明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

絵心ない調理人

2012-01-06 14:54:03 | 
昨年末の話になるが、23日に夫と信楽へ行った。
クリスマス3連休だし、どっか近くへ泊まりに行こうよ~ということで、急遽、クリスマスディナーのついたプランを探した。

見つけたホテルがここ。
http://www.lakevilla.co.jp/index1.html

ゴルフ場や温泉が一緒になった広い敷地にあるホテルで、コテージも点在する。
近いし、温泉も入れるし、コテージプランだからか安いし・・・ということでここに決まった。

結果から言うと、すごく良かった!!

コテージはこんなの。広いしきれい。


クリスマスディナーはホテルのレストランで食べるのだが、雰囲気も良く、味もおいしかった。
画像は一部。







温泉も露天風呂やサウナもあって、広々していて、すごく満足!
リピーターが多いというのもうなずける。
近いから、また機会があれば来たいなぁと思った。

翌日は、信楽焼を見に行った。


1枚、ずっと欲しかったタイプのお皿を買えたのでよかった。

ただ、季節が悪く、クリスマスイブの日に信楽焼を見ようというカップルはいないようで、
大げさに言えばゴーストタウン・・・。観光客もいないし、かなり町はさびしい感じだった

お昼を過ぎて、何か食べようということになり、選ぶ余地もなく目についた喫茶店へ。
メニューを見ると「信楽名物B級グルメ たぬき丼」というのがある。
写真が大きく載っていて、たぬきの顔をちくわや豆などで上手に作ってあった。
お店の人に聞いてみると、基本はかき揚げ卵丼で、名物のたぬきに似せた顔を作っているとのこと。

「あ、かわいいし、これがいい~」と私。
値段も600円と安いし、他にめぼしいメニューもない。(牛丼やカレーなど数品)
夫は牛丼を頼んでいたが、私はせっかくだし、ブログにも載せようと思って名物を注文した。

わくわく・・・

しばらくすると、「たぬき丼です」とオバチャンが運んできてくれた。

やったぁ・・・!

しかし、丼を一目見て、仰天した。その理由とは・・・

↓これだ。


た、たぬき・・・?

いや、おばけ?
なんかセサミストリートに出てきそうなキャラクターにも見える・・・

何度もメニューの写真のたぬきと見比べてみたが、どう見ても別物だった。
オバチャン、絵心なさすぎやろ・・・
大人でもこんなにショックを受けるのだから、子供が見たら泣くんちゃうか?
なんで髪の毛あるの?

「たぬきじゃない・・・。こんなのたぬきじゃない・・・」

あまりの衝撃にしばらく箸が止まったが、よかったのは予想以上のおいしさだったこと。
「うまい、うまい」とかきこんだ。
かき揚げが出汁を吸って、ふにゃーとしているのがいい。
味付けもバツグンだった
まさにB級グルメ!!

しかし・・・
絵心はD級だったなぁ・・・
せめてひと目で「たぬき」とわかるくらいには精進していただきたいものである。

旅の話をしよう。~新潟といえば、やはり日本酒!

2011-11-20 23:49:55 | 
新潟旅行で少し申し訳なく感じたのは、下戸のもんちゃんを酒関係のところへつき合わせたこと。

この旅ではもともとお酒関係のことはあまり重要視していなかったので、
ガイドブックを見るときも、あえて酒関係の情報は見ていなかった。

しかし、越後湯沢に行くことが決まって、いろいろ調べていたら、駅に「ぽんしゅ館」というのがあるという。
試飲もできるし、酒関係のものがいっぱい売っている。酒風呂まであるそうな・・・

■ぽんしゅ館
http://www.ponshukan.com/index.html

これは行かないわけにはいかない!

もんちゃんも快く「いいよー」と言ってくれたので、ぽんしゅ館へ寄ってみた。
本当に駅構内にあるお土産屋さんとくっついたような施設で、利き酒コーナーがすごい。
なんと、新潟の酒蔵の代表銘柄95種類・おすすめ銘柄22種類、合計117種類が飲めるのだ。

システムは、500円で5枚のコインを買う。
ぐいのみも貸してくれて、コイン1枚で1種類のお酒が飲める(25ml)。

こんなの。


本当にコインロッカーみたい。

いやー、これは興奮するよ
ぐいのみを置いて、コインを入れて、スイッチを押したら、お酒が出てくる。

私があれこれ飲んでいると、もんちゃんがじーっと見て、
「ちょっとちょうだい」という。

え、大丈夫か?

「なめるだけ」と言って、ちょいちょいなめていく。
私は心配で仕方がない。

でも、なめるだけでも「おいしいー。結構好きかも」とか「違うのがわかる」とか言ってくれると、
それだけですごく嬉しくなってしまう

飲めないのに付き合ってくれて、本当に嬉しかった。



ちなみに↑このガラスケースの中にあるお酒は、ちょっと上等なのとか珍しいやつ。
「コイン3枚」とか書いてある。

うーん・・・
飲みたかったけど、やはり100種類ほどのお酒を前にすると、いろいろ試したくなってしまい、コイン3枚に踏み切ることはできなかった。
でも、翌朝と2回行って、合計10種類飲めたので、満足だ

それから、新潟の青木酒造「鶴齢」にも行けたのでよかったなぁ。


ここは米どころ、南魚沼市の塩沢というところにある。

塩沢は、昔ながらの街並みを再現して、観光地として人を呼び込んでいる。
こんな感じ。


この通りの中に鶴齢の商店もあった。


夫にお土産にと、前掛けとお猪口を買って帰った。

あと、この通りの中の老舗の商店に、私の好きな木喰(もくじき)の仏がまつられてあったので、
それを見られたのもよかった。
今まで知らなかった「鈴木牧之(ぼくし)」という人の記念館にも行ったのだが、それもなかなか興味深かった。
正直、ぱっとしない田舎町ではあるが、結構楽しめた。

バスで片道5000円台で京都から新潟までいけることがわかったので、
今度は夫と新潟酒の旅でもしようかと思う。
そのときは、またぽんしゅ館には立ち寄るだろうな

旅の話をしよう。~『雪国』の舞台へ

2011-11-17 22:02:38 | 
今日は何の話を書こうか。
そういえば、旅の話をほとんど書いていなかったので、少しずつ書いていこうと思う。

10月の終わりに行った新潟の話。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜のそこが白くなった」

有名な川端康成の『雪国』の冒頭。
まず初めに行ったのは、この「雪国」の舞台だった。

1日目に泊まった越後湯沢の「高半」という宿。

http://www.takahan.co.jp/index.html

ここは、川端康成が昭和9年から12年にかけ「雪国」を執筆していたという宿。
当時、泊まっていた<かすみの間>という部屋を展示室に移し、自由に見られるように開放している。



ここであの名作が生まれたのかと思うと、どきどきした。
いいねぇ、昭和初期の部屋。
机や肘掛付きの座椅子、火鉢など、どれをとっても美しい。

そして、外から見るだけかと思ったら、入れた。
ベタな演技までしてみた(笑)



温泉もとても気持ちよかったし、ごはんも美味しかった。
1泊2食付き1万円程度で、値段のわりに満足。









お酒は「鶴齢」があるのが嬉しかった。さすが地元である。



ただ、部屋食でなく、大広間みたいなところで食べるのだけど、これがちょっと微妙。
テーブルがやたら大きくて、もんちゃんと向かい合うとめちゃくちゃ遠い。

さらに、私たちは食事のスタートが遅かったので、一番最後になってしまい、スタッフが片付けとかを始めて、
なんだか追い出されるように部屋を出た。
もうちょっとゆっくりできればよかったのだけど。

もう1つ。
土瓶蒸しのアルコール分が完全に抜けていなかったのか、
アルコール分解が全くできないもんちゃんが「なんか酔っ払ってきた・・・」と言い始め、ひやひやした。

そんな細かいことはいろいろあったが、お料理は満足

朝食はこんな感じ。


プリンみたいな、蒸し豆腐?が美味しかった。


そして、例のごとく、おひつを空にした
(お茶碗3杯)

新潟産炊き立てコシヒカリだと聞いていたので、どんなにおいしいんだろうかと期待していたら、
意外にそうでもなかったのが残念。極めてフツー。
お米の質はいいけど、釜が悪いんじゃないだろうかとか思った。
それくらい普通のゴハンだった

総合して、★4つ、というところだろうか。
食事も温泉も基本的には満足したし、川端康成の部屋を見られたのがポイント高い。
帰りに、2合もコシヒカリをお土産にくれたのも嬉しかったな

周りは温泉以外は何もないところだ。
冬はスキー場になるみたいだけど。

雪が降るとまた違った風情があるんだろうなぁ。
あの『雪国』を書きたいと思わせた風景、情緒、空気を感じてみたい気がした。

シンガポール旅行記(姫シリーズ) プロローグ「姫の憂鬱」

2011-09-24 00:28:39 | 
昨日、シンガポールから帰国した。

日本は秋になっていた。

伊丹空港から出て、日本の秋の風を肌で感じた瞬間、この国に対する愛情と日本人としてのアイデンティティのようなものを感じた。
やはり、私は日本が好きだ。

そして、長期の旅行は最近なかったので、久しぶりに旅をしたなぁという気分だ。
詳しい旅行記はこれから少しずつ書いていこうと思う。
今回は時系列ではなく、人気の(?)「姫シリーズ」として書くつもりだ
今日はそのプロローグ。

姫(姉)は、本当に真面目で、優しくて、自己主張が激しくて、私より完璧主義で、常識人で、たくましくも繊細な人だった。
40年も彼女と付き合ってきたが、改めてそう思った。

自分と似ていると思うところもあるし、全く正反対だと思うところもある。
その正反対の面が子供の頃はお互い理解しがたく、ケンカも多かったけれど、今は(というか今回の旅行で)自分と共感できる部分のほうを強く感じた。
そして、たぶん、この人は私よりずっと繊細で、ずっと真面目で、ずっと完璧主義なんだと気づいた瞬間、
自分が苦労している何倍も心を痛めることが多いんだろうなと思い、同情的な気分にもなった。

私も真面目な人間だけど、彼女はもっと真面目で自分を追い詰める。
自分にも人にも厳しい。
常に完璧であろうとするあまり、心身のストレスは大きくなる一方で。

姫の夫(お義兄さん)と私の夫は、ちょっとタイプが似ている。
おおらかで、のんびりやで、いい人。
私も姫も、そういう人じゃないと一緒にいるのは無理なんだと、これも改めて思ったこと。
深刻な人間が深刻な人間と一緒にいたら、破滅しかない
そういう意味では、私も姫も、自分に合った素晴らしい夫とめぐり合えたなぁと思う。

シンガポールという街は、活気があり、おもちゃ箱みたいにいろんなものが詰め込まれていて、国際的で、面白いところだった。
「シンガポールに行く」という話を友達に会うたびにしてみたら、4、5人は旅行で行ったことがあった。
でも、ほとんどが10年以上前の話。
「2日もあれば十分」という意見もあったけど、行ってみて、それも10年以上前の話だからだなぁと思った。
たぶんだけど、私の友達が見てきたシンガポールと、私が今回見たシンガポールは随分違っているのではないだろうか。
常にどこかで大掛かりな工事をしていて、日々、新しい建物ができている。
この10年くらいで、街並みだけでも随分変化してしまったと思う。
まあ、代表的で歴史的な観光地は変わらないだろうけど。
少なくとも「2日あれば十分」な場所ではなかった。
あと3日くらいあっても、まだ十分に楽しめた。
それくらい、日々進化している国なんだと思う。

また、これはアメリカでもそうだけど、いろんな人種が混在している街というのはちょっと慣れない。
ほとんどが中国人。
そして、アラブ系の人、インド人、韓国人、日本人、白人がいる。
中華街はいろんな国にあるが、シンガポールでもチャイナタウンはあって。
それ以外にも、アラブストリート、リトルインディアといった、人種ごとのエリアがある。
そこにはそれぞれの文化がそのまま残って、そのままの生活がある。
基本的に単民族国家の日本からすると、それはちょっと変な感じだ。

印象的だったのは、姫のこんな話。
シンガポールという国は、建国記念日に大々的なお祭りがあるという。
シンガポールに住んでいる他の国々でもそうらしい。
でも、日本は建国記念日に国をあげてのお祭りやイベントなんてない。

「日本では建国記念日にどういうことをするのか?」といろんな国の人に聞かれるらしい。
姫は「何もしない」と答える。
そうすると、皆にこう言われるそうだ。
「Why?」
なぜ、と。

姫が言っていた。
「なぜって聞かれるのが困るのよね・・・。なんて説明したらいいのかわからない」

それを聞いてから私も考えてみた。
でも、これといった答えも、異国の人を納得させる答えも、見つからなかった。

いろんな国の人がいる場所で暮らしていると、世界では当たり前のことが日本では違うことがあるみたいだ。
その代表的なものが「愛国心」。
もう少し詳しく言えば、「愛国心をどう表現するか」
もっと言えば、「愛国心を表現することをどう捉えられるか」

建国記念日を祝うこともない国民。
国歌や国旗に遠慮する国民。
世界で稀に見る、愛国心に罪悪感と他国への遠慮を感じる国民。
なんなんだろう。

日本人が安心して世界に対して日の丸を掲げられるのはスポーツだけ。
この異常性にすら、目を伏せて何も語ろうとはしない。

そのくせ、某テレビ局にはデモ行進をしてみたり(笑)

ただ、日本人は誠実で真面目であるということだけは、世界でも共通の認識らしい。
シンガポールでは、インド人が一番差別の対象にある。

ある日、私たちが道でタクシーを拾おうとしていたら、明らかに私たちより手前で時間的にも早くからインド人がいた。
タクシーはインド人の前を素通りして私達の前に止まった。
運転手さんは陽気でよくしゃべり、よく笑う、とてもいい人だった。

後で姫に「あの運転手さん、いい人だったね」というと、
「でも、あの人、インド人の前で止まらなかったよね」と言った。
私はそれまでその意味がわからなくて、「なんでなん?」と聞くと、
「この国ではインド人は差別されてるから」と姫は言った。

そうなのか・・・と初めて知った。

別の話をしていたとき。
ひなの(姪っ子)の習い事の月謝を先生に払うとき、姫が「お月謝です。中を確かめてください」と言って渡すと、
先生は決して中を確かめないらしい。
「日本人は信用できるから。確かめる必要ないわ」と。
そのかわり、こういうらしい。
「中国人の月謝は確かめる。インド人なら2回確かめる」と。

その話をしてくれたときの姫が、決して日本人であることを誇った言い方ではなく、
疑問と悲しみの混じった表情と言葉だったことに、私は心からホッとした。

こんなふうにいろんな人種の混じった目覚しく発展している国際国家のシンガポールでは、仕事が細分化されているという。
例えば、タクシー乗り場では、ただひたすらタクシーに案内する人がいる。
この人は正直、いなくても成り立つ。
姫が教えてくれた。
「あんなふうに『これだけ』を仕事でやってる人がいるねん。安くても仕事をできるだけたくさんの人に割り当てようという政策があるから」と。
なるほどなぁ、と思った。

もう1つわかりやすい例で言うと、ファストフードのような店に行くと、食べた後のゴミを片付けるだけの人がいる。
数年前、食べた後は自分で片付けようという話も出たらしいのだが、そうするとそれを片付ける仕事がなくなるということで、
今では食べた後は片付けないのが決まりらしい。
もちろん普通のレストランのようなところではそういう仕事は発生しないが、確かに焼き鶏屋台のようなところで食べたときは、
食べ終わると、さっとゴミ箱を持ったおじさんが来て、残飯などを処理していた。
そうやって、わずかな仕事であっても、失業者が出ないようにしているらしい。

ポケットティッシュを売りに来るおじさんもたくさんいた。
姫が言うには、あれは中国人ばかりで、政府から割り当てられた仕事ではなく、勝手に自分でやっているらしい。
でも、日本では考えられない仕事なので、私にとっては印象的だった。
(日本ではタダでポケットティッシュは配られているし)

私は、シンガポールの新しいビルや発展よりも、そういう人種差別や仕事の細分化のほうが興味深かった。

それから、アラブストリートに行ったときのこと。
イスラム教の寺院を拝観した。

仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、すべて「神」の形があるのに、イスラム教はない。
何も偶像がないのに、ただメッカの方向を拝む。
断食をしたり、1日に何度も拝まないといけない日があったりと、イスラム教徒はかなりストイックらしい。
日本人にはそういう宗教がない。
「他国の人は宗教に本当に熱心よ~」
そう話をした後で、姫が少し淋しそうに言った。
「最近、自分にもそういうものがあったらいいなって思うねん」と。

私は「そうなん?」と言って、それきり話はしなかったけれど、一番この言葉が印象に残った。

信じるものがあるということ。
自分にとっての「神」が確かにあるということ。
それはどんなに心強いことだろう。

そういう宗教をもっている国民性を羨ましいと感じる姫の気持ちを思ったとき、
この人はきっと私が思っている以上に、いろんなものを抱えているんだろうなと感じた。

姫の憂鬱。

それを思い、私もなんだか心が痛くなった。

あんな完璧主義で真面目な人が、このいい加減な国で生きていくということのストレス。
拠りどころが欲しいと思っても当然で・・・

英語教室、料理教室、スイミング。
姫は今、毎日こんな教室に通って学んでいる。
英語もスイミングもできなくても別に構わないし、料理にいたっては彼女はかなり上手なほうで学ぶ必要もない。
でも、毎日習い事と勉強を続ける。

「すごいなぁ。別にやらんでもいいことやるなんて」と言ったら、ひなのが冷静な態度で言った。
「お母さんは、人生でできることをすべてやろうとしてるねん」

なんだかおかしくて笑ってしまったけれど、後になって考えてみれば、なるほどなぁと思う。
姫は全てをやろうとしている。

でも、それは、なんだか素敵なことのように思えた。
ストレスがたまらなければ。




旅行記 その3 穴を掘る人々と天空の城を築いた人

2011-08-28 07:50:09 | 
朝起きると、食欲が爆発していた。

この宿は「囲炉裏の宿」と名前がついているように、囲炉裏の部屋が自慢。
朝食はここでとる。


なかなかいい感じのお部屋で、冬は囲炉裏であったかい鍋なんかを食べるのもいいなぁと思った。

朝食は、素朴ラインナップ。

これにあと、しじみの味噌汁とご飯が付いた。

こういう宿の朝食は、グループごとにおひつを持って来てくれる。
私は一日のうちで朝一番お腹がすいているので、このおひつの中のご飯を全部たいらげる。
この日もお茶碗3杯食べた。
しゃもじについた米までなめるようにして食べきったので、宿の人はおひつ開けた時うれしいだろうなと思った。
残す人って多いから……

いつもおひつを空にすると、昔、もんちゃんと奈良の山奥の民宿に泊まったことを思い出す。
そこも朝食はおひつが出てきて、その頃から食欲爆発女子だった私は、「全部食べていい?」ともんちゃんに聞き、
1人でおかわりをしまくって、空にしてしまった。

「あー、絶対、宿の人、私が全部食べたと思ってはるわ……」
ともんちゃんが恨めしそうに言った。
小柄な私に対して、もんちゃんは170センチくらいあるし、どう考えてもこの大きな女性が食べたに違いないと、
そういう濡れ衣を着せられると、もんちゃんは嘆いて、私を恨めしそうに見た(笑)

あれからもたびたび「おひつを空にする」という場面にでくわしたが、そのたびにもんちゃんの言葉を思い出す。
そして今は、夫を見て、「大丈夫。絶対この男が食べたと思ってるな、宿の人は……」と思うのである。
まさか私がおひつを抱え、しゃもじについた一粒までお箸できれいに取っていたとは思うまい……

3杯食べてもお腹はまったくといっていいほど膨れず、
「なんぼでも食べられるモードに入ってきた!もっと食べたい!」と言うと、夫が、
「鯉みたいやな」と言った。

鯉はお腹いっぱいになることがないらしい

しかし、私は鯉ではないので、これ以上食べてはいけないと自分を律し、部屋に戻った。

さあ、今日も出発だ!

まずは、生野銀山へ。
私は、炭鉱とか銀山・銅山とかって、すごく怖い。
まず、「地下」が苦手。理由はわからない。ただ、ぞくっとするのだ。
それから、過酷な労働だったという歴史を思うと、そこで働いていた人たちの「想い」がしみついているような気がして怖い。
だから、夫が「生野銀山行こう」と提案したとき、行きたくないとごねていた。
「生理的に無理」「わけもないけど怖い」と理由を言うと、

「奴隷だった前世を思い出すんやな……」と夫が言った。

誰が奴隷やねん?!

でも気が変った。
宿にあったパンフレットを見たら、銀山で働く人の蝋人形がいっぱいあったからだ。
私はこういう施設の蝋人形が大好きで、「蝋人形あるから行く!」とノリノリになった。

これもまたもんちゃんと行った旅だが、北海道の網走刑務所へ行ったときの蝋人形が今でも忘れられない。
あのリアルさ、逆にユーモアを感じてたまらんかった。
高知の坂本竜馬資料館みたいなところも蝋人形があって、あそこもなかなかよかった。

というわけで、蝋人形につられて行ったわけだが、生野銀山、すごい。
行ってよかったなぁと思っている。(蝋人形関係なく)

807年に発見され、室町時代には本格的に採掘が始まったと言われている歴史ある銀山で、
実際にその坑道を見ることができる。(観光用に整備されている)

人が這ってノミ1本で掘っていったという、生々しい坑道。
這うのがやっとというほどの小さな穴で、その過酷さを想像するだけで震える。
資料館に模型があるのだが、まるでアリの巣。
人間がこんな地中深くまで手で掘っていたとは考えられない。
でも、そこに何百人もの人が働いていたのだ。

「過酷やな…」と何度も言葉が出る。
数え切れないほどの労働者が犠牲になり、わずかな銀が殿様のところへ届けられる仕組みがよくわかった。
いつの時代も、多くの労働者が、少数の金持ちを作っているんだなと思う。

常に気温は13度。
夏は涼めるのでいいが、実際に掘ってる人たちはきつかっただろう。

手堀りの時代から、ドリル、ダイナマイト、エレベーターといろんなものが利用されるようになる。
その様子もよくわかるようになっていて、すごく勉強になった。


で、結局、蝋人形はというと……
あまりのショボさにがっくりしたよ。
この施設のために造られた蝋人形ではなく、あきらかに洋服屋のマネキン利用。
だから、江戸時代の日本人やのに、どう見ても外人やろ!みたいな美しい顔の人に無理やり労働服を着せてノミを持たせている


↑何人か設置されてるの、わかるかな?

あと、面白かったのは、こちら。




坑道の中にお酒の貯蔵庫があった!
日本酒もあったし、ワインもあった。
一年を通して温度が13度に保たれ、じめじめといい感じに湿気もあり、最高の天然貯蔵庫になるのだ。
それを利用してお酒を熟成させていた。(売店で売ってる)
なるほどなぁ・・・

とにかく、生野銀山はよかった。
勉強になった。
こういう日本の歴史を見ることはすごく大事だと思う。

そして、この後、もう1つの歴史を見に行った。
竹田城跡。

世の中には城マニアの人が割合多くいて、そういう城マニアにとったら垂涎ものの城跡らしい。
そんな城跡があることすら知らなかったのだが、これは本当にすごい。
城マニアでなくとも、感動する。

駐車場に車を置いて、15分ほど山道を登っていく。
こんなマニアックな場所、閑散としてるのかなと思っていたら、すごい観光客!!
どうやら人気のスポットのようなのだ。

嘉吉年間(1441~43年)に但馬の守護大名・山名宗全が基礎を築いたとされ、
織田信長の命による秀吉の但馬征伐で天正8年に落城。
南北400メートル、東西100メートルに及び、完存する石垣遺構としては全国屈指のもの。
平成18年には日本城郭協会により「日本100名城」に選定されている。

自然石を巧みに配置した石垣は、400年前のまま。
朝霧が発生すると雲海が見え、そこに浮かぶように見える城跡の様子は、「天空の城」と呼ばれている。

午後だったので雲海はもちろんなかったが、それでも圧倒された。





360度、全部見渡せる。


あっちから敵が攻めてきても、すぐわかるなぁとか。
そういうことをリアルに感じさせてくれる。

石垣がまた美しくて。
雲海が出ているとき、別の場所からこの城跡を見たら、それは本当に「天空の城」に見えるんだろうなぁと実感できた。

360度見渡せる、美しい古城跡。

風に吹かれて遠くを眺めていたら、「国敗れて山河あり」と夫が言った。
「城春にして草木深し」と私が続けた。

人がつくったものは滅んでも、自然の姿は変わらない。

平泉で同じようにこの杜甫の詩を思い出し、涙をはらはらと流した松尾芭蕉のように、
私の心にも何か打つものがあった。

あの時代、人はここから同じ景色を見て、何を思ったのだろう……。

胸を熱くしながら、山を降りた。

(つづくかも)

旅行記 その2 念願の川床バーベキュー!

2011-08-20 15:57:40 | 
宿に着いたときも、雨は降り続いていた。
川床がどんな様子か細かくはわからなかったので、雨でも利用できるのかどうかが気になる……
不安を抱えたままでフロントに通された。

宿はクチコミで仕入れた知識通りの古さ
良く言えば「レトロ」。

やたら剥製のある宿で、キツネ、鹿、イノシシまでリアルな表情で佇んでいた。
それに、1メートル以上もあるオオサンショウウオまで飼っている!!(40年前から保護しているとか)


えらい山の中にあるんやなぁと、実感した。

部屋に案内される途中、卓球台とビリヤードが置いてある部屋を通った。
宿やこの地域に関連する新聞記事や、宿泊した有名人のサインなども飾ってある。
何もかもが珍しく、部屋はどんなんだろうかとドキドキして入ると……

あれ?意外にフツー・・・
っていうか、むしろ広くてキレイ。

10畳くらいで、トイレと洗面、窓辺のソファコーナー(昔の旅館にあるやつ。わかるかな?)もある。
ぜんぜん悪くない

「食事は……」と仲居さんが説明を始めたので、さっきから気になっていたことを聞いてみた。
「あの、雨ですけど、川床は……」
「大丈夫ですよ。屋根もあるので」

よかった~!!

食事は6時半にしてもらい、先にお風呂へ入った。

お風呂は温泉ではないのだけど、わりと雰囲気がある。
中に水車のオブジェ?があり、岩から滝のようにお湯が流れてきたり……
私と入れ違いに1人いたけれど、貸切でリラックスできたのもよかった。

さて、いよいよ川床へ・・・

否が応でも期待は高まるが、私は期待と違うと落胆して立ち直れないタイプなので(牛丼事件然り)、
夫はいつも私のハードルを下げるようにする。
この川床についても
「たぶん、安いプランやからたいしたことないで」
「雰囲気を楽しむもんやから、味は期待したらあかんで」
と前もって私に言っていた。
なので、私もまあ、そうやなーと思うようにしつつ、ひそかに期待を抱きつつ、川床へ向かった。

旅館からいったん出て、川へ降りて橋を渡って向こう岸へ。


まだ真っ暗ではなかったが、こんな感じ↓


逆に川床から見た旅館↓


テンション上がるぅ~!

料理は、前菜5種、但馬牛バーベキュー、あまご、おむすび、フルーツ。
炭火が用意されていて、自分たちで焼きながら食べる。

「おむすびって……」と最初は思ったが、後で焼きおにぎりにできることに気づき、これはこれでよかった。

さて、注文したビールが届いたところで、乾杯!
まずは前菜から。


あまり期待していなかった前菜だが、献立を見て食べる前からわくわく!
写真の左から、
・胡麻豆腐のふきのとう味噌のせ
・夏野菜のゼリーよせ
・鮎の甘露煮
・鴨の燻製
・蛸山葵

うおぉぉ~!
私の好みにぴったり!
完全に酒のアテやん!
なんとまあ、最強のラインナップ!

そして、一口食べて、さらに狂喜した。

めっちゃ旨い!!

これはハードルを上げていたとしても満足いっただろう。
胡麻豆腐とふきのとう味噌の絶妙マッチング、爽やかなゼリーよせ、鮎は口の中でほっこりと崩れ、鴨はこれまでに食べたことがないくらいジューシーで、蛸は硬すぎずやわらかすぎずのコリコリ感と強すぎない山葵の風味……。

とりあえず、ビールは置いておき、日本酒を注文した(笑)

それから、メインのバーベキューもよかった。


↑これで二人分。結構たっぷりお肉があるので、夫は大喜び

あまごも獲れたてで、串に刺さっているけどピチピチとまだ跳ねていた。
残酷やけど、旨そうでたまらんね!


万願寺とうがらしなのかな?
違う種類のとうがらしか、ししとうかもしれないけど、めっちゃ大きい!
野菜も全部おいしかった。

あまごを焼いた↓


私は川魚が大好物なので、機会があればよく食べるが、今まで食べた中で一番おいしかった。

頭から内臓、尻尾まで全部食べる。
夫は頭や小骨を嫌うほうなので、私が頭からバリバリ食べているのを見て、恐怖におののいていた
が、「これが川魚の醍醐味やん!」と私が言うと、勇気を出して頭に食らいついていた。

とにかく全部美味しいし、ゴウゴウと流れる水の音も風情があるし、
日が暮れていく様子もきれいだし、すごく涼しくて気持ちがいいし、
川床で食事というシチュエーションだけで楽しくなってテンション上がるしで、
最初から最後までずっと笑顔で楽しい食事だった
やっぱりここにしてよかったなぁ。

私たちはお酒も飲むので、1時間半くらい楽しんだが、
夫の後ろにいたカップルは、私たちより後に来てあっと言う間にたいらげ、1時間も経たないうちに部屋に戻ってしまった。

「ゆっくり楽しめばいいのに、もったいないね・・・」
「すごい速さやな」
「食べ終わっても、雰囲気味わえばいいのにね」
と、私たちはそのカップルが気になって仕方がない。
まあ、よけいなお世話である

私たちは十分に川床を満喫し、部屋に戻った。
部屋でもまだビールを飲んだ。

夫は車の運転で疲れたのか、すぐに眠ってしまった

でも、そっとしとこう。
明日もいっぱい運転してもらわないといけないもんな、と思う私であった・・・

翌日は「天空の城」へ行った。
現実にあるラピュタの世界。

(つづく)

旅行記 その1 牛丼ってこんなもの?!の巻

2011-08-19 11:04:43 | 
今年のお盆休みは旅行する予定はなかったのだが、急に「近場で1泊しよう」ということに。
どうせ行くなら、涼しい場所がいい。
それに1泊なら、何かインパクトのある宿に泊まりたい。
決してお金はかけず・・・

ということで、兵庫県神崎郡にある「囲炉裏の宿 豊楽」の川床プランを予約。
川床での但馬牛バーベキュー(あまご付き!)がついてなんと1人1万円!

1962年創業の歴史のある旅館・・・というと聞こえがいいが、
山の中にある古い古い旅館だ。
ただ、いい感じで改装して評判もいい、人気のお宿。

宿を先に決めて、その周辺でどこかに行こうということになった。
私が選んだのは、但馬高原植物園。
同じ兵庫県だし近いと思っていたのだけど、実は宿からめちゃくちゃ遠かったのだが・・・

おかげで1日目は朝早く出たのにも関わらず、但馬高原植物園にしか行けなかった
かわいそうなのは、運転し続けていた夫である。
9時半に三宮でレンタカーを借りたのだが、植物園に着いたのは14時だった。

普段から、旅行に出ると開放的な気持ちになる私は、ダイエットも忘れて食欲全開!!
車の中でパンを4個(小さいけど)を食べ、久しぶりに食べるチョコレートの旨さに恍惚としていた。

久しぶりのパン!!
チョコレート!!

なんでカロリーのあるものって旨いんだろうな・・・

そんなことを考えながら、オーティス・ラッシュをガンガンかけて車を走らせる。
ようやく植物園に着いた。
散策前にまずは腹ごしらえ。
併設されたレストランでメニューを開くと、但馬牛ハンバーグや但馬牛カツ丼が目に飛び込んできた。
注文しようかと思ったが、「これ、カロリー800kcalはあるな・・・」とふと思う。
(さっきのパンで600kcalも摂取したくせに)

カロリーの少なそうなもの・・・と探したが、こういうところは高カロリーのものしか置いていない。
それで、まあ多少はマシだろうと、但馬牛丼にした。

注文して待っていると、先に夫の注文した「但馬牛カツ弁当」が来た。


あっ!
なんか美味しそう~

しまった。これにすればよかったと後悔していたその時、私の牛丼が届いた。



地味~

夫はカツを「めっちゃ旨い~」とがっついている。

なんとなく嫌な予感はしたが、牛丼を食べてみた。

おいしくない・・・

地味なうえに美味しくない!!

夫はカラフルな牛カツ弁当を、本当においしそうに食べている。
私がうらめしそうに見ているのに気づいたのか、「かおり、ちょっと食べてみる?」と優しい夫。

プルプルと首を振る私。
そんなの食べたら、ますます落ち込みそうだったからだ。

心の中が悲しみでいっぱいになってくるのを感じつつ、牛丼をかきこんだ。
私は外でまずいものを食べると、とにかく異常なほど落ち込む。
悲しくて仕方がなくなるのだ。
ましてや旅行。
大切な1食を・・・、大切なカロリーを・・・、こんなものに使ってしまうとは!!
自分の選択のまずさに怒りも感じた。
カロリーのことなど考えず、私もカツにしておけばよかった・・・

店を出てから、満足げな夫が私の落ち込みようを見て「どうしたん?」と聞いてくる。
「牛丼がまずかった・・・。1000円もしたのに・・・。家で作るのと違う・・・」と私。

もしかしたら牛丼って、こんなもんなのか?
吉野屋とかすき屋とか行ったことないし、よくわからない。
でも、世の中の人があんなに夢中になって牛丼を食べているんだから、こんなにおいしくないわけがない。
たとえ300円くらいだとしても。
「もしそうだとしたら、世の中の人の味覚を疑うよ!」と完全に世の中の人たちにやつあたりの私。

私はまずいものを食べてしまうと、次においしいものを食べるまで機嫌が直らない。
ようやく植物園に着いたのに、ずっと凹んでいた。
夫は自分がおいしかったから「俺のはおいしかったでー」と自慢してくるし、悲しみはふくらむ一方だった。

しかし、せっかく来たのだから楽しまなくては!

見たかったのは、樹齢1000年を超える大カツラ。



朽ち果てている部分もあったが、それでもまだしっかりと根を張り、この森の主として優しく皆を見守っていた。
なんて神秘的なんだろう。

近くからは湧き水が出ていた。
飲んでみると、軟水だけど、山崎の水よりは少し硬く感じた。

この植物園の特長は園内の半分以上が自然林だということ。
「平地植物の上限、高地植物の下限、南方植物の北限、北方植物の南限」に位置するという。
(東経136度 標高680メートル)

それから、湧き水もたくさん出る湿原地帯なので、地面がどこもジメジメしている。
これまでに見たことのないような植物園だった。

以下、いろんな植物。













園内には小川もたくさん流れている。


湿原地帯


敷地はそれほど広くないので、どんどん歩いた。


こんな緑のきれいな場所もあった。


しばし、牛丼のことも忘れ、大好きな木々の中で過ごした。
夫が自然の好きな人でよかったなぁと思う。
いつも旅行に出ると、こうやって森や山の中で過ごす時間がある。
私が植物を人のように扱うことも、夫はバカにしない。

気温も街よりはずっと低く、静かな癒しのときを過ごした。

宿へ向かうために車に乗り込むと、雨が降ってきた。
それもすごい大雨・・・

「川床、大丈夫なんかな?!

このときの私は、牛丼を忘れるために、川床料理に賭けていた。
降りしきる雨の中、一抹の不安を乗せて、車は宿へと走る・・・

(つづく)

淡路島旅行1日目 ~おかしなホテルと、寿司屋で出会ったオッサン4人組の巻

2011-05-10 16:23:13 | 
4月29日、ゴールデンウィーク初日。

たいして何も計画せず、とりあえず淡路島までのバスに乗るために夫と二人、三宮へ向かった。
夕方6時にお寿司屋さんを予約していたので、それまでお花がいっぱい咲いているところへ行こうかと思ったのだけど、タイミングが悪く、バスが出たところ。
時間が中途半端になるということで、布引ハーブ園へ行くことに。
ずっと行ってみたいなぁと思っていたのだ。

ロープウェイが往復1400円もするので、「高っ!」と思ったが、乗ってみたら納得。
これが結構長時間だし、眺めはいいし、なかなか楽しかった。
高所恐怖症の人は無理かもしれない。


↑こんな感じ

眺めもすごくいい。
きっと夜景もすばらしいんだろうな。


いろんな種類のハーブがたくさん植えてあって、ハーブ苗やハーブを使った雑貨が売ってたり、カフェがあったり…というだけなんだけど、お天気で気持ちがよかった。

というか、私と夫はいつだって、↓これでゴキゲンになる。


この旅、最初の乾杯

その後は、ロープウェイの中間地点まで歩いて降りていった。
チューリップがいっぱい咲いていてきれい。







特に何があるというわけでもないけれど、楽しめた。
春はやっぱりいいな。

そして、バスに乗り込み、淡路島・洲本へ!

出発前夜、夜中まで仕事をしていたので、眠くて仕方がなかった。
バスの中ですぐ寝てしまい、気づくともう洲本!!

バス停から徒歩5分ほどのところに宿をとっていたので、とりあえずチェックインしに行った。

実はこのホテル……
かなり不安をもって予約した。

というのも、本館はちゃんとした結構大きな温泉旅館みたいなホテルなんだけど、私たちが泊まるのはその別館。
別館はビジネスホテル扱いで、普段なら4980円くらいで泊まれる。
ただ、本館の温泉など施設はすべて同じように使えるというので、夜ごはんも外で食べるわけだし、寝るだけだから「これはいい」と思って予約したわけだ。

しかし、予約した後でクチコミなどを読んでみると・・・

「ホテルの入口は無人なので、自分で自動ドアの鍵を開けて入るシステムです」
「ホテルというより、従業員の宿舎のようなイメージ」
「朝食付きと書いていますが、冷蔵庫の中に食パンが入ってるだけです」
「隣の本館の温泉には入れますが、裏口のようなところから入るので、とてもみじめです」

といった、これまでに経験したことないような情報が盛りだくさん!

夫に「こんなこと書いてあったわ」というと、「え!大丈夫なん?」と不安げ……。
私も不安を覚えながら、本館のフロントでチェックインした。
噂通り、鍵をいっぱい渡される。
「お部屋の鍵と、入口の自動ドアの鍵と、靴箱の鍵です」

く、くつばこ……?

とにかく行ってみようと、裏口を通って別館へ。
入口は自動ドアだが、確かに無人で鍵をさすところがある。

カチャッ
ウィーン

なんか変な感じ(笑)

入ると玄関で靴を脱ぐシステム。横に居酒屋の座敷の前にあるみたいな靴箱があり(これか!)中にスリッパが入っている。
自分の靴を入れて鍵を閉め、スリッパに履き替えて、エレベーターで部屋へ。
ロビー(?)には漫画がいっぱいおいてあって、ユースホステルを思い出した。

そして、もうひとつ衝撃が!!
部屋の前の廊下を歩いていると、廊下にトースターが置いてあるのだ!
どうやらこれで「冷蔵庫に入っている食パン」を焼けということらしい

こんなホテル見たことない…

でも、部屋は普通のツインだった。
それにこのヘンテコなホテルには似合わないオーシャンビュー!!
本当に海のすぐ横で、ロケーションは最高だった。

部屋に入るとすぐに冷蔵庫を開けた。

本当にあった!食パン!

いや、しかし、意外にもおいしそうなのだ、これが。
安い食パンがペロンと入っているのかと思いきや、おいしい焼きたてパン屋で売っているような感じ。
(冷蔵庫に入れるのはパンにとってよくないが、衛生上、仕方がないのだろう)
ケースに入ったサラダもついていて、「なーんや、意外にいいやん」と、夫と二人ほっとした。
ハードルが低いと簡単に飛び越えられる(笑)

冷蔵庫も確かめたので、いざ寿司屋へ!

このお寿司屋さんは「新月」といって、もう3回目。
最初は淡路島旅行で食べておいしかったので、2回目はとしくんとあやを誘って4人で日帰りで食べに行って、そして今回。

大将はねじり鉢巻に高下駄という、「いかにも!」な格好で、すごく優しい。
ほとんど天然ものしか使わず、地魚にこだわっている。
何より安い!

ただ、毎回そうなのだけど、店に入ると最初は微妙な空気が流れる。
大将は人見知りなのか?!
そして、予約して行っても、あまり関係がない。
特に予約席があるわけでもないようで、そのとき空いてるところに座らされる。
そのうえ、今回は、入ったばかりの高校生のアルバイト(?)みたいな女の子がいてかなりモタモタしていた。

お寿司屋さんで食べるなら、やっぱりカウンターやね。
目の前に黒い大理石の台があり、そこに握ったものを直接おいていってくれる。

ここに来たら、絶対はずせないのが、やっぱりモズクですな


お造りは、ヒラメ、鯛、さより、キス。
キスがめちゃくちゃうまかった!


生簀に大きな車海老が泳いでいたので、そいつもお造りにしてもらう。


おいしいけど、これは思ったほどじゃなかった。
お造りより塩焼きにしてもらえばよかったと後悔。
でも、頭を焼いてきてくれた


途中で、目の前にあったタニシをちょっと大きくしたみたいな貝を出してくれた。
「ガンガラ」って言ってたかな。


やばい!
これ、うまい~!
好きやねんなー、こういう貝の旨煮みたいなの。

そして、もう1つの大好物。鯛の子。


おいしい、おいしいと食べていたら、大将が「お客さん、前も来てくれはったっけ?」と聞いてきた。
(実はこれ、前も聞かれたし、電話予約でも聞かれた。実はまったく覚えていないようだ)

「はい、3回目です。大阪から」というと、
「そうか、やっぱり見たことあると思ったわ。わざわざ大阪からありがとう」とうれしそう。
大将、ええ人やな~(絶対覚えてないけど)

さて、そろそろお寿司握ってもらおうか…と夫とこそこそ話していると、4人のオッサンが入ってきた。
「儲かってまっか!」という言葉が似合うような、関西の羽振り良さそうなオッサン4人組。

カウンター席の後ろにある座敷にドヤドヤと入り、オッサンの一人が「焼酎、何がある?」と聞く。
「魔王」や「村尾」などプレミア焼酎も置いているので、「こんなんあるよ」と大将が「魔王」の一升瓶を指差すと、
「それ、1本開けて」とオッサン。

隣で聞いていた私と夫は(ふえっ!)と心の中で小さく飛び上がった。
「魔王」の一升瓶、寿司屋であけたらナンボするねん……

「これ、もう封開いてるねん。こっちやったら…」と大将が「村尾」を指した。
「ほんなら、それでいいわ」とオッサン。

大将、あせったように「そやけど、これ、2万しますで」。
「ええよ」となんともないオッサン。

運ばれていく「村尾」を横目で見て、夫と目を合わせた。
羽振りいいな……オッサンら。

しかし、オッサンらの金の落とし方はこんなもんじゃなかった。
私たちが「とりあえず」と手始めに食べたのは、おいしいけれど庶民的なモズクだったが、なんとオッサンらは一番最初にこう注文したのだ。

「大将、とりあえず、ウニ4箱」

・・・ウニ4箱?!

それって、とりあえず食べるものか?

大将もまたあせって、「4箱……。2箱くらいにしてくれへんかな」とつぶやいている。
そんなつぶやきなど無視して、オッサン注文訂正。

「やっぱり6箱頼むわ」

これにはさすがに大将も声を大きくして、「いや、4箱にして。ほかのお客さんのがなくなるんで」と断っていた。

私たちは箸も止まり、このオッサンたちから目が離せなくなっていた。

寿司屋でウニの箱買いか~
夢やなぁ。

ウニは大好物だけど、大好物だからこそ、絶対に大阪のすし屋などでは食べない。
ウニとカニは、やっぱりその海辺で食べないと、なんか違うんだよなぁ。

・・・なんて考えてる数分の間に、オッサンらはぺろりとウニ4箱をたいらげていた。
カラになった箱が運ばれていく……
ああ……

その後もオッサンらは紙にいっぱい注文を書いて渡していた。
さらに、「この後行くスナック、近くにない?」と聞いていた。
大将はスナックに電話して車の手配をしてあげると言っていた。

うぎゃー
たぶんスナックでも高いウイスキーをボトルであけるんやろなぁ。

ま、オッサンの飲み食いばかり見ていても仕方がないので、私たちも寿司を握ってもらった。
後で数えたら、二人で20貫くらいだった。

いくつか載せておこう。
サザエ、イワシ、うなぎ、ウニ。









ウニは2貫握ってもらった。
夫はトロも食べていた。(私はマグロがあまり好きじゃない)
庶民はせいぜいこのくらいが贅沢ってもんだ。

どれもおいしくて、満足!

お酒も淡路島の地酒でこの店オリジナルラベルがあって、お寿司とよく合った。
もう1種類あった「綺麗」というお酒は、ガリとよく合った。

私が「ガリとこのお酒飲んでみて。めちゃ合うから」と夫にすすめると、夫も「うまっ!」とびっくりしていた。
こうして、オッサンらがどんどん地魚を注文するのを横目に、私たちはガリを肴に酒を飲んでいたのであった……

お店はよく流行っていて、若いカップルなどが何組か訪れていた。
新しいお客さんがカウンターに座るたびに、大将は私たちを「大阪からわざわざ来てくれてるねん」と紹介してくれる。
そして、帰るときにも「今度はいつ来てくれるん?」と優しく聞いてくれた。
「そうですねー、夏くらいかな」と夫。
満足げな大将。

しかし、私たちは見逃さなかった。
後から来たお客さんに大将が「ふらっと入ってくれたん?」と聞いていたのを…。
お客さんは「いえ、さっき電話で予約したんですけど…」と戸惑っていた。

やっぱり!!
誰が予約したかとか、お客さんの顔とか、ぜんぜん覚えてないのだ。

でも、その場ではとても気持ちよく接してくれるし、いやな感じはまったくない。
むしろ、私はこういうおっちゃん、大好き。

「ほな、また夏来てな」と笑顔で見送ってくれた。

「ごちそうさま~!また夏に~!」と、まるで常連のように手をふって店を出た。

しばらく歩いて夫と二人顔を見合わせ、言った。

「ぜーったい、夏行ったら覚えてへんで!(笑)」

後日の話になるが、その後、2日後に私の友人がこの店を訪れた。
私にすすめられたことや、大阪から結婚記念日で来たことなどを大将に話したというのだが、
「思い出せないって言ってたわ。顔見たら一発なんやけどって言ってはったけど」
とメールをもらった。

やっぱり……しかも2日後やで
夏もまた行ったら、「来てくれたことあったけ?」から会話は始まるのだろう。

お会計は、二人で17000円。
これだけ飲み食いして!
ほんまコスパいいなぁ。

ホテルまでの帰り道、酒屋の前に置いてある自動販売機に目が留まった。
瓶ビールが売ってあったからだ。
自動販売機で瓶って珍しいな……と思いながら近づいて目を疑った。

100円!!

なんとスーパードライの中瓶が100円だったのだ。
全部が100円ならまだわかるけど、ほかの350mlの缶ビールは普通に200円以上している。
半信半疑で押してみると、ほんまに出た!

なんで?!こわい~!と言いながらもうれしくて、夫と笑いながらホテルに帰った。
おなかもいっぱいで幸せな結婚記念日。

夫には感謝の気持ちでいっぱいだ。
いつもありがとう

今日はここまで。
淡路島の2日目はまた明日書こう。

露天風呂とお経ブルース

2010-11-15 17:31:26 | 
ちょっと前の話になるが、10月最終の日曜日に、夫の祖父(母方)の法事があった。
絶対に行かなければならないわけではなかったが、
結婚してから初めての法事だったし、こんな機会でもないとなかなか親戚の人にも会えないので、行くことにした。

前は2ヶ月に1回くらい旅行をしていたのに、
家のローンを抱えて贅沢できなくなってしまった私たち・・・
この機会に、久しぶりに温泉にでも入ろうと、土曜日から出発!

梅田からバスで3時間半くらいで、徳島の阿波池田に着く。
二人とも寝不足でバスの中で熟睡していたので、あっと言う間だった。

阿波池田の駅前でレンタカーを借り、奥祖谷へ。
ここには、男橋と女橋、二つのかずら橋がある。

懐かしいなぁ・・・
以前、某スポーツ新聞の観光欄を担当していたとき、プレスツアーで徳島にも来たことがある。
かずら橋、大歩危、小歩危、剣山、祖谷温泉・・・

祖谷のホテルの記事を書いた時、普通の記事じゃ面白くないからと
少しホテルの従業員の方の人柄がわかるようなエピソードを盛り込んだ。
それがとても気に入っていただけたようで、新聞社にお礼のハガキが届いた。
そのことを、私に新聞記事のイロハから教えてくれたOさんが教えてくれて、とても褒められた思い出がある。
剣山に登ったときも、ぴったり案内人の後ろについて取材しながら登ったので、
「あんたの根性はすごい!」とOさんが褒めてくれたっけ・・・。
そんなふうに、徳島のこの辺りというのは、私にとって良い思い出がいろいろある場所・・・。
新聞記事のノウハウがゼロで、怒られてばかりだったのに、ここで挽回できたのだった。

そんなことを思い出して、夫に話しながら、ドライブを続ける。

途中で、店に立ち寄って、祖谷そばを食べた。


祖谷そばは、普通のそばと違ってつなぎが弱いので、ぷつんぷつんと切れる感じ。
コシとは縁遠い。
でも、それが素朴でいいし、私は結構好きだ。

お腹も満たされ、2時間ほど走ってようやく奥祖谷へ到着!
よくみんなが行く「かずら橋」の周りは観光地化されているけれど、奥はほとんど人もいないので穴場。
静かで、空気も澄んでいる。
この辺りでは一番早く紅葉するところらしく、もう色付き始めていた。





↑かずら橋。渡るの怖いの・・・



↑夫が渡っています。
「ワイヤーが入ってるやん」と夫はちょっと不服そう・・・



野猿もあったので、二人で乗った。
これも結構怖い・・・
高所恐怖症の人は絶対無理だなぁ・・・

きれいな空気をいっぱい吸って、リフレッシュした後は、宿へ。
泊まったのは、「かずらや」という小さな旅館。
古いけれど清潔だし、ひなびた感じがまたよかった。

さっそく温泉へ・・・!

内風呂と露天風呂があり、お客さんも数人だったので、ゆっくり入れた

「気持ちよかったねー!」と二人で喜んでいたのだが、驚愕の事実が・・・!
お湯が「温泉」じゃなかったのだ!!

夫に知らせると、「え・・・」と青ざめていたので、
「じゃあ、気持ちの悪い温泉と、気持ちのいいお風呂とどっちがいい?」と聞くと、
「そりゃ、気持ちのいいお風呂」と夫。
「じゃあ、よかったね。気持ちよかったやろ?」
「う、うん・・・

宿を予約したのは私だったので、こうして無理やり納得させた。

でも、本当にお風呂は気持ちよかったし、料理もとてもおいしかった。



変に凝った料理ではなく、地の食材を使った田舎料理。
こんにゃくのお刺身や、阿波地鶏のたたき、野菜の煮炊き物など・・・



それから、アメゴの塩焼き!!
川魚が大好きなので、これがめっちゃ旨かった。

派手さはないが、全部丁寧に作られていて、
天ぷらなどは揚げたてを持ってきてくれたし、最後はまた祖谷そばも出た。
ちょうどいいボリューム。

日本酒も、地酒「芳水」を出してくれたし、満足
300mlの瓶だったので、少し残ったのは部屋に持って帰った。

夫はハードな仕事が続いていてかなりお疲れ気味だったので、早々と就寝。
退屈だったので、私は一人、「嵐にしやがれ!」を見ていた。
そうして、夜が更けた・・・

翌朝。

朝ごはんもとてもおいしく、ご飯を取り合って食べた。
私は普段、食欲を規制しているのだが、旅先では解放していいことにしているので、
本来の大食漢な私が目覚める。
旅先での朝ごはんは、だいたいお茶碗3、4杯。
この日も夫と3杯ずつ食べた
朝ごはんが旨いってのは、ほんとにいいね!

そして、スーツに着替えて法事へ。

結婚した後に一度、挨拶まわりで来たことがあるのだが、夫の両親の実家はものすごいところにある。
平家の落ち武者だったのだろうな・・・
こんな山奥に誰が好んで住むんだ?というような、山の上。
隠れて暮らしていたとしか思えない。

親戚のおっちゃんに迎えに来てもらい、獣道のような道を車で登っていくのだ。
リアルな絶叫マシーンのようなもので、生きた心地がしなかった。
鹿や猪、サルも出るらしい

着いた!



↑家からの景色。

昔はまだ何軒かあって、ひとつの集落を作っていたのだけど、
近年はもうみんな町に下りてしまって、今残っているのは、夫の母方の実家だけ。
仕方ないけれど、そういうのを聞くと、少し淋しい気もした。

家の中に入ると、夫の両親と兄夫婦が車で到着したところだった。
この4人は、朝3時半起きで車を飛ばしてやってきているのだ。
すごい・・・
私は絶対イヤだったので、前泊したのだが。

親戚は、40人くらいは来ていただろうか。
お坊さんの読経が始まるので、みんな座布団に座ったが、なぜか譲り合って前に行こうとしない。
こういうところに夫の一族の性格が出ているなぁと、興味深く見る。

お義姉さんがいたので挨拶をしたら、死にそうな顔をして「緊張する」と言う。
「え?なんでですか?」と聞いたら、
「こんな親戚の人に会うと思うだけで緊張する・・・」と泣きそうになっていた。

そういう人もいるんだなぁと、不思議な気持ちになる。
私なんて、ワクワクしているというのに

そのうち読経が始まり、目を閉じて聞いていた。

ちょっと前に、うちの祖母の法事もあって、その時にも思ったのだけど、お経って気持ちいい
お坊さんはだいたい声がいいし、独特のリズムがあって、まるで音楽みたい。
そして、最後のほうになると、誰も「せーの!」とか合図を出していないのに、お経の大合唱が始まる。
前におかんに聞いたら、みんな子供の頃から覚えさせられているのだそう。
今の都会に住んでいる人たちとは全く違う文化。
大合唱に参加できないのは、私たちの世代の人間だけだった。
年よりはみんな大合唱していた。

ブルースやなぁ・・・

後で夫と話したら、夫も同じように「お経気持ちいい」と言っていた。
こういう感性も私たちは合うのだ。

お焼香がまわってきたとき、私が前の人がやるのを食い入るように見ていたのが面白かったと、夫が言った。
だって、間違えたらイヤだもん・・・

その後、お墓参りをして、それから集会所のようなところへ移動し、お昼ご飯を食べた。
法事のご飯って、みんなほとんど食べずに包んで持って帰る。
それがマナーなのかもしれないけど、私たちは家も遠く、持って帰るのも大変なので、
とりあえず食べられるだけ食べた。
お酒も飲み放題だし、ご飯も思っていたよりおいしかったので、満足

それに、親戚の人を観察するのが面白かった。
夫の両親は、同じ集落の人間なので、かなり血が近い。
(父も母も同じ姓)
だからだろうか、見ていると、夫にそっくりなおっちゃんがいる!
夫の実の父親よりも、夫に似ているのだ。
かと思えば、お兄さんにそっくりな人がいたり、お母さんと似ている人がいたり、
血が複雑に交じり合っているのを感じた。

親戚の人ともお話できて、楽しかった。
夫の一族はみんないい人ばっかりなのだ。
(ちなみに、うちの一族はクセ者が多い・・・)

その後、おばあちゃんたちが入院している病院を2件まわってお見舞いをした。
二人ともほぼ寝たきりになっている・・・

「わかる?わかる?」と話しかけているお母さんの姿が辛かった。
医学の発達は、いいことばかりじゃない。
少しでも長く生きてほしいと願う周りの人と、
もう自分の意志で動くことのできない本人と・・・

医学の発達により、伸びていく寿命。
助かる命。
だけど、人間が本来もっている肉体は、もっと早く滅びるものなんじゃないのか?
そんなことを考える。

誰もが、周囲に迷惑をかける前に死にたいと望んでいるのに、
それができない。
じゃあ、生かしたいと思う周囲の気持ちは、エゴなのか?
でも、愛する人に生きていてほしいと思うのは、当然のこと。

必死におばあちゃんに話しかけるお母さんの姿は、悲しいけれど、ひたむきだった。
祈りの姿だった。

どうしても、私のおばあちゃんのことを思い出し、涙が出そうになる。
それをこらえるのに苦労した。

「おばあちゃん」
つぶやくだけで、いつも涙が出る。

年をとると、いろいろ悲しいこともある。

そんな複雑な想いを胸に、また夫と二人、バスで大阪まで帰った。
梅田で1杯だけビールをひっかけて。

法事を利用した1日だけのリフレッシュ旅行だったけど、楽しかったなぁ。
お見舞いもできたし、よかった。
結婚して、こういう親戚付き合いができたことが、また嬉しい。

次は本当の旅行に行きたいなー

萩・宮島旅行 その2 ~半露天風呂って?

2009-06-09 15:17:18 | 
今回の旅で夫が私のために予約してくれたのは、
「萩八景 雁嶋別荘」というお宿。
松本川の河畔に佇む、16室しかないこじんまりとした温泉宿。
全客室に檜の半露天風呂が備え付けられ、
部屋には天然木や珪藻土が使用されているとか。
それを聞いて、すごく楽しみだった。

出発直前にゆうちゃんに会った時、
「半露天風呂がついてるねん!」と嬉しそうに言うと、
ゆうちゃんが聞いた。
「その『半』って何?どんなん?」

半露天風呂……
「半」……
半???

そういわれてみれば、どんな露天風呂なのか。
果たして「露天風呂」なのかも怪しくなってきた……

多少、不安もあったのだが、着いてみるとすごくいい宿だった。
入るとロビーはアンティークっぽい洋風な造り。
案内され、すぐに「夏みかんジュース」とおしぼりが運ばれてきた。
いいなぁ、こういうの。
チェックインを座ってできるなんて。

さらに、女性にはいろんな浴衣を貸してくれるという。
あの旅館の名前とか入ったヘンなやつじゃなく、普通のかわいい浴衣
落ち着いた色目の赤い浴衣を選んだ。

お部屋も素敵!!



天然木のいい香りがするし、すごく広い。
窓の外はすぐに川で、眺めもいい。

そして、肝心の「半」露天風呂は……というと……



こんなんだった!

天井はあるけど、バルコニーにあって、開放すれば確かに「半」露天風呂だ。
露天風呂は共同の大浴場があるので、これで十分だった。
嬉しい~

食事まで1時間ほどあったので、先に大浴場の露天風呂へ行った。
ちょうどおばさん3人組が出て行くところで、
その後は誰も来なかった。
貸切状態!
すごく気持ちがよかった。

ご飯はお部屋じゃなく、館内のレストランみたいなところで食べる。
私はお部屋食よりもそのほうがいいので、これもよかった。

夫は食にうるさい私が気に入るかどうか心配していたが、
とても美味しいお料理だった。



先付は小倉豆腐。
前菜は、サーモンの押し寿司、川海老素揚げ、二色真丈、落子酒蒸し。
彩りもきれいだし、どれも手がこんでいて美味しかった。

この後、吸い物が出て、それはフグのつみれと梅素麺、海葡萄が入ったもの。
先にあたたかいものをいただいたことで、胃が休まった。

向付は、ひらまさ、鯛、マグロ(トロ)の3種盛りお造り。



さすが海に近いだけあって、ひらまさと鯛は新鮮!
トロも普段はあまり食べないのだけど(マグロがあまり好きじゃない)、
これは口に入れた瞬間にとろけて、至福の味……。

酢物は、鮑刺し。


鮑は正直に言えば、それほどレベルは高くなかったかな……
もう少し美味しい鮑を食べたことがある。
こりこりした食感はいいけど、磯の香りが足りなかった。

温物には、佐賀県産和牛熱々鉄板焼き。


普段、こういう分厚いお肉はよほど美味しくないと食べない私だけど、
これは美味しかった~
柔らかくて肉汁たっぷり。焼き加減もちょうどいい。
和風の大根おろしだれにつけて食べるのもよかった。

あとは、鱧とジュンサイのお鍋。
鱧の骨切りがもう少し細かいほうが好みではあったが、
それでも味はよかった。ジュンサイとの組み合わせも初めてで新鮮。

最後に食事として、お茶漬け。


いいなぁ、シメにお茶漬けって。
ご飯だとしんどいが、お茶漬けだとさらさら入る。
それも、大好きな山椒ちりめん、みょうが、大葉がたっぷり。

水菓子は、特製プリン。


これも嬉しかった。
普通、最後の水菓子は、フルーツやゼリー系が多いのだけど、プリンとは珍しい。
超超超甘党の私としては、食事の最後に甘いものを少し食べたい。
フルーツだとがっくりするが、プリン!!
またこれがとろとろで、カラメルも苦すぎず甘すぎずで、すごく美味しいプリンだった。
なんかすごく満足!

量が多すぎないのもよかった。
温泉宿って、食べきれないほど料理を並べるところが多いけど、
上品に少しずつ美味しいものを順番に運んできてくれる。
私がめちゃくちゃ笑顔で食べているのを見て、
夫も「よかった~」と嬉しそうだった。

また、「お誕生日とお聞きしていますので……」と、
ホテルからワインのハーフボトルのサービスもあった。
夫が伝えておいてくれたらしい。

ビール飲んで、日本酒飲んで、ワイン飲んで……。
料理とお酒をしっかり堪能。

そして、部屋に帰って半露天風呂に入り、
それから「その時歴史が動いた ~吉田松陰編」のDVDを借りて観た(笑)。
こういうDVDがあるのが、萩の宿らしい。

部屋、お風呂、お料理、スタッフの対応、
すべてにおいて満足のお宿。
こんなところに連れて来てくれた夫に感謝~



萩・宮島旅行 その1 ~松陰先生!!(泣)

2009-06-08 12:05:38 | 
この土日は1泊2日旅行だった。
私の誕生日プレゼントにと、夫が企画してくれた「萩・宮島旅行」。
短い旅だったけれど、充実した楽しい2日間だった。

山口県の萩……、というか、私にとっては「長州藩」であるが、
いつか一度は行ってみたい土地だった。

あの激動の幕末。
吉田松陰、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文、久坂玄瑞……
歴史を動かした彼ら、
そして、名を残すことなく散っていった多くの武士、
命を賭けた信念……

思い起こすだけで胸が熱くなり、涙がにじんでくる。

特に高杉晋作は、あまり深く知らないのに心惹かれる人物で。

  「おもしろきこともなき世をおもしろく
     住みなすものは心なりけり」

この歌は、彼の生き方や性格をとてもよく現していると思う。
ぜひ、彼の生まれ育った土地に足を踏み入れてみたかった。

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か細い糸のような小雨が降る萩の町を歩いた。
白壁の蔵や武家屋敷・商家が多く残る美しい町並み。



高杉晋作の旧家はそんな町並みの中にひっそりとあった。
ただ、ほとんど見るところや資料はなく、
「ここで育ったのか……」と思う程度。



また、その近所には桂小五郎の育った家もあり(養子)、
そこはかなり大きく、中は写真や肖像画でいっぱいだった。

同じような志をもって歴史を動かした二人でも、
明治維新まで生き抜いたか、わずか27歳にして志半ばで倒れたか、
その差はこのような形で現代に出てくるんだなと、少し淋しい気持ちになった。

発想力、行動力、奇抜な兵術……
天才・高杉晋作が病に倒れなければ、あの後どれほど活躍したことだろう。

感慨深く、彼の「おもしろき……」の歌をまた心の中で反芻した。

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萩の町を歩く前に、松陰神社と松下村塾にも足を延ばしていた。

松下村塾……
吉田松陰の私塾で、高杉晋作・伊藤博文ら、
明治維新の立役者が学んだという場所。

特に具体的な建物をイメージしていたわけではないが、
そのあまりに輝かしい人物を輩出したという理由から、
どこか華々しいイメージすらあった。

だが、目の前に現れたそれは、驚くほど粗末で小さな建物だった。



目を疑った。
そして、なんだかわからないオーラに包まれて、鳥肌が立つ。
近づくのが怖いほどで、圧倒される感じだった。

ここで……
こんな粗末な小屋で……
日本国を変えようとしたあの大いなる思想、
生死を賭けたそれぞれの信念が生まれたのだ。

「松陰先生!!」

夫と二人、泣きそうになりながら、小屋に近づいた。

吉田松陰という人は、勉強家で兵術にも長け、
人を惹きつけるカリスマ性にも富んだ人物だったようだ。
その思想は、あの時代の人間の一歩も二歩も先を行っていて、
ほとんどの人からは「狂人」のように映っていたに違いない。

言葉も通じないのに黒船に密航しアメリカへ渡ろうとしてつかまったというエピソードは、それをよく表していると思う。

野山獄中で出会った久子という女性。
彼女から影響を受けた「身分など関係なく、どんな人間にも一つは優れた才能がある」という思想。
それを反映した「学びたいものは身分に関係なく受け入れる」という松下村塾での教え……。
身分制度が当たり前だった時代、どれほど奇妙に見えたことだろう。



日本国のことを本気で考え、心配しながらも
弟子にその想いを託して、斬首刑となった松陰先生。

  「身はたとえ武蔵の野辺に朽ちぬとも留めおかまし大和魂」

処刑前に「留魂録」に書かれた歌と言われている。

松下村塾の前で、小雨降る中、傘もなく、
ただ濡れながらこの歌を思い出していた。

たった150年前に生きた人の信念は、今の私たちには遠い。
150年というか、この60年で随分と日本人の思想は変わってしまったように思う。
文化自体も大きく崩壊した。
特攻隊でも辞世の歌を詠んでいるのに、今の日本人には歌を詠む習慣などない。
それどころか、書かれている文字を読むことすら難しい。

いろんなことを考える。

松下村塾を目にした瞬間の、あのぞくぞくした感じ。
襲いかかってくる爆発的なオーラ。
あれは一体何だったんだろうかと、夫と話しながらその場を去った。

とりあえず、長年思い焦がれた地に足を踏み入れることができ、満足した。
帰ったらもう少しちゃんと幕末の本を読もうと思った。

※歴史に詳しいわけではないので、
 書いていることが間違っていたらすみません。

やっぱり「お茶漬け」! ~名古屋にて

2009-03-04 15:46:10 | 
旅行記の続き

「三重の酒を愉しむ会」は鳥羽国際ホテルであったので、
そのままそこに泊まった。

古いホテルだけど、セミスイートで広い



窓からは夕陽が見える。海は真正面じゃないんだけど。



朝ごはんも美味しかったし、ホテルライフを堪能した。

翌日は、名古屋へ。
夫のバンド仲間、けんちゃんが住んでいるので、会いに行った。
私は夫の友達がみんな好きなので、やたら仲良くしたがる
何度も夜通し話したので、もうすっかり馴染んでしまっている。

けんちゃんは、名古屋駅まで迎えに来てくれた。
特に観光するわけでもなく、街をぶらぶらと。
途中で、ちょっと変わったビル(ビルの屋上に水が張ってある)に上って。
そこで「ナンパ談義」?をしたり(笑)

お昼は、ひつまぶしのお店「しら河」を予約してくれていたので、そこへ行った。
このお店は非常にコストパフォーマンスがいい。

「う巻きが美味しいよ~」とけんちゃんが言うので、まずはそれを注文。


うまっ
ビールが進むねぇ……。

そして、それをつまんでいるうちに、来た来た……



ひつまぶし~!!

うまい、うまい。


これで1680円は安いよなぁ。

ひつまぶしといえば、
最初は、そのまま食べて、
次は、好きな薬味をのせて食べて、
最後に、お茶漬けにして食べる・・・
と、三度美味しいスグレモノだが、
どの食べ方が一番好きかは、人それぞれだ。

私は基本的に「うな重」が大好きなので、「そのまま」が一番美味しいと思っていた。
だけど、今回で変わった。
やっぱり「お茶漬け」だ!!

正直に言えば、「そのまま」は美味しいけれど、このレベルのうなぎを食べようと思えば、食べるところはある。
だけど、お茶漬けはやっぱり「ひつまぶし」ならでは。
前に家でやったときは、普通の「お茶」をかけたのがダメだったんだと思う。
やっぱりちゃんとしたお店のは、旨い。絶妙!!
それも、ちょっとだけかける。
そして、ご飯とうなぎをくずしながらかきこんでいく。
最後は濃い目のだしが残る。
ここに凝縮された旨味がまたたまらん!!

なんか、「お茶漬け」バージョンに開眼した。

かなり満足して、その後は、けんちゃんのお家へ。
ビールとつまみを買い込んでお邪魔した。

一人暮らしの部屋……、なんかいいなぁ。
とてもおしゃれなマンションだったし、中もきれいにしていた。
(本人は頑張ったと言っていたが……)

この時間がまた楽しかった。
7時には帰ると言っていたのに、
もう少し、もう少しだけ……と、電車を遅らせ、結局9時。
酒とつまみを持ち寄って、飲みながら「結論の出ない話」をいつまでもする。
なんだか大学生に戻ったみたいだ。

「こんなことがあった」という近況報告や、人の噂話なんかじゃなくて、
「自分はこうありたい」とか、「世の中のこれってどうなんだろう?」とか、
答えの出ない議題について、それぞれが思っていることを語る。
それに対して討論になることもあるが、対立の図式というよりは、
自分の思考がもう一つ広がる感じの充実感があって楽しい。

こういう会話って、すごく貴重だ。

帰ると夫が、「話してて思ったけど、かおりって、やっぱり頭が良くて面白い人やなぁ」と言った。
ありがとう、ありがとう。年の功ってやつですかね……(笑)

私にしてみれば、いつもこうやって夫の友達の輪の中に入れてもらえることに、本当に感謝している。
なかなかできない貴重な体験。
「話ができる人」っていうのは、いいなぁ。
いつまでも話題が途切れることなく、非常に楽しい時間を過ごせた。

今回も、とても充実した、いい旅だったな。
最後に、慌てて電車に飛び乗ったので、お土産を1つも買えなかったのだけが失敗だったが……

きっとこれは運命なんだ! ~伊賀にて

2009-03-02 20:19:46 | 
バタバタしていて、旅行の話を書いていなかったな、そういえば。

今回は、「旅行」という感じではなく、
イベント参加と友達に会うための遠出……といった感じ。

一番の目的は、三重の16酒蔵が集結したイベントへの参加で、
それが、21日(土)の18時半~。
鳥羽国際ホテルで行われることになっていた。

せっかく鳥羽に行くのだから、他にもいろいろまわりたいところだが、
実は、鳥羽も伊勢も志摩も……、
とにかくこの辺りの観光地はすべて旅行してしまっている。
「どうしようか……」と考えていたら、夫が急に
「ちょっと遠回りやけど、伊賀に行って忍者屋敷を見よう!
と言い出した。

忍者か……

それほど心惹かれるわけではなかったし、
そのうえ、「ちょっと遠回り」というか「かなり遠回り」だ。
でも、まあ、いいか……という感じで、何気なく決めた。

当日、朝バタバタしていたら、電車を1本乗り遅れた。
せっかく遠回りしていくのに、伊賀にいられる時間は2時間くらい
でも、他にプランをもたない私たちは、とりあえず、伊賀に行って、ご飯を食べて忍者屋敷に行こうということになった。

伊賀駅到着。

何もない……。

そう、よくあること。

地方は「観光地」といっても、「無理やり観光」が多く、
意外に駅前はさびれていることが多いのだ。

適当に入った喫茶店のような店で、ハンバーグ定食を食べた。
ものすごいボリュームで、思いのほか旨かったが……。

その後、歩いて忍者屋敷へ。

そもそも、忍者って、ほんまにいたのか?

かなり怪しく思っていたのだが、行ってみれば意外に面白い。
忍者屋敷のからくりを説明してもらうのだが、
それを説明してくれるお兄さん(アルバイトかな?)は、どうやら「忍者研修」を受けているようで、動きがものすごく素早い。
壁のどんでん返しを使って隠れるときなど、目にも止まらぬ速さで、
思わず「おー!!」と歓声が上がった。

忍者、すごいな。
みくびってたよ……。

いろいろ忍者のことが学べる展示室で勉強したのだが、
単に運動神経が優れているだけじゃダメみたいなのだ。
まさに文武両道!
暗号も読めないといけないし、天文学にも通じてないといけない。
バカじゃ、絶対忍者にはなれないな

縄を使った闘い方とかも、ビデオで観られたので、
かなり没頭して観てしまった。

随分、忍者への見方が変わり、「面白かったなー」と夫と言い合いながら、忍者屋敷を出た。
上野城跡も見に行きたかったが、電車の時間が迫っていたので、
「仕方ないね、行こう」とあきらめて駅へと向かうことにした。

忍者屋敷から数メートルも歩いただろうか、
突然、

「うわっ!!」

と男の人の大きな声がして、前を見たら……。

腰が抜けそうになった。

「うわっ!!」
「きゃー!!」
「うそ~!!」
「なんで?!」

目の前にいたのは、親友のあやととしくん夫妻だったのだ!!

一瞬、目を疑った。
ここ……、伊賀だよね?

4人とも信じられないという表情で、おそるおそる近づき、
その存在を確かめた。
幻じゃない、と。

あやはもうこの偶然を喜ぶどころか、ただただ恐怖に慄いている。
「怖い……、怖い……」と泣きそうだ。

こんなことって、あるのかな?
今でも信じられない。
梅田で会うのとはワケが違うのだ。
ここは、伊賀。
それも、今回、私は誰にも伊賀に行くことを話していなかったし、
もちろん、あやが知るわけもない。

ようやく気持ちを落ち着けて聞けば、としくんが朝になって急に「伊賀の忍者屋敷に行こう」といい始め、レンタカーで来たというのだ。
どう考えても、「呼び合っている」としか思えない……

私たちが腰を抜かしそうになり、
あやが恐怖に慄いていたのは、こんなことが初めてじゃなかったからだ。
去年、淡路島に私と夫が旅行に行ったときも、
車で信号待ちをしていたら、その信号をあやととしくんが渡ろうとしていたのだ。

淡路島、そして、伊賀……。
どちらも、同じ場所に出かけただけでなく、ほんのちょっとタイミングがズレただけでも出会うことがなかった。
信号で止まらなければ……
電車に乗り遅れていなければ……
忍者のビデオに夢中になっていなければ……

そんな、ちょっとした偶然の積み重ねが、こんな大きな偶然を生み出す。
だとしたら、もうこれは偶然ではないよね。
たぶん、運命なんだ。

と、思わざるを得ない……。

電車の時間があったので、ゆっくりは話せなかったが、
なんとか落ち着きを取り戻して、2人と別れた。
でも、電車に乗ってからも、しばらく胸がドキドキしていた。
夫と二人、「すごい~」「びっくりしたな~」と、1時間くらい言い合っていた。

ホント、久しぶりに興奮した。

でも、こんなことってあるんだなぁ。
次は一体どこで出会うのやら……。

備前焼との出逢い

2008-10-30 00:40:51 | 
旅行の話をちょこちょこ書こうと思う。

岡山で備前に行った。
ちょっと前に、芦屋の寿司屋に行ったとき、備前焼の器で統一していたのを見て、それがあまりに素晴らしい備前だったものだから、今まであまり好きでもなかった備前にまいってしまった。

それ以来、寝ても覚めても・・・というと大げさだが、
気になって仕方がない。
機会をつくって備前の器を買おうと思っていた。

今回の旅行はそれがメインの一つ。

下準備が悪かったため、窯を廻ることはできなかったが、
とりあえず、伊部駅周辺の備前をそろえる店を物色した。

備前といってもいろいろで、おみやげ物として焼いているようなやつは、
安いけれど、安いだけのもの。
テカテカと赤光りした安っぽさが滲み出たもの。
そんなものしかないのかとがっくりしていたら、素敵なギャラリーがあった。

「ギャラリー里房」

人間国宝の山本陶秀氏を祖父にもつ、山本絵里子さんの作品がメイン。
他にも、この氏や息子の雄一氏に師事した若手作家の作品が揃っている。
ここだけ格段にレベルが違った。

一目見て気に入ったぐいのみ。
家にあるのは、いかにも備前といった、赤茶のものだったので、今回買うなら、灰色や緋色の混じった窯変のものだと思っていた。
それにピッタリのものを見つけた。
さらに、お銚子も丸くてころっとした形の、かわいらしいものを発見。
やはり同じ作風に惹かれるのか、たまたま同じ作家さんのものだった。
今井清秀氏の作品だ。



夫も気に入ったので、即決。
さらに、同じ作家さんのぐいのみで、竹を模したものがあって、
それも一緒に並べて置くとすごく具合がいい。
相談したうえ、これも買い。

山本絵里子さんの大皿も購入した。



緋襷の朱色が美しいひし形の大皿だ。
今から何を盛ろうかと、料理を考えている。
こういう時間が最高に楽しい。

4点買うと、一つぐいのみをプレゼントしてくれた。
こちらも緋襷のもの。
工房の作品なので、値段も1000円台。
まあ、オマケなのでそれなりのものだけど、嬉しかった。

美しい器を見ていると、それだけで幸せな私。
岡山まで行った甲斐があった。

今日はこれで1杯飲みたいのだけど、例によって夫がまだ帰宅せず。
最初なので、一緒に飲みたいと思って待っている。

しかし、二人とも4日も休みをとったら、あとが大変だ。
私も彼もたまった仕事を片付けなくては。
今日も1杯飲んで、まだまだ仕事だ。

旅のフォトグラフ

2008-08-26 14:34:36 | 
ちょっと時間ができたので、山梨旅行の写真を紹介。

◎サントリー白州蒸留所



↑この間、詳しく書いていた「リチャー」の実演。


↑激しく燃える樽の中。


↑工場の敷地内にあるレストランで、カレーを食べた。
夏野菜のカレー。結構美味しかった。
あとは、プレミアムモルツ。(やはりサントリー)


↑こんな森の中にあって、これはレストランのテラスから。
涼しくて気持ちよかった。
森を見ながらご飯食べるって、最高!


↑レトロな雰囲気のバーにて。
……というのは嘘で、これはウイスキー博物館の中にあるバーのセット。
ちょっと雰囲気出してみました。
腕がものすごい筋肉質ですが、角度と光の加減です。
ここまでたくましくはありませんので、あしからず。

◎ワイナリー


こちらでワイナリー見学をさせてもらった。
なかなか面白かった。

◎ほうとう


山梨といえば、ほうとうでしょ、ということで、
食べてみた。

昔、おばあちゃんが作ってくれた「うちこみ」を思い出したな。
讃岐うどんでもこういう煮込みうどんがあって、
具がいっぱい入ったお汁の中に、うちたてのうどんを入れたもの。

死ぬまでにもう一度、何でも食べさせてもらえるんだったら、
もう一度でいいから、おばあちゃんのうどんが食べたい。
……そんなことを考えながら食べていた。

◎ひまわり畑



↑CMとか、映画「いま会いにいきます」とかで使われた場所。
すごくきれいだった~

◎昇仙峡


ロープウェイで見晴らしの良い展望台へ。
本当ならここよりもう少し上まで歩いていけたのだけど、
腰が痛くて断念……

でも、こんなきれいな景色!
山梨はどこも本当に山がきれいで、清々しい気持ちに慣れたのがよかった。

◎2日目の夕食


1日目の夕食は甲府にある居酒屋風の店に入って大失敗!
(店がなかったので仕方ない)
2日目も店がなく、蕎麦で我慢。
3日目は絶対失敗してはいけないと、探したお店。

結果、大正解~
チキンソテーなんだけど、クレソンを使ったオリジナルソースで、
めっちゃ美味しかった。
ちょっとお洒落な洋食屋さんって感じかな。
オープンして30分で満席になったので、人気もあるみたい。

◎ペンション


1日目、2日目はビジネスホテルで、3日目はペンション。
夕食は外で食べたので、夜寝るだけって感じ。
でも、近くに温泉があったので、入りに行けてよかった。
昔はそうでもなかったのに、歳のせいか、最近温泉好きになってきた……

◎まきばレストラン


まきばレストランにあるパフェ。
めっちゃ美味しかった~
普段、私はパフェとかあんまり食べないんだけど、
これはうまかったな。
最後までしっかり楽しめた。(普通は飽きるんだけど)

◎うなぎ


最後の日の晩に、意地でも食べたいと思って来たうなぎ屋。
うなぎはもちろん、たれから焼き方までこだわりぬいたうなぎを出す。
17時オープンで、ちょっとすぎてから行ったら、もう予約と並んでいる人でいっぱい。
ギリギリ入れたが、17時40分で完売!!

そこから並んで、注文してから焼きあがるまでまた30分。


待って待って、やっと来たうなぎ~
たまりませんな。

私は上にしたので、ご飯の間にもうなぎが入ってるのだ。
身がふんわりして、タレも甘辛すぎず、上品な味わいだった。
美味しかった~
このお店、建物も昭和2年かなんかの建築物で、雰囲気もよかった。
レンタカーからようやく解放された彼と一緒に、
お庭を見ながら飲んだエビスのうまいこと、うまいこと。

この後、電車にのって大阪へ。
よい旅でした。