佐藤元洋さんの吹きガラスの万華鏡は、紺色のガラスに銀が散って、雪が舞う景色です。
3ミラーシステムを通して視野いっぱいに美しい雪模様が見えています。
この万華鏡にはオブジェクトセルに工夫があり、白いラインのように見える模様がガラスオブジェクトの色模様に重なります。透明なオブジェクトと半透明なオブジェクト、ブルーやホワイトの織りなす美しい雪景色ですね。
六角形の雪模様を飾るラインは、切子ガラスのようなカットが映り込んでいるものと伺いました。垣間見えるきらめきとともに、雪を演出する素敵な表現だと思います。
次は百々花さんの作品を2点ご紹介します。 いろいろな素材、いろいろな技術を駆使した百々花さんの万華鏡は、テーマをいつもきれいに表現しているだけでなく、細部にまでこだわって丁寧に創られ、そこに込めた思いが伝わってくる気がします。
上の作品は、白にうっすらと虹色の輝きを載せたイリデッセントガラスの筒に、ガラス球のようなオイルセルがついている作品です。 オブジェクトの色味を抑え、透明なオブジェクトも使って、淡い色合いの雪を見せています。
下の作品はガラスの下に雪の結晶模様を閉じ込めた筒と、黒い背景のオブジェクトセルが特徴です。 どちらも丁寧な装飾はんだが筒を飾ります。
ご紹介できるのは、ほんの一瞬の雪模様。 今見た美しさは次の瞬間に姿を変えます。 だから万華鏡は手にとって、じっくりその世界に向き合っていただくと、その面白さが分かります。
万華鏡を手にとって覗く機会がありましたら、ぜひ、作品を味わうつもりでご覧下さいね。そして作家さんの生み出す個性的な世界を楽しんでいただければ嬉しいです。
覚王山アパートでの最後の万華鏡展には、もっともっとたくさんの素敵な作品がありました。
写真が撮りきれなかったり、お目にかかった万華鏡仲間の方とのお話がはずんだりで、限られた時間の中で、すべての作家さんの作品をご紹介できず残念です。また次の機会があることを信じています。