明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

どんなときも。

2008-12-29 02:49:38 | Weblog
高校生のとき、小学校からの親友に一本のカセットテープを渡された。
「聴いてみてくれへん?お姉ちゃんの友達やねん」と。
そのテープには友達だという男性の歌が数曲入っていた。
全部オリジナルのようだったが、素人臭さは全くなく、覚えて歌ってしまうほどいい曲ばかりだった。

気に入ったと告げるとまた新しいテープを持ってきた。
今度は500円で買った。
たぶん今ならこれはマニアにはすごい値段で売れるかもしれない。

その年、茨木市のお祭りでその人が歌うと聴いて見に行った。
私はそのお祭りのステージを見て叫んだ。
この人、絶対大物になるよ!

それから数年後、彼はデビューし、今では有名アーティストだ。

さっきたまたまつけたテレビに彼が映っていて、歌っているライブがよくて、いろいろ思い出した。

槇原敬之。

私の高校の先輩でもある。

身近な人がスターになるってすごい。

年末、大忙し!

2008-12-27 01:48:58 | 生活
いろいろと書きたいことがたまっているのだけど、
とにかく時間がない。

この間、すごい買い物もしたので、それについても書きたいのだけど、
ちょっと時間をかけて語りたいので今日は無理。

今日も朝・昼・夕方・夜と塾で。
結局、11時まで残って翌日の教材作り。

年末だというのに、家の大掃除どころか、普段の掃除すらままならない。

年賀状も今年は早くから原案は作っていたのに、
印刷・宛名・一言書きがまだ……
おそらくまた30日か31日に慌ててやってるな、きっと。

そういう「家のこと」ができないのは嫌だけど、
朝から晩まで働くのはたいした負担ではない。
むしろ、年末で取引先も全部休みなので、塾の仕事に集中できるからストレスもない。

他の講師の負担が結構大きくて、
今日は一人体調不良。
他も大学が忙しかったり、論文の締切があったりと、
なんだかみんな大変そう……。
なんとか力になりたいと思うのだが、なかなか手がまわりきらなくて。
見逃している出来事があるんじゃないかとか、
私の知らないところで何か悩んでいないかとか、
いろいろ気になってしまうわけで……。

人が人にできることって、本当に少ない。

それにしても、今月はかなりの出費。
さすがの私もびびっている
(これはよほどです)
そりゃ、3日に一度くらい外食してたらね……

昨日、今年最後の忘年会が終わった。
あとはひたすら働くのみ!!

また稼いで、またおいしいもの食べて、またいい仕事しよ


ひのき大掃除!

2008-12-24 01:10:50 | 仕事
若干ふらふらでこれを書いている。

ふらふらの理由は、珍しく酒ではなく、労働だ。
今日は昼の12時から夜9時までひのきの掃除をした。

1年に1回くらいは掃除をしてきたつもりだったのだけど、
私がいない間に誰も掃除をしてくれなかったのか、
数年ぶりに戻ってみれば、えらいこっちゃで

5月に戻った時から気にはなっていたのだけど、
こちらもなかなか時間がなく掃除まで手がまわらなかった。
だけどもう我慢の限界!
こんな状態で年を越すなんて耐えられないと思い、貼り紙をした。

正直に言えば、私はまだ他の講師に遠慮しているところがある。
直属の部下(?)である山口君や、同じクラスを持っている講師なら、まだ言いやすいのだが、他の講師や個別指導の講師にはあまり労働を課すことができない。
塾長ならまだしも、何の権力もない私が言うのはどうかと思って。

だから、とりあえず自分は23日の12時~大掃除をします、協力できる方は少しの時間でもいいので参加をお願いします・・・とだけ書いておいた。
最悪は堀先生と二人で事務室だけでもやれればいいという気持ちで。

そうしたら、私と堀先生以外に、9人もの講師が来てくれた!!
直接誰ともその話はしていなかったのだけど、みんな来てくれた。
なんか私はそのことにすごく感動してしまって
ありがたかった・・・

最悪は事務室だけでも・・・と思っていたのに、
全教室がきれいになった。
まだ遣り残したところはあるが、それでも十分きれい。

びっくりすることに、ゴミが30袋くらいは出た。
ビルの入口にためていったら、まるでゴミ屋敷みたいになった。
あー、すっきり!

汚い部屋にいると、気持ちまで滅入る。
掃除ができない会社は絶対ダメなんだ。

いろいろな場所からクリップを50個くらいと、画鋲を100個くらいは拾った。
でも、今日一番びっくりしたのは、冷蔵庫の裏から傘が20本くらい出てきたことだ。
事務をやってくれている女の子が大量のクリップを見て
「ずっとクリップを発注しながら、『クリップは消耗品じゃないのに』って思ってたんです」と言っていた。
その通り!!

9時間、ほとんど休みなく(10分くらい)掃除をし続けて、私はかなり満足した。
昔、ある講師の自宅を掃除したとき以来の充実感だ。
あそこはかなりやりがいがあったけど、それと同等。
やっぱり掃除はいいなぁ

まあ、ほとんどが堀先生のもので、堀先生は教室というより自分のものを片付けるので1日が終わった。
お昼のスタートに、
「今日掃除すると思ったら、昨日ドキドキして眠れなかった
と言っていたのが面白かった。
冗談なのか、本気なのか……

掃除が終わってから2時間くらい、残っていた講師で飲みに行った。
みんな腹ペコって感じで飲むより食が進んでいた。
今日来ていた人だけじゃなく、他の講師も含めて思うけれど、
みんないつもひのきのために一生懸命やってくれている。
生徒のため、授業だから、それだけでなく、こうやって掃除にも来てくれたことが本当に嬉しかった。
(もちろん、それぞれに予定があって当たり前なので、来れなかった講師も同じ気持ちでいてくれていると思う。それがわかってよかった)

来年大学4回生で、もう辞めるのかなと思っていた講師二人に「来年どうするの?」と聞いたら、忙しくてちょっと抜ける時期はあるけど、とりあえず卒業まではいてくれるらしい。
そのことを話すときに「自分がいないと困るだろうから」とか「いてあげる」という感じではなく、「もう少しお世話になります」と言ってくれたのも、私はすごく嬉しかった。

私もあと1年。
その間に、自分がずっと作ってきた「ひのきスピリッツ」をなんとか復活させたいと思う。
でも、そんなこと気負わなくても、もう根付いているのかもしれないな。

きれいになったことだけじゃなく、
いろんな意味でとても嬉しい日だった。

よかった!優勝した!

2008-12-22 11:16:34 | 生活
どうも最近の私は、理由のわからない「怠け癖」がついている。
瞬間的にはあったとしても、持続的にこういうことが今までにはなかったので、そんな自分に対して非常に不安を覚えている。

……まさか、更年期障害?!

たぶん、他人から見ていれば、普通に仕事もしているし、家事もちゃんとこなしているように見えるのだろうが、自分では明らかに違いを感じるのだ。
なんか不安やわ。

さて、更新も滞っていたので、いろいろあったことを少しずつ書きたいと思うが、とりあえずM-1のことを……。

M-1を見ると、「ああ、今年も終わりやなぁ」と思う関西人は少なくないはず。
昨日、今年もM-1の決勝戦が行われ、8代目チャンピオンが誕生した。

あまり書かないし、あまり言わないが、私はかなりお笑いが好きである。
でも、純粋に見て笑うのが好きなだけでマニアではない。
お笑いに関するマニアっぽい話が好きでないので、人にはそんなに言わない。
だから、この間、W氏と飲んでいるとき、ぽろっとそんな話をしたら、
「えー!意外~!」
とびっくりされた。
長い付き合いなのに、そんなこと一度も言ったことなかったもんな……。

知っている人は知っていると思うが、
私はチュートリアルのファンである。
それも、2006年のM-1チャンピオンになるずっと前から。
ファンサイトも欠かさずチェックして出演番組は録画して見ていたが、
チャンピオンになってからテレビの露出が増えすぎて対応できなくなった
人気が出るとなんとなく遠い人になったようで淋しくなって、
だんだん気持ちも弱くなり……。
そして、「せやねん!」のレギュラーをおりたことがもう決定的。
距離を感じさせられてしまった。
あー、もう遠い人なんだなぁ……。

そんなわけで、最近応援していたのがNON STYLEだった。
ローカルな番組のレポーターとかしているときはパッとしないけど、
ネタは本当に面白くて、今回決勝に出ると聞いてめちゃくちゃ喜んでいた。

優勝間違いなし!と思って、いろいろ他の人の予想をネットで調べていたのだが、
(こんな行為をしていることからも意外にお笑い好きなのがわかるだろう)
私が見た限りでは「ナイツ」が優勝という人が多かった。
ノンスタにはあまり注目していないようで、世間の評価は低いのかなぁと心配だった。

それが、ほら~!!
やっぱり優勝したやん!

人にこの話をしないので、今となってはそのことを証明する人は夫しかいないのだが、私は前々から「優勝はNON STYLEやと思う。私はそうなってほしい!」と言い続けてきた。
昨日、夫と決勝を見ながら、
「あー、予想をブログに先に書いておけばよかった……。今更書いても信じてもらえへんやん
と嘆いていたのだが、見苦しくも今更書いている(笑)。

私があまりお笑いのことを書かない理由としてもう一つ挙げられるのは、自分の笑いのセンスに自信がないということだ。
基本的に、私はあまり笑わない。
一緒にテレビを観ていると、夫はケラケラ笑っているのに、私は全く笑わないということがよくある。

それから、私は「笑い飯」がまったくダメだ。うけつけない。
どのネタを見ても、これまでにクスっとでも笑ったことがない。
何が面白いのか、まったくもってわからない。
だけど、別に「笑い飯」が嫌いなわけではないし、むしろ好意はもっている。
それに世の中の評価は非常に高いので、「私の笑いのセンスがダメなんだな」と思っている。
昨日もまた一度も笑わなかった。なんでやろな。
まあ、笑いのツボって人それぞれなので……。

しかし、全体的に昨日のM-1は満足した。
ノンスタも優勝したし……

でも、またチュートリアルみたいに遠い人になるんだろうな……
そして、何よりも売れるとテレビでネタをやらなくなる。
純粋な漫才好きとしては、これが残念でならない。

ちなみに昨日はチュートリアルのDVDを見ながら寝た。


今日は禁酒してます!

2008-12-18 22:28:38 | 生活
今日は急ぎの原稿などもなく、塾もなく、
久しぶりに気持ちがゆったりした。

私の受け持っているクラスは一番学力が低いので、
情緒も不安定な子が多い。
だから、ものすごく気を遣う。
勉強を教える以前に、やる気にさせて「のらせる」のが大変。

自分ができているときは「なんや、簡単やーん」と頑張ってやれるのに、
ちょっとわからなかったりすると、急に態度が変わって
「わけわからん。もうええわ」と投げ出す子がいたり。

授業の後半になると、集中がキレてぐったりしだしたり

みんな、人の説明は、ほぼ聞けないし

2時間の授業の間、私は常に目を光らせ、
全員に満遍なく声をかけるようにしなければならない。

ぐったりしている子には
「はい!元気出して!あともうちょっとやで!」

やる気を失いかけた子には
「どうしたん?どこがわからんの?一緒にやってみよ。・・・そうやん。わかるやん!」

すぐ投げ出しそうな子には
「おー!すごいなぁ、賢いなぁ、めっちゃできてるやん」

眠そうな子には
「どうしたんや~。眠そうやなぁ。がんばろ、がんばろ」

大人しくて自分から声をかけられない子には
「できてる?どう?わからないとこない?」

・・・こうやって、せいぜい1分しか集中力のもたない9人の子どもたちの間を、ただひたすら気を遣って、声を出して、笑顔を絶やさず、走り回っているのである

そりゃ、疲れるって!!

いつも授業が終わると、肉体的にも精神的にもぐったりしている。

「忍耐」

いつもこの言葉が浮かぶ。
そう、耐えるのみなのだ。

だけど、教えるのは一番下のクラスが一番好き。
なんでだろうなぁ。
疲れと共に、変な充実感もあるのだ。

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昨日は塾が終わった後、こうちゃんと近くのバー「HOME」へ行った。
もう予定がいっぱいいっぱいで、こんな時間しか会えなかったのだ。
今までならあきらめるところだが、今は「HOME」がある。

こうちゃんが誘って、ふみこも後で来た。
そして、帰りにうちの夫も来て、最後は4人になった。

こうちゃんは相変わらずビールばっかり飲んでいて、
結局7杯・・・
みんなちょっと飲み過ぎたけど、楽しかったなぁ

お店は毎日大繁盛。
大変そうだけど、よかった。

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今日は久しぶりの禁酒デー。
もうすぐ23時で、今のところ飲んでいないので、なんとかクリアできそう。

夜は久しぶりに「手羽大根」を作った。


大根がめっちゃ柔らかくて、口の中でほろほろと溶けていく。
ああ、なんでこんな酒に合いそうなものを作ってしまったんだろう
しかし、我慢。

その他、最近の食卓。


↑里芋のサラダ。
これ、意外に女性に人気あり。


これはこの間の土曜日の夜ご飯かな?
夫が好きな、豚肉とパリパリ春雨をレタスで巻いて食べるやつとか、
厚揚げと小松菜の煮物とか、大根とカリカリちりめんじゃこのサラダとか。

そんなにたいしたものはないんだけど、
夫は最近滅多に家でちゃんと晩ご飯を食べないから、
「すごい~」と喜んでいた。
いやいや、私は一人でもこんな感じよ・・・


これをクローズアップしておこう。
白菜とベーコンのチーズ焼き。
簡単でおいしい。

ベーコンをバターでいためて、そこに切った白菜を入れて炒めて、
水100ccとスープの素を1個入れて煮込み、塩コショウ。
それを耐熱皿に入れて、上にチーズをたっぷり。
オーブンで適当に色が付くまで焼いたら出来上がり~

グラタンよりはちょっと水気があって、「スープグラタン」って感じ。
白菜もたっぷり食べられる。
4人分だったら、大きめのを4分の1くらい。
うちはこの分量で作って、翌日と2回に分けて食べた。
夫がやたら気に入っていた。

白菜の季節なので、ぜひお試しを!!

文化的雪かき

2008-12-17 00:29:44 | 友達
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『私は今でも少し飲みすぎるが、
 飲むまいと思えば
 飲まないでいられるという自信があるために、
 自分で自分に気を許して飲んでしまう。
 たいていの酒飲みがそうだろう。』

             井伏鱒二

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今日はライター友達と三宮の「なが坂」さんで
美味しいお昼をいただいた。

彼女が前に一度行って、とても気に入ったというお店。
連れて行ってもらえてよかった。

移転したばかりというそのお店は、白木のカウンターが美しく、
こじんまりとしているが、とてもやすらぐ雰囲気で。
お料理もとても美味しかった。
(デジカメを持っていくのを忘れた!!)

昼間だというのに、二人ともお酒を1合ずつ。
私は秋田の「まんさくの花」。
彼女は奈良のお酒を頼んでいた。
私とご飯を食べるようになってから日本酒が好きになったと言ってくれて、
とても嬉しかった。
「そんな人たくさんいるでしょ?」
と言われて、いくつかの顔を思い出し、「そうね」と言う。

いろいろとおいしかったけれど、特にお造りがよかったな。
タコの火の通し方も絶妙だったし、
イカも甘くて美味しかった。
タコやらイカやら、こういうよくある普通の食材が
一番印象に残っているって、やっぱり一味違うということなんだろう。

炊き合わせの大根もしゅんでいて、とても美味しかったし、
八寸は目にも舌にもいろいろと楽しめた。

こちらの特徴は、最後にお寿司が出ること。

↑唯一、携帯で撮った。

夜は1万円くらいするということなのだけど、
お昼は2900円でかなりお値打ち。
このお寿司のおかげでボリューム的にも満足。

一人でやっているお店なので、愛想はいいとは言えないが、
それでも誠実さを感じられるいいお店だった。

その後、カフェでお茶を飲んで帰って来た。

彼女は私が唯一親しくしているライター友達で、年も少し上。
私は基本的に同じ歳か年下との付き合いのほうが多いので、
私の中ではかなり珍しい存在だ。
「同業者」であり、「年上」。
でも、親しくしたいという気持ちがあるので、私はいつもタメ口。
それを彼女がどう思っているのかはわからないが、
なぜか彼女のほうが私に敬語を使うときがある(笑)。

6月に会って以来だったので、話したいこともたくさんあり、
4時間では短かった。

やはり仕事の話が中心になる。
それはいつ話してもとても刺激的だ。
ただ、この半年で私もようやく彼女に話せるような仕事ができはじめたので、
今日は久しぶりに彼女と会った後に卑屈になることがなかった。

卑屈、というのはちょっと違うかな・・・
落ち込む、というのか。

ああ、こういう人こそが本当に「ライター」と言える人で、
私がやっていることなんて、一体何なんだろうかと、
いつも落ち込んで恥ずかしくて仕方がなかった。
だけど、今日は少しだけ胸をはって「こんな仕事をしています」と言えた。
それがちょっと嬉しかった。

ただ、いつものように思うこともある。
これは他にライター友達がいないからなんだろうけど、
「何歳までこの仕事ができるか」とか
「自分より年上の人はどんな仕事をしているか」とか
「これからどんな仕事をしたいか」とか
どうしてもそういった「ライターとしての未来」についてを話すと、
ああ、私は本当にライターをやりたいのかなぁ、と。

ライターとしての自分の未来の姿が浮かばない。

ホームページを見た人から、たまにメールをもらう。
「私もライターになりたいんですけど」という相談。
相談の細かい中身はいろいろだけど、まあ、そういう内容。

いちいち考えてご丁寧にも返事を出すのだけど、
それを書いていると、自分自身を見つめ直す機会にもなる。

「どうしたらライターになれるのか?」と聞かれて、
どうしたらいいのかなぁと悩む。
私が聞きたいくらいだ。

ライター友達の彼女は、企画を出してプレゼンして・・・
ということまでやる。
コピーライター出身だからコピーは抜群だし、
取材記事も書ける。

私はといえば、企画とかはできれば拒否したいし、
コピーは苦手だし、できるのは取材記事くらい。
じゃあ、なんとかやれてるのはなぜなんだろうかと、
その若きライターの卵さんに返事を書いているときに考えていたのは、

「マメだから」。

これしか思いつかなかった

今年はうんと新しい取引先が増えたのだけど、
自分はマメなんだなぁと思うことが多かった。
自分は当たり前だと思ってやっていることなんだけど、
「こんなことまでしてくれるライターさんはいない」
と言われて、やたら重宝される。
それで、「ああ、私って結構マメなんだ」と気付いた。
これがライターを続けていける理由なんだろうなぁと思ったのだが、
そんなことを卵さんにどう話していいかもわからない。

結局のところ、自分が宙ぶらりんだということだ。

今年、いっぱい仕事をさせてもらっている整体の先生は
私の文章をなぜかすごく気に入ってくれている。
それはとてもありがたい。
でも、「もっとあなたらしさを出してほしい」とも言われる。
それを聞くたびに、すっかり技術屋になってしまった自分を感じる。
自分らしい文章が、もう何なのかわからなくて。
ただ、相手が望むように書くこと、それに快感を覚えているだけで。

これが私がなりたかった「ライター」というものなのか?

そして、またいつものこの疑問に戻る。

私は何を書きたかったんだろう?
何になりたかったんだろう?

そういうことをぐるぐる考えていると、
・・・酒が進むんだ(笑)

毎年言ってる気もするけど、
来年は飛躍できるかな?
来年は何か変われるかな?

今は、変わりたいのかどうかも、よくわからない。
ただ、生活のためにはライターとして明日も何かを書き続けなければ、という気持ちがどうしても勝ってしまう。
そう。
明日も、売り物になる何かを書き続けなければ。

ふと、自分が好きだった言葉を思い出す。
「明日のパンは買えなくても、今日、一輪の花を買おう」

明日のパンの心配ばかりして、
花を買えない自分がいる。

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昨日から、村上春樹の「ダンス ダンス ダンス」を読んでいる。
もう内容はすっかり忘れていた。
再読フェア、どんどんやろう。

村上春樹は多くの人に好かれているけれど、
やはり嫌いな人も世の中にはいるんだろうな(にわかには信じられないけど)。

「ダンス・・・」の中の「僕」は、まさに私がやっているライターみたいなことをしていて、その自分の仕事をこう言う。

「仕方ないからやっているんだ。面白くてやっているわけじゃない」

そして、その仕事のことをこう称する。

「文化的雪かき」

あはは・・・と乾いた笑いがおこる。
文化的雪かきか~。
生活維持のために誰かがやらなければならないこと。
でも、ちょっと文化的。
なるほど。

なんて、感心してみたり。

村上春樹の文章を他の人たちは一体どんな気持ちで読むんだろう。
私は文章をかなり音楽的にとらえる癖がある。
ストーリーよりもリズム。
上手い下手よりも、心地良さ。
好きか嫌いか。
自分の感性に合うか。

物書きのくせに、ものすごくフィーリング重視

でも、文章は音楽みたいなのだ。
村上春樹の文章は、本当に心地良い音楽。

「あなたってどういう風に傷つくのかしら?傷つくとどうなるのかしら?」
「キース・ヘリングのバッジをコートにつけるようになる」

こういうセリフのやりとりも大好き。

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さて。
夫も帰ってきたので、そろそろこのへんで切り上げよう。

今日はつらつらと書きたい日。
ライターとしての未来の自分は想像ができないくせに、
書くことのない自分もまた、想像できない。

いろんな矛盾がある。
まあ、酔っ払いのたわごとということで……。


「一家に一冊」計画

2008-12-15 11:00:46 | 美味しいもの
「うまい酒が飲みたいねぇ……
なんて言い出して、結局、昨日の晩も夫と二人で京都へ出かけていった。

今、いろいろと行きたい店があるので、
今回も初めて訪れる店「魚とお酒 ごとし」。
店名が「いかにも!」でいい感じだ。

高倉二条にあり、まだオープンして間もないとのこと。
思ったより小奇麗で、高級感もある。
若い女の子をこういうところに連れて行ったら、ちょっと「おおっ」と思われるのでは……。(と、またオッサン思考?!)

真っ先にメニューを広げて見るのは、酒のラインナップ。
七本槍、不老泉、萩乃露、奥播磨など、こちらもいい感じ……。
飲んだことのない、三重錦、一博などもあったし、熟成酒も揃っている。
値段もグラスで400円~550円程度なので、まずまず。

若いご夫婦でやっているお店のようで、それほど大きくないお店とはいっても、二人でまかなうのは大変そうだった。
カウンターが8席、4人がけのテーブルが2つほどの広さ。
全体的にゆったりした雰囲気もよい。

しかしながら、お料理がなぁ……。
いや、美味しいんだよ、本当に。
素材にもこだわっているのがわかるし、味も平均点以上。
器もきれいだし、何も悪くない。
ただ、欲を言えば、もう一息!!というところなのだ。


生の真牡蠣があったので注文したら、大根おろしとねぎがたっぷりのってきた。
ううーん。
美味しいんだけど、せっかくの牡蠣の味がしない。
新鮮なものを仕入れているのなら、その旨さを引き出すような調理をしないともったいないなぁ。


黒ムツのお造り。
これはとても美味しかった。
皮をあぶっているのが香ばしくてよい。


天然車海老の焼き物。
ものすごく大きなエビだった。
美味しいけれど、焼き加減が私好みじゃない。
頭はもう少しパリパリに焼いてくれたら、頭から全部かぶりつくんだけど、なんだか微妙な火の通し方で、殻は固くて食べられなかった。
あーん。
エビは頭が一番好きなのに~


下仁田葱の天ぷら。
これは美味しい。
塩をほんの少しつけて食べると、葱の甘味がぐんと引き立つ。

こんな調子で、まあいろいろ食べると、美味しいものと「美味しいんだけど、もう一息……」というものとに分かれた。
せっかくお酒のラインナップがいいし、お店の雰囲気もいいので、惜しい。
何かガツンとくる1品がほしかったなぁ。

あと、忙しくてお客さんに目を配る余裕が感じられなかったのも残念。
入った瞬間に歓迎ムードがなかった。

帰って調べてみたら、ご主人は大学を卒業後にこの道に入ったということ。
まだキャリアが浅いみたい。
お酒と美味しいものが好きなのは伝わるので、これから腕を磨いて、お客さんに育てられて、きっといいお店になると思う。
1年くらい経ってから、ふらりと覗いてみたいなぁ。

とりあえず、美味しいお酒を飲めたのは満足

12月は忘年会のお誘いなども多く、もういっぱいいっぱい。
今週はあと2回。
どちらも初めてのお店なので嬉しい。

来年の目標としては、ホームページの美味しいお店リストを編集しなおして、ついでに冊子にして、ほしい人に配りたい。
私だけじゃなく、私の周りのグルメな人々にも協力してもらって。

一家に一冊、「かおりの関西うまいもん手帖」どうですか?(笑)

ロマンはどこだ。

2008-12-13 02:52:17 | 生活
完全に掴まったなぁと思う。
何に?
酒に、だ。
伊坂幸太郎の描く陽気なギャングが私に問いかける。

「ロマンはどこだ?」

今日は禁酒の予定が、結局、塾から帰って、日本酒を半合ほど。
まあ、これくらいならいいか、という気持ちになって。

再読フェアで、宮本輝の『優駿』を15年ぶりくらいに読んだ。
最初に読んだ時ほどの感動がなかったのはなぜだろう。
感受性が弱まっているのかな。

ロマンはどこだ。

今日、授業を終えて塾を出て、駅に向かって歩いていたら、私の名を誰かが呼んでいる。
後ろを振り向いたら、講師の男の子が走って追いかけてきていた。
何かと思ったら、「一緒に帰りましょう」と言う。
なんだか不思議な気がした。

11月に入ったばかりの個別指導の講師で、
ほとんどしゃべったこともないのだけど。
人懐っこいのか、淋しがりやなのか。

2回ほど飲みの席があって、一度、阪急京都線を一緒に寝過ごして往復したという仲間意識なのだろうか?(笑)
しかしながら、10代の若者に「一緒に帰ろう」と追いかけられるのは悪いものじゃない。
こういうオバハン思考の自分に気付くと、「歳やね……」と思う。

ロマンはどこだ。

よくわからないけれど、一緒に帰った。
塾の話やFXの話や、それから、村上春樹の話やらをした。
『ダンス ダンス ダンス』の話も出た。
そうだ、明日からの再読フェアは、『ダンス ダンス ダンス』にしてみよう。
これも15年ぶりくらいじゃないだろうか。もっとか?

家に着いて、仕事をしようかと思ったけど、なんとなくニュースなど観ながらちょっとだけお酒を飲んだ。
今日は夫は帰らず。
実家に余っている石油ファンヒーターをもらいにいくらしい。

「ボーナスが出たから何か買ってあげる」
とメールが来ていた。
いいな~ボーナス!
パソコンのモニターか、炊飯器か、ル・クルーゼのキャセロールか、ちょっと上等のフライパンを買ってもらおう。
(なんと実用的な!!)

贅沢品や嗜好品は、自分で稼いだお金で買わないと、なぜか嬉しくないものだ。
毎月コツコツと貯めている「贅沢用貯金」で
今月は柴田雅章氏のちょっと大きめの器を買おうと思っている。
「贅沢貯金」なので、贅沢のために使うのだ

今、他にもいろいろ欲しいものはある。

前から目をつけている鉄瓶。
お櫃。
太田熊雄窯のすり鉢。
チーズ専用ナイフ。
コーヒーミル。
琺瑯の片手鍋。
まな板(今のまな板はかなり古いので)。
蒸篭付き鍋。

結局、キッチン用品ばかり。
それも、あるのに新しくしたいものか、なくてもいいようなものばかり。

贅沢だけど、ここにもロマンはないね。

あー。
こんなどうでもいいことをつらつらと書いているうちに、また夜が更けていく。
土日はしっかり仕事と家事をしよう。
(最近、毎日こればっかり!ロマンはどこだ?)

美味しいものがあれば幸せ。

2008-12-12 12:51:54 | 美味しいもの
どうも仕事がはかどらない。
すっかりサボり癖がついてしまった。
おかげで、今週は土日も働くはめに……。

今週は飲み会も多かった。
火曜日は中野から「美味しいものを食べに行きましょう」とお誘いがあったので、京都は先斗町にある「炭火割烹 いふき」へ。

ここは夏にも訪れて、今年一番気に入ったお店だ。
先斗町のメイン通りではなく、路地を入ったところにあって、一見さんは少々入りにくい。
価格も一番安いコースで8000円なので、お酒を飲んだら確実に1万円は超える。
でも、この値段が最後には「安い」と思えるほど、満足度が高いお店だ。

やわらかく、あたたかい色の灯りがともる店内は、
明るく品のある雰囲気。

掘り炬燵になった一枚板のカウンター前に座れば、
いきなり大将の笑顔。
ちょっと緊張しそうな割烹なのに、この笑顔で一気に肩の力が抜ける。

お料理はもちろん素晴らしく、
季節の素材を盛り込み、目にも美しい。

カニを使った先付から始まり、
氷見の天然ブリ、ヤリイカのお造り。
口に入れると甘くてとろけそう。脂がたっぷりのっている。

割烹の腕の見せ所である椀物は、白味噌仕立て。
ふわりと鼻をくすぐる柚子の香りに恍惚とし、
白味噌に隠された、わずかな辛子の風味にはっとさせられる。
具は海老芋と白子。
白味噌を使っているのも意味があり、体を温めてくれるのだとか。
だから、夏は赤出汁、冬は白味噌を使うという。

鯖寿司は、きずしではなく焼霜で、
これがまた鯖の旨さをぐっと引き出していて、口に入れると思わず頬が緩む。
ああ、幸せ。

この幸せをどんどん膨らませてくれるのが、
お店の人たちの笑顔と美味しいお酒。
大将だけでなく、若手の板前さんたちも、とにかく話しかけてくれるときはいつも満面の笑みなのだ。
頬だけでなく、心まで緩んでいく。

お酒は、喜楽長、明鏡止水、禮泉の3種を飲んだが、
他もいい感じのラインナップだ。
値段が書いていないのが恐ろしい。
お会計から考えると、だいたい1合で2000円前後!!
(まあ、割烹価格なので仕方がない)

八寸は、一つ一つに手をかけた酒の肴が5、6種類。
炭で焼いた栗、海老芋チップス、柿とユリネの白和え、下仁田葱の南蛮漬けなど、どれも美味しくて酒が進む。

メインの焼き物は、魚がグジ。
お肉はどこのものか忘れたが、美味しい牛肉。
1つずつ注文して、二人で分けた。
どちらも焼き加減が絶妙で、素材の旨さを余すことなく引き出している。
特にお肉は、私はあまり分厚いものは好きじゃないのだけど、
こちらのお肉ならいくらでも食べられる。
霜降りがありがたがられるけれど、脂は多すぎず、むしろ赤身の肉の良いところだけを使っているのがいい。
添えられた山ワサビもここで初めて食べたが、辛味よりは風味を出してくれるので、それもまた嬉しい。

最後のご飯とお吸い物。
お吸い物は、水菜とお揚げさん。
このお揚げさんもうっすらと焼いた跡があり、丁寧な仕事ぶりを感じられる。
シャキシャキとした水菜との相性は抜群だ。

みかんのゼリーと梨という水物でコースは終わった。
写真を載せたかったのだけど、残念ながらデジカメの電池が切れていた!
ああ・・・
できるだけ美味しさを文章で伝えてみたけれど、どんなもんだろう?

やっぱりこのお店いいわ~。
そんなに頻繁に行けるお店ではないけれど、必ずまた来年も利用しよう。
中野も満足してくれたみたいだったのでよかった。
帰りに近くのバーで1杯。
最後はいつものように本の話で盛り上がり、楽しい時間を過ごした。

昨日は整体の先生のところで、健康本作成のためにゆうちゃんと午後からずっと取材で。
夕方までかかったので、先生に近くの居酒屋さんでご馳走になり、
その後、南方で降りて「ちろり」へ。
酒の肴になりそうな、鯖のスモークやじゃこ天などを頼んで、ちびちびやっていた。

最近、学生時代みたいにゆうちゃんと一緒にいる時間が多い。
仕事の打合せや取材やら……。
昔、「いつか一緒に仕事ができればいいね」と言っていたのが現実になって、とても嬉しい。
来年はもうワンステップ、上っていきたいけれど。

今週もずっと飲み続けなので、今日はさすがに禁酒しよう。
飲んでばかりじゃダメだ。
仕事をもっと頑張らないとなぁ……。

あと一年はやろう

2008-12-11 00:16:59 | Weblog
今日はぐったり。

朝から宝塚のほうで取材があったのだが、JRが濃霧のために30分遅れ!
とりあえず来た電車に飛び乗ったが、のろのろ運転が続いた。
さらに途中で停車!
何かと思ったらアナウンスが…
「ただいま、この列車の一号車で急病人のお客様が出ました。お医者様か看護師様はいらっしゃいませんか?」

な、なんだ、このドラマみたいな展開は…

以前、客室乗務員をしている友達に聞いたことがある。
飛行機の中って本当にそんなことがあるのか?そして医者は乗り合わせているのか?
「それがねぇ、いるのよ」
というのが彼女の解答だった。
意外に医者は乗り合わせているらしい。

実際今日もいたみたいで、ご協力ありがとうございましたのアナウンスがあった。
いたんだ、医者…。

それはともかく取材なのに一時間以上遅れた。
もちろん途中で電話を入れて、結局午後からの取材になった。
あ~やりたかった仕事がこれでできなくなったとガックリ。

でも取材は非常に面白かった。
美容師が使うプロ仕様のハサミを作って販売してる会社。
いい感じの社長さんと部長さんで、なかなか興味深い話も聞けた。

家に帰るとすぐに塾で。
なんか意味なく電車に乗っていたせいか、ふらふらだった。その上、なんと風邪気味!
たぶんすぐに治るけど。

授業は楽しく終えて、今日はその後で樋口先生と二人で飲みに行った。
今、帰りの終電。

なかなか有意義な話もできたし楽しかった。
私もかなり年は離れているが、アルバイトの大学生よりはずっと年は近い。
中間の層がないから、大変なんだろうなぁと思う。
こうやって私を個人的に誘ってくれるのも、長い付き合いという以上にやっぱり少しでも年が上だということがあるのだろうな。
ちょっとでも話して楽になれるなら私も嬉しい。
その前に私自身もいろいろ話を聞いてほしいし楽しいのだけど。

来年もう一年はひのきにいようと今日、決意が固まった。
まあ、なんとかなるか。

まだもう少しは必要とされる部分もあるらしい。

仕事も忙しいとは言っても昔ほどじゃない。
週1は休めているし、睡眠も最低5時間はとれている。

嫌々やるなら別だけど、まだ教えるのは楽しいからいいかな。
生徒と接しているときだけは、なんだか優しくなれるしね。

大人げない……

2008-12-09 13:48:28 | 仕事
昨日は塾で生徒とケンカした。
叱るとか、注意するとかでなく、もう単なるケンカ。

相手はちょっと問題のある中3の男の子で、
授業態度もあまりよくはないし、成績もうちの塾でワースト3に入る。

きっかけはささいなことで、
7時56分から8時06分まで10分間休憩と言ったのに、
7分になってやっと戻ってきて、「遅いよー」と言ったら、
「10分って言ったやろ!まだ7分やんけ!」と怒り出したのだ。

「10分休憩」を「10分まで休憩」と聞き間違えたのかな、と思った。
それならそれで別にいい。
「いや、6分までって言ったよ。もういいから、早く座り」
と普通に促したが、いつまでも前の時計の前から動かず、
「10分ちゃうの? 10分やろ?」と繰り返して、明らかに授業の妨害をしている。

そうされると、ほんまは知ってたんちゃうん?という疑問もわいてくるし、
もうどっちでもいいけど、早く座れ!という気持ちにもなる。
周りの子も「せんせーは6分までって言ったで」と言って、みんな座って待っている。

「えー、10分ちゃうの?」とほんまにしつこいので(私はイラチだ)、
「いいからもう早く座りーや!あんたのせいでまた1分過ぎたやん!」
と言うと、急にすねだした。

この子は人に攻撃されることに異常なほどの反抗心を見せる。
それは前々から、他の講師とのやりとりを見ていても知っていて、
自分が間違っていようが、誰かに何かを「注意される」ということ自体に
異常なまでの「拒絶」を見せ、反撃してくる。

座ったものの、そこから私と言い合いが始まった。

「なんやねん、1分くらいで!」
「別に1分のことを言ってるんじゃないねん。あんたがいつまでも座らへんからやろ!」
「10分までと思ったんやろが!」
「だから、それは別にいいって言ったやろ!その後にしつこいねん」
「そういう言い方がいややねん」
「あたしも、あんたのそういう言い方がいややねん!」
「キモい」
「あんたのほうがキモいんじゃ!」

・・・・

と、まるで小学生のケンカである。

フォローの先生、おろおろ。
生徒は半分ニヤニヤ、半分ハラハラの顔で私たちを見つめている。

いつまでも埒があかないような気がしたので、
「わかった。もういいから、授業しよ」
と促すと、
「なんや、そんなふうに突然切って終わりですか!」
としつこい。
「じゃあ、どうしたいねん?!どうしたらいいの?私が何か間違ってたか?」
と言うと、

「言い方が嫌やってん!」と言う。

それを聞いて、一瞬にして、私のほうが冷静になった。

「わかった。ごめん。言い方悪かったな。もう授業していい?」
私が言って、授業を始めると、まだしつこくぶつぶつ言っている。

「しつこいねん!」
思わず、また怒鳴ってしまう……。

でも、一瞬戻った冷静さがまだ続いていて、息を吸い込んで優しく言った。

「遅れたのはあんたが悪いけど、私は言い方が悪かったな。ごめんな。気をつけるね。だから、機嫌直して授業やろな」

そして、なんでもないように授業を始めた。
目の端でその子をとらえたら、なぜかしゅんとしていた。
もう授業を放棄して真面目にやらないんじゃないかと思って覚悟していたんだけど、なぜか黙々と問題を解いて、こちらの質問にもちゃんと答えた。
反抗的な姿はなかった。
あれ?

帰りに、いつものように普通に、
「今日のプリントいる?家でやる?」と聞くと(最近、家で復習したいからプリント欲しいと言ってくるので)、
「あ、うん。もらう」と、普通にもらって帰っていった。

なんか、拍子抜け。

ほんまにただの子供のケンカか……?

また大人げないことしてもーたな……と思いつつも、
これでよかったんだという気持ちにもなる。

この子は、ワケあってお母さんと一緒に暮らしていない。
そのためか、情緒がものすごく不安定だ。
すぐにすねる、怒る、怒鳴る、人の話が聞けない、弱いものイジメをする、集中力がない……。
勉強に関しても、頭が悪いわけじゃないと思うのだが、落ち着いて基礎を固めていくということができない。
それは、小学校の基本的なことができていないからだ。
(たし算、ひき算、かけ算、わり算、分数、漢字等)

人からの攻撃を攻撃で防御しようとするあの姿は前から印象的で、
むかつくというよりは、なんだか痛々しく思っていた。
どうしてちょっとしたことで、「自分が否定された」と過剰反応を示すんだろうかと。
いつもこうやって、そのたびにいろんな人とやりあう。
学校でも先生に怒られることばかりなんだろうな……。
機嫌よくしゃべってるときは、かわいいし、面白い子なのに。

「言い方が嫌やねん」
というのを聞いて、この子には「善か悪か」じゃないんだ、と思った。
いつも他の講師にでも注意されるとこう言う。
「何?今の言い方?」とか。

人から非難される、怒られる、
その行為自体が気に食わないのだなぁ。

そう理解した瞬間、私も冷静になった。
自分が悪かったことを理解させる必要はないんだろう、と。
たぶん、知ってるから。
私が優しく言ってあげれば、それでよかったんだろうな。
キレやすいし、口が悪いからな、私は。

それで謝った。
そしたら、意外にも大人しくなった。
私があんなに怒っていたのに、急に優しくなって謝ってきて、
どう向き合えばいいのかわからなくなったのか、
それとも謝ったことに満足したのか、
それはよくわからない。
だけど、後に引きずらず帰って行ったのが意外だった。

ただ、もう怒ってもいなかったが、ご機嫌ではなく、
しゅんとして、へこんでいた。
それも意外だった。

自分で自分をうまくコントロールできない子供たちに出会うたびに、
なんだか淋しい気持ちになる。
悪い子じゃないのになぁ、と。

そして、こんなキレやすい講師に当たって、お気の毒。
一緒に組んでいる英語の先生がとってもいい人なので、まあ、いいか。

自己中心の生徒って多いのだが、
私は絶対に自己ちゅーを認めない。
なぜなら、私が自己ちゅーだからだ

「あの先生、自己ちゅー過ぎやろ……」
と生徒に認めさせれば、授業はとってもやりやすい(笑)。

生徒に好かれようという気もさらさらない。
ただ、自分が楽しく授業ができて、
みんなが機嫌よく授業受けて、ちょっとだけ賢くなってくれたら、
それで私は満足なのだ。
10求めてくる生徒に10返す自信はあるけど、
1しか求めてこない生徒に、善意で10を与えるような講師ではない。
だから、本当はこういう人間は、ものを教えちゃいけないのかもしれないな。

とりあえず、ケンカはもうやめなあかんね……
もういい大人なんやからさ……

何年やっても相変わらず。
ふぅ、また親に謝りにいかなあかんかと思ったよ……

淋しいけど、仕方ない。

2008-12-08 11:36:35 | 仕事
2年間連載で請け負っていたメルマガの案件が、今、終了した。
午前中に最終回を仕上げて送った。

やはり、2年も続けていた仕事なので、
どうしようもなく淋しい。

それも、私が好きなビールメーカーの、
ビールにこだわりをもった人へ向けてのメルマガだったから、
いろいろと思い入れもあった。

終了したのは、この販売サイト自体が終了になったからで、
私が役目からはずされたとか、そういうわけではないのだが、
ただ単純に愛着があったものを断ち切る淋しさ。

今はちょっとへこみ気味。

ぶつける場もないので、ここに書いて気を紛らわしている。

出会いがあれば、別れもある。
それはよくよくわかっているのだけど、
やっぱり「終わり」はいつでも淋しいな……

まあ、くよくよしても仕方がないので、
またその分、新たな案件に出会えるチャンスが増えたと思って
前を向こう。

さあ、今日はこれから守口で取材で、
帰ったら速攻、塾だ。

今週は予定がぎっしりなので、とにかく気合入れて、
一つ一つをクリアしていかなければ。
落ち込んでられないなー。

贅沢な休日

2008-12-07 22:23:26 | 生活
子供の頃、夏休みにおばあちゃんの家へ行った。
従姉妹と毎日遊びまくっていたら、大阪に帰る日はとても淋しかった。
あの頃はこれが「淋しい」という感情だとは知らなかったけれど。

今日はなんだかあの子供の頃の夏の日みたい。
今、少し淋しい気分でこれを書いている。

この2日間は、とても贅沢に過ごした。
こういう時間こそが、本当の「贅沢」なのだな、と思う。

予定や労働に追われることなく、
ただ、その時の気分で一日を過ごす。
特に何をしたというわけでもなく、むしろ無駄に使った時間もあるのだけど、
それでも、ただそれが「贅沢」と感じられる。

たぶん、これまでの人生で、そう何度もなかった時間の過ごし方。

走り続けて、走り続けて、走り続けてきたので。

この週末は、本当の「休日」だった。

土曜の昼、ふみこから電話がかかってきて、
ふみこの勤めているレストランの予約にキャンセルが入ったので、
よかったら来ないかと誘われた。
(うちの夫が行きたいと言っていたので)

急な話だったけど、よし、行こうということになって、
昼間からフレンチ&ワイン。
ふみこの友達ということで、いっぱいサービスしてもらえた。


前菜。とてもきれいで美味しかった。


メインの一つ。
鱧に大葉を巻いて蒸して、味噌ソースで。

休日の昼間に夫婦でこうしてフレンチを食べていると、
非常に贅沢をしている気分になる。
とても美味しくて、満足した。

そのまま家に帰らず、山崎で降りて、大山崎山荘美術館のほうへ。
ちょうど紅葉が美しい。





金曜の雨でかなり散ってしまっていたが、それでも最後の紅葉を楽しめた。
きれいなモミジを何枚か拾う。

「贅沢な時間やね」
と私が言うと、彼も「そうやな」と笑う。

きれいなモミジを探して拾うなんて、本当に贅沢な時間。

「空気が違う」と彼が言う。
私は、せつないほど、この土地が好きだと思う。

空気も空も木々も月も風も、みんな違うんだ。
生きていたら、いいことばかりじゃないけど、
どんなことがあってもここにいれば、また前を向ける。
そういう神聖なほどに澄んだ美しさをもった町だと思う。
まるで、物語のような。

それから、山崎のサントリーウイスキー工場でテイスティング。


日曜日なので、人も多かった。
私たちはもう見学は何度もしているので、真っ直ぐにテイスティングカウンターへ行く。慣れたもんだ。
そこで、気になるウイスキーをいろいろと。


空気は冷たかったけれど、空は青くてきれいだった。
ゆっくり歩いて帰って、お好み焼きパーティーをして寝た。

今日は朝起きてから今までほとんど何もしていない。
彼は昼から友達の結婚式二次会に行ってしまったし。

いろいろやりたいことはあったけど、なんだかもういいかなぁと思った。
洗濯や掃除や、そういう最低限の家事だけやって、
あとはずっとぼんやりしていた。

パソコンの電源も入れず。
漫才見ながらビール飲んで。

あとはずっと料理の本と、美味しいお店が載っている雑誌を見ていた。
夫がよく言う。
「ほんまに料理の本見るの好きやなぁ」と。
私はちょっと時間があると、すぐに料理の本を開く。
特に目的があるわけではない。
料理の写真を見て、作り方を見ているのが好きなのだ。
それから、美味しいお店の載っている雑誌。
ひたすら見ている。
食べ物を見ていることが何よりの幸せなのだ。
どんだけ食いしん坊やねん?と思うが、好きなので仕方がない。
延々と数時間眺めて、行きたいお店リストと地図に、気になるお店を書き込んだ。
これからどんどん行かなくては。

7時過ぎて彼が帰ってきて、近くのバーに行こうというので、行った。
ビールと焼酎を飲んで、ウインナーなどを少しつまんだ。

この間、ふみことも一緒に行った。
10時から行って、2時過ぎまでいた。
これだから町内にあるバーっていい。
そして、近所の友達はいいな。
主婦になってもこんな学生ノリみたいなことができて。

なんだか穏やかに静かに毎日が過ぎ去っていく。

帰って、日本酒を飲んでいたら、彼がもう寝てしまった。
私は今、これを書いている。
夏のイベントが終わる子供みたいな気持ちで。

明日からまたハードな生活が始まる。
この土日にやろうと思っていた仕事もできていないので、よけいにハードだ。
でも、今は不安は少しもなく、後悔もなく、
ただ、この贅沢な休日が終わることが淋しい。

特に何をしたというわけでもないし、お金をかけたわけでもないけど、
なぜか贅沢な休日だったと思う。
追われて、追われて、生活をしていると、何もしないということが何よりの贅沢なのだ。

体もそうだけど、何より心が休まった。
ストレスが何もない。
リセットするって大事だな。
最近、すごく意地悪な気持ちとか、攻撃的な気持ちとか、
イライラとか、退廃的な感じとかが自分から抜けなかったのだけど、
この週末で全部リセットされた気がする。

今あるのは、穏やかで優しい気持ちだけ。



明るい話題、ないですか?

2008-12-05 13:08:16 | 生活
テスト対策も終わったので、昨日と今日は朝もお弁当を作れたし、
昼間も本業のほうに力を入れている。

閑散期だなんて言っていたらそうでもなく、
思った通り、来週からは仕事がびっしりだ。
気合を入れなくては。

あれもこれも完璧にやろうとして、
自分をがんじがらめにして動けなくしてしまうのが
私の悪いところ。

それで、できない自分を責めて鬱になってしまうのだから、
やっかいこのうえない。

世間では毎日のように人員削減、解雇のニュースが伝えられている。
自分の周りだけ見ていると、そんなに不景気な感じはしないのだが、
広い範囲で見れば、そうなんだろうな。

あんなに大騒ぎしていたガソリンの値は、
今度は100円を切ったりもして。

とにかく何か世界は大きく動いているんだろう、ということだけはわかる。
末端にいると、動きはほんのちょっとなんだけど。

そういう情勢を見ていると、
いろんな価値観までもが不安定になってくる。

私もこれから先のことを、少しは考えないとダメだなぁと思い、
逆に、考えてもどうなるかわからない世の中だから無駄なんじゃ?
という気持ちにもなる。

とにかく最近は、将来に対して明るい話題(ニュース)がない。
自分の将来に希望をもてなくなった人たちによる自殺や、
変な犯罪が増えるんじゃないかなぁと、そういう不安もある。

派遣社員で突然解雇にあう人のショックはわかる。
わざわざ自ら選んで「フリー」という、
こんな不安定な道を進んでいる私でさえ、
突然契約を切られたり、取引先がつぶれたりするのはショックだったから。
仕事ぶりに落ち度がなければ、なおさらのこと。
本当にお気の毒だ。

とりあえず、今年は私もどん底から這い上がれたし、
年収もほぼ元通りになり、多少は貯えもできた。
ただ、来年はまたどうなるかわからないので、
稼げるうちにしっかり稼ぎ、そして、もう少し節約して貯金しよう。

そういえば、昨日取材に行った企業はよかったなぁ。
ソフト開発の会社。
10人程度の小さな会社だけど、ちゃんと企業理念があって。
社員が「やりがいをもって働ける環境」を考えてくれる社長さんだった。

毎月、3~5社くらい取材に行くけれど、
2ヶ月に1回くらい、「いい会社だな」と思えるところがある。
そういう会社って、「明るい」。
業界の波に関わらず、規模にも関わらず、「希望をもっている」ということだ。

業界自体が低迷していたとしても、決して守りに入らない。
規模が小さくても、そのことを卑下しない。
むしろ、逆手にとって「小さいからこそできること」を考えている。

そして、社長の志が高い。
企業の存在は社会貢献であると考え、
社員(とその家族)・お客様(エンドユーザー)・取引先(関わる全ての人)の利益を考えて動いている。

給与を見れば、30代でも年収500万円台と、決して高くはない。
だけど、いきいきした表情で働く社員を見ていたら、
つつましやかに、幸せに生きていく人生もいいな、と思える。

私はヤクザだから無理だけど(!)、
そういう人生を希望する人が回りにいれば、
ぜひ教えてあげたい企業がいくつかある。

私は相変わらず、
「年収を2倍にする方法、ないっすかね?
と堀先生に聞いている、つつましやかに生きられない人間だ

そうそう、私が取材先で声をかけてひのきに連れてきた悩める若者は、
このたび、めでたく就職が決まった
結局、塾業界とは関係ない企業だけれど、本当によかった。

おお、明るい話題があったな

『悪人』 吉田修一

2008-12-03 23:45:52 | 
先日、ようやく吉田修一の『悪人』を読んだ。

彼の作品はほぼ目を通してきたし、
いろいろな文学賞もとり、評判も良いこの本。
読みたい、読みたいと思いつつ、先日まで手が出なかったのは、
1800円という価格がまずある。
文庫本になるまで待とうかな・・・という気持ちがあった。
それから、もう一つ、手が出なかった理由はタイトル。
私は基本的にハッピーエンドが好きなので、
なんだかもう、いかにも悪い人が出てきて辛い結末になりそうな、
こんなタイトルの本を手にするのがちょっと怖かったのだ。

だけど、3センチくらいある分厚いこの本を買って、
3時間くらいで一気に読み切ってしまった。

悲しいとか、かわいそうとかいうのではないのだけど、
なんだか最後はやりきれなくて、
やりきれなさを拭うために、代わりに涙が出た。
読み終わった後も、しばらくぼんやりして、じめじめ泣いて、
何度もため息をついた。

人って悲しいなぁと、久しぶりに思った。
不器用に生きている人間の、なんと多いことか。

これから読む人のために、あらすじなどは詳しく書かないが、
この物語は一人の女性の死と、それに関わった男性の事件から始まる。
誰が主人公なのかわからなくなるほどたくさんの登場人物がいて、
それぞれの感情、気持ちが克明に描かれている。

『悪人』。
このタイトルに直接結びつけるべき登場人物はいるのだが、
読んでいる途中も、読み終わってからも、思うのだ。

一体誰が「悪人」なのか?

これはある種、人間の心理を問うゲームのようにも思える。

殺人を犯した者
殺人を犯す原因を作った者
殺人者の親
殺したくなるほど憎たらしい者
被害者やその親を笑う者
殺人者を逃げさせた者

さあ、この中で一体誰が一番の「悪人」なのでしょうか?

そんな心理テスト。
もちろん、それぞれの言い分があり、殺人にもワケがあり、
情を誘う場面もあり、人間らしい優しさも転がってる。

いろんな要素を総合して見たときに、
果たして誰を「悪人」だと思うのか?
そこに「正解」はない。
だから、心理テストだというのだ。

読んだ人に聞いてみたくなる。
ねえ、あなたは誰が一番の「悪人」だと思った?と。
その答えで、その人の価値観がわかるような気がするのだ。

もちろん、吉田修一がそんなことを意識して書いたとは思わないが。

最近の若手作家では、やはり吉田修一と伊坂幸太郎がすごいと思う。
伊坂幸太郎は完全に「伊坂ワールド」があるが、
吉田修一の面白さというのは、作品によって全く違う世界があること。

ミステリーもあれば、恋愛小説もある。
せつない青春小説もあれば、ハードボイルド系も。
同じ作者が書いたとは思えないほど、その作風は様々。
そして、かなり早いペースで新作を発表するにも関わらず、
一定レベルの質を保っているのが素晴らしい。

デビューして10年。
そこで、この傑作である。

次はどんなものを書くんだろうかと、いつも楽しみになる。
そういう作家だ。

ある一つの事件に関わった人々を描いた『悪人』。
それぞれが弱さや不器用さを露呈しているが、
どん底まで落ち、
そして、這い上がる姿もある。
「愛」を知る人もいる。
「人」というものが本来もっている、底にある「強さ」をふと感じる場面もある。

そこに、ひと筋の希望の光を見出した瞬間、
このやりきれない世の中でも、
どんな状況の中でも、
歯をくいしばって生きなきゃダメなんだと思えた。