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明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

今年ハマった「そら豆」料理

2011-06-08 13:54:14 | 美味しいもの
少し前になるが、5月のある日の食卓。



気分が乗ってくると、つい料理を作りすぎることがある。
この日もそうだった。

奥から、

・あらめの煮物
・かぶと油揚げの煮物
・粉ふき芋とそら豆
・サラダ
・自家製さつま揚げ
・ニラ卵スープ

さすがに1時間半くらいかかった

これが1人の食卓だなんて、もったいないね
帰りが遅い夫は、私がこんな豪勢に過ごしてることすら知らないのである。
(もちろん残り物は翌日のお弁当に入ったが)

私はさつま揚げが大好きなので、いよいよ自家製に挑戦してみた。
タラをすりつぶし、中にはごぼうとにんじんを入れた。
きんぴらのように味もつけておいたので、調味料は何もつけなくてもおいしい。
歯ごたえもなかなかよかった。

この春、そら豆の時期によく作っていたのは、この粉ふき芋&そら豆。
じゃがいもで普通に粉ふき芋を作り、そこにゆでて薄皮をとったそら豆を投入。
味付けは砂糖と醤油だけという、なんともシンプルな料理だ。

探したら、もう少し大きく撮った別の日の写真があった。
(ハマって5月だけで3、4回作った)



ちなみに右横は、豚肉を細切りにして油でカリカリに揚げて味付けし、レタス巻きにしたもの。
食感が新鮮でとてもいい。
(たぶん想像以上のカリカリ感!)

そうそう。
上の写真のお酒は、「床床。さん」にいただいた岩手土産。
私の好きな「よえもん 純米吟醸」。
とてもおいしくいただいた
(詳しくは酒ブログに書きます)

毎日こんなふうに、おいしいものを作って食べて、お酒飲んで暮らせたら、最高なんやけどな

春の食材で

2011-05-14 22:06:45 | 美味しいもの
春の食材はきれいなので、つたない料理でも写真を載せたくなってしまう。



今日のお昼は一人だったので、冷蔵庫にあった野菜をいろいろ煮込んだ。

レタス、グリンピース、じゃがいも、新たまねぎ。
あとはベーコンを加えてオリーブオイルで炒めて、ブイヨンで煮込む。
簡単だけど、食べるだけで健康になるような、さわやかな一皿。
今春初めてのグリンピース。

夜は、昨日のふきをきんぴらにした。(昨日は青煮をしたけど)



にんじんと豚バラ肉を少々。
鷹の爪も少し入れているけれど、基本的には甘めのきんぴら。(私好み)
ごま油といりごまを利かせて。

あとは、最近毎日食べているトマトと新たまねぎのサラダ。



最近、トマトが好きで仕方がない。
それも普通のトマトではなく、ミディトマトかミニトマトのとんがった形のもの。
今日はミニトマトのとんがったやつ。
冬の間じっくり育てたこだわり農家のミニトマトなので、フルーツのように甘い。
これと、同じく無農薬の新たまねぎをスライスして、さらに、去年うちで収穫したバジルの塩漬けを刻んで乗せた。
ドレッシングではなく、オリーブオイルと醤油を少し。
これがめちゃくちゃうまい。

よく「料理上手」といわれるが、謙遜ではなく(自分のモットーとして絶対に謙遜や遠慮はない)、自分のことを料理上手だと思ったことはない。
ただ、食べるのが「異常に」好きなだけ。
だから基本的にこんな簡単な料理しか作らないけど、めっちゃおいしい。
腕がなくてもおいしいものを作るために、素材と調味料と器にはめちゃくちゃこだわる。

本当においしいものはプロに任せて、本当のプロ料理人のものを食べたらいいと思っている。
素人がそこそこおいしいものを家で食べようと思ったら、素材にこだわるしかないわけで。
あとは、自分の舌とセンスか。技術ではない。

時間ができたら、カルチャースクールみたいなのでいいから、本気でお料理を習いに行ってみたいと毎年思っているのだけど、なかなかそういう機会もなく・・・

最近、新レシピもないので、もう少しお料理をがんばりたいな
あー、とりあえず、仕事が終わりません。がんばる。


日常を日常として過ごすことのひっかかり

2011-03-25 13:48:39 | 美味しいもの
仕事が一段落したら温泉に行きたいと思い、金沢のパンフをそっと夫の机の上に置いてアピールしておいた。

すると、夫が私の部屋に入って来て、「温泉は行けなくなった」と。
「え。なんで?」

「募金したから」

!!!

温泉旅行用にとっていたお金を全部募金したというのだ。
「全部しちゃった……!しちゃったよ……!」と、自分でも若干、興奮している様子の夫……

怖いので、いくらあったのかは聞かないことにした。
まあ、「温泉に行ったつもり募金」ということで、いいかな。

これは「自粛」ではない。
うちのようにローンを抱えた一般庶民家庭が、まとまったお金を募金しようと思ったら、何かをあきらめないとそのお金は捻出できないのである。
柳井さんみたいに、個人で10億円もできるような資産がまずないのである

やっぱり金持ちにならないとあかんな……としみじみ思う今日この頃。
そう思いながらも、地道に文章を書いて、売り歩くしかないというしがないライター

我が家の例のように、「~つもり募金」はいいが、自粛はダメだと思う。
もちろん、むやみにバカ騒ぎをする必要もないし、無理やりお金を遣う必要もないが。

日本経済が心配で仕方がない。
元気な人々まで自粛していたら、本当に日本は沈没してしまう。

一昨日、仕事をいただいている会社の社長さんと打合せをして、その後、そういう話で盛り上がった。
同じような考え方でよかったと思った。

「今、我々ができるのは、目の前にある自分の仕事を一生懸命やることでしょう。それでまたお金が入れば、募金もすればいい」

社長がそう言ったので、私も深く頷いた。

そして、この日は、また社長においしいものを食べさせていただいた。
北新地で、社長も初めて行くお店。
大将は「喜川」で修業された方と聞き、わくわく

「割烹 さか本」

店の大きさの割りに、大勢の板前さんが働いていて、活気があった。
カウンターに座ると、手書きの長い長いメニューが……

写真を撮りたかったけど、こんな高そうな店で携帯を取り出すのもはばかられ……

「好きなもの注文していいよ」と社長が言ってくれたけど、値段が全く書いていないので、怖くて注文できない

「どうぞ、私なんでも好きなので、お任せします!」と言うと、
お造り盛り合わせ、フグの白子の塩焼き、蛍烏賊の木の芽田楽、蓮根まんじゅうを注文してくれた。

社長、素晴らしい!

私はフグの白子がこの世の中で何よりもおいしいと思っているくらい、大好き!
ふわふわの大きな白子が出てきたときは、本当に嬉しくて涙が出そうになった。

お造り盛り合わせも、鰹、オコゼ、鯛、イカなど、とても新鮮でおいしい~

しかし、大好きな白子よりも強烈に旨かったのは、蛍烏賊の木の芽田楽!
蛍烏賊が3つ串に刺さっていて、その上に田楽味噌と木の芽が乗っている。
これがまあ……

たまらんっ!!

蛍烏賊の濃厚な旨味と田楽味噌が香ばしくまろやかに合わさって、さらに木の芽がいいアクセントになっている。
この絶妙なハーモニーにやられた。

「酒が進むねぇ」と社長。
「酒が進みますねぇ」と私。

日本酒があまり種類がなく、高知の「船中八策 純米」を冷やで。
こりゃ、酒とあわせると、またたまらん。

それから追加で、鯛の子の卵とじ、焼きアワビ、山菜の天ぷらを注文。

心の中で「鯛の子、鯛の子、鯛の子……」と願っていたら、社長が「鯛の子」と言ったので、飛び上がりそうだった

「私、鯛の子って思ってたんですよ~」と思わず言ってしまった。
それくらい、心の中を読まれたのかと思ったほどのタイミングだった。

アワビもおいしかったのだが、横に付け合せてあったアスパラをクリーミーなソースにつけて食べて、「菊姫 山廃純米」に合わせるのがまた旨かった。

山菜の天ぷらも、10種類くらいを1つずつ揚げてあって、すごく贅沢な感じ。
大将自ら採りに行ったものもあるとか。
野蒜なんて久しぶりに食べたなぁと思った。

どれもこれもおいしく、また大将も優しそうな人柄で、お店も活気があって明るくて、とても気に入った。
残念なのは値段がわからないので、自分では「また来よう」と思えないところ……

おいしいものをご馳走になって、幸せ気分いっぱい
ふわ~っとしていた。

社長のお話もいつも面白く、時間があっと言う間に過ぎる。
哲学や経済、スーパー業界の話などをいろいろ聞いて、また勉強になった。

「いつもごちそうになって、すみません」と言うと、
「いやいや、こっちがおいしいもの食べたいだけやから、また付き合って」と言ってくださる。

あー、私はなんて恵まれているんだと、心の底から感謝する。
そして、社長のところの仕事を一生懸命やらせてもらうのは当たり前だけど、私も自分より年下の人たちには還元していかないといけないなと思う。

私は昔から、仕事場の年下の人を食事に連れていってあげるのが好きだ。
たぶん自分じゃあまり行けないだろうなと思うお店に連れていって、ご馳走してあげる。
でも、それは、私もそうやって、年上の人たちにかわいがってもらってきたからだ。
だから、私がご馳走してあげた人たちも、また自分の後輩ができたときに、同じようにちょっとイイモノをご馳走してあげてほしいなと思っている。

この日も、社長にたくさんお世話になった分、また誰かにお返ししたいなと思った。

結構長居して、そろそろ帰ろうか……となった時、5、6人で来ていたサラリーマンの団体さんが先にお勘定していた。
団体が先に外に出て、それを取り仕切っていた社長さんみたいな人が支払いをしていた。
大将と話していたので、何気に見ると、ナニワ金融道に出てきそうな、いかにも大阪の「社長!」みたいな人だった

仕立てのいい、ちょっと濃くて太目のストライプの入ったスーツに身を包み、
少し色の入ったサングラスをかけて、セカンドバッグを持っている……みたいな

接待なのかな。
それにしても、羽振り良さそう……
不況だといっても、新地でこうやって団体の支払いする人もいるんやよね。
こういうナニワ金融道みたいなおっちゃんが、経済を潤してくれているのか。

同じ日本で、おにぎり1個で寒さに震えている人がいる人がいることを思い出し、白子やアワビを食べていた自分を少し後ろめたく思ってしまった。
こういう気持ちはかえってよくないと思うのだけど。
でも、そういう気持ちを抱いてしまうことも、また健全だとも思ったり。

日常を、日常として過ごすことの難しさが今はある。
いちいちこういう「ひっかかり」を処理しなければならないわけで。

世界があんなにも日本に同情し、人やお金やモノを贈ってくれる一方で、リビアを攻撃しているという……、わかるんだけど、わからない「事情」。
それを考えている時と、今の自分が抱いた想いが似ているな、と思った。

いろいろと複雑な気持ちを抱えつつ、しかし、楽しくおいしい時間を過ごさせてもらって、本当に嬉しかった。

また、一生懸命仕事しよ。

家に帰ると、いろんな意味で気が晴れていた。
最近、調子悪かったけど、もう大丈夫だ。
私の中のブルーな時間はまた通り過ぎた。

イライラは、もうない。
全ては小さなことだった。


たまに行くならこんな店「日本料理とくを」

2011-02-07 23:16:21 | 美味しいもの
金がないと言いながらも、食道楽はやめられない
洋服も鞄もガマンするけど、おいしいものはガマンできない。

「最悪はドラえもん貯金があるねん
と、この間、あやに話した。

※注※ 「ドラえもん貯金」とは、ドラえもんの貯金箱にためている500円玉貯金のこと。

「いくらあるの?」と聞かれ、

「なんと、35000円もあった!あー、これでしばらく安泰って思ったね」
と嬉しそうに言うと、

「かおりちゃんは、35000円あったら安泰って思うんやねじゃあ、1万円やったら?」
と聞かれたので、ちょっと考えてみた。

「1万円はあかん。怖い。1回飲みに行ったら終わるやん

「ふうん・・・」←あや

あやが何を思ったのかはわからなかったが、「かおりちゃん、大丈夫かな?」って思っている感じはした(笑)
大丈夫やねんなー、それが。
食道楽をするためにカツカツの生活やけど、まだドラえもん貯金には手をつけていないし。(カツカツの使い方をよく間違えているといわれる)

と、そんな会話も行われた土曜日、あやとふみこと3人で京都においしいものを食べに行ってきた。
本当は忘年会のはずだったのが、延期されて新年会になり、また延期して2月になり、ようやく行けた。
3人で年に一度は贅沢をしようという会だ。

選んだのは、「日本料理とくを」。
http://tokuwo.com/

2年前くらいに中野と行って、機会があればリピートしたいと思っていたお店。
お酒を少々飲んで1万円くらいで収まる。

例によってデジカメ壊れ中なので、ボロい携帯で撮ってるから、写真はイマイチ。
そのうえ、パソコンに取り込むの面倒やから、数枚セレクト。

でも、お造り綺麗やな~


お造り


若竹煮


ぐじのカマ焼き


鯖寿司


天ぷら(かに、こごみ)

ぐじが最高やったな~
あと、筍とかこごみとか、春の食材がなんだか嬉しかった。
春も近いんだなぁと思うと、気持ちが明るくなる。

このお店は京都らしい雰囲気もいいし、ご主人(徳尾さん)も素敵。
着物を着た女性が上品にお酒をついでくれるし、
「あー、毎日こんな暮らしがしたいねぇ・・・」と思う。

まあ実際は、「たまに行くならこんな店」って感じだけど。

料理もおいしかったし、おしゃべりも楽しかった。
その後はサントリーバーでもう1杯。
ここは気兼ねなくしゃべれてよかった。

夫が東京に行って一人だから、「お風呂に好きな時間に入れるのがいい」と言うと、
同意してくれるかと思ったら、

「好きな時間に入って追い焚きしたらいいやん?!」と言われた。

一瞬、頭の中が真っ白に・・・

「でも、もったいないから・・・帰って来る時間に合わせて冷めないように入るねん」と言ったが、

「そんなん10円もかからへんで?」
「それでストレスになってるなら、追い焚きすればいいやん?」
「追い焚きできるんやろ?」
「好きな時間に入って、あとを自由にしたらいいやん?」

と二人に言われ・・・

開眼した!

「二人に言われるまで、考えたことがなかった・・・冷めるともったいないって、それしか考えてなくて・・・」

と、頭がはっきりしてきた私。

そうやんな、10円もかからんやんな・・・
10円としたって、毎日追い焚きしても月にプラス300円やん・・・
そんな節約してる人間でもないのに、なんで追い焚きだけこだわってたんやろ・・・
好きな時間に入ればストレスないやん・・・
なんでそんな考えが浮かばなかったんやろ・・・

自分のアホさ加減に、さすがに驚きを隠せなかった
人間って、不思議やね。
完全に思い込み・・・
「追い焚き」⇒「ガス代が2倍くらいになる」⇒「もったいない」と思い込んでいた。

二人になぜか「ありがとう、ありがとう」と言って帰った。

いやはや


なんとかなると思えたクリスマスの夜

2010-12-26 22:05:49 | 美味しいもの
最近仕事しかしていない忙しい夫のために、イベントくらい楽しんでもらおうと、
25日の夜はおいしいクリスマス料理を作ろうと計画していた

土曜日だというのに、まだ家で仕事をしている夫・・・
毎年、おうちクリスマスはやるけれど、今年は自分がヒマなこともあって、気合が入る
朝からまた塾で来られない講師の代わりの授業をした後、急いで買い物して帰って料理!

結果、今年はこんな感じのディナーになった。


クリスマスを意識した、赤と緑カラーの料理が今年のテーマ。

前菜


左奥の赤いのは、タコのカルパッチョ。
紅いパプリカのソースをかけて、その上からパセリのみじん切りを散らした。

左手前が、白身魚と野菜のテリーヌ。ソースをかけて食べる。
白身魚はタラを使った。
タラと卵の白身を撹拌し、生クリームとコンソメ、海老、大根、にんじん、いんげんを混ぜて、
ラップで包んでレンジで蒸す。

右は3種盛り。
スモークサーモンとロースハムは、市販の物。
手前はプチトマトとモッツァレラチーズ、バジルにオリーブオイルをかけて。
バジルは夏に収穫したのを塩漬けにしておいた。

鯛のアクアパッツァ


こちらも、プチトマトとアスパラで赤と緑を添えて。
アサリから出た出汁が全体をまとめている。
鯛もホクホクと身が柔らかく、おいしかった。

クリスマスの定番、ローストチキン


今年は別のチキン料理にすると言ったら、夫に「お願いだから、ローストチキンにして」と言われた。
これを食べると「クリスマス!」って感じがするらしい・・・
まあ、確かにね(笑)

揚げ物2種


テリーヌで使った海老が余ったので、海老フライに。
自家製タルタルソースを添えて。
このタルタルは、自分で言うのもなんだが、めっちゃ旨い。
これがあるだけで、安物の海老もぐんとおいしくなる。
左は、カレー風味のフライドチキン。
カレー粉、白ワイン、ニンニクなどに漬け込んで揚げている。

もう夫は大満足
スパークリングワインと赤ワイン、ビールが一気に空いた。

ここから二次会

ティータイム


普段は「美術館」と呼ばれている、我が家のガラスケースに収められている柴田雅章氏のティーセットで。
このティーポットは、本当に素敵。
私の宝物だ。

ブッシュ・ド・ノエル


まあ、素人なんでいろいろ失敗したが、とりあえず……
やっぱりオーブンの温度管理が難しくて。
今回も少し火が通り過ぎた。

でも、夫はすごく感激してくれた

そして、ここから三次会



チーズ4種盛りとウイスキータイム。
少しだけ残していたグレンリベット18年も、カラになった。

R&Bのクリスマスソングを流して、
おいしい料理とお酒で
二人で過ごすクリスマスの夜
楽しかった。
幸せだった

料理をしていると、なんだか無心になって、モヤモヤも吹き飛んだ。
いつも改めて思うことなんかないんだけど、なぜか料理をしていたときに、
「やっぱりモノを創るのが好きなんだな」と思った。
どうしてかな。

夫がニコニコしながらおいしそうに食べてくれるのを見ても、心安らぐ
ちょっと心が弱っているからか、思わず涙ぐみそうになって、ぐっとこらえる。

毎日いろいろあるけれど、なんとかなるかと思えるのは、こんな夜。
明日、元気になれ

突然消えた行きつけのお店

2010-12-13 12:06:02 | 美味しいもの
私が好きなお店の一つに、福島の「福の家」がある。
ちょっと無骨で職人肌の大将が作る割烹レベルの料理が、居酒屋価格で食べられる。
お店も気取りすぎず、かといって居酒屋風でもない、ちょうど中間の雰囲気が使いやすく、何度も通った。
日本酒も厳選されたものが5、6種類。
それもたっぷり1合で600円程度という良心的な価格も嬉しい。

そして、何より好きなのがここの女将さんで。
シュッとした美人なのに威勢がよく、気さくで、割とガンガンものを言う。
年に2、3回しか行かないが、すっかり顔馴染みになり、カウンターに座るとよく話しかけてくれた。

土曜日の夕方、仕事に行った夫から電話。
「なんかおいしいもの食べたい!」
「じゃあ、福の家行く?」
「うん!予約しといて!

ということで、急遽、外食が決まり、予約の電話を・・・

すると、

「現在使われておりません」

えっ!

もう一度かけたが、やっぱり同じ。
ネットで検索をかけて、もう一度調べたが、同じ電話番号だ。

結局つながらなかったのだが、心配だったので夫と「とりあえず行ってみよう」ということになった。
店に着くと、シャッターが下り、暖簾や電灯もなく・・・
明らかに閉店した様だった

とにかくショックでショックで・・・

自分のお気に入りの店がなくなったということもそうだけど、
ご夫婦でやっているお店が突然なくなるって・・・何かあったんだろうかと、心配で

10月半ばに酒のイベントで大月酒店に行った時、福の家さんからのお料理が酒の肴として出されていて、
「きっとここの酒屋さんからお酒を卸してるんやね」と夫と話していたことを思い出した。
だから、少なくとも10月までは普通に営業していたと思うのだ・・・

どうしたのかなぁ。
大月さんに聞いてみようかなぁ。
もし、どなたかご存知の方がいらっしゃれば、教えてください

そんなわけで、この日は行く店がなくなった。
忘年会シーズンの土曜の夜ということもあり、福島もかなりにぎわっていた。

福の家さんの斜め前に某焼鳥屋がある。
ここはミシュランの1つ星になったというお店で、焼鳥屋の熾烈な闘いがある福島において№1との噂。

予約ないと無理だろうと思いながらも、時間が8時前ということもあり、
入れ替わりでうまく入れるんじゃ・・・と、夫がドアを開けて聞いてみた。
すると、空いているとのこと。

え?そんな簡単に?

入ると、狭い店に3組分のスペースが残っていた。
それを見て、なんとなーく嫌な予感がよぎる。
「福の家」さん、やっぱり経営が苦しくなったんだろうか・・・

久しぶりに福島の駅に降りて、ここまで歩いてくる道のりでの店の数!
どんどん新しい店ができていた。
「福の家」の横も店が新しくなっていたし、正面はちょうど建築中。

ミシュランに載ったというこの店で、12月のこのシーズンにこの客数。
たぶん福島はもう店が飽和状態なんだろう・・・
そのうえ、デフレ時代。
いくら良心的な価格といっても、割烹の店構えのお店には入りにくかったのかもしれない。

数年前に、「福島はおいしい店が多い!」「キタの穴場!」「今、福島がアツイ!」と
本当においしいお店がいくつも評判になり、私もこの辺りには5、6軒、好きなお店があるのだが、
とにかくこんなにたくさん店数はなかった。

「とびきり安くて、ほどほどに旨い店」というのが世の中多すぎる。
今の時代にこういう店に打ち勝つのは、なかなか難しいんだろうなぁ。

ますます福の家さんのことが心配になりながらも、とりあえず焼鳥をいただく。
しかし・・・
メニューの値段を見てびっくり!
普通の焼鳥の1串が、250円~300円!

こんな高いの!

夫も同じことを思ったようで、二人とも注文が進まない。
せせり、三角、ねぎま、ささみのお造りなどを注文したが、なんとなく気持ちが重い。
焼鳥って、普段気軽に食べられるものというイメージがあって、それが1串120円~200円くらいなんだよなぁ。

とはいえ、いい素材を使って、すごく丁寧に焼いてくれているのは、食べた瞬間にわかった。
すごくおいしい。

たぶん、素材や技術から言えば、妥当な価格なんだろうなと思った。
それはお店がプライドをもってやっていることだし、
この価格でも評判の店で、ミシュランにまで載ってしまうのだから、たぶん正しい。

でも、私個人がリピートするかといえば、しない。
人に勧めるかといえば、積極的にはしない。

それは、なんというか、カテゴリーの問題が1つ。
先ほども書いたように、焼鳥は私にとって安く済ませたいときに食べるものだから。

それともう一つはコスパの問題。
通常の焼鳥の1.5~2倍の価格であるなら、1.5倍~2倍のおいしさがほしい。
それなら納得する。
でも、そこまではいかなかった。

私も夫も、yaoyaさんで食べさせてもらった焼鳥のおいしさを思い出していた。
口に入れた瞬間、これが焼鳥かと疑うほどの旨さ。
目を閉じ、しっかり味わって、幸せになっていくあの感じ。
衝撃的な旨さで、しばらく忘れることができなかった。

この値段だと、やっぱりそういうものを期待してしまう・・・

お酒はいろいろ良いものを置いていて、種類も多かった。
房嶋屋の純米吟醸をもらって飲む。
夫は王禄のにごり。
ワインもいろいろあるようだった。

私と夫は「失敗したな、この店」と思うと、早々に引き上げて2軒目を目指す。
この時も暗黙の了解で、ほとんど注文もせず、1時間そこそこで店を出た。
たいして食べてないのに、6000円近い金額を払い、なんとなく落ち込む二人・・・

おいしいんだけどね。ほんま
いつももっと高い料理も食べてるけどね。
でも、そういうことじゃないんだよなぁ。
なんか、店の雰囲気も、楽しくなかったんだよ・・・

気を取り直して、夫が前から行きたかったという、堂島にある「酒肴人」へ。
お料理屋さんでも居酒屋でもなく、BARだという。

確かに照明は落としてあって、広めのカウンターがあり、中にはお酒の瓶がズラリと。
店は結構広く、ダイニングバーみたいな感じ?
ちょっと高級感もあり、好きな雰囲気。
入るだけでテンションが上がる

日本酒がいろいろあるということだったので、「日本酒を・・・」と言うと、
ここの親方(親方と呼ばれている)が「どんな味がいいか、銘柄じゃなく好みをおっしゃってください」と。

えーっと、じゃあ、純米で、やや辛口で、飲み口はすっきりと、でも米の旨味はしっかりと残っているお酒。

そんなふうに言うと、「ちょうどいいのがあります」とお酒を注いでくれる。
・・・ほんまにちょうどいい!
米鶴やったかな?ラベルが限定っぽかった。

そして、付き出しの小鉢みたいなのがトレイにいっぱい並んだのを持ってきてくれて、好きなのを選ばせてくれた。
あー、こういうのも好き
お豆とひじきを炊いたのをもらった。

メニューを見ると、「BARです」というだけあって、「お料理」ではなく「酒の肴」!
やばい・・・
こういうのつまみながら、ひたすら好きな日本酒やウイスキーを飲むのが私の一番好きなスタイル。

夫がお造り食べたいというので、盛り合わせを注文。
旨口のお酒にお造りか・・・とちょっと不安に思っていたら、



全部、味付き!!

左から、つばす、鯖、ぶり、サーモン、鰆。
辛味大根を添えてあったり、柚子で和えていたり、炙ってすだちを搾ったり・・・

なるほどなぁ。
ちゃんと旨口の酒に合うように考えられている。

お造りの味自体は、まあ普通においしかった。
(とびきり旨いというわけではない)

とりあえず、メニューが飽きない!(笑)
注文するわけでなもないのに、何度もメニューを見てしまう。
「これ、どんな味やろ?」
「なんかおいしそうやな」
そういう食欲と想像力をかき立てるようなメニューなのだ。

親方も怖そうだけど、しゃべったら優しかった。
それに、他のスタッフの男性がすごく親切で、愛想がよくて、気持ちよく過ごすことができた。

おかげで高い焼鳥のことも忘れられ・・・
「また来ます」と告げて店を出たが、たぶん本当にまた行くと思う。
料理メニューは多いが、ガッツリ食事をするよりも、2軒目にBAR使いするのが良さそう。
だって、高いもん・・・
日本酒は値段がなかったが、たぶん120mlで1000円くらいしてるが、
BAR価格やと思えば納得できる。

1串250円の焼鳥でびびるのに、なんやろね、これって。
やっぱりお店って総合だから。相性もあるし。
安ければいい、おいしいものが食べられたらいい、というわけでもないんやなぁ。
お金払って店を出た時に
「あれでこの値段か・・・なんか損した気分」と思うか、
「高かったけど、満足!」と思うか。
雰囲気とか、空気とか、そういうのも大事やと思う。

しかし、楽しかったのだけど、やっぱり心のどこかで福の家さんのことがひっかかっていた。
なんか淋しいなぁ・・・
女将さん、元気でいてくれるといいのだけど

冬のある日の食卓

2010-12-05 15:20:40 | 美味しいもの
この2週間くらいはあまりお酒を飲まなかった。
なんと4日連続禁酒という偉業を成し遂げたし
先週も1日だけは禁酒した。
これからこうやって少しずつお酒の量を減らしていこうと思っている。

しかしながら、おいしい料理があると飲まないわけにもいかず・・・
その辺りが難しいところだ。

私の作る夜ご飯は、居酒屋メニューのようなおかずなので、どうしてもお酒が必要になってくる。
例えば、メインと味噌汁と小鉢とご飯・・・みたいな定食風のご飯がほとんど出ない。
洋食も、土日のお昼にパスタやカレーを作る程度で、夜ご飯には出さない。
例えば、夜ご飯がオムライスやハンバーグなんてことはありえないわけだ。



↑これは、つい先日の一人おうち居酒屋。
奥に見える鍋は、白菜と玉ねぎと豚肉をお出汁で炊いて卵とじにしたもの
あとは、トマト、かぼちゃ、ブロッコリー、春菊、レタスのサラダ
ゴボウのから揚げ
豚肉とピーマンの炒め物

日本酒は愛媛の「石鎚」純米吟醸。
これは馴染みの酒屋でアウトレットの物を買ったので、安かった!
ここのお酒は優等生っぽいきれいな味わいの中に、しっかり芯の通ったお米の旨味があり、
開封して3日目くらいから非常に味がなじんでくる。
吟醸でも華やかすぎず、食中酒としても力を発揮してくれる。

いいお酒だ~



↑こちらは一昨日
夫が仕事で9時になっても帰って来なかったので、結局また一人・・・



前に塾でもらった鯛を解凍して、ゴボウと甘辛く煮付けた。
これ、ヤバイ!
酒が進みすぎ!
焼いてから煮付けているので、皮のところが香ばしくて、また甘辛い出汁を吸って・・・
これはたまりません!



この時期になると毎週白菜が届くので、毎年新たな白菜レシピを考えるのだが、
これは毎年恒例の「白菜と豚肉のみぞれ煮」。
さっぱり食べられるし、あったまるし、おいしいのだ



里芋サラダ

夫は里芋が好きじゃない・・・と言って、含め煮にしても全然食べてくれないのだが、
このサラダにしたら、「おいしい!」って言っていっぱい食べてくれた

里芋嫌いのダンナさんのいる方へ、レシピ

里芋4個くらいは皮をむいて、塩もみしてぬめりを取り、輪切りにして電子レンジで4、5分。
(柔らかくなるまで)
玉ねぎを大きめのみじん切りにして、水にさらして水気をふいておく。
マヨネーズ(大さじ2)、辛子(少々)、薄口醤油(小さじ1)、ブラックペッパー(少々)
を混ぜて、里芋と玉ねぎに和える。
出来上がり!

簡単で旨いのだ。
私はマヨネーズって、そのまま食べるのはちょっと無理なんだけど(野菜にかけるとか)
こうやって醤油とか、かつおぶしとか、和風の調味料と混ぜるとすごく好き

この日のお酒は、新潟の「根知男山」純米吟醸。
こちらも新潟のお酒らしいきれいなタイプのお酒だけど、淡麗辛口という意味ではなく、
しっかり米の旨味があっておいしいお酒だ。

上機嫌で「酒、止まらんわ~!」とか言いながら一人宴会を続けていたら、夫が帰宅
結局この日も帰って来たのは夜中12時だった。

ほんまによく働く人だ!!
朝は普通に出勤して夜中まで毎日働いてるし、ピーク時にはこうやって土日も出勤することがあるし、
東京出張もだんだん増えてきた。
だけど、この人を偉いなぁと思うのは、いっぱい働くことじゃなくて、
愚痴を言わないこと。
そして、疲れて帰って来ても、私の顔を見たら、嬉しそうにニコニコしてくれる
そのたびに、「ええ人やな~、私にはもったいない人やな~」と思う。

私はといえば、今朝も夫が私のスリッパを履いているだけでキレていたというのに・・・
(だって、めっちゃお気に入りのやつやねん!)

この日、帰宅後は夫も「これはヤバイ!酒が止まらん!」と二人で飲み続けた。
1、2時間だったけど、今週末も一緒にご飯を食べられたことに感謝

忙しい日々を彩るおいしい時間

2010-11-24 19:12:39 | 美味しいもの
忙しいような、そうでもないような、そんな日々。
ただ、いつも思うように生きられなくて、「無駄に時間を過ごした感」だけが1日の終わりに残る。

予定通り、11月後半はいろんな仕事が重なってきて、とりあえずバタバタはしている。
新しい仕事の話も紹介していただき、金曜日に顔合わせの予定。
大きな仕事ではないが、隔月レギュラーの仕事なのでありがたい。

まだお話を聞く段階で、受けるかどうか(私に務まるのかどうか)わからないけれど、
新しい人脈を築けるというのは、それだけで嬉しいこと。
メールでの感じもいい印象なので、うまく仕事に繋がればいいなと思っている

   *    *    *

11月前半の、まだ記録していなかった話を。

14日の日曜日に、夫と河原町へ買い物へ行った。
靴など、夫の身の回りの物を買うのに付き合った。

買い物を終えて、何か食べようか・・・となったが、日曜日は行きたいお店がみんな休み・・・。
結局、また「なな治」へ行った。
この店が本当に私は好きだ。
カウンター7席と、4人掛けのテーブルが1つの小さなお店。

絶対注文しなければならないのは、「串揚げセット 7本」。
前にも書いたと思うが、普通の串カツのレベルじゃない。
あれはもう、割烹料理だなぁ・・・
ホタテの貝柱に見立てたえのき、鯨のコロに見立てた生麩など、遊び心もいっぱいで。
手が込んでいるのに、7本セットで1350円というお値段も素晴らしい

串揚げはいつも1セットしか頼まないので、夫と取り合いになる。
いつも「2セット頼めばよかったな」と後で言うのだが、他のものも食べたいので、つい1セットにしてしまう。

他のメニューでおすすめは、「ゴマ豆腐の揚げ出し」


とろとろの食感と、ゴマ豆腐の味わいがたまりません。



この日のお造りは、太刀魚。



鰆の味噌漬け。



雲子と九条葱のステーキ。

どれもめちゃ旨い

それに、日本酒もいいものを結構置いているのだ。
この日は、「作」や「不老泉」などをいただいた。
ほんま満足じゃ

私は夫と一緒においしいものを食べて、お酒を飲んでいる時間が一番幸せ。



ちなみにこれは、夕べの我が家の食卓。
「雁木 純米 一つ火」をお燗にして。


受ける手と、与える手

2010-11-17 22:58:55 | 美味しいもの
またまた先週の話。

金曜日に、かどやと飲みに行こうということになって、
「びりけんに行きたい」というので、予約した。

結論から言うと、
ま~~~、堪能した!!
やっぱり満足度が違う。

前日に禁酒していたのと、
「絶対に飲みすぎない!」と強い決意があったのとで、
この日はかなり少量・ゆっくりペースでお酒を飲めた。
その分、久しぶりに食欲爆発で、マスターにも
「かおりちゃんがこんな食べるの久しぶりやな!」と言われた。

食べたもの↓
・バゲットにクリームチーズと干し柿
・むかご
・枝豆(黒豆)
・ハヤトウリの梅和え

ここまででまだ前菜

・カツオのお造り
・ホタテのムース
・2種類の野性のきのこの椀物
・インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物
・セコガニ
・チーズのピザ
・イワシの香草焼き
・ボンジリのシナモン風味の焼き物
・スパイシーな手羽
・大根と鰤のあら煮
・ローストビーフ
・自家製生ベーコン
・しらす丼

以上!
ざっと17種類!!

どうや!見たか~!!という感じの食べっぷりである。
基本的に私はお酒を飲み始めると、物をあまり食べない。
逆に、お酒を控えるといくらでも食べられる。

最近、かどやと一緒にびりけんに行くと、かどやのペースにつられて飲みすぎて、
だいたい気持ち悪くなって途中から何も食べられなくなる・・・というのが常だった。
でも、お酒をセーブすればまだまだ食べられるということがよくわかったなぁ。

いつも通り、全部おいしかったのだけど、今回の№1は何と言っても
「インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物」である。


このなんだかよくわからない組み合わせ!
柿とブルーチーズって・・・と、これだけでやや気持ち悪いのだが、
まーーーーー!!この旨いこと!!
ブルーチーズの塩加減と、柿の甘味と、それに自家製ベーコンの風味と脂が混ざって、これがもう絶妙だった。
いつも通り、調味料はほぼゼロだと思う。
これは、家で自分でやっても絶対に無理。この味は出せない。
なぜなら、自家製ベーコンがないから。
この自家製ベーコンがすべての味を決めているのだ。
ほんまに、これは椀物に入れても、生で食べても、ポテトサラダに入れても、素晴らしい能力を発揮する。万能。

思わず、「おかわり!」と言ったら、かどやに止められた

あと、いつも言うことだけど、椀物は本当に重要。


びりけんの椀物は、優しい、やさしい、本当にやさしい味わい。
野菜って、きのこって、こんな味だったんだと、気づかされるような、そんな椀。

セコガニもうまかったなー。
今年もカニ解禁か。


イワシが黄金色に光っているのにも驚いた。

びりけんの料理は、いつだって、きれい。美しい。食べるのがもったいないほど。
食材が生きてる。


かつおのお造りはもう・・・何これ?!っていうくらい、
旨味があって、柔らかくて、脂がのってて・・・たまりません。


びりけんのピザも大好き!
チーズだけのシンプルさがいい。


これはもう外せない。
ローストビーフと生ベーコン。


滅多にシメを食べない私が、久しぶりに食べた。
しらす丼~
ごま油がきいてて、おいしい!

この日、珍しく、私はお酒を小さめのぐいのみで、4杯しか飲まなかった。
2合くらいかな?
かどやは日本酒だけで私の倍くらい飲んで、さらにワインもなみなみとグラスに注いだのを3杯くらい飲んでいた
あまりにペースが速かったので、心配になったほどだ。

今回、びりけんに行ってよかったのは、おいしかったのはもちろんだけど、すごく素敵なものを手に入れられたこと。

トイレに、山田喜代春さんという方の版画がいっぱい飾ってあって、
私はそれを見るのがいつも楽しみなのだけど、今回の新しい版画は「吾亦紅」のことを描いたものだった。

私は吾亦紅がとても好きで・・・
お花は基本的に何でも好きなんだけど、どちらかと言えば洋花より野に咲くような和花に惹かれるのだ。

都忘れ、桔梗、吾亦紅・・・
自分の好きな花ベスト3を挙げろと言われたら、こんな地味な花を挙げてしまう。
だからこそ、版画になるほどスポットライトを浴びていることがとても嬉しくて。

マスターに「あれ、よかった」と言ったら、なんと、「売ってあげようか?」と言う。
なんでも、年会費を払うと毎月いろんな版画が送られてくるそうで、だいたい1回2千円くらいなのだそう。
だから、おおよその定価で2千円でいいよ、と言ってくれたのだ。

「え!いいの?!」とめちゃくちゃ嬉しかった
ただ、来月の作品が届いて外してから・・・ということで、この日はもらえなかった。

でも、代わりに、別の版画をもう1つ譲っていただいた。
これだ。



これまでに送られてきた版画のファイルを見せてもらっていて、本当は雪の版画が一番気に入ったのだけど、それはマスターもお気に入りだから譲れないという。
次に気に入ったのが、これだった。
ピンときた。
何度か読んでいると、深い、と思った。
忘れられなくなった。

「これほしい」というと、「いいで」とあっさり。

うわー、うれしい

マスターもじっとこの版画を見て、
「いいなぁ、これ。深いなぁ。かおりちゃんはやっぱりいい感性もってるわ」と言ってくれた。
なんだかそれは、最高の褒め言葉のように聞こえた。

こういうものって、誰の心にも響くわけじゃない。
相性だと思う。
その、相性がいいものに巡り会えた。そのことに感謝。

この版画を見ていたら、種田山頭火のことをなぜか思い出した。

孤独に歩く山頭火のイメージ。

「自由とは厳しいものだ」

そう言いながら、酒を飲みつつ、俳句を詠みつつ、一人で歩いた山頭火。

山頭火にも、猫が一匹いれば、よかったなぁ・・・なんて、
ほろ酔い気分で、版画を眺めながら、そんなことを考える。

あっという間にまた夜は更けた。

帰りの電車で、ちょっと呂律の回らなくなった口で、
かどやが私に言った。
「さんちゃんが、直木賞か芥川賞をとったら、私は本屋で全部買い占める」

「ありがとうな・・・」
って言いながら、まだ私の可能性を信じてくれている人がいることに恐縮した。
嬉しいのは当たり前で、もうそれを越えて恐縮してしまう。
こんな、ただのしがない酔っ払いライターに、そんなことを言ってくれるなんて・・・

でも、とにかく書き続けたいなと思った。
私は、私の文章を、書き続ける。
今はそれが一番大事なこと。
何も生み出せなくなった、空っぽの私が唯一できること。

自分より弱いものを抱きしめる優しい手と、
人から受ける、あたたかい施し。
人は皆、その両方を持っているのかもしれないなと、そんなことを想った日。


3日間煮込んだ鯖煮とカマンベールチーズのやわらか煮

2010-11-17 16:16:26 | 美味しいもの
先週の話。
(更新する時間がなくて、1週遅れ)

11月後半は忙しくなるので、前半に固めて友達と会っている。
先週の水曜日は、ライターのあんこちゃんと京都へ飲みに行った。

あんこちゃんも京都の人間なので、どうしても京都で会うことが多くなる。
今回も、私がずっと前から行きたかった「両川(ryosen)」というお店へ行った。
http://ryosen.jp/

烏丸御池から徒歩3分。
居酒屋でも割烹でもなく、カウンターメインのバーに近い雰囲気。
入った時は私たちだけだったのに、30分もしたらすぐに満員になった。

日本酒が15種類くらいあって、私もあんこちゃんもテンション上がる
料理もおいしそう・・・!
かなり「酒のアテ系」で、私の好みにぴったりだ。

とりあえず、ここの名物は食べておこうということで、
「開店以来の注ぎ足しの出汁で作った煮込み」
「ランチの名物、3日間煮込んだ鯖煮」
を注文した。
メニュー名だけで、やられるね!

写真が・・・
今、ついにデジカメが壊れていて、ケータイで撮ってるからかなり微妙やけど・・・


↑煮込み


↑鯖煮

煮込みはおでんみたいで、なんか思っていたのとは違ったけど、
この鯖煮がめちゃくちゃ旨い!!
味噌煮じゃなくて、生姜で煮てるのでもなくて、例えるなら鰊蕎麦の鰊みたい。
また、酒に合うんだ、これが!

その他も、
鶏のたたきとか、三枚豚の炙り醤油焼きとか、ねぎねぎサラダとか・・・
全部おいしくいただいた。

最初にビールを飲んだ後、日本酒魂に火がついて、
「和田来 純米吟醸」
「大倉 特別純米」
「鳳凰美田 特別純米」
「蒼空 おりがらみ純米」
「三重錦 純米」
と5杯飲んでしまった。
この店の日本酒は、旨口芳醇な濃い目のお酒が多い。

全部おいしかったのだけど、これがインパクト大!



↑カマンベールチーズのやわらか煮!!

メニュー名を見て、どんなものが来るのかと思ってワクワクしていたのだけど、
食べてみると思っていた以上においしい。

優しい薄味のかつお出汁で、焼き豆腐、玉ねぎと一緒にカマンベールチーズを煮込んでいる。
たぶん味付けはほとんどしていないんじゃないかな。
カマンベールの塩分が滲み出て、ちょうどよい塩加減。
チーズ好きの私にはたまらない1品だった。

鯖煮とこのカマンベールの煮込みはもう一度食べたい。
このインパクトがリピートさせるんだなぁ。
過ごしやすい感じのよいお店だったし、たぶんまた行く

ただ、会計を終えて「高っ!」と思った。
若干、コスパが悪いな・・・

たぶん、料理じゃなくて日本酒が高いのだ。
120mlくらいで800円~1000円くらいとってるはず。
どの程度の値段で買える酒か知っているだけに、これはやや取り過ぎかなと思った。
やっぱり酒飲みとしては、安心していっぱい飲める価格が嬉しいよね・・・

あと、残念ながらワイングラスでの提供・・・
こういう店はわりと多いのだけど、私は「あー、ワイングラスか~」と、ちょっとガッカリする。
香りや味わいを感じやすいようにとの配慮だろうけど、
私はあまりワイングラスで日本酒を飲むのが好きじゃないのだ。
福島のカモシヤ・クスモトさんレベルのグラスで提供してくれるなら、大歓迎だけど。

たぶん、首を傾けて上を向いて飲まないといけないのがイヤなんだと思う。
なんかそれって、日本酒の飲み方じゃない。
日本酒は、こう・・・ちびちびと、口から持って行って、舐めるように、じわじわと飲みたいのだ。
(あかん!もう完全にオッサンの飲み方や!!)

・日本酒が高い
・ワイングラス

この2点だけが残念だったけど、あとはとてもいい店だった。
いろいろ書いたけど、また行くと思う

それに、とにかくあんこちゃんとの時間が楽しかった!!

最初は仕事の話や、日本酒の会の話やら、していたのだけど、
最後のほうはあっと言う間に時間が経って、もう何を話していたんだか

私は1週間くらいずっとハードに飲み続けていたので、ちょっと酔いがまわってしまったな。

そして、例にもれず!!
帰りの電車を寝過ごし、気づけば茨木市・・・
(期待を裏切りません!)
また高槻からタクシーで帰り、着くなり布団に飛び込んだのであった・・・

楽しい時間はすぐ過ぎる。

優しい夫よ、こんな不良妻で、またまたすみません


リピートする店、しない店

2010-11-04 16:48:43 | 美味しいもの
今年の夏は猛暑でグッタリしていたし、初秋は仕事に終われるしで、なかなか友達と会えなかった。
(酒のイベントか、我が家でのおもてなしか、どちらか)

なので、10月後半からは、友達とランチや飲みや・・・で順番に会っている。
28日は、あやとふみこと3人で久しぶりにランチ
福島にあるフレンチの店「ブザンソン」に行った。
デザート付きで1600円。
ボリュームもあり、雰囲気も大人カジュアルな感じでよかった。
(夜はもう少し、しっとりすると思う)
特に不満はないのだが、料理にもう少しインパクトが欲しかったなぁと思う。
コスパ的には満足。

1日は、中野と京都の割烹「御幸町つばき」へ。
http://www.kyoto-tsubaki.jp/index.html

いや~、この店、久々のヒット

コース料理もあるのだが、アラカルトでもいけるとのことなので、今回はアラカルトにした。
基本が酒飲みなので、お酒を飲みながらいろいろつまむのが好きなのだ。

秋刀魚のお造り
イベリコ豚の九条ねぎポン酢
自家製 蛸のさつま揚げ
海老と蟹のクリームコロッケ
キンメと長芋の炊いたん
など・・・
(デジカメが壊れていて、写真なし!携帯で撮るの恥ずかしいし・・・)

中野はシメに「海老天煮麺」を食べ、
(これ何だろうと思ったら、字の通り、海老天の入った温かい素麺だった)
途中で、酒のアテにと、あんきもやエイヒレの炙りなどもサービスしてくれた。

日本酒もなかなかのラインナップで、メニューに載っていないものもあるとか。
加賀鳶純米吟醸、蒼空純米、それからもう一つ、聞いたことのない銘柄のものを1合ずつ冷やで頼み、
最後に宝剣純米をぬる燗にしてもらった。

生ビールも最初に2人とも飲み、付き出しも、貝を、崩した煮こごりのようなものと一緒にしたやつでおいしかった。

量は少しずつだけど、1品1品が洗練されていて、しっかり調理されている。
どれもおいしく、どこか上品。
なのに、京都の割烹にしては、どれも味付けがやや濃い目と感じた。
たまたま味付けの濃いものばかりを頼んだのかもしれないけれど、しかし、これがまたお酒とよく合う。

二人で14000円いかなかった

この店はたぶんリピートするだろう。

そう思った時に、自分がリピートする店の条件って何だろうかと考えてみた。
「料理がおいしい」というのは当たり前の前提条件なので、それは抜く。
(基本、まずい店には行かない)

1、料理にインパクトがある。
2、おいしい日本酒が数種類ある。
3、店の雰囲気がよい
4、店主、女将さん、スタッフなどの感じがよい
5、値段に関わらず、店を出る時に満足感がある
6、使い勝手がよい。

こんな感じだろうか。

これにプラスして、絶対条件ではないけれど、「器にこだわる」というのがあるとベスト。

まず、料理がおいしいお店というのはいろいろあるのだけど、その日食べた中で1品でもいいから
心から「おいしい~!たまらん!」と思い、しばらく忘れないようなインパクトがないと、
もう1回行こうという気持ちにはならない。

日本酒はたくさんなくてもいいけど、料理に合うものを3、4種類以上揃えていると嬉しい。
また、それが店主のこだわりの酒だともっといい。
(銘柄重視とか、酒屋に言われたものを適当に入れているわけではなくて)

店の雰囲気は、とても大事だと思う。
狭いとか、古いとか、そういうのは全然かまわないのだけど、落ち着く雰囲気。
他のお客さんも大人で、程よいアットホーム感と品のある空間。

そして、どんなにいい店でも、接客が悪いと台無し。
あまりベラベラしゃべりかけられても友達との会話の邪魔になるし、
かといって、あまり愛想がなくても居心地が悪いし、バランスよいのがいい。

そういうお店は、安いとか高いとかじゃなく、お金を払うときに「ありがとうございました」とこちらが思える。
多少高いときでも、「またお金ためて来よう」「今日は贅沢できてよかった」と思える。

でも、1~5までの要素が全部揃っていても、結局、使い勝手がよくないと、行きたくてもなかなか行けない。
家が遠いなどの物理的なこともあるけれど、
誰かと一緒に行くので、相手のことを考えてしまうから。

夫とは基本的に土日しか飲みにいけないから土日祝休みの店は夫とは行けないし、
あまり高い店だと誰でもを誘えるわけじゃない。
飲み物セレクトも難しい。
日本酒を飲まないとその店の真髄は分からないのに、相手が日本酒が飲めないとか、
とてもいい店なのに、ラフすぎて、仕事関係の人は誘いにくいとか、
ゆっくり話したいけど、ちょっとガヤガヤしているとか、
私は基本的に和食が好きだけど、和食はあんまり・・・とか。
自分が気に入っていて何回も行きたいのに、誘える相手がいなくてなかなか足を運べないという場合もある。

今回のお店もリピートはしたいけれど、やはり相手は選ぶだろうな・・・。
でも、ほんと、また行きたいお店!

さて、お店選びの話が長くなってしまったが、とりあえずこの日は中野と楽しい時間を過ごした。
店を出てから近くの町家バーでウイスキーを2杯飲んで帰った。
春以来会っていなかったので、いっぱい話したいことがあった。

二人で「大人は最高やな~」と言い合った。

明日からもまだまだいろんな友達と会う予定が続く。

友達と会っておいしいもの食べながらしゃべってたら、元気いっぱいになるな

ほんま、大人って最高~!

癒しのバーベキュー

2010-09-27 21:45:00 | 美味しいもの
昨日は気持ちの良い秋晴れだったので、夫と二人でバーベキューをしに行った
私の住む町内の山奥・・・水無瀬川の上流へと。

ここは本当に気持ちがよく、静かで、きれいで、私の大好きな場所。
また、歩いて行けるくらいの距離にこんな楽園があることが幸せでならない。


ここはまだ入口の集落。
いつも「日本昔話の景色だなー」と思う。

てくてく歩いて、いつものバーベキュースポットへ。




テレビのニュースで、バーベキュースポットの紹介などを見ていると、
お祭りのように人でごった返していて、
あれを見るたびに、「あんなところだったらわざわざ行かないなぁ」と思う。
もちろん、都会に住んでいたら、近くにいい場所がないんだろうけど・・・
仕方ないか

でも、人でいっぱいの川原や公園でバーベキューをするという感覚が自分には馴染みがない。
昔から、バーベキューは自然の中・・・川のそばでやるものだったから。

ここに来るとホッとする。
こんなにいい場所なのに、誰もいない。
時々、ハイキングの人が通るくらいで。


へへっ
やっぱりこれがないとね!!


炭の具合もバッチリで、めっちゃよく焼ける!!
有頭海老を殻ごとカリカリに焼いて、そのままパクッ
伏見とうがらしや「おうちピーマン」※家で育てたピーマンも。

「おうちピーマン」は家を出るときにもいできたもの。
めっちゃ甘くておいしかった!

お肉は、牛、豚、鶏(もも・せせり)。
なすを豚ロースで巻いて焼くのが最近のお気に入り
こうすると、なすがパサパサにならず、ジューシーに焼けるのだ。


それから、秋の風物詩・さんま~
炭で焼くと本当に美味しい。
もちろん、日本酒でいただきました。


鮭のホイル焼きもして、


やきそばもして、


焼き芋もした

夫が「炭焼き大臣」なので、私は「燻製大臣」として、燻製を横で作成。


鮭とウインナーの燻製。

そんな感じでお腹いっぱいになった。



ここはいいなぁ・・・
マイナスイオン出まくりで、空気がきれい。
いるだけで元気になってくる。

唯一の欠点は、トイレがないこと
どうするかって?!
もちろん、草むらに隠れてするのです
だから、いろんな人を誘いたいけど、なかなか誘えない。
草むらトイレOKの女子じゃないと無理・・・

イヤっちゃ、イヤだけど、
なんやろね、開放感がある(笑)

帰りは歩き疲れて、家に着くと倒れ込んでしまったけど、
でも、楽しい休日だった。
自然はいいな。
癒される。
いつも心の元気をくれる


小アジの南蛮漬けで晩酌

2010-08-20 23:55:36 | 美味しいもの
今日は地味に家でずっと原稿を書いていた。

夕方、クリーニングに行かないといけなかったので、
ついでに久しぶりに自転車でコープとダイエーへ出かけた。

家からほとんど自転車をこぐことなく、着く。
つまり、それくらい山の上から下りて来ているってこと

日が沈む前を狙って行ったけど、やっぱり汗だくになった。
でも、久しぶりの買い物は楽しかった。
アスパラが98円で買えたのでテンション上がった

しかし・・・

今日も禁酒の予定だったが、ついビールを・・・

そして、結果的にはこんなことに↓



やっぱり2日連続禁酒なんて無理だ。

夫に全部お酒を飲まれたと思っていたが、まだ開けていなかった加賀鳶を発見!
これは2月に搾ったあらばしりなんだけど、瓶詰めした後に蔵内で寝かせていたもの。
7月に買った。
フレッシュな感じではなく、まったりと落ち着いたお酒になっている。
発泡感はなく、酸味も弱い。
しっかりしているのに、どこかすっきりと余韻に透明感がある。

いい。旨い

今日は朝から「野菜たっぷり・小アジの南蛮漬け」を作ろうと決めていた。
「作ろう」というか、「食べよう」と。
一度「あれが食べたい」と思ったらガマンできないのが私。
ちょうど小アジもたくさん届いていた。

南蛮漬けが大好きなんだけど、酸っぱいのはダメ。
うちのはお酢がいいから、とてもまろやか。
これが本当に好きなんだ。
お酒ともいい感じで合った。

グラスは、荒川尚也さん作の泡グラス。
これにお酒を入れると本当にきれい。
見ていて飽きない。
普通の荒川さんのものよりちょっと高かったのだけど、
一目惚れして買ってしまった。
あれはもう7年くらい前か?
日本酒でも、ウイスキーでも、輝かせてくれる、私のお気に入り。

小鉢は、ゴボウ・にんじん・さつまあげ・こんにゃくのきんぴら。
田舎料理みたいなものだけど、いくらでも食べられるから怖い
でも、これはこのお酒とはあまり相性良くなかったなぁ・・・

こうやって、自分の好物を作って晩酌するのは本当に楽しい
ついつい酒が進みすぎるのが怖いけど・・・

おかげで、今日は仕事が予定通りには終わらず。
なんかややこしい修正もあって、この楽しい晩酌の後でメールを見て、少し凹んでいたところ
もっと文章がうまくなりたいと切実に思うこともあれば、
この勢い重視の文章が生かされる場を探すべきかとも思ったり。
とりあえず、今の自分の仕事ぶりには満足していない。

一日一日を一生懸命生きるしかないんだけど。

淡路島へお寿司を食べに

2010-08-15 11:22:23 | 美味しいもの
この間、淡路島にお寿司を食べに行った。
2年前に淡路島旅行をしたときに立ち寄った洲本にある「新月」というお寿司屋さん。
ネタが新鮮で美味しくて、その割りに安い。
とても気に入ったのでいつかもう一度行きたいと思っていた。

としくんとあやと話していた時に、
「淡路島にお寿司を食べに行こう!」という話になり、8月7日ついに決行。
お酒を飲むことを譲れない私たちは、車ではなく、バスで行くことにした。

三宮から1時間半の小旅行。
バスの中でお腹がすいて気分が悪くなったが、それ以外は楽しい旅だった。

洲本に着いて、淡路島の物産館みたいなところでお買い物。
鳴門ワカメやいちじくジャムなど・・・
足湯に入って、まだ少し予約までに時間があったので・・・



あわぢびーる!!

ビヤガーデン(本当にガーデン)が開いていたので、そこで1杯だけ。
イケメンのウェイターばかりだったのでもう少し長居したかったが、
お寿司の魅力には勝てない。

6時にいざ、新月へ。

オープンからそんなに経っていない時間なのに、お店は既に忙しそう・・・
カウンターに座ってからもずっと大将は他の人の寿司を握るのに必死で、
ほとんどかまってくれない・・・

もうお腹がへって気が遠くなりそうだったのに、おあずけをくらって、
「ほんまに食べられるのか?」と不安でたまらなかった。

でも、寿司を握りながらも話しかけてくれ、
「とりあえず、一品物やったらできるけど、どうや?」と言ってくれたので、ようやく注文開始。
私たちも最初は一品物からと思っていたので、とにかく食べれるならいいのだ。

まずは、もずく。
ここのもずくは、2年前食べた時も衝撃だったけど、太くて食べ応えがあって、すごくおいしい。
夫と取り合うように食べたので、写真なし。

その後は・・・



鱧の湯引き~
この間の「いふき」で食べたのも美味しかったけど、また違う旨さ。
身もしっかりしていて、甘い。



太刀魚の南蛮漬け~
やさしいお酢の味で、さすがに淡路島!玉ねぎまで旨い。
こういうの、なんぼでも食べられるねん。



活サバのお造り~
これはほんまにヤバい旨さ。
きずしを頼もうとしたら、「活さばにしとき!きずしなんていつでも食べられるやろ!」
と大将に言われて頼んだ1品。
「うちは、ネタだけはほんまにいいから」と自信たっぷりに言うだけある。
ちょっとこんなサバは食べたことがなかった。



イカのバター焼き~
これがまた……!!驚きの旨さ。
柔らかくて、甘くて。



ベラのお造り~
これは、としくんが希望したのだけど、ベラのお造りなんて初めて!
真っ白なきれいな身だけど、味はしっかりしていて、美味しかった。

さあ、ここからいよいよお寿司!

















アジ、とり貝、ウニ、さわら、かんぱち、かつお、いわし、蒸し穴子・・・

ま~、どれも絶品!!

ウニも大好きだけど、大好きだからこそ、大阪では滅多に食べない。
ミョウバン臭くない、ちゃんとしたウニを出してくれるところでしか注文しない。
さすが、淡路島や!
また、この大将の目利きには間違いがない。(自分で言うだけのことはある)
ここまで来た甲斐があったなぁと思った。

お寿司の間にシラサエビも食べて


お酒はこちらのオリジナルラベルの日本酒(淡路島にある酒造のもの)を
4人でちょうど1升と、ビールを1杯ずつ。

お酒もかなり飲んでいるので、一人1万円は覚悟していたのだが、
これだけ飲んで食べて、一人8000円いかなかった!

めっちゃ安い~
オトク~!!

もう大満足で店を出て、最終のバスに乗り込んだ。
これは毎年の行事にしよう、また来ようと盛り上がり、
帰りのバスはお腹いっぱいに満たされていて、あっと言う間に三宮へ着いた。

なんだか勢いで、そのまま2軒ハシゴ・・・
ワインを飲んで、餃子と焼酎で締めた。

締めに餃子って、夫みたいだな
自分では絶対にやらない選択肢だけど、4人もいて盛り上がってると、
なんとなくこういうのもいいなと思った。
楽しかった

終電に乗り込んで、帰宅。
あれから1週間経つけど、まだお寿司の味が忘れられない・・・
時折思い出しては、空想で味の余韻を楽しんでいる

先斗町の路地奥でプチセレブな夜を・・・

2010-08-02 15:56:53 | 美味しいもの
四条河原町から先斗町を上がっていくと、
21番の路地奥に上品な灯りが見える。

「炭火割烹 いふき」

2年前の夏に初めて訪れ、昨年も一度。
そして、先週末が3回目になる。

本当はもっと行きたいけれど、さすがに京都・先斗町。
それも、メイン通りではなく路地奥なので、いいお値段がする。
庶民にはなかなか難しい。

そこで、昨年一年間かけて、私とゆうちゃんといわさきっちは
「美味しいもの積立貯金」をしていたのだ。
毎月2千円。
徴収役のいわさきっちの厳しい取立てのおかげで、なあなあにならず、
一年間で一人24000円がたまった。
今回はこれを使って豪遊しよう!!というわけで、
いろいろ悩んだ末に「いふき」へと。

近年では風情もすっかりなくなってしまった先斗町の路地奥へ一歩入るところから、
もうこの食事会は始まっている。
値段もメニューも何も出ていない戸の前で
「これ、全くの一見やったら入る勇気ないよなぁ」と顔を見合わせる。
ああ、こんなつぶやきも庶民である。

戸を開けると、優しい灯りの中に、白木のカウンター。
そして、その向こうで忙しく働く板前さんたち。
でも、私たちを見ると、笑顔になって、カウンターの席を勧めてくれた。

そう、これがこのお店を好きな理由。
こんな敷居の高そうな店なのに、店員さんがみんな笑顔で感じがいいのだ。
リッツカールトンで食事をした時も思ったけど、
一流の店というのは、接客も一流。
決して堅苦しくなく、びっくりするほど気さくだったりするのだ。

早速飲み物を聞かれ、後でお酒をいただくことにして、とりあえずはビール。
お料理はというと、前に行った時は8400円のコースを頼んでいたのだが、
今回はお金に余裕があるので、「おまかせ」で。

「おまかせでいいです」

これを言う時の快感ときたら・・・!!
プチセレブ気分をいちいち噛み締める私。



↑卵豆腐。ジュンサイや枝豆が夏らしくて上品。京都らしい、優しい味付け。



↑北海道の毛蟹に、鳴門ワカメ。こちらもさっぱりとしていて涼しげ。
器もいいねぇ・・・
備前とはちょっと違う土っぽいけど、焼き締めでお料理の緑が映える。



↑椀物は、鱧、アワビ、新生姜の葛寄せ。
これが3人とも急にざわざわと騒いで興奮し始めたほど、旨い

私はこういう割烹のコースをいただく時には、とにかく「椀物」に重きを置いている。
椀物を食べた時、どれくらい幸せな気分になるかが、全体の評価に繋がっている。
そういう意味でも、これは満点!!
アワビのちょうどいい歯ごたえと旨味。
葛のとろける食感と、生姜の爽やかさ。
そして、鱧と出汁のコンビネーション。
全体的なまとまりもあり、とても上品。
一気に幸せになった。

酒や!
酒持ってきて!



↑お造りは、アコウダイと鱧。
これがまたよかった。
お醤油もあるが、ゴマと塩を小皿に出してくれたので、基本的には塩でいただく。

鱧にべったりと梅肉が付けられていないのも助かった。
いつも鱧を出されると思うのだ、「なんで梅肉?」と。
自分で付ける場合はあまりたくさん付けない。
だって、せっかくの鱧が「梅味」になるやん!!

その点、こちらの鱧は、非常にまろやかで薄味の梅風味のたれが少しかかっている程度で、
これを塩で食べると鱧の甘味がしっかり広がってたまらなかった。



↑鰻の握り寿司。
これがまた!!ヤバイ!!
「最近、海苔に凝ってるんです」と、あぶった海苔が下に。
これを巻いて食べるのだ。
いろいろと試行錯誤した結果、この形になったという。
海苔、鰻、そしてミョウガのハーモニーが絶妙!!
「あと3貫!」といいたくなったほどだ。



↑炭火割烹というだけあって、炭火焼きを得意としているのだが、
この焼き野菜の盛り合わせも素晴らしかった。

こんなふうに盛られると、何から食べるかという順番がとても重要。
ホワイトアスパラ、唐辛子、赤万願寺、コーン、小芋、ズッキーニ、茄子田楽。
どれも美味しかった。
コーンは一度揚げてから焼いているとか。甘味が凝縮されている。
ホワイトアスパラも太くて甘くて、でもさっぱりとしていて美味しかった。

さて、いよいよ魚の焼物。

のどぐろ、金目鯛、鮎、ぐじから選べるという。
鮎はこの夏すでに2回食べていたし、やっぱりここはのどぐろか・・・。
(のどぐろに目がない)
でも、グジも捨てがたいし・・・

悩んでいたら、ゆうちゃんはさっさと鮎に。
いわさきっちものどぐろとグジで悩んでいたので、両方頼んで分けることにした。



↑のどぐろ~



↑鮎~



↑ぐじ~

どれも分けあって食べて美味しかったけど、やっぱりのどぐろやなぁ。
したたるほどに脂が乗っていて、身が柔らかくてほっこりしていて、
口の中に入れた瞬間、思わず目を閉じてしまうほど旨い。
ふと横のゆうちゃんを見たら、ゆうちゃんも目を閉じていた



↑口直しの冷たいトマト

この後、「お肉はどうしますか?」と聞かれたので、もちろん「いただきます!」
普通の女性はこんなに食べないんやろね・・・(こんな店に来る人やし)
「何人分ですか?」と聞かれたので、「3人分です!」



↑そりゃそうやろ~、こんな美味しそうな肉やのに~
部位は、ロースとイチボ。
口の中でとろける!ジューシー!
醤油焼きにしてあって、好みで付け合せの山わさびを付けて。
これならお肉があまり好きでない私も毎日食べたい!!

しかし、料理ももう終わる・・・



↑山芋とワカメの酢の物があって、



↑ご飯があって、



↑水物があって、

全部終了~

ご飯は香の物とちりめん山椒がついていて、
お米自体がおいしくて(土鍋で炊いたらしい)、
普段はシメのご飯があまり欲しくない私だが、もっと食べたいくらいだった。

とはいえ、しっかり3時間、かなりたくさんのお料理をいただいたので、
お腹はもうパンパンだった。

お酒はいわさきっちと分けて4合。
喜楽長、義侠、出雲藤、醸し人九平次。

いわさきっちは1合が限界なので、私が3合飲んでいるのだが……。

大将と女将さんも素敵なんだけど、私は修業中みたいな板前さんがとても好きで。
いつもめっちゃ笑顔。
こちらもつられてしまう。

ゆうちゃんにコソッと「あの人、好きやねん」と耳打ちしたら、
よほど声が大きかったのか、その向こうにいたいわさきっちが「聞こえてるよ」・・・

あかん
板前さんにまで聞こえたかもしれん・・・

お会計はなんと54300円也!
一人18100円・・・

「美味しいもの積立」の封筒からいわさきっちがお金を払ってくれたのでよかったが、
これ、普通にはやっぱり行けないなぁ。
おまかせにしないで予算を言っておけば1万円ちょっとでいけたけど、
やっぱりこの「おまかせ」のプチセレブ感がたまらない。
(こういうことを言うのが庶民・・・)

まあ、積立があったのはもちろんだけど、
そうでなくてもコスパは決して悪くない店だ。

料理の美味しさ、見た目の美しさ、完成度。
日本酒もいいものを数種類置いている。
そして、人の良さ、笑顔、あたたかくて気取らない雰囲気。
白木のカウンターや、1つ1つの器のクオリティ。
何よりも、先斗町の路地奥で、一見さんお断りのような佇まいの店で飲んでいるというシチュエーション。

すべてを総合してのコスパ。

3人ともとても幸せな気分になって店を出た。

満足じゃ!!
ほんまに大満足じゃ!!

積立は6千円になったので、この7月から1000円ずつにして再開。
年末の忘年会で、またちょっこしセレブになれるかな?