鴨着く島

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RCEPに加盟

2020-11-21 15:44:05 | 専守防衛力を有する永世中立国
RCEPという新しい国際経済連携が発足し、日本も署名して加盟した。

TPP(環太平洋パートナーシップ)が大きく報道され、しばらく紙上を賑わしたが、アメリカが加盟しないことでこのところすっかり忘れられていたが、どっこい日本は独自路線を採用していた。

このRCEPはASEAN10か国に日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの5か国が加わって15か国の経済連携協定だが、世界の人口の30パーセント、かつGDPの総計も30パーセントを占めるという。

この域内での貿易における関税は工業製品・部品を中心に限りなくゼロに持って行き、一方、農産物は自国内のいわゆる「主食」に相当する物については高関税維持を原則とするようだ。

また、中国のよくやる「工業製品・部品の技術移転の強制」はさせないという。どこまで中国が本気なのかは分からないが、とにかくスタートしたのだから注視していくほかないだろう。

中国は5年前に「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)を発足させ、すでに世界の100か国を超える国と地域が加盟しており、徐々に世界の経済圏の中心になろうとしているが、今度の東南アジア中心のRCEPに加盟することでさらに加速させるのではないだろうか。

日本はアメリカの中国への疑念「共産党独裁政府による資金運営の不透明さ」を挙げて参加しないのに忖度して、同様に参加はしていないが、こっちは賢明な選択だろう。中国が途上国に資金を提供してインフラ整備をしたはいいが、その借金返済に四苦八苦している国が多いと聞くからだ。

また、インドは今度のRCEPに最初は参加を表明しながら、1年前に取りやめてしまった。対中国政策の一環だろうと思う。ついこの間だが、カシミール地方の国境紛争地域でインド兵20名が中国兵に殺害されているし、そもそも中国の工業製品に対する自国産品の保護が優先と見たのだろう。

日本としてはインドが入った方が経済的には中国に並ぶ巨大市場が手に入り、同時にまた中国への牽制にもなり、一石二鳥だったのに残念なことである。単に貿易上の得失よりも後者の方がより意義は大きかったと思う。

ところでASEANの大国インドネシアでは首都ジャカルタが地盤沈下がひどいため、大雨洪水や地球温暖化による海岸線の後退により水没する面積が目に見えて広がり、かつまたとんでもない車の渋滞も発生しており、首都移転の計画が上がっているという。

その移転先はカリマンタン島(旧ボルネオ島)だそうで、全く新しい場所に新都市建設を考えているようだ。こうなると中国主導のアジアインフラ投資銀行の出番ということになろう。

日本の首都東京も移転したほうが良いのだが、理由が「一極集中の解消」というのではジャカルタの移転に比べて理想論過ぎるかもしれない。しかし首都直下型地震・関東大震災の再来が間近に迫っていることを考えるとそうは言っていられない。

移転より分散の方がより現実的で即効性が高いが、コロナ禍が終わったらコロナ対策に投じた数十兆円の半分でもいいから分散に着手してもらいたいものだ。それにより仕事が生まれ、コロナ禍により職を失った人たちの救済にもなろう(足りなければ引きこもり者にも応援させるのも一案だ)。

「首都移転(分散)」という国家プロジェクトが立ち上がり、それに参加する達成感・役立ち感を多くの人に味わってもらいたいとも思う。東京オリンピック以上に意義があるのではないだろうか。

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