万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ガラス棒のテレイドスコープ

2009-01-18 16:33:39 | 万華鏡ブログ

昨年のことになりますが、「山見浩司となかまたち展」で拝見した広瀬留美さんのテレイドスコープです。ガラス棒を筒状に並べて少しねじったような感じが新しくて、印象的でした。その場に居合わせた万華鏡作家さんや万華鏡コレクターの人の間でも話題になっていました。1本ずつのガラス棒はまっすぐなのに、このように組み合わせると万華鏡のボディーにきれいな曲線が出てくるのですね。ガラスの透明感が照明のもとでもきらきらして素敵です。この作品はテレイドスコープですが、オイルタイプとドライタイプの万華鏡も出品されていました。
「様々な表情を見せるガラスの魅力をもっと多くの人に知って頂きたいという想いから誰もが身近に置けるガラス小物やランプを中心に制作」なさっているガラス作家さんです。(ホームページより引用)
きっとこれからはもっと万華鏡も製作してくださるでしょう。期待を込めてご紹介しました。




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コラボレーションという掛け算

2009-01-16 13:11:56 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したとんぼ玉の万華鏡は、当然ながらとても小さなオブジェクトセルで背景は透明なガラスです。その中に形を判別できないくらい、とても小さなガラスオブジェクトが見えています。
それなのに映像はこんなにくっきりとオブジェクトを映し出します。ドライセルの中で混ざり合うガラスの粒みたいなものが、実はそれぞれ表情のあるオブジェクトになっているのですね。たまたま見えたこの3色の映像(パンジーのようでしょう?)を今日の気分でご紹介しますが、実際には暖色系の映像にもなります。こんなに小さな万華鏡なのにすごいです。依田さんの作られる映像世界は、透明感と色の重なりが美しく、このペンダントの雰囲気を高めていて、コラボレーションによる掛け算の魅力だなあと思います。そう、足し算ではなく、掛け算です。
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トンボ玉の万華鏡

2009-01-15 16:10:06 | 万華鏡ブログ
アールヌーボーのガラス作品のような花模様の筒。小さいけれど存在感のある素敵な万華鏡ペンダントです。
私も初めて見る万華鏡で、とても魅力的なので「ギャルリ蓮」さんから見せていただきました。アメリカのとんぼ玉作家より学んだ技法で、日本の作家さんが創られたとんぼ玉の中に、鏡を組んで万華鏡になりました。万華鏡に仕上げたのは万華鏡作家の依田さんご夫妻です。仕上げの装飾はんだ部分も作品の雰囲気にあっています。もしエミール・ガレさんが万華鏡を作ったら、こんな風になったかもしれません。
とんぼ玉というのは日本特有の呼び方だそうで、英語ではglass beads(ガラスビーズ)。その歴史は紀元前にも遡り、装飾品、工芸品として多くの文化の中で育まれてきたそうです。
万華鏡ではステンドガラス、吹きガラス、パートドヴェールなどのガラスのボディーの万華鏡がありますが、とんぼ玉を筒とした作品は見たことがありません。バーナーワークでひとつずつ全工程を創るとんぼ玉には同じものはなく、しかもいろいろな技法がありますから、これからも可能性は広がることでしょう。
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自然はアートかもしれない

2009-01-14 16:54:27 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介の川村忠晴さんの万華鏡映像です。
オブジェクトセルは、プラスティックの筒の先端部、ミラーシステムに透明なアクリル板でふたをするような形で作られ、キャップをはめて閉じられています。その小さなスペースにご覧のとおり、花、実、種、蔓などとってもナチュラルなオブジェクトが少し入っています。
色味は少ないけれど、ひとつひとつのオブジェクトの様子が良く見えて面白いです。それにしても、ちょっと矛盾するようだけれど、自然ってアートなんだなあと思いませんか?
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素朴さとセンスの良さと

2009-01-13 22:10:42 | 万華鏡ブログ
今日はとてもシンプルな優しい万華鏡をご紹介します。
あるコレクターの方からお借りした万華鏡で、川村忠晴さんという造形作家の方がかなり前に創られた作品です。川村さんは自然素材そのままの本物の植物を使って、日常の中でほっと安らぎを与えるような作品を創っている方で、さまざまな「灯り」作品は特に有名です。
この万華鏡は、飾られた葉も実も、オブジェクトのそれぞれもすべて本物の植物です。ミラーシステムを和紙で巻いただけのものがプラスティックの筒に入っている本当にシンプルな創り・・・だからとても軽いのです。
赤い葉と黄色の草とねこやなぎがそれぞれの面のアクセントになっています。ただそれだけなのが、優しい感じ・・・シンプルだけど素朴さとセンスの良さが魅力の万華鏡です。
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光と遊ぶ万華鏡

2009-01-09 23:53:50 | 万華鏡ブログ
偏光万華鏡の映像は色鮮やかに、ダイナミックに変わるところが特徴ですが、その映像表現にさらに多彩さを加えたのが細野朝士さんです。
この万華鏡は「オーロラ」シリーズで、背景に透明な偏光フィルムを使っているため、光の取り込み方が豊かなのでしょうか。透明感と虹色の輝きを見せる映像が魅力的です。ガラスオブジェクトとは違った透明感、揺らぎのある輝きが独特の雰囲気を醸し出します。光そのものを映像に感じる気がします。
筒はシンプルなステンレスでサイズも統一されていますが、ミラーシステムの種類と映像の見えかたにこだわり、たくさんの選択肢を用意しています。
日常にあって、気楽に取り上げられる万華鏡。光と遊びながら、奥深いアートの世界に引きずりこまれそうになる万華鏡。細野さんの作戦にはまってしまう人も多いのではないでしょうか?
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プラスアルファのオブジェクトチェンバー

2009-01-08 23:52:06 | 万華鏡ブログ
ナップ夫妻の新作「Epislyscope」の内部映像です。オイルチェンバー、黒い背景、サイドリット(セルの横から光を取り入れるタイプ)、先端部が回転する仕組み・・・すべて彼らのスタイルですが、どこか違っていると思いませんか?
色模様の上に描かれたような白いラインが見えますね。これがこの万華鏡映像の特徴で、おそらくあまり例のない試みだと思われます。このラインは映像の上に固定されているのではなく、万華鏡の内部、オブジェクトチェンバーのミラーと接する側に刻まれた模様なのです。
オブジェクトチェンバーとミラーの間に透かし模様の金属板などを挟んだり、はずしたりして映像の雰囲気を変える作品は、ジュディス・ポールさんも作っていますが、それとはまた違った試みです。
ナップさんの説明によると、このアイディアはコラボレーションをしたポール・フレッチャーさんが取り入れたもので、彼の名にちなんで「フレッチャー前景」と呼んでいます。オブジェクトよりも鏡に近いので「前景」であり、オブジェクトチェンバーの回転により、ミラーに映りこむそのラインの図柄も変化します。光の当たり方でラインの色も強くなったり弱くなったりします。さらにオイルチェンバーの中を動くオブジェクトが生み出す色模様がその奥で展開するのです。
彼らの作品の多くと同じように、この万華鏡にもパステルイメージとブライトイメージの2種類があり、これはパステルイメージです。ラインの反射映像の面白さと浮遊するオブジェクトの反射映像の面白さを組み合わせたユニークな作品ですね。
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とても凝ったオブジェクトセル

2009-01-07 21:21:09 | 万華鏡ブログ
今日ご紹介するのはランディー&シェリー・ナップ夫妻の最新作「Epislyscope」です。このオブジェクトセルの造りをご覧下さい。オブジェクトセルの回転部とセルの先端部に施された細かくてきれいな曲線は、幾何学的な理論に基づいて生み出される連続曲線です。この万華鏡の名前の由来もそのあたりにあるようです。
1988年に工房を開いて以来様々な木工の技術を磨いてきたランディーさんは、1990年代半ばにポール・フレッチャーさんという素晴らしい木工装飾のアーティストとのコラボレーションをきっかけに、この装飾旋盤を使った木工作品に魅せられました。といっても18世紀の機械を手に入れるのは不可能だったので、アンティークの機械に倣って、ついに2004年、ローズエンジンという装飾用旋盤を自ら作り上げ、その技術を駆使した箱、独楽、そして万華鏡に応用するようになりました。
映像の点でも完成度の高い万華鏡を生み出す作家さんですが、木目の美しさや万華鏡全体の姿などにもぜひご注目ください。毎回何かしら新しさを加え私達を魅了する作家さんです。手に持ったときの気持ちよさ、本当に滑らかなオブジェクトセルの回転など、経験と技術に誇りを持って作品を生み出していることが感じられます。
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ガラスオブジェクトの表情を楽しむ映像

2009-01-06 22:15:57 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介しました井野文絵さんの万華鏡の内部映像の1枚です。ドライチェンバーの中にはバーナーワークによるガラスオブジェクトが入っており、背景はうねりの質感のある半透明なガラスです。
赤、黄色、青などを含め、色合いは多彩ですが、見えてくる映像は落ち着いた雰囲気で、美しくまとまっています。視界に入ってくるオブジェクトの色によって、映像ががらっと変わるので、次はどんな映像かなあと覗くのが楽しみです。
どんな万華鏡でもその原理は同じはずなのに、作家さんによってずいぶんと印象が違うから本当に面白いものです。
オブジェクトはひとつひとつに表情を持たせ、さらに重なったときに効果が出るような作りかたをしているように思いました。じっくり見たくなる映像です。
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白さが新鮮

2009-01-05 21:39:42 | 万華鏡ブログ
白地にすっきりと描かれた和風の図案。たくさんの表情の作品が並ぶ「和の万華鏡展」(昨年秋仙台万華鏡美術館にて開催)で、とても地味な感じながら思わず手に取りました。半磁器と木を合わせた清潔感のある簡潔な造りが気に入りました。
井野文絵さんの作品はこの数年、「和の万華鏡展」で何度か見せていただきましたが、チャイナペインティング(磁器の絵付け)や漆など工芸のしっかりとした技術を活かし、女性らしい感性で描いた図柄や、中の映像の素晴らしい作品を作っています。どの作品も手に自然と馴染むような大きさで、それほど大きくありませんが、丁寧に描かれた絵によって、それぞれが異なる世界を見せるような万華鏡です。
均一感のある半磁器の万華鏡は、手捻りの陶器の万華鏡とは違った味わいがあり、和の万華鏡の奥行きの深さを見せています。
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