4月29日、ゴールデンウィーク初日。
たいして何も計画せず、とりあえず淡路島までのバスに乗るために夫と二人、三宮へ向かった。
夕方6時にお寿司屋さんを予約していたので、それまでお花がいっぱい咲いているところへ行こうかと思ったのだけど、タイミングが悪く、バスが出たところ。
時間が中途半端になるということで、布引ハーブ園へ行くことに。
ずっと行ってみたいなぁと思っていたのだ。
ロープウェイが往復1400円もするので、「高っ!」と思ったが、乗ってみたら納得。
これが結構長時間だし、眺めはいいし、なかなか楽しかった。
高所恐怖症の人は無理かもしれない。
↑こんな感じ
眺めもすごくいい。
きっと夜景もすばらしいんだろうな。
いろんな種類のハーブがたくさん植えてあって、ハーブ苗やハーブを使った雑貨が売ってたり、カフェがあったり…というだけなんだけど、お天気で気持ちがよかった。
というか、私と夫はいつだって、↓これでゴキゲンになる。
この旅、最初の乾杯
その後は、ロープウェイの中間地点まで歩いて降りていった。
チューリップがいっぱい咲いていてきれい。
特に何があるというわけでもないけれど、楽しめた。
春はやっぱりいいな。
そして、バスに乗り込み、淡路島・洲本へ!
出発前夜、夜中まで仕事をしていたので、眠くて仕方がなかった。
バスの中ですぐ寝てしまい、気づくともう洲本!!
バス停から徒歩5分ほどのところに宿をとっていたので、とりあえずチェックインしに行った。
実はこのホテル……
かなり不安をもって予約した。
というのも、本館はちゃんとした結構大きな温泉旅館みたいなホテルなんだけど、私たちが泊まるのはその別館。
別館はビジネスホテル扱いで、普段なら4980円くらいで泊まれる。
ただ、本館の温泉など施設はすべて同じように使えるというので、夜ごはんも外で食べるわけだし、寝るだけだから「これはいい」と思って予約したわけだ。
しかし、予約した後でクチコミなどを読んでみると・・・
「ホテルの入口は無人なので、自分で自動ドアの鍵を開けて入るシステムです」
「ホテルというより、従業員の宿舎のようなイメージ」
「朝食付きと書いていますが、冷蔵庫の中に食パンが入ってるだけです」
「隣の本館の温泉には入れますが、裏口のようなところから入るので、とてもみじめです」
といった、これまでに経験したことないような情報が盛りだくさん!
夫に「こんなこと書いてあったわ」というと、「え!大丈夫なん?」と不安げ……。
私も不安を覚えながら、本館のフロントでチェックインした。
噂通り、鍵をいっぱい渡される。
「お部屋の鍵と、入口の自動ドアの鍵と、靴箱の鍵です」
く、くつばこ……?
とにかく行ってみようと、裏口を通って別館へ。
入口は自動ドアだが、確かに無人で鍵をさすところがある。
カチャッ
ウィーン
なんか変な感じ(笑)
入ると玄関で靴を脱ぐシステム。横に居酒屋の座敷の前にあるみたいな靴箱があり(これか!)中にスリッパが入っている。
自分の靴を入れて鍵を閉め、スリッパに履き替えて、エレベーターで部屋へ。
ロビー(?)には漫画がいっぱいおいてあって、ユースホステルを思い出した。
そして、もうひとつ衝撃が!!
部屋の前の廊下を歩いていると、廊下にトースターが置いてあるのだ!
どうやらこれで「冷蔵庫に入っている食パン」を焼けということらしい
こんなホテル見たことない…
でも、部屋は普通のツインだった。
それにこのヘンテコなホテルには似合わないオーシャンビュー!!
本当に海のすぐ横で、ロケーションは最高だった。
部屋に入るとすぐに冷蔵庫を開けた。
本当にあった!食パン!
いや、しかし、意外にもおいしそうなのだ、これが。
安い食パンがペロンと入っているのかと思いきや、おいしい焼きたてパン屋で売っているような感じ。
(冷蔵庫に入れるのはパンにとってよくないが、衛生上、仕方がないのだろう)
ケースに入ったサラダもついていて、「なーんや、意外にいいやん」と、夫と二人ほっとした。
ハードルが低いと簡単に飛び越えられる(笑)
冷蔵庫も確かめたので、いざ寿司屋へ!
このお寿司屋さんは「新月」といって、もう3回目。
最初は淡路島旅行で食べておいしかったので、2回目はとしくんとあやを誘って4人で日帰りで食べに行って、そして今回。
大将はねじり鉢巻に高下駄という、「いかにも!」な格好で、すごく優しい。
ほとんど天然ものしか使わず、地魚にこだわっている。
何より安い!
ただ、毎回そうなのだけど、店に入ると最初は微妙な空気が流れる。
大将は人見知りなのか?!
そして、予約して行っても、あまり関係がない。
特に予約席があるわけでもないようで、そのとき空いてるところに座らされる。
そのうえ、今回は、入ったばかりの高校生のアルバイト(?)みたいな女の子がいてかなりモタモタしていた。
お寿司屋さんで食べるなら、やっぱりカウンターやね。
目の前に黒い大理石の台があり、そこに握ったものを直接おいていってくれる。
ここに来たら、絶対はずせないのが、やっぱりモズクですな
お造りは、ヒラメ、鯛、さより、キス。
キスがめちゃくちゃうまかった!
生簀に大きな車海老が泳いでいたので、そいつもお造りにしてもらう。
おいしいけど、これは思ったほどじゃなかった。
お造りより塩焼きにしてもらえばよかったと後悔。
でも、頭を焼いてきてくれた
途中で、目の前にあったタニシをちょっと大きくしたみたいな貝を出してくれた。
「ガンガラ」って言ってたかな。
やばい!
これ、うまい~!
好きやねんなー、こういう貝の旨煮みたいなの。
そして、もう1つの大好物。鯛の子。
おいしい、おいしいと食べていたら、大将が「お客さん、前も来てくれはったっけ?」と聞いてきた。
(実はこれ、前も聞かれたし、電話予約でも聞かれた。実はまったく覚えていないようだ)
「はい、3回目です。大阪から」というと、
「そうか、やっぱり見たことあると思ったわ。わざわざ大阪からありがとう」とうれしそう。
大将、ええ人やな~(絶対覚えてないけど)
さて、そろそろお寿司握ってもらおうか…と夫とこそこそ話していると、4人のオッサンが入ってきた。
「儲かってまっか!」という言葉が似合うような、関西の羽振り良さそうなオッサン4人組。
カウンター席の後ろにある座敷にドヤドヤと入り、オッサンの一人が「焼酎、何がある?」と聞く。
「魔王」や「村尾」などプレミア焼酎も置いているので、「こんなんあるよ」と大将が「魔王」の一升瓶を指差すと、
「それ、1本開けて」とオッサン。
隣で聞いていた私と夫は(ふえっ!
)と心の中で小さく飛び上がった。
「魔王」の一升瓶、寿司屋であけたらナンボするねん……
「これ、もう封開いてるねん。こっちやったら…」と大将が「村尾」を指した。
「ほんなら、それでいいわ」とオッサン。
大将、あせったように「そやけど、これ、2万しますで」。
「ええよ」となんともないオッサン。
運ばれていく「村尾」を横目で見て、夫と目を合わせた。
羽振りいいな……オッサンら。
しかし、オッサンらの金の落とし方はこんなもんじゃなかった。
私たちが「とりあえず」と手始めに食べたのは、おいしいけれど庶民的なモズクだったが、なんとオッサンらは一番最初にこう注文したのだ。
「大将、とりあえず、ウニ4箱」
・・・ウニ4箱?!
それって、とりあえず食べるものか?
大将もまたあせって、「4箱……。2箱くらいにしてくれへんかな」とつぶやいている。
そんなつぶやきなど無視して、オッサン注文訂正。
「やっぱり6箱頼むわ」
これにはさすがに大将も声を大きくして、「いや、4箱にして。ほかのお客さんのがなくなるんで」と断っていた。
私たちは箸も止まり、このオッサンたちから目が離せなくなっていた。
寿司屋でウニの箱買いか~
夢やなぁ。
ウニは大好物だけど、大好物だからこそ、絶対に大阪のすし屋などでは食べない。
ウニとカニは、やっぱりその海辺で食べないと、なんか違うんだよなぁ。
・・・なんて考えてる数分の間に、オッサンらはぺろりとウニ4箱をたいらげていた。
カラになった箱が運ばれていく……
ああ……
その後もオッサンらは紙にいっぱい注文を書いて渡していた。
さらに、「この後行くスナック、近くにない?」と聞いていた。
大将はスナックに電話して車の手配をしてあげると言っていた。
うぎゃー
たぶんスナックでも高いウイスキーをボトルであけるんやろなぁ。
ま、オッサンの飲み食いばかり見ていても仕方がないので、私たちも寿司を握ってもらった。
後で数えたら、二人で20貫くらいだった。
いくつか載せておこう。
サザエ、イワシ、うなぎ、ウニ。
ウニは2貫握ってもらった。
夫はトロも食べていた。(私はマグロがあまり好きじゃない)
庶民はせいぜいこのくらいが贅沢ってもんだ。
どれもおいしくて、満足!
お酒も淡路島の地酒でこの店オリジナルラベルがあって、お寿司とよく合った。
もう1種類あった「綺麗」というお酒は、ガリとよく合った。
私が「ガリとこのお酒飲んでみて。めちゃ合うから」と夫にすすめると、夫も「うまっ!」とびっくりしていた。
こうして、オッサンらがどんどん地魚を注文するのを横目に、私たちはガリを肴に酒を飲んでいたのであった……
お店はよく流行っていて、若いカップルなどが何組か訪れていた。
新しいお客さんがカウンターに座るたびに、大将は私たちを「大阪からわざわざ来てくれてるねん」と紹介してくれる。
そして、帰るときにも「今度はいつ来てくれるん?」と優しく聞いてくれた。
「そうですねー、夏くらいかな」と夫。
満足げな大将。
しかし、私たちは見逃さなかった。
後から来たお客さんに大将が「ふらっと入ってくれたん?」と聞いていたのを…。
お客さんは「いえ、さっき電話で予約したんですけど…」と戸惑っていた。
やっぱり!!
誰が予約したかとか、お客さんの顔とか、ぜんぜん覚えてないのだ。
でも、その場ではとても気持ちよく接してくれるし、いやな感じはまったくない。
むしろ、私はこういうおっちゃん、大好き。
「ほな、また夏来てな」と笑顔で見送ってくれた。
「ごちそうさま~!また夏に~!」と、まるで常連のように手をふって店を出た。
しばらく歩いて夫と二人顔を見合わせ、言った。
「ぜーったい、夏行ったら覚えてへんで!(笑)」
後日の話になるが、その後、2日後に私の友人がこの店を訪れた。
私にすすめられたことや、大阪から結婚記念日で来たことなどを大将に話したというのだが、
「思い出せないって言ってたわ。顔見たら一発なんやけどって言ってはったけど」
とメールをもらった。
やっぱり……しかも2日後やで
夏もまた行ったら、「来てくれたことあったけ?」から会話は始まるのだろう。
お会計は、二人で17000円。
これだけ飲み食いして!
ほんまコスパいいなぁ。
ホテルまでの帰り道、酒屋の前に置いてある自動販売機に目が留まった。
瓶ビールが売ってあったからだ。
自動販売機で瓶って珍しいな……と思いながら近づいて目を疑った。
100円!!
なんとスーパードライの中瓶が100円だったのだ。
全部が100円ならまだわかるけど、ほかの350mlの缶ビールは普通に200円以上している。
半信半疑で押してみると、ほんまに出た!
なんで?!こわい~!と言いながらもうれしくて、夫と笑いながらホテルに帰った。
おなかもいっぱいで幸せな結婚記念日。
夫には感謝の気持ちでいっぱいだ。
いつもありがとう
今日はここまで。
淡路島の2日目はまた明日書こう。