まず間違いはない。
ただ、人間と同じで、私はこういう八方美人的な酒よりも、ちょっとクセがあるお酒のほうが好きだ。

39%は、やはり限りなく水に近づいていくというか、米の旨味という点では劣る。
ただ、きれいで香りもよく、スッキリするというよりは複雑さを感じた。
どんと押し出すものがない。
繊細で、たくさんの味が見え隠れしていて。
普段あまり飲みなれないタイプのお酒だったので、表現に苦労する。

料理は自家製チャーシュー。
料理とも呼べないほど簡単だけど、おいしい。


夫が残りのシラサエビを素揚げにしてくれた。
きれいに並べてくれている。


素揚げは素揚げで、炭火焼とはまた違ったおいしさ。

9本目の日本酒は、鳥取県の「千代むすび 純米吟醸」。
こちらをセレクトしたのは、「強力」という鳥取県だけの復活米を使用しているから。
そういうお米があることも知ってもらいたかった。
また、このお酒が結構旨くて。
皆からも評判がよく、後で見たらこの瓶だけがカラになっていた。

料理は、揚げれんこんと鶏肉のピリ辛酢和え。


こちらも最近よく作る。
誰に出しても好評なので(自分も大好き)、今の定番。

もう1品、「牛すじと大根の煮物」があったんだけど、写真がない。
これは本当に久しぶりに作ったけど、私の自信作。
20代後半の頃、上新庄で1人暮らしをしていた時によく作った。
私は牛すじとか、お肉のいろんな部位が食べられないのだが、「自分が食べられる牛すじ煮込みを作ろう!」と思い、
かなり手間をかけて誕生したのがこの煮物。
大根は米のとぎ汁で柔らかくなるまで煮込み、牛すじはしょうがの皮とネギの青い部分で4時間煮込んでいる。
それを一度水洗いしてきれいにし、2つ合わせて調味料で煮込む。そこからまた2時間。
さらに1晩置いて、しゅんだところで、もう1回1時間ほど煮込む。
牛すじはトロトロで、私もこれなら食べられるのだ。
しっかりしたお酒ともよく合う。

10本目のお酒は、高知県の「安芸虎 山田錦80%純米酒」。
今度は「米をあまり磨いていない」お酒だ。
私はこのお酒がとても好きで。
やや辛口のフルボディ。パンチが効いてるけど、80%とは思えないきれいなお酒。
これは阿波産の上質な山田錦を使用しているからだと、蔵の人が言っていた。
なるほどなぁと思う。

さわらの味噌漬けを夫がまた炭火で焼いてくれた。


もう1品、タラの人参みの揚げ。(写真なし)
タラの周りに人参の千切りを衣に見立てて付けて揚げたもの。
人参を揚げると甘くなるので、淡白なタラを引き立ててくれる。

ラスト11本目は、茨城県の「来福 純米吟醸 愛山仕込み」。
愛山という酒米はなかなか面白いので、セレクトしてみた。
このお酒自体もとてもおいしい。
花酵母を使用していて、とても華やか。
愛山らしい甘みもある。

料理は、新潟で購入した鮭の旨煮と、自家製味噌漬けクリームチーズ。(写真なし)

そして、しめに「ちりめん山椒のチャーハン」を出した。
これはお店で食べておいしかったので、味を再現。

以上。
日本酒11本と、お料理が20品!!

我ながらよく頑張った(笑)
あまり飲み食いできなかったが、キッチンで皆の楽しそうな声を聞いているのが幸せだった。
酔っ払うこともなく、最後まで記憶があっただけでも十分だ。

最後は皆が持って来てくれたお菓子を食べて、お開きに。
早めスタートで早めに終わろうと思っていたのに、結局終電だった。
3時からスタートしたので、8時間以上に渡る長期戦。

夫も協力してくれたので、最後までたどり着き、楽しい時間を過ごせた。
第2回日本酒の会、大成功!

メンバーもすっかり固定されてしまったなぁ。
次回は他の人も呼びたいと思っていたけれど、ちょっと難しいかも・・・?

私があまり話に参加できなくて淋しいので、もう少し気軽な日本酒の会も開けたらいいなぁと思っている。
5、6本用意して、お料理1品ずつ持ち寄りとか。

とりあえず、やりきりました!(笑)
ありがとう、ありがとう!

※一番好きだったお酒、おいしかった料理など、またコメントやメールでお知らせいただけると嬉しいです。

取材の後の1杯は最高!

2011-04-23 00:13:13 | 
今日は取材に行ったのだが……
1件目は高速神戸の近く。
それも遠かったけど、まあいい。
2件目も住所を見たら神戸市とあったので、近くかなーと思っていたら、
なんとなんと、三田の近く!!
家から2時間!!
めっちゃ遠かった……

取材は、昨日書いていたIT関連の会社だが、社長さんはまだ20代で
マニアックな空気が漂っていて面白かった。
好きやなー、ああいう感じ。

単純な話、「パソコンいじるのが好きで好きで仕方ない」って人。
好きだから仕事にした、と。
うん、賛成

小さな会社だけど、右肩上がり。
どんどん人を増やしている。
営業なしで、紹介とサイトの問い合わせだけで顧客を得ているという。
すごいなー。

こういうことが好きな人だったら、楽しくて仕方がないだろうな、と思った。

実際、SEとWEBデザイナーの人にも話を聞いたけど、
やりがいをもって仕事をしているのが伝わってきた。

いい原稿に仕上げたいな。

朝7時半くらいにご飯を食べて家を出て、
それから帰宅する18時まで一切食べ物を口にしなかった。
不思議とおなかが減らなかった。

今、本気でダイエットしないと、ほんまにヤバイ……
という状態なので、おなかが減らないのは大歓迎。

昨日の残り物(手羽大根、アスパラベーコン)をつまみに、
久しぶりに日本酒を飲んだ。
今週はじめてかも?

しばらくは東北のお酒を飲もうと夫と決めた。
今日は宮城の「あたごのまつ」特別純米。
これがめちゃくちゃ旨い。
食中酒にぴったりだ。

仕事の後の1杯は、やっぱり最高!

おいしい宮城のお酒のために、宮城蔵元救済義援金のお願い

2011-03-30 19:15:29 | 
墨廼江、白楽星、日高見、綿屋、山和、日輪田、於茂多加、浦霞、阿部勘、一の蔵……

これ、全部、これまで飲んできた宮城県の日本酒だ。

仙台に行った時にわかったけど、宮城県っておいしいお酒がすごく多い。

でも、今、多くの酒蔵さんが地震や津波の被害にあっている。

被害状況⇒http://www.miyagisake.jp/supoclub/sinsai.html

この被害状況のページだけでまた涙が出る。
一瞬で、蔵人の気持ちが乗り移ってくる。
どんなに、どんなにお酒を造ることが大変か……。
どんな想いで造っているか……。

上記のページの一番下にもあるが、宮城の蔵への義援金を募っている。
私もまたわずかだけれど、募金するつもり。

下に詳細を載せていますので、ぜひご協力ください。
受付期間は4月1日(金)より6月30日(木)まで。

(私は基本的に、自分のブログでこういうことをするのが好きじゃないんだけど……
皆がやるように、日記を人に語りかける形で書かないのは、
ブログをコミュニケーションツールと思っていないからで……
でも、毎日200人以上の人がこれを見てくれているので、
1人でも2人でも協力してくれる人がいたら……という思いで、これを掲載します)

最近、募金と飲み会続きで、私のお金はもう完全に底をついている(笑)
でもくるくるぱーだから、昨日も行ったし、明日も行くもんね

飲みに行った話などは、日本酒のブログに掲載しているので、
よかったら見てくださいね。
(最近、また更新し始めた↓)

日本酒ブログ「ほろほろ酔うて この葉ふる」
http://blog.goo.ne.jp/kaopi2009

以下、義援金に関する詳細のコピーです。
私が関わる「きき酒師」の関連でお願いされたものですので、間違いありません。
(詐欺やチェーンメールの類ではありません。責任もちます)

*****************

『仙台杜の都日本酒会』のダチオと申します。
まずはこの度の『東北関東大震災』におきまして被災された皆様に
心よりお見舞い申し上げます。
震災からおよそ2週間...全国からの暖かいご支援のおかげで、
徐々に元の暮らしを取り戻しつつありますが...
まだ地震や津波の傷跡も色濃く、依然として食料や燃料不足、ライフラインの断絶など、
苦しい生活を余儀なくされてる方も多くいらっしゃることと思います。

今回の震災において宮城県内の各蔵元も、特に沿岸部を中心に甚大な被害を受けました。
津波や地震で蔵が全半壊したところ、今年仕込んだもろみを失ってしまったところ...
被害の大小はありますが、少なからず宮城県の蔵元も被害を受けています。
せめて売るべきお酒が残っていれば、それを買うことで
少しでも蔵元に還元することができるんですが...
今回の震災で売るべきお酒すら失ってしまった蔵元も少なくありません。
そんな状況の中で各蔵元とも復興に向けて必死に頑張っています。
もちろん今回の震災でご家族や知人を亡くし、家を失い、
もっと苦しんでいる方がたくさんいらっしゃるのは十分に承知しています。
その方々のことを考えると時期尚早なのかもしれませんが...
それでも大好きな宮城県の蔵元のために自分にできることはないだろうか?と考えていました。

いま蔵元のために我々ができるのはやはり直接的支援だと思います。
そこで色々な方にご相談した上で、宮城酒造組合に『宮城蔵元救済義援金』の申し入れをさせて頂き、
義援金の受入れ口座を設けて頂きました。
もちろん、ご自身の生活やこれからのことで精一杯の方もたくさんいらっしゃると思います。
決して無理にとは言いません...宮城県の蔵元のためにいま自分たちができる
ことをやりませんか?
下記の通り『宮城蔵元救済義援金』の詳細をご案内しますので、
一人でも多くの皆様のご協力をよろしくお願いいします。
*****************
【銀行名】七十七銀行(シチジュウシチ)二日町支店(フツカマチ)
【口座種別】普通預金
【口座番号】5547075
【口座名】宮城県酒造組合 代表理事 櫻井武寛
(ミヤギケンシユゾウクミアイ ダイヒヨウリジ サクライタケヒロ)

注)義捐金振込口座は宮城県酒造組合の既存の休眠口座を利用させていただきました。

ATMでお振込の際、「宮城県酒造組合 不動産」と表記されることがありますのでご容赦ください。

※義援金は1000円以上の任意と致します。最寄りの都市銀行もしくは地方銀行の窓口
よりお願いします。
※振込手数料が別途かかりますのであらかじめご了承ください。
※振込時は振込人氏名の後にニックネーム(mixiやふらっとの登録名)をご記入下さい。
MJSC(宮城純米酒サポータークラブ)の3団体以外の方で酒販店や飲食店関係の方
は氏名の後にお店の名前、個人の方はお住まいの都道府県をご記入下さい。
例)
○○○○(ダチオ)
○○○○(□△サケテン)○○○○(ミヤギケン)
※今回の義援金は被害状況などに応じて各蔵元に公平に配分されます。
各特定の蔵元宛ての義援金は組合では頂くことができません。
特定の蔵元宛ての義援金は、直接蔵元にお届け頂くかたちになります。
※義援金の受付期間は4月1日(金)より6月30日(木)までの2ヶ月間とさせて頂き
ます。
*****************
なお、今回の義捐金はMJSC3団体、
mixi『仙台杜の都日本酒会』ふらっと『宮城の酒応援隊』『蔵の会』の以外に
複数の団体に呼びかけを行っています。
みなさんも、ぜひ周りの日本酒仲間にお声掛けをよろしくお願いします!

【義援金の信用性について】
今回の義捐金の信用・信頼性を少しでも高める為に、
宮城酒造組合に義援金受入窓口を設けて頂きましたが、それ以上の信頼性を証明するものはありません。
振り込み詐欺等のご不審をもたれる方も中にはいらっしゃると思います。
私個人をご存じの方を含めて、あくまでも信用して頂くしかありませんが...
頂いた義援金は宮城酒造組合で責任を持って管理・各蔵元に分配した上で、ご報告をさせて頂きます。
1日でも早く宮城の蔵元が復興して、また美味しいお酒が飲める日が来ることを祈って...
一人でも多くのご協力をよろしくお願いします。

*****************

私からもお願いします。
いろんな形で、いろんな人たちを、少しでも助けたい。

申し訳ないくらい、小さな、小さな力やけど……

今はとにかく、原発がなんとかならんのかと、毎日ヒヤヒヤ。
電車の中から見た、福島の美しい景色を今もよく思い出す。

どうか1日も早く……

昼飲みっていいな~太陽酒造試飲会へ

2011-03-24 11:13:11 | 
兵庫県の明石の辺り、山陽電鉄の江井ヶ島という場所に、小さな蔵がある。
社員3人で、年間100石(一升瓶で1万本)ほどしか醸していないという小さな蔵。
その名も太陽酒造。

この蔵で造られている「神稲(くましね)」というお酒に出会い、注目していた。
ここでは1月~3月の土日に、新酒の試飲会(有料・予約制)がある。
秋頃、あやととしくんと「行きたいね~」と話していたのが現実となり、20日(日)に参加してきた。

夫が上海出張になってしまったので、私、あや、としくん、それからとしくんの会社の方々3名の計6人。
会社の人たちは皆、兵庫県なのでちょうどよかった。

江井ヶ島駅から徒歩5分。
かなり年季の入った建物が見えてくる……
蔵はこんな感じ↓


東の灘に対して西灘といって、この辺りも以前は酒蔵がいくつかあったようだ。
今も小さい蔵は残っているのかな?

古い建物というのは、絶対「何か」が出てるよなぁ……
人々の想いみたいなものが壁や柱に染み付いていて、近寄るだけでぐっと空気が変わるのを感じる。
ちょっと畏れを抱いてしまう。
怖いのではなく、尊敬に近い。

普段はこの周りにテーブルなどを出して試飲会をやるそうなのだが、震災の直後ということもあって、自粛。
今回は、蔵の中に案内された(雨の日などもここでやるようだ)。
土壁や梁がすごい。
明治20年のものだという。(創業は江戸時代)




2月にテレビで特集されたこともあってか、結構な人数が集まっていた。
50人くらいいたのかなぁ。

1時になると社長さんが出てきて、蔵見学をさせてくれ、酒造りの説明をしてくれた。
これまでいろいろと酒蔵や日本酒資料館みたいなところで説明は聞いてきたけれど、とにかくここの社長さんは面白かった。
酒造りの説明……というよりは、この蔵の財政状況みたいな感じで(笑)

「こないして真面目に酒造ってたら儲かりませんワ」
「古い道具使ってるのは、単に新しいのを買うお金がないんですワ」
「ずっと赤字ですワ」……

それが嫌な感じじゃなく、面白い。
こういう適当さって好きだ。

それに、本当にいい米を使って、丁寧に手造りして、本物のお酒を造りたいという、その気持ちはしっかりと伝わってきた。

本当は10万本造るだけの規模はあって、昔は大手の下請けをしてきたという。
でも、阪神大震災で被害にあって、たくさんの借金を抱え、その後はこうして、規模を小さくして、「小さな蔵だからこそできる酒」を丁寧に手造りしている。

でも、返済もあるし、こんな小さな蔵では儲からないし……
いろいろ考えた末、小売に営業するのはやめて、できるだけ直接飲む人に販売するスタイルにしたらしい。
この試飲会も、いわばデモンストレーション販売みたいなもので。
来た人が買う。ブログに書く。ツイッターでつぶやく。
広告をうてない小さな企業には最も大きな宣伝効果があるだろうなと思った。

実際、私たちもほぼ全員が1、2本購入したし。

さて、試飲会の中身はというと、すっかり浮かれて写真を撮るのを忘れていたが、
1000円・2000円・3000円のコースを選べ、私たちは2000円コース。
刺身・漬物・かす汁・湯豆腐に、一人あたり新酒2合がつく。

見学の後は1時間半くらい、食べて飲んでの宴会タイム。
普通の居酒屋みたいな感じだ。

新酒は、「たれくち」と「和田美酒」の2種類だった。
ここは無濾過原酒ばかりなので、どちらも濃い。
たれくちのほうがどっしりとした米の旨味が感じられる。
和田美酒は、それに比べればやや辛口。
しかし、19度もあるので、やっぱり濃い。

お酒は淡麗辛口じゃなきゃ!という人には無理かなぁ……
確かに合わせる料理は選ぶ。
でも、濃い中にもきれいな光るものがあり、純粋に旨い酒だと思った。
それに、やっぱり皆で楽しく飲んでいるだけで、お酒はおいしい。
あっと言う間に時間が過ぎた。

そして、一人2合なので、これで足りるはずもなく……

明石へGO!

前から行きたかった魚の棚にある「たなか屋」さんへ行くことになった。
ここは酒屋さんで、その奥に立ち飲みスペースがあり、料理もお酒もとにかくおいしくて安いとのこと。

しかし、6人という大所帯だし、お店は満員だった。
まだ4時くらいやのに……

そこで、近くの店で玉子焼き(明石焼き)を食べて待つことに。
久しぶりに食べるとおいしいなぁ……

食べ終わって、再度チャレンジ!
やっぱり混み合っていたが、無理やり入り込んで、どうにかスペースを確保。
それからいろいろ料理を頼み、日本酒をまた2合くらい飲んだ。

立ち飲みはいい。
酔わない。

これで帰ればいいのだが、まだ6時くらいだったので、この酒飲み軍団が帰れるはずもなく……。
2人は帰ったのだが、残り4人でスペイン料理の店へ。

日本酒のみすぎで喉がかわいていたので、ビールを頼んだ。
他の人はワインを飲んでいたと思う。

「……いたと思う」というのは、この店での記憶が薄いのだ……
座った瞬間、眠気が襲ってきて、フラフラしてきて、最後はテーブルで寝込んでしまった。

またやったよ……この人は……

とりあえず、楽しかったことだけは覚えている。

電車に乗って、一番遠い私は一人になった。
まだ眠い。

長年のブログ読者の皆さんなら、この展開の先は読めているだろう……。
そう。
目覚めると……

……京都

しかしながら、この日は解散も早かったので(1時から8時間やし当たり前か)、まだ引き返す電車が十分にあったのが救いだった。

携帯を見ると、最後まで一緒にいたM井さんから「無事に着きますように」と私の帰宅を祈るようなメールが……

あやに「京都だよ」とメールしたら、心配してとしくんから電話がかかってきた。
「大丈夫だよ~」と返事して、引き返した。

本当に大丈夫で、既にかなりの時間を眠っていたので(店からやし……)、目も開いていた。
無事に家に辿り着いた。
この時点でまだ11時だった!!

この日の締め括りの感想としては、

「昼飲みっていいな

乗り過ごしてもまだ11時!!
そんなことに喜びを感じつつ、ふにゃふにゃと布団に入って本気の眠りについた。

お酒の神様は、私の両隣に微笑んだ・・・

2010-11-08 15:49:16 | 
昨日は、奈良にある酒蔵「梅乃宿」の蔵開き~

毎年行っていて、もう5年目になるのかな。
今年もあやととしくんと一緒に参加した。(二人は3回目)

いつもアルコール度数の違いをきき分けるクイズがあるので、今年もチャレンジ!
昨年は見事に当てたし、それも「なんとなく」ではなく、完璧に「分かった」ので、自信満々だった。

しかし・・・外れた!

チャンピオンベルトを剥奪されたボクサーのような気分になったと嘆いていたら、
「そんなまた大げさな・・・」と夫。
「防衛も簡単じゃないね」と、あや。(優しい)

最近ちょっと酒に対して不誠実だったかもしれない。
単に旨い、旨いと、それだけで飲んでいた節があった。
反省・・・(←真面目やな)
これからまた1年、気持ちを入れ替え、真面目にお酒をきいていこう。

まあ、アルコール度数なんて別にわからなくてもいいのだけど、当たると嬉しいのだ。
そう、遊びだからね、単純に、当たると嬉しい(景品のお酒も貰えるし)

きき酒クイズに外れたのは残念だったけど、単なる抽選会で、あやが銅賞の純米大吟醸を当てた!
このグループから当たったのは初めてだったので、盛り上がった

この抽選会、なんと最後に一斗樽が当たる。
あれが当たったら、友達をみんな呼んで飲み放題にしたら楽しいなぁと思い、いつも祈っているのだが、
そう簡単に当たるもんじゃない。

発表のとき、私が「当たれ当たれ」と祈っていたら、
隣にいた見知らぬおっちゃんが、「あんた、あれほしいんか?」と聞く。
(※この会場にいる人はほとんど軽く酔っ払っている)

「そりゃ、ほしいです~」と私。

では、発表です。と、司会者。ドキドキ・・・

「そうか。でも、そんな簡単には当たらんわな・・・」とおっちゃん。

「ん?! おおー!!当たった!当たった!」

ええ~?!

ほんまに?!

仲間にやいやい言われながら、ステージに上がるおっちゃん・・・
ああ、私の両隣にお酒の神様は微笑んだのだ・・・

ステージから降りてきたおっちゃんに、うらめしそうに「いいなー」と言ったら、
「さっき、発表の直前に、『もし当たったら、あんたにあげるワ』って言おうとしたんやで」
とおっちゃんが言う。
「惜しかったな」とニヤリ。

もっと早く言ってよ!!

無欲の勝利ってやつかなぁ・・・。

その後、パターゴルフでゆず酒を当て、有料試飲のところでBY12や杜氏の隠し酒を飲み、
お土産に梅ワインをもらって会場を後にした。

その後は、日本橋の「きき酒家」へ。
日本酒もいろいろあるけれど、とにかくワインの種類が多いお店で、
ワイン好きのとしくんとあやをいつか連れて来たいと思っていたのだ。
2人だと開けにくい5000円以上のボトルも、4人いれば開けやすいし。

やはり二人ともメニューを見て喜んでくれて、お店の人の意見もききながら、赤を2本開けた。
両方おいしいワインで、私も気に入った。
日本酒も頼み、料理に合わせて日本酒を飲んだり、ワインを飲んだり・・・
なんとも贅沢な時間を過ごした。

としくんも「ここはいいですな~」と気に入ってくれ、
料理もみんなまずまず満足してくれ、どんどん酒と食事が進んだ。

その後、扇町に連れて行きたい店があると夫が言うので、そこへ移動することに。
ただ、着いてみると、休み!!
夫はいつもツメが甘い・・・

仕方なく、その近くにあったお店へ入り、浜焼きセットなどを食べながらビールで乾杯。
ただ、私はその頃、眠気がピークになり、お店でうとうと・・・
それで、まだ10時にもなっていなかったけど、帰ることになった。(申し訳ない)

しかし、本当によく飲んで、いろんな人といっぱい遊んで、楽しい週末だったなぁ
こういう友達、人との繋がり、コミュニティを、大切にしたい。

人と「浅く広く」付き合うのが苦手で、普通の若者のように「遊ぶ」ことが苦手で、
20代前半くらいまでは一般人に混じれず、孤独を感じることも多かったけれど、
今になってみれば、少人数でも人と深く付き合ってきて正解だったと思う。
がっちりとした繋がりが、年を重ねていっても、緩まない。
それどころか、ますます固くなっていくような気がする。
しんどいときも、周りの人達の存在が、パワーをくれる。

さて。
週末で得たパワーでもって、また今週も仕事をがんばろう!

思いがけないカクテル試飲会

2010-11-08 14:27:01 | 
週末はよく遊んだ!

金曜の夜はめっちゃ久しぶりにこうちゃんと会った。
春以来だし、二人で会うのは今年初めて。
話が半年分たまっていたので、いくらでもしゃべれた。

こうちゃんは介護施設で働いている。
たまたま、私も介護施設のパンフレットの仕事が舞い込んできたところだったので、
聞きたかったことをいろいろ聞けたのもよかった。助かった。
やはり現場の人の声ってのは、違うなぁ。。。

高槻でご飯食べながら飲んで、その後はいつものように「7(Seven)」へ。
「7」は私とこうちゃんがもう6、7年は通っているバーで、二人で会うと必ず最後はここへ来る。
大人しか来ない落ち着いた雰囲気と、珍しいモルトがあるので気に入っている。
居心地がいいし、マスターとの距離感もちょうどいい。
一人でも行けるバーの1つだ。

機嫌よく飲んでいたら、マスターが、「そうだ、明日お時間ありませんか?」と私たちに言う。
京都三条にあるお店(マスターはこの7と、茨木のお店と、三条のお店の3店を経営)で
新しいカクテルの試飲会があるので来てくれませんか?とのこと。
「試飲会」といいながら、参加者がまだ1人しか見つかっていないのだとか・・・

土曜日は特に予定もなく、久しぶりに家でゆっくりして夫と夜は鍋でもつつこうかと思っていたので、
二つ返事で引き受けた。
「ふみこも誘おう」ということになり、メールしたら、それもOK。
「2日連続で会うなんて久しぶりやなぁ」なんて言いながら、
二人ともどんどんお酒が進み、結局、タクシーで帰った。

・・・翌日。

4時過ぎに駅で待ち合わせ。
こうちゃん、明らかに二日酔い・・・

確かにちょっと飲み過ぎた。
こうちゃん、ビール8杯とカクテル2杯。
私もビール1杯、日本酒3杯、ウイスキー5杯。

まあ、私はこれくらいでは大丈夫

こんな二日酔いで試飲会なんて大丈夫だろうか・・・と不安ではあったが、
ふみこも来て、久しぶりにこの3人で会えたのも嬉しかった。

三条のお店は「BAR STAGE.」という。
四条大橋を渡って、縄手通を上がって古門前通を東へ。
地下にあり、思っていたより広かった。4、50人も入れるという。

私たち以外にも数人集まり、カクテル試飲会のはじまりはじまり・・・
いただいたのは、
・紫ずきん(枝豆)と葛湯のホットカクテル
・丹波黒豆ときな粉のカクテル
・丹波栗と生姜のカクテル
そして、まだ開発途中という某京野菜のカクテル。(一応伏せておきます)

京都らしい食材を使ったカクテル、というのがコンセプト。
最初にいただいた枝豆のホットカクテルは、なんとお椀で登場!
なかなかのインパクトだ。
飲むというより、食べるカクテル。
味もおいしいし、冬にはいいかもしれない。あったまる~。
なんか、2、3日経ってから思い出したときに、「また味わってみたいな」と思い出すような、
そんなカクテルだった。

黒豆きな粉は、普通においしい。
「若い女性が好きそうやなぁ・・・」と私。
常におっさん目線なので、完全に自分はそのカテゴリーから外れている
「アルコールはあんまり・・・」という若い女の子を連れて来て飲ませてあげたいなと思ったが、
そんなことを言う女子と飲んでも楽しくないな、と思いなおした
このカクテルは本当においしかったし、「黒豆きな粉」という食材もそそられる人が多そう。
普通にヒットするんじゃないのかなぁ。

最後の丹波栗のカクテルは、一番期待していたのだけど、ちょっと期待はずれだったかな。
栗の食感が悪いし、「生姜」をうたっている割に、生姜が弱い。
ふみこは生姜があんまり好きじゃないというから気にならないみたいだったけど、
私のような生姜好きとしては、あえて「生姜」と書くからには生姜を楽しみたいもの・・・

最後の開発途中のカクテルは、決しておいしくないわけじゃないけど、
果たしてわざわざ注文する人がいるだろうかと疑問がわいた。

そんな偉そうな感想も、お店の人に聞かれるままに言い、
無料で4杯も楽しませていただいた。
さらに、帰り際には「貴重なご意見のお礼に」とスパークリングワインまでいただいた

なんか、こちらのほうが恐縮してしまう・・・

でも、役に立てれたのなら私も嬉しいし、珍しい物を食させてもらってよかった。
バーの場所もわかったので、これから京都で食事した後は使わせてもらおうと思う。

さて。

ちょっとおなかすいたな~ということで、先斗町で適当な店に入った。
軽くつまんでビールでも・・・程度だったので、目についたイタリアンのお店へ。

テーブル席に座ってビールを注文すると、店員さんがビールを運んできてこう言う。

「あちらのお客様からです」

ええっ?!
そんなドラマの中の台詞みたいなの、ほんまにあるの?!

見ると、入口で出逢ったおっちゃん。
店には少し不似合いな、スーツ姿で普通のサラリーマンの雰囲気。
年は、私たちの親世代くらいか。

「ありがとうございます~!」とお礼を言って、
「ほんま、今日はついてるなぁ」とみんなホクホク
4杯のカクテルに、スパークリングワイン1本、そして生ビール。
これだけいただいているのだから。

しばらくして、お客さんが増えてきたので、私たちはカウンターに移動させられた。
おっちゃんの隣になったので少し話していると、意外な事実が!

歌手の矢井田瞳さんのお父さんだという!

「ほんまもんですか?!」と失礼な質問もしたが、スーツには「矢井田」のネームが・・・
そして、お店の常連らしく、おっちゃんが頼むとヤイコのCDをかけてくれていたし、まさしく本物だった。

最後にガーリックトーストもご馳走になり、結局、ビール2杯とグラスワインを飲んで店を出た。
「なんか今日は面白い日やな~」
「いろんなものもらったな~」
「ネタ満載やな~」
と盛り上がって帰った。

帰宅すると、夫が疲れて寝ていた
「今日さ~、こんなことあってさ~」といろいろ話したが、ぐったりしていた・・・
そういえば、木・金と夫は東京出張で、お疲れモード。

す、すまん!
毎晩飲み歩く不良妻で・・・

オードブルとウイスキー

2010-10-19 14:46:10 | 
ちょっと前の話になるが・・・
うちの(ほぼ)お隣さんのサントリー山崎のイベント「オードブルと愉しむ山崎 2010“秋”」へ行ってきた。

またしても、あや&としくん夫妻と・・・
夫同士が気持ち悪いくらい仲良しになって、毎日のようにメールをやりとりしている。
おかげで、私もあやと顔を合わせる機会が増えたが。

17時~だったので、16時に現地集合。
15時50分に家を出てOKという距離感が嬉しい

せっかくなので、まずは有料テイスティングへ。
100円、200円で飲めるウイスキーもあるが、やはりここに来たら、普段は飲めないものを飲むべし!



左から、山崎25年(2300円)、ボウモア25年(1300円)、マッカラン25年(1400円)。
値段は、すべて僅か15ml!!
ゴクッと飲んでしまったら、一口か二口である
でも、普通のバーではまず置いていないし、置いていたところでこんな額じゃ飲めない。
ボトルで買えば10万クラスだ・・・

4人で順番に舐めるように飲んでいった。
どれが旨いかというのは好みでしかないが、やっぱり山崎25年の評価が一番高かった。
ボウモアは前に12年と比べて飲んだら、熟成されたまろやかさに驚いたが、
こうして他のものと比べて飲むと、やはりスモーキーさが感じられる。
マッカランにいたっては、12年のほうが美味しいように思った。

17時からは蒸留所見学が始まる。
もう20回くらい行ってるので、私が案内できるくらいだ
今回は特別講座イベントということで、いつもより説明が丁寧だったようだ。
あやととしくんは子供の時以来で(彼らも町内に住んでいたので、私と同じく社会見学がサントリーだった)、
とても興味深く説明を聞いていた。
私もやっぱり樽の貯蔵庫に入ると興奮し、「ウイスキー造りはロマンやなぁ」といつものセリフをつぶやいた。

そして、いよいよウイスキーテイスティング!



山崎10、12、18年、白州12年が並んでいる。
まずはこれらの違いをテイスティング。

ウイスキーは、単に年数を重ねていれば美味しいというわけではない。
よく勘違いしている人がいるが、山崎12年をあと6年寝かせても18年にはならない、ということだ。
もともとブレンダーが求めている味わいになるようにバッティングしているわけで、
10年、12年、18年は全く味の設計図が異なるものだ。

山崎18年は、シェリー樽原酒を中心にしているので、甘い。
どっしりとコクがある熟成感。
熟した果実のような香りと味わいが特長だ。
これはこれでとても好きなウイスキーなのだけど、
やっぱり山崎12年を飲むと、サントリーが力を入れているだけあって優れたウイスキーだなぁと思う。
ミズナラ樽原酒を中心とした、オリエンタルな香り。
複雑で奥行きがある味わい。
スペイサイドにもアイラにもない、日本のウイスキーだ。

余談になるが、日本のウイスキーといえば、サントリー以外にニッカがある。
宮城峡蒸留所へも行ったし、宮城峡や竹鶴はとても美味しいウイスキーだと思う。
だけど、美味しさのレベルではなく、私は山崎を飲むと郷愁に近いものを感じる。
安心感にも似ている。
それは、同じ地下水で育ってきたからなのだろうかとふと思う。

さて、テイスティングの後はお待ちかね!オードブル!



新たな山崎10年でハイボールを作り、さらに新たな山崎12年もいただける。
12年はストレートでもロックでもよし。

オードブルは、
・季節の野菜のディップ
・醤油豆
・鰤の照焼 白葱添え
・お茶飯のしぐれ煮巻き
・チーズの味噌漬け
・チョコレートジャム(バケットと共に)

以上、6品。

これが、ま~~、全部旨い!

野菜のディップは、「あけがらし」という米麹、芥子、麻の実、生絞り醤油、三温糖を仕込んだというものに
ゆでたブロッコリー、カリフラワー、蕪を付けて食べる。
よく知っている味のようで、食べたことがないようで・・・
なんとも不思議に美味しくて、みんな大絶賛だった。
これはお取り寄せして、日本酒にもぜひ合わせてみたい

しぐれ煮巻きの「牛肉しぐれ煮」は、松阪・和田金のもの。
値段を見たら、400gで7800円!
そりゃ、ほんのちょっとでも旨いはずやわ。

チョコレートジャムも美味しかったなぁ。
チョコとウイスキーの組み合わせ、大好き

鰤も醤油豆もチーズ味噌漬けも、全部美味しかった!
日本酒とあわせたほうがいいなぁと思うものもあったが、
とりあえず大満足!!
あやととしくんも大喜びだったのでよかった。
「ウイスキーはあんまり・・・」と言っていたあやもウイスキーの旨さに開眼していた。

終了したのが19時前だったので、近くで飲もうということになり、高槻へ。
二人の肥えた舌を満足させられるのは、「四万十川」しかないだろうと、久しぶりに行ってみた。
高知のものしかなく、店主がちょいと個性強いのだが(いい人ではある)、ここのタタキは絶品だ。
焼酎の店なので一緒に行く人を選ぶため、あまり人を連れていけないのが難点である。

祝日の夜だというのに満席で、初めて2階へ上がらせてもらった。
勉強していた息子を追い出し、急遽、お座敷ができた。
なんだか民宿に泊まりに来たみたいで、私たちだけで、すごく落ち着けたのがよかった。

かつおのたたきを頼んだ。
かつおのある時期でよかったなぁ・・・
藁で焼いてくれるこのタタキは、ほんまに旨い。
口の中に入れた瞬間にふわっと藁の香ばしさが広がる。
タタキはほんのりあたたかくて柔らかく、甘味と香ばしさで口の中がいっぱいになる。
としくんが、いつものように
「いけますなぁ・・・」とつぶやいた

あとは、ウツボのから揚げだなぁ。
ねっとりとしたゼラチン質がやみつきになる。

久しぶりに芋焼酎を飲んだが、焼酎もたまに飲むと美味しいなと思う。
また、ここの焼酎ラインナップはとてもいいし、安い。
いっぱい食べてとても満足した。

ウイスキーに焼酎・・・
満喫した1日。
そして、帰りに「じゃあ、次はワイン会で!」と約束した。
飲んでばっかりやなぁ・・・
でも、楽しいなぁ・・・
1対1の友達が、夫を交えて2対2になって、前よりもっと楽しくなった。
まあ、夫同士がやたら仲がいいのが、ちょっと気持ち悪いけど・・・

ひと時の憩い酒・・・

2010-10-10 00:09:58 | 
歳をとるというのは、本当に恐ろしいもので、
今朝起きた時、体が全く動かなかった。
石のように固まって、重い。

6時に起きて仕事をするつもりが、完全に寝坊して8時半・・・
数ヶ月ぶりに6時間以上寝た。
しかし、全く回復せず。むしろ腰が痛い・・・
とにかくしんどかった。

起きて、夫とおでんを食べた。
しんどくても昨日の晩に作っておいてよかったなぁと思った。
おかげで今日は夫に「朝ごはんは?」「昼ごはんは?」と言われることがない

世間は3連休であるが、今日も半分は仕事。
とりあえずメルマガを1本仕上げて、
午後は夫と日本酒のイベントへ・・・

初めて行った酒屋さん「大月酒店」へ。
10月は毎週日曜日にイベントを行っているとか。
今日は「ひやおろし」の会。
JR岸辺から結構歩くのだが、歩いた甲斐がある、いいお店だった

ひやおろしが5種類あって、全部60mlが150円。
燗は180mlで300円。
肴は4種類ほどあって全部200円。

どこか懐かしい感じのする、木造りの部屋で飲ませてもらった。
ひやおろしは、
・秋鹿
・常山
・香住鶴
・東洋美人
・王禄



全部まずは冷やでもらって、後で王禄を燗にしてもらった。
燗にしたほうが美味しかったなぁ。
冷やだったら、香住鶴が美味しかった。



肴は、秋刀魚の押し寿司、かつおのマリネ、からすみをいただいた。
どれもめっちゃ美味しい



ひやおろしではないけど、不老泉の備前雄町があるというので、それももらった。
これは私が一番好きなお酒。
久しぶりに飲んだけど、やっぱり美味しかった

料理に合わせて美味しいお酒もあるし、
それ単独で美味しいお酒もある。
どちらも好きだし、うまく使い分けて、
蔵人の想いを味わいたいなぁとひしひしと思う。
日本酒にはやっぱりそういうロマンがある。

たらふく飲んで、二人で2250円!
来週は「竹泉」の会で、その次の週は「山田錦」の会だという。
また行こうかな~

帰りに茨木で降りて、晩ごはんに「ハルビン」へ。
水餃子の老舗だ。
高校時代、授業をさぼって食べに行っていたこともあったけど、
最近久しぶりに行って味が変わらず美味しかったので、
いつか夫を連れてきてあげたいと思っていた。
それが叶ってよかった

水餃子、焼き餃子、スープ餃子を食べた。
どれも美味しい
皮がもちもちしていて、たまらない。
にんにくっぽくないのがいい。
(別ににんにくが嫌いなわけではないが、餃子のにんにく味は本当に嫌だ)

充実した午後だったが、夜はまた仕事。
あと1本、明日の夕方までに終わらせないと。
がんばるぞ~

昨日のごはん↓
堀先生にいただいたシマアジを焼きました。




第1回日本酒の会を開催!

2010-09-20 21:50:17 | 
土曜日はわが家で「第1回日本酒の会」を開催した。

これは、去年、としくん主催のワイン会のとき、
「じゃあ、次はうちで日本酒の会を」という話が出て、
それがようやく実現したのだ。

参加者は、主にワイン会のメンバーで、としくんとあや、としくんの会社の人たち3名。
それに、ふみことあんこちゃん、私と夫で計9名。

としくんの会社の人たちはかなり遠くから来てくれたので、本当にありがたかった。
そして、みんな楽しんでくれたようでホッとした。

日本酒は何をそろえるか、料理は何を作るか、順番は・・・とかなり悩んだ。
いろいろ考えていた時に、夫に原案を見せたら、
「もっとストーリーがほしい。みんな別にきき酒師を目指してるわけじゃないんやから」
と言われ、それがヒントになって、テーマが固まった。

ついつい薀蓄を語って、頭で飲む酒を揃えてしまいそうになっていた自分を反省。
日本酒の奥の深さ、造り手の情熱、酒造りのロマン・・・
そういうものが伝わるお酒をみんなに飲んでもらおうと思った。

結果、こういう会になった。

<料理とお酒メニュー>

ビールで乾杯!
 ◎ラタトゥイユ(バゲットを添えて)
 ◎ニース風サラダ
日本酒① 超超久 純米吟醸 無濾過生原酒 16BY
日本酒② 貴 特別純米60
日本酒③ 白瀑 山本 純米吟醸 生原酒
 ◎鰆の南蛮漬け
 ◎鶏とわかめのゴマ和え
日本酒④ 宝剣 純米 限定超辛口
日本酒⑤ 石鎚 純米吟醸 山田錦 袋吊りしずく酒 斗ビン取り
 ◎お造り3種(サンマ、アジ、ハマチ)
日本酒⑥ 東北泉 瑠璃色の海 雄町純米吟醸
 ◎秋鮭と野菜のタジン蒸し
日本酒⑦ 神稲 純米吟醸 生原酒
日本酒⑧ 東洋美人 611 純米吟醸
 ◎冷やっこ(オリーブオイルと黒胡椒・カリカリにんにくじゃこ・玉ねぎソース)
日本酒⑨ 鶴齢 純米 ひやおろし
 ◎手羽中のにんにく醤油焼き
 ◎茄子と豚バラの含め煮(ホワイトソースを添えて)
 ◎天ぷら(さつまいもと海老の香りかき揚げ・味付けゴボウ)
日本酒⑩ 大七 純米 生もと
 ◎ポテトのクリームグラタン
日本酒⑪ 陸奥八仙 ISARIBI 特別純米 無濾過生詰め
 ◎海鮮炭火焼き(ハタハタ・サゴシ・イカ)
 ◎焼き鯖寿司



少し前に購入していた日本酒専用冷蔵庫も役に立った。
リビング階段の下にぴったりと収まっている。



お酒は11種類。
精米歩合もいろいろで、純米もあり、大吟醸クラスの45%純米吟醸もあり、
火入れ、生原酒、ひやおろしもあり、
キンキンに冷やしておいしいものから、常温、ぬる燗でおいしいものもあり、
超辛口から、フルーティーなもの、甘味のあるもの、
きれいめなものから、米っぽい生もと・・・
いろんなタイプのお酒を揃え、それぞれの特徴を飲む前に語らせてもらった。
もちろん、それぞれに合う料理も考えて。

例えば、超超久は16BYの-5℃長期貯蔵。
熟成したお酒の旨味を味わってもらった。
キンキンにグラスも冷やし、食前酒的に。

山本は醸造家の情熱を感じられる。
杜氏制を廃止し、自分自身が米の栽培からすべて携わり、自分の名前をつけた入魂の酒。

神稲は野条穂という40年前に栽培されなくなった酒米を復活させて造った酒。
小さな酒蔵で昔ながらのやり方で造られている。

東洋美人611は、ワインのように土壌と味わいとの関係を追及したお酒。
611は田んぼの番地。
その番地で栽培された山田錦で醸されている。

そういった酒造りの面白さを感じられるものも取り入れ、
貴、瑠璃色の海、宝剣、石鎚のように、食中酒として力を発揮できるものも揃えた。
また、季節が季節だけに、ひやおろしを1本は・・・と思い、鶴齢を。
そして、魚介類に合うようにと造られた陸奥八仙のISARIBIや、
ぬる燗にすればクリーム系の食事とも合う大七など、
日本酒の幅の広さを感じてもらった。

料理も数はたくさん揃えたが、いつもやるホームパーティーの中では一番楽だった。
やはり自分の得意料理で勝負するのはいいなぁ。
どれもこれも普段食べているようなもの。
料理が簡単だから時間がかからないし、
作り慣れているから気負わなくていいし。

しかし、恐ろしいのは、冷やっこを最後に、ほとんど料理した記憶がないということ。
いや、断片的にはあるのだが・・・私がよくやる「無意識の料理」。
朝起きて、本気で「しまった!グラタン出すの忘れた!」と思って、冷蔵庫を探し回ったのだから・・・。



写真あるし・・・

これ以外は、なんとなく記憶はあるのだけど、それも微妙。
ほんま怖い。
味はどうだったんだろう・・・
夫が言うには「全部旨かった」らしいのだが。

焼き鯖寿司が、慌てて作って冷めるのを待たず、押しも足りず、柔らかすぎてボロボロになったのだけは覚えているが・・・
あれは残念だったなぁ

でも、記憶は部分的に飛びながらも、とても楽しく充実していた。
みんなが帰った後、ものすごい満足感があった。
やりきった感もあった

それと、いろんなタイプの日本酒を出すことで、やっぱり人の好みっていろいろだなぁとよくわかった。
フルーティーなのが好きな人もいれば、すっきりとした辛口が好きな人もいる。
米の旨味たっぷりが好きな人もいれば、余韻に味わいがあるのが好きな人もいる。
本当に十人いれば十人とも違うんだ、味覚って。
なかなか面白い結果だった。

来てくれた人たちが、自分がどんな味の日本酒を好むのか、
それがわかってくれたならいいなと思う。
これから自分で日本酒を注文するときの基準になるから。

私自身もタイプの違う11種類をきき酒して、また勉強になった。
日本酒は奥が深い。
だから楽しい



充実の一人居酒屋タイム

2010-08-31 23:11:08 | 
7時半起床。
それから10時半までに家事と庭の手入れと身支度を済ませ、
19時まで仕事。(実働7時間)
それから1時間かけてご飯を作り、2時間かけて食事とお酒を楽しむ。
その後、片づけとお弁当の用意を済ませ、
2時間ほど音楽を聴いたり文章を書いたり、趣味に親しむ。
0時半、夫が帰宅し、少し話をして、お風呂に入って、2時半に就寝。

こんな素晴らしく充実した日々を過ごしている。

私は子供の頃から30歳くらいまでほとんどテレビを見たことがなかったので、
その反動か、この数年は本当によくテレビを見た。
頭を使わず、完全に受身でいられるのが心地良かったのだ。
でも、最近になって、適当にテレビを見るのがしんどくなってきた。
自分の感受性が完全に涸れてきたことに恐怖感を覚えてきたのだ。
能動的に感受性を鍛え、常にものを考えていないと、
あっと言う間にアウトプットのできない人間になる。
一応クリエイティブな仕事をしているので、これは本当に怖い。

テレビっ子(?)卒業である。
本当に見たいドラマとお笑いだけを見よう。
(結局、ちょっとは見るんかい!)

夜ご飯はこんな感じで、例の「おじいさん料理」満載の食卓だ。



これは昨日。
鯖の味噌煮、オクラのおかか和え、焼き茄子、かぼちゃの煮物。

鯖の味噌煮が、我ながら絶品!!
夫は今朝食べたのだが、遠くから「旨い!」と叫んでいた。

オクラも前は夫は嫌がっていたのだが、最近は「おいしい」と食べるようになった。
旬のものっていうのは、やっぱり美味しいのだ。
それも、こんなふうに手をかけずに素材そのものを味わうのがいい。

お酒は、東北泉の美郷錦純米と、白隠正宗の山廃純米。
それを贅沢に、江戸硝子、骨董の磁器、作家物の陶器、3種の器で飲み比べを楽しむ。
この東北泉は失敗したなぁ。料理に合わせるのが難しい。
白隠正宗はちょっと濃い目の料理に合わせるとバツグンだ。
鯖は陶器がいいが、かぼちゃは磁器がいい。
これが器の神秘。
酒を替えずに器を替えてマリアージュを楽しむというびりけんの教えを実践。
全く、贅沢な遊びである。



今日はこれ。
またもや地味な食卓・・・
目鯛のさっぱり煮、小松菜と豚肉のピリ辛中華風炒め、いんげんの胡麻よごし、里芋のバターおかか炒め。
ビールで楽しんだ後、今日の日本酒は「紀土 純米酒」。

目鯛は昆布であっさりと煮つけた。
小松菜は豆板醤を軽く利かせて。これが紀土とよく合った。
いんげんと里芋は、明日のお弁当用に。

夫は里芋があまり好きでない。
里芋の含め煮を得意としている私だが、それすら見向きもしない。
なんとか食べてほしいとネットでいろいろレシピを調べ、
バター醤油で味付けして、かつおぶしでからめてみた。
じゃがいもでもよくやるのだが、この組み合わせって意外に旨くて病み付きになる。
夫もじゃがいもバージョンは食べるので、里芋でも気に入ってくれたらいいのだけど。

ご飯の後は、ブログを書きながら、エズラをロックで飲む。
音楽はオーティス・ラッシュから、ジミー・ロジャースに代わった。
やっぱりちょっと古いシカゴブルースが一番好きかも

とりあえず、酒・BLUES・文章と、自分の人生に欠かせない3大要素が詰まった時間。
なんと幸せなことか。

しかし、誰かご飯食べに来てくれんかなぁ。

また酒を恋しと想ふ。夏。

2010-08-15 23:35:12 | 
私と夫は酒飲みである
だから、何もすることがないと、どちらかがこう言う。

「サントリー行かへん?」

私は2歳からこの町に住んでいる。
サントリーのある町だ。
まさにサントリーのお膝元で、小学校の社会見学もウイスキー蒸留所だった。
(もらったのはジュースとボールペン)

ビール、日本酒、ウイスキー、芋焼酎、ワインと、何でも飲む私たちだが、
ビールなら、一番搾りも、エビスも飲むし、
ウイスキーはむしろスコッチを好む。
別にサントリーにこだわっているわけではない。

ただ、近くにあるので、サントリーは親しみがある。

山崎蒸留所までは家から歩いて5分。
ヒマだったので、また行って来た。

見学を終えて、テイスティング。



この日は、ジャック・ダニエルのシングルバレルと、山崎の構成酒の1つシェリー樽のものと、バランタイン21年。

それから、サントリーウイスキーの歴代広告コピーをいろいろと見た。



好みはあると思うが、私はやっぱりこのコピーが好きだ。

「何も足さない。
 何も引かない。」

これは有名だけど、このポスターのボディコピーがとてもよかった。



最後の「ブレンダーは沈黙した。沈黙したが、幸せだった。」という二文に心震えた。
いいなぁ、こういうストーリーや映像が浮かぶコピーは。

そういう意味では、これ↓も好きだった。



「白地着たひとが石段を急ぐ。
 風が足りない。
 水割りを恋しと想ふ。夏。」

この3行で、絵が浮かぶ。ストーリーが流れる。
そのうえで、ちゃんと広告としての役割も果たしているのだ。

コピーライターの夫と、そんな感想もあれこれ言いながら、
ほろ酔いでまた家まで帰る。

ああ、幸せ。


思いがけず、料理とお酒の会へ

2010-07-21 23:06:13 | 
先週の金曜日、急に仕事がヒマになったので、
「そうだ、酒買いに行こう!」と思い立った。

阪急の試飲ができる蔵元が、今は秋田の齊彌酒造だということで、梅田へ。
目当ては「雪の茅舎 山廃純米吟醸」。
2008年に初めて飲んで、心奪われたお酒だ。

2008年10月のきき酒メモを読むと、こう書いてある。

「まず、吟醸香がいい。
いつまでも浸っていたい花のような優しく華やかな香り。
一口ふくめば、舌の先から奥まで一気にその香りを味に変えたような
フルーティーな味わいが広がっていく。この心地良さときたら!
喉を通った後もこの余韻はひたすら続き、飽きさせない。
米の甘み部分を透明にしたようだ。
ちょっと感動的。
料理に合わせるよりも、これだけで飲みたいお酒。」

これを求めて行ったのだが、2年前とは精米歩合も変わっていて、
味わいもこの時ほどの感動はなかった。

でも、山廃純米吟醸と、山廃純米を購入。
飲み比べてみるのも面白そうだと思って。

あと、石川県の福光屋さんも来ていたので、2本購入。
1本は加賀鳶の純米吟醸生あらばしり。
2月に搾ったものを瓶に詰め、蔵内で5ヶ月寝かせたもの。
これがなかなか芳醇で旨かった。

もう1本は「黒帯 悠々 特別純米」。
金紋錦という長野県の酒造好適米と山田錦と、
それぞれで醸したお酒を後でバッディングするという、
なんだかウイスキーのような造り方をするお酒だ。
冷やではイマイチだったが、これは燗あがりするなぁと思い、購入。
ぬる燗くらいにして、料理とあわせるといいかもしれない。

4本買ったらはずみがついて、「こうなったらとことん買おう!」みたいになり、
久しぶりに山中酒の店へ。

既に阪急で10種類くらいは試飲していたのに、またここで9種類も試飲。
はっきり言って、もう舌がかなりバカになってる。
でも、それはそれでいいのだ。
楽しい。

夏らしいお酒を2、3本買って帰ろうかなと思っていたら、
店員の女の子が「これから時間ないですか?」と聞く。
「いえ、特に・・・」と言うと、
「6時半から料理とお酒を試す会があるんですけど、参加されませんか?」とのこと。
どうせ帰っても酒を飲むだけである。
願ってもないことと、そのまま居座って、2階の囲炉裏でちゃっかり試飲会に参加した。

こちらに置いているお酒は、単独でももちろん美味しい。
でも、食中酒としてはどうなのか、
実際に体験し、スタッフと一緒に勉強する会だという。

3種類のお酒と3種類の料理。
その組み合わせを冷や・常温・ぬる燗など、温度も変えながら味わってみる。
特に店側から「これはこういう味わいです」とか、「これはこの料理に合います」
とか言わずに、お客同士があーだ、こーだと感じたことを言い合う。
この企画、なかなか面白い。

お料理は、小芋とタコの煮物、野菜の蒸し物、鱧のおすいもの。

小芋は写真撮るの忘れた。





これが結構おいしいのだ。

お酒は、和歌山の「紀土」、三重の「英」、広島の「宝剣」。
紀土だけは初めて飲んだお酒だった。
また、英は冷やはなく、常温。
燗は3つともした。

紀土はどちらかというと華やかさのあるお酒。
宝剣はすっきりとした辛口。
英はふくらみがあり、濃厚。

小芋は宝剣だけど、タコは英がいいなとか、
蒸し物でも根菜は宝剣だけど、キャベツは英だなとか、
紀土は冷やだとこれらの料理には合わせにくいけど、燗にしたら鱧の出汁にいいなとか、
細かくいろんなことがわかってよかった。

愛媛の蔵元さんもたまたま来ていて、いろんな話が聞けたのもよかった。
居合わせた人(参加者は5人)も様々で、
「そうかなぁ?」と思う感想をいう人もいて面白かった。
やっぱり人の味覚っていろいろだなぁ。

結構おなかもいっぱいになって、これで1000円とは安い!
満足して帰った。

あ、購入したお酒は3本。
遊穂の新作と、武勇の和と、宝剣。
違うタイプの3種。

さて、今日は明日のお弁当の用意をして、おかずを見ていたら、
「おっ!これ、この間の試飲会みたいなのしたら面白いかも」と思い、やってみた。



食中酒としては、武勇が結構イイ感じ。
川鶴だけ無濾過だけど、こういう醤油仕立てのおばんざい料理には合うなぁ。
黒帯は燗にしなかったので、全くダメ。
今度は燗にして試してみようと思う。
遊穂も食材を選ぶなぁ・・・
ヨーグルトみたいな酸味があるので、今日の料理には合わなかった。

たとえば、鰯のから煮でも、
遊穂と黒帯は全くタイプは違うが、両方ともアンバランスで合わない。
雪の茅舎は系統としてはいいのだけど、お酒の主張が強すぎて、から煮ですら負けてしまう。
武勇はやわらかく、まろやかにしてくれるのでいい。
また、川鶴は同じくいいのだけど、その意味合いは全く違って、
まろやかにするのではなく、包み込んで膨らませてくれる。

同じ「合う」のでも、細かく言うと違う。
これもまた好みの分かれるところかもしれない。
この間の試飲会の時のように。

今日はなかなか楽しい、きき酒の夜だ。
料亭みたいなお料理はないけど、
「家庭のお惣菜と日本酒」という私の一番好きな組み合わせ。

葉巻とウイスキー

2010-07-14 02:05:33 | 
あの桃井かおりさんがこう言っていた。
(あの口調で読んでほしい)

「お酒を飲むって、1つの口実でもあるわけ。
『話しない?』って言われたら怖いけど、
『ちょっと飲まない?』って、なかなかいい理由だもの」

若い時には絶対わからなかった言葉だけど、
最近の私にはよくわかる。
大学生の男の子や女の子に、「話しよう」なんて言いにくい
でも、「ちょっと飲まない?」ってのは、言いやすい。

そんな誘いすら悩むような今日この頃。
だから、若い子から「飲みに行きませんか?」と誘ってもらえると、ものすごく嬉しい

昨日ウイスキーの話を書いていたが、今日もそんな話。

私がウイスキーを飲み始めたのは、20歳の頃だ。
日本酒と違って、ウイスキーは誰にでも勧めたいとは思わない。
というのは、まず度数が全然違う。
基本40度あるのだから、好き嫌い以前に、飲めない人には全く無理な酒である。
ちなみに私は67度まではストレートで問題なし。
(旨いかどうかではなく、度数という意味では)

私はタバコを吸わないけど、数年前まではよく葉巻を吸っていた。
マフィアか?!というツッコミも受けたけど(葉巻ってそういう印象よね)、
葉巻と上等のウイスキーという組み合わせは、最高に気持ちいい。

私は、宮本輝の「約束の冬」という小説を読んで、
それから葉巻を吸うようになったのだけど。

ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーと何でも飲むが、
その表現として唯一「官能的」と使うのがウイスキーだ。
あのアルコール度数がそうさせるのか、年月がそんな味わいを生むのかわからないが、
とにかく「官能的」だと思える酒は、ウイスキーしかない。

そのウイスキーをもっと官能的にしてくれるのが、葉巻だ。
タバコを日常的に吸う人には絶対オススメしない。
葉巻は肺に入れずふかすだけのものなので、
肺に入れるタバコに慣れている人だと、まあ、100%咳き込む。

タバコなんて吸わないという人で、ウイスキーが飲めるという人なら、
ぜひともオススメしたいのが、このマリアージュだ。
料理と合わせるよりもはるかに心地良い。
ただでさえ旨いウイスキーが、脳みそをくすぐる。
ふわふわして、たまらない。

1本で2時間はもつので、だいたい途中で切ってもらって、
あとは家に持って帰って吸っていた。
もちろん、ウイスキーを飲みながら。

人生でタバコを吸うという経験がなかったので、
葉巻を吸うと、中学生がイキってるみたいな気持ちになって、
こんな歳になってもなんだか変に嬉しくなる、みたいなところもある。

最近、吸ってなかったけど、久しぶりにウイスキーと葉巻、いいな
好きな人、興味がある人がいれば、一緒に行きたい。

ああ、今日も禁酒するつもりが、こんな時間(3時)まで飲んで終わった

酒にまつわるこんな言葉。

「酒を飲め。こう悲しみの多い人生は、眠るか酔うかして過ごしたほうがよかろう」

歳をとると、いろんなことがある。

関係ないが、昨日、高校の同級生がミクシィを通じて連絡をくれた。
別にクラスで目立った人間でもない私なので
なぜ覚えていたのかと問いかけたところ、

「文章を書く人(変な表現ですが)」という強烈な(?)印象を強く持っていました。

と返事をいただいた。

そんな言葉が上等のウイスキーくらい心地良く、嬉しく、
過去も今も、そしてこれからもずっと「文章を書く人」でありたいと強く思った。

年月と樽とブレンダーが造り出すロマン

2010-07-12 12:28:05 | 
頂き物のバランタイン12年。



私はシングル・モルトのウイスキーを好むので、
ブレンディッド・ウイスキーは自分では好んで買わない。
なのでバランタインは家でも外でもじっくり味わってみたことがない。
それで最初、ストレートでテイスティングしてみたら、
40度しかないのに55度くらいあるような重さのある味わいにびっくり。

次に贅沢にもハイボールにしてみたら、なかなか香りも立つし美味しかった。
でも、ちょっと違う。
悪くないんだけどな・・・

夫と二人、「・・・これはロックやな」と、ロックにしてみたらバッチリ!
氷に負けない、というか、むしろ際立つ華やかな香り。
味もまるくなってバランスがよくなった。
華やかな香りのウイスキーの場合、氷を入れると死んでしまう場合もあるのだけど。

余談だが、ブレンディッドの場合はいいけれど、
シングル・モルトのウイスキーに氷を入れるのは、
冷凍庫に焼きたてのパイを放り込むようなものだと、
スコットランドやアイルランドの人たちは思っているらしい。
ただし、水で1:1に割るのはOK。
むしろそれは好まれる飲み方のようだ。

さて、このバランタイン12年の味わいがどうにも気になったので、さっき調べてみたら、
「水で割って氷を入れても香り立つスコッチをつくりたい」
という思いでブレンダーが作り出したウイスキーとのこと。
なるほどなぁ。
まさに!という感じだ。
1:1の水割り、トゥワイス・アップで味わうと、真価を発揮するらしい。

造り手が「こう飲んでほしい」という想いをしっかり受け止めて
それを本当に美味しく飲めると、
酒を通して心が通じ合ったようで嬉しくなる。

年月と、樽の神秘と、ブレンダーの努力とで作られるウイスキー。
いつもロマンを感じる。

この間取材したグ○コの開発担当者の話を聞いていても思ったが、
普通に食べたり飲んだりしている商品でも、開発にかける時間と労力は並大抵のものではない。
造り手側の「想い」もある。
それを感じとれる感性と誠実さをもって味わいたいといつも思う。

そういえば、この間、山崎蒸留所の有料テイスティングコーナーで
ボウモアの12年と25年のテイスティングをした。
(蒸留所まで家から徒歩5分)
12年はどこででも飲めるが、25年はそうそう飲めない。
定価で買えばボトル45000円するのだから、ワンショットにしたっていくらするのやら?
でも、この蒸留所のテイスティングコーナーは、100円~2000円くらいまでであらゆるウイスキーが飲める(10ml)。

ここでボウモア12年は100円か200円だったと思う。
25年は1300円。

10mlで1300円って高いと思うかもしれないが、他では置いていないし、
置いていたところでこんな値段では飲めないのだから、1300円の価値は十分にある。

正直に言えば、私はスペイサイド系の華やかなウイスキーが好きで、
ボウモアに代表されるようなアイラ系の正露丸っぽいスモーキーなウイスキーはちょっと苦手だった。
最近になって、ようやくその美味しさもわかってきたのだけれど。

しかし、このボウモア25年はすごかった。
一口飲んで、ちょっと鳥肌が立った。
本当に美味しいウイスキーに出逢うと文字通り「痺れる」のだが、
これはそういう「痺れる」ウイスキー。

まず色から違う。
うっとりするような赤みのある琥珀色。
そして、あの正露丸みたいなスモーキーな香りではなく、とても穏やか。
アタックもスモーキーさは感じられず、甘くしっかりした味わい。
ゆっくり口の中に広がり、豊かな長い余韻・・・。

夫と分けたので、たった5ml。
二人で顔を見合わせて、目を閉じて、「これは・・・」と唸った。
無口になる。
この痺れるほどの感覚、官能的なほどの味わいを、もっと堪能していたくて。

しかし、たった5mlでこれほどまでに人を感動させ、官能の世界に誘ってくれるって・・・
「おいしい」とか、そんな陳腐な言葉で表すことはできない域のものだった。

時間だ。
やっぱり25年という時間。

25年という長い年月を自分がどれほどの経験を積み、
何を見て、何を感じて、どれくらい成長したか、
それを思い返してみたときに、この年月の重さが心に響いた。

この長い時間、樽の中でただひたすら眠り続けているのだ。
時折、天使たちに分け前をあげながら。
(※樽から蒸発するアルコール分を「エンジェル・シェア」と呼ぶ)

いつかスコットランドへ行って、蒸留所めぐりをしたい。
樽が呼吸して、その蒸留所の自然や空気に混ざり合って、
そこでしかできない香りと味わいのウイスキーができあがる。
シングルモルトにこだわるのは、その神秘に魅せられているから。
(※トウモロコシなど他の穀物を混ぜずに作った麦だけのウイスキーを「モルトウイスキー」という。また、1つの蒸留所だけで作ったものがシングル・モルト)

スコットランドは無理だが、今年の夏は北海道へ行きたいと思っている。
日本の4大蒸留所、山崎、白州、宮城峡、余市。
あとは余市だけで制覇できるのだ。
日本のウイスキーも、ちゃんと造っているものはバカにできない。

ニッカの宮城峡も美味しいし、サントリー白州も独特の味わいがある。
でも、やっぱり山崎を飲むと、不思議と安心する。
それはもしかしたら、子供の頃から同じ源泉の地下水を飲み、
同じ空気を吸ってきたからかもしれないなと、最近思うようになった。
柔らかく甘い水と、霧の立ち込める山の空気・・・
そう思うと、またロマンを感じてわくわくしてしまうのだ。

味覚の表現方法

2010-07-07 03:03:09 | 
今日は朝10時から夜9時まで取材だった。
某食品メーカーが新商品を発売するということで、それの一般試食会というイベント。
夕方、少し休憩があってご飯を食べてコーヒーを飲めたけど、
それ以外はほとんどぶっ続け。

このメーカーは、もう3年近く、ライティングでかかわりをもっている会社。
開発担当の人に私の書く文章を気に入ってもらっていて、
細々とだけれど関係は続いている。

発売前の商品なので守秘義務があり、詳しくは書けないが、
今日の試食会はとても面白かった。

3回に分けて行い(1回5~7人程度)、1人で5種類を試食する。
その感想や意見を話し合うのだが、改めて思ったのは、
「人の味覚ってそれぞれなんだなぁ」
ということ。

同じモノを食べているのに、「甘すぎる」という人もいれば「ちょうどいい甘さ」という人もいる。
「すっきりしすぎている」という人もいれば「このさっぱり感がちょうどいい」という人もいて。
それが本当に180度正反対の感覚だったりするので、面白いなぁと思った。

この商品を愛し、真剣に答えるユーザーばかりを集めていたので、
こういう率直な意見はメーカー側にとったら非常に貴重な財産になるけれど、
商品化に反映していくにあたっては、かなり苦労するだろうな。
売れる商品を開発するというのは、大手でもやっぱり難しいようだ。

本当に、人の味覚は様々。
世の中に、「これは絶対においしい」なんてものはないのかもしれない。

一番大きなくくり「おいしい」「おいしくない」に分ければ、
かなり100%に近い確率でどちらかに分かれるのだろうけど、それでも100%ではない。
それが「好き」「嫌い」になれば、もっと比率が変わる。

私は食材ではキュウリと納豆が苦手だけれど、これらを美味しいと思う人は嫌いな人よりも間違いなく多いわけで……。
かといって、私の味覚が悪いわけではない。
かなり細かな味わいまで見分けられると思っている。
だから、やはり「好み」なのだ。
環境も影響していると思う。

そういうことを考えていたら、日本酒はそれが顕著だなぁと思った。

日曜日、去年から参加している「日本酒フェスティバル」へ行った。
会場は神戸ベイシェラトンホテル。
今年は、全国28の蔵元から、合計200種類くらいのお酒が出された。
それをたったの1800円ですべて試飲できるという、そういう楽しいイベントだ。

夫とトシくんと3人で行った。
一口ずつみたいな感じで味わって、とにかくたくさんの種類のお酒を飲んだ。
普段は高くて飲めない、めっちゃ高い大吟醸とかもここでは味見できる。
基本的に大吟醸はあまり好きではないのだけれど、いろんな味を知っておくことが大切だと思っている。
結局100種類くらい飲んだんじゃないだろうか。

私がいろんなお酒を飲むのには、意味がある。
自分がお店をやっていたり、料理人だったりしたら、逆にこんなに飲む必要はないように思う。
だけど、私はお酒のプロではなく、ものを書くプロだから。
いつも考えるのは、「表現」。

日本酒は、残念な歴史や心無い大手酒メーカーのために、日本人から離れてしまった。
でも、本当は世界に誇れる素晴らしいお酒だ。
食中酒としてはワインよりも幅が広いし、それ単体で飲むにしたって飽きがこない。
ウイスキーみたいに濃い目の味付けのアテと一緒に飲むことも可能。
とにかく万能なアルコールだと思っている。

しかし、別に世界中の人に飲まれなくてもいいのだ。
とりあえず、日本人で日本に住んでいたら、日本酒を飲もうよと。

私が言われると一番悲しいセリフがある。
これを言われるくらいなら、ババアとか、デブとか、欠落した人間とか言われたほうがナンボかマシなくらい落ち込む。
それは、「お酒は好きなんだけど、日本酒だけはダメなんです」。

この言葉を発した人に責任は全くない。
ただ、悲しくなる。

それでも、たくさん飲んでみて、その上でダメだというのであれば、それは先に書いたように「好み」だと思うので仕方がないと思う。
「お願いだから、そんなこと言わないで~」とすがりつきたくなるのは、
大バコの居酒屋で出てくるような日本酒しか飲んだことがないとか、
「おいしい地酒」=「八海山」「越の寒梅」「久保田」とか思っているような人だ。
(※これらの酒をバカにしているわけではないので誤解のないように。
それが地酒の最上級ではないということ。
世の中にはもっといろんな酒があるということ。)

また、醸造アルコールを添加しないと飲めないような悪い造りの酒もあり、
こういう酒を飲むと気分も悪くなるし、翌日まで残る。
とりあえず、何より味がマズいのだ。
先の「日本酒だけは・・・」という人は、こういうとんでもなくマズい酒を
最初に飲んでしまい、「日本酒マズい!」となっているケースが多い。

それに、年間100種類以上飲んでいたって、その味わいはさまざまで。
新しい味に出逢うこともまだある。
開封日数や温度、酒器、合わせる料理によっても味わいは変わってくる。
それくらい日本酒は深い。

だから、試してほしいのだ。
試してもらえたら、その時に自分ができることが1つだけある。
それは、その味わいを「言葉」にするということ。

きき酒師の資格をとりに行った時に思った。
なんだ、これはテイスティングの試験とちゃうやんか。
これは、文章表現の試験だ、と。

だから、難しいけど簡単だった。
逆に、お酒の知識をたくさん持ってる飲食業や流通業の人でも、
それを言葉で表現したことがない人にとっては、辛い試験だなぁと思った。

幸い、私の周りの人は美味しいものが好きで、和食が好きで・・・という人が結構いる。
そういう人は、たくさんは飲めなくても、日本酒と和食のマリアージュの素晴らしさを知っているので、ご飯を食べに行くと少しは日本酒を飲む。
そうすると、今日の試食会じゃないが、とにかく人の好みはマチマチだと思う。
人もそうだし、その日の気分もある。
普段は冷酒が好きでも、今日は燗にしたいとか、
いつもはしっかりめが好きだけど、体調的に爽快なお酒が飲みたいとか、いろいろある。

だいぶん、自分の周りの人の好みはわかってきたが、これからはそれをなんとか言葉にしていきたいと思っている。
銘柄を言うのではなくて。
どんなお店に行っても、「こういうお酒をください」と言えば、それが出てくるように
明確に言葉にして教えてあげたい。
そして、できれば家庭料理と合わせて家でちょっこしだけでも日本酒を飲んでほしい。
今自分がやっているのは、そのための修業。
(といいながら、勝手に飲んだくれてるだけ、という噂もあるが・・・)

例えば、ハイボールは去年爆発的に流行った。
そのおかげで、「角」をはじめ、ウイスキーの売上がぐっと伸びた。
「オッサンの飲み物」とバカにしていた若者もウイスキーを飲むようになった。
日本酒も同じようにならないかなぁと思っている。
そのためには、家で日本酒を飲む習慣を作らなければならない。
ウイスキーよりずっと日本人の食生活には合うはずなのになぁ。
そう思い、周りの人に対してやこのブログでコツコツと、日本酒の普及に励む私。
人それぞれの好みに合った日本酒を表現してあげられるようになりたい。
それが今のところ私の身近な目標なのだ。

日本酒フェスティバルでまたいろいろ飲めたのはよかったなぁ。
新しくいい酒蔵さんとの出会いもあったし、
夫の人柄で、残り物のお酒も「持って帰ってください」と言われてゲットできた。
私って、ほんまにお酒が好きなんやなぁと、ふわふわした頭で思う。
楽しくて仕方がない。

あー、今日は疲れていたのに、朝4時が来た・・・
また明日は7時半起きなので、そろそろ寝ようか。