★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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居酒屋にて(3)

2010年12月16日 | SS「居酒屋にて」
するとメガネ男は益々小馬鹿にしたような目つきになり、指摘した。
「あほか、ホッピーから串が生えるわけねーだろ。それは、、、神様が入れたんだぁ」
「おおぉ、か・神様かぁ。。。」
 ペイズリーネクタイ男は、そう言うとキョロキョロ周りを見渡しはじめた。
「神様は、どこにいるのかなぁ。どんな顔をしているのかなぁ」
 いつの間にか焼き鳥を食いつくし、また串をくわえているメガネ男も、一緒になって辺りを見回している。
「やっぱし、神様というくらいだから、こう、面長で、無精ひげなんかが生えていてさ、、オーマイガッてな感じやろ」
 その表現が気に入らなかったのか、ペイズリー男はゆるんでいたネクタイの首元に指を突っ込んで、ぐいぐいとさらに緩めながらメガネ男の鼻面に顔を向けた。
「いんや、ちゃうどー。日本の神様だから、そんなガリガリなビンボ臭いはずはない。もっとこう、ぷくっと福福しい姿をしててだなぁ。でかい鯛なんか持ってたりするのだ~」
と言いながら、席から腰を浮かせ、両手で空中に大きな魚の形を描いてみせた。


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