★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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街のカラス(26)

2009年09月27日 | 短編小説「街のカラス」
 今年の冬は例年に比べ、雪が少なかったような気がする。温暖化の影響なのか、異常気象なのか、いずれにしろ雪が少ないことはオイラ達にとっては好都合だった。雪が降って辺り一面真っ白になると、確かにきれいではあるが、食料も覆い隠されてしまい探し出すのが一苦労である。
 もっとも、オイラ達都会のカラスにとっては、食料はニンゲンの出すゴミが主流なので雪の影響は少ない。ゴミ置き場は、場所も時間も決まっているので食いっぱぐれることがまずないのだ。カラスにとっては、天国のような場所である。したがって、最近は、仲間の数が増えニンゲン社会の中で問題になっているらしい。このまま増え続けニンゲンとの関係が悪化していくと、もしかしたら天国から一気に地獄になるかもしれない。なんたってニンゲンは仲間同士さえ殺しあう恐ろしい大型動物なのだから。


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