★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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居酒屋にて(2)

2010年12月12日 | SS「居酒屋にて」
「へぇ?屁はくさいんだ!臭くなければ屁じゃない!臭いから屁というのだ。臭くない屁は屁じゃない。それは・・う~ん、香水だぁ、うん、そうだ。香水はいいにおいだからケツからでても屁じゃないぞ。ケツから香水、ケツから香水っとくらあ~」
 ペイズリーネクタイ男は、そういうとジョッキを口元に持って行き、グビリと一口飲み込んだ。
 メガネ男は、相変わらず串をプラ付かせながら、見下したような目つきでペイズリーネクタイ男を見ると、「けっ」と舌打ちして言った。
「香水がケツから出るわきゃねーだろ。香水は・・首から出るんだっ、ばかたれっ」
 その時、カウンター越しに二人の会話を聞いたのだろうか、若い定員が少しニヤニヤしながら「へい、お待ち」と焼き鳥が2本乗った皿を二人の前においた。
 メガネ男は、口から串を引き抜くと、ペイズリーネクタイ男のジョッキにポイと放り込み、新しい焼き鳥を口に運んだ。
 ペイズリーネクタイ男は、アルコールがかなり脳に回っているようで、自分のジョッキに串が入っているのを発見すると妙な声を出した。
「ありゃ~りゃ~、ホッピーから串が生えてきたぁ」
 どうやら、だれかが串を入れたとは思いつかないらしい。突然ジョッキに串が生えてきたように見えたようだ。


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