★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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街のカラス(2)

2009年09月05日 | 短編小説「街のカラス」
 それは、ニンゲンがいうところの6月の中旬あたり。梅雨の中休みなのか天気の良い日だった。
 その日、オイラは朝から運がよかった。ゴミ捨て場のネットがずれていて、剥き出しになった残飯を発見。ボリュームたっぷりのトンカツにありつくことができたからだ。
 燃えるごみの日の月曜日は、ご馳走に出会える確率が高い。
 えっ?カラスに暦が解るのかって?バカにしないでもらいたい。生まれたときから都会で育ち、ニンゲンの生活からでるゴミがオイラたちの主な食料なのだ。その食料が出てくる日を覚えておくのは当たり前である。
それどころか、ニンゲンの話す言葉だってある程度理解している。オイラのくちばしがニンゲンと同じような唇だったら、流暢な日本語を話して聞かせてやりたいところだ。


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