鴨着く島

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タイムリーなNHK番組「南海トラフ巨大地震」

2023-03-05 22:01:28 | 災害
NHKでは昨日今日と2日連続で「南海トラフ巨大地震」発生の様子をドラマ仕立てで放映した。

主人公は大阪の町工場(バネ工場)の経営者家族で、経営初代の父母は高齢のため引退し故郷の高知県の海沿いの町に帰っているという。また、現在の経営者の妹は気象庁の職員であり、このあたりはやや出来過ぎな設定であった。

南海トラフ地震が起きた夜の8時過ぎ、経営者家族の夫婦と中学受験性の息子はそれぞれバラバラな場所にいて連絡がつかなかったのだが、何とか無事に再開することができた。

今度のトラフ巨大地震は「西の半割れ」(南海)が先に起きたという設定で、西日本の和歌山県以西の府県では海岸部を中心に軒並み震度7となり、また大津波も発生したが、高知の海沿いの町では「避難タワー」が整備されていたため人的被害は最小限に食い止められた。

しかしそれでも、家屋の全壊や火災に巻き込まれて命を落とす人は膨大で、ドラマ後に行われた出演者を含めた対談の中で、西の半割れ(南海地震)では約10万人が、東の半割れ(東南海地震)では8万人の死者が出る予想とのことである。

その他に災害関連死も少なからずあり、もし南海地震と東南海地震が連動して起きたら、20万を超える死者数になることは間違いないようだ。単純に計算して東日本大震災の12倍ほどになるが、実際はもっと増えるだろう。

人的被害もだが、経済的損失も巨大で、ビルや家屋を含むインフラだけでも100兆円以上になり、経済活動(生産・流通)の停止を損失と見做せばけた違いの規模になる。

どちらか一方で収まって欲しいものだが、南海地震(西の半割れ)と東南海地震(東の半割れ)とは連動して起きた過去(1854年と1855年、及び1944年と1946年)があり、連動して起きるのはほぼ確実らしい。さらに富士山などの火山噴火も巨大地震に連動する可能性があるというから恐ろしい。

この番組の企画は、去年の2月から続いているロシアのウクライナ侵攻以降、日本が軍事的安全保障だ経済的安全保障だと躍起になり、軍事費の増大や原発の運転を60年延長するという動きが既定路線化しつつあることに対する、ある意味で警鐘を鳴らす、別の言い方をすれば「冷や水を浴びせ」ていると思う。

このブログのタイトルに「タイムリーな」と冠したのはその意味である。

日本が最大の注意を払うべきなのは今後30年以内には確実に起きるこの巨大な「海溝型トラフ地震」であり、まともに発生したら軍事費の増大も原発の安全性も反故にしてしまうような災害なのだということを肝に銘じなければならない。




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