★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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パーフェクトシティ(9)

2023年03月09日 | 短編小説「パーフェクトシティ」

 その構想とは次のような内容だった。
 まず、人類をニつのグループに分けた。
 一つ目は、「IM-X」を使い、永遠に生きる人々のグループだ。
 彼らは、死なない。永遠に年を取らずに生き続ける。
 だが、不老を意識すると生きる気力を失い人類滅亡に突き進む。
 だから、彼らがストレスなく生きていけるよう永遠に続く世界を作り出した。
 それは、記憶を操作し、とある1年(AD2355年)を永遠に繰り返す世界。 
 一見不可能に見えるこの構想は、サン・アルベルト卿が開発した脳の記憶領域の制御方法により可能となった。
 つまり、1年に1回、大晦日に過去1年の記憶をリセットしてしまうことにより、同じ1年を繰り返していることを感じずに生きていくことができる都市を作り出したのだ。
 この都市の創出がこの構想のベースとなったことから、そこを「パーフェクトシティ」完璧な都市と呼び、人類の永遠の存続を約束した。
 だが、この世界には致命的な欠陥がふたつあった。



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