万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

スターダスト 

2008-05-15 17:13:00 | 万華鏡ブログ
ダイクロイックガラスやステンドガラスがちりばめられた回転するシリンダータイプのオブジェクトといえば、スー・リオさんのトレードマークです。同じシリンダータイプのオブジェクトを使いながらも、彼女はテーマと雰囲気を変えて、いろいろな万華鏡を作っています。いずれも外観の美しさと、ガラスオブジェクトの描く大胆な映像デザインが魅力的です。
この作品は2008年度発表の新作「Stardust」です。四角い筒の側面は黒い光沢のあるガラスで、トップの部分がオーロラのような光沢を持つダイクロイックガラスを使っています。紫やグリーン、青がゆらめくような色合いで、黒いガラスと組み合わされて幻想的な雰囲気を漂わせます。造形作品としても存在感のある美しい作品です。
装飾につけられた青いガラスジュエルと同じものが、シリンダーにも組み込まれ、映りこむとオーロラの輝きを筒の中に生み出します。シリンダーにはめ込まれたガラスはなんと58ピースもあり、透明なダイクロイックガラスが多いので、光の当たり具合で色や輝きが変わってきます。あえて傾けたシリンダーの映りこみ方でスターイメージを表現しています。
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青に染まる

2008-05-13 23:59:49 | 万華鏡ブログ
豊田万里さん・芳賀紀子さんの万華鏡でRainbowシリーズのブルーの万華鏡を2008年2月16日のブログでご紹介しましたが、今回はその内部映像です。前回の「忘れな草」に比べると、背景は黒で、深く、濃い映像が印象的です。
2ミラーシステムですが、残りの一面がオープンになったミラーシステムなので、外のガラスの色を、曼荼羅映像の周りに映します。目元まで立ち上ってくるストライプ状の模様がぐるりと周りを囲むのです。この縦のラインが映像の奥行きや深さを感じさせる効果を見せ、このシリーズの特徴となっています。光を通してガラスのラインの色を映すのですが、光の具合で映し出される色合いが微妙に変化するところが面白いです。そして時々虹色の輝きを放つのです。
外のガラスの青もとても深い色ですが、内部映像もまた、どこまでも青い映像世界を展開する万華鏡です。
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薄青色の華

2008-05-11 17:31:04 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介の豊田万里さん、芳賀紀子さんの「勿忘草」の内部映像です。万華鏡の中には白っぽい半透明な背景に、ブルーや白やグリーンのガラスオブジェクトが織り成す花が咲いています。特徴的なのは、ミラーシステムを効果的に使って、横だけでなく、縦方向にも模様が見えること。花の芯の部分が浮き上がって見えるので本当の花のように立体的な映像です。そして、横長のセルに細長いオブジェクトをいくつか入れて、中心から外へ向かうラインが映りこむような工夫があるので、いつ覗いても花びらのように見えるのでしょう。
また、ガラスオブジェクトの重なりがそのまま奥行きとなって見え、しかも重なることで色合いを調節して、変化と柔らかさを表現する役目を果たしています。薄いブルーの色合い、淡い緑との組み合わせが、爽やかで涼やかな素敵な万華鏡です。
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勿忘草の万華鏡

2008-05-10 22:06:05 | 万華鏡ブログ
白いガラスに色ガラスを重ねて勿忘草を描いた清楚な雰囲気の万華鏡はガラス作家芳賀紀子さんと万華鏡作家豊田万里さんの新作コラボレーション作品です。小さな青い花のたくさん咲いた愛らしい作品ですね。
今年1月の個展のときにもこのブログでご紹介しました「野の花」シリーズの作品の新作です。丁寧な手作りのガラス工芸であるボディーは、花びらや葉、茎の部分はガラスを盛って立体的に表現し、筒のグリーンから白へのグラデーションはガラスの粉を使って、効果を生み出しています。半円筒の形のボディーは万華鏡としては珍しいと思います。
芳賀さんは以前万華鏡を作ったこともあるそうで、その構造や仕組みをよく理解なさっているので、豊田さんとのコラボレーションもとてもスムーズに進んでいるようです。外のデザインからイメージして中の映像を生み出すのは豊田さんの役目で、先端部のオブジェクトセルにはバーナーワークによるブルーや白のガラスオブジェクトを閉じ込め、ミラーの筒の中に美しい花を咲かせます。その映像はまた次回ご紹介します。
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"mangekyo rooms"

2008-05-09 21:54:21 | 万華鏡ブログ
投影式カレイドスコープ mangekyo rooms という万華鏡をご存知でしょうか。暗い部屋の中にこんな幻想的な映像が浮かびあがります。
万華鏡作家依田満・百合子夫妻の監修で、セガトイズが開発、生産し、昨年秋から販売されているものです。万華鏡の筒を覗いて見える映像を、プロジェクターを使ってスクリーンや壁、天井などに映し出すので、覗いて見るという個人的な楽しみを皆で共有できること、映像を大きく映し出すことができるので、万華鏡空間を作り出すことができることが面白さでしょうか。セルも電動で回転するので映し出された映像が大きく変化します。
投影するオブジェクトセルは、付属のオブジェクトピースを選んで自分でデザインする楽しみもあり、また空のオブジェクトセルが7つもあるので、いろいろ作って映し出す楽しみもあります。
投影式万華鏡は1986年バーバラ・ミッチェルさんが「SpectraSphere」という作品で、ザ・ブリュースターソサエティーの創造的作品賞を受賞して以来、何人かの作家さんが製作してきました。大掛かりな作品も多く、また音楽と連動して映像を映し出すユニークなものもあります。このmangekyo rooms はきちんとした仕組みや構造を備えたうえで、誰でも楽しめる商品として売り出されている点で、1つの壁を越えた画期的な万華鏡です。
依田さんは、この商品の開発に取り掛かってから投影式の魅力を再発見し、ますますその研究に熱心に取り組んでいらっしゃると伺いました。通常の万華鏡とは違う難しさにひとつひとつ挑戦しながら、試行錯誤していらっしゃるとのこと。次はどんな投影式万華鏡が生み出されるのか、楽しみですね。
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余韻を楽しみたい万華鏡映像

2008-05-08 15:49:41 | 万華鏡ブログ
キテルソン夫妻の万華鏡は日本でも、アメリカでも大変人気があります。その大きな理由は映像の美しさです。ペギーさんの作るガラスオブジェクトは、黒い背景のオイルセルの中で動くことで最大限その魅力を発揮するように作られています。オブジェクトセルを回転させるのは覗く人の意図的な部分もありますが、その回転を止めてからのオブジェクトの優雅な動き、生み出される色のグラデーションとコンビネーションは、何か大きな意思が作用しているかのように、思いがけない展開を見せ、覗く人の目を捕らえて離しません。じっと眺めて静かに余韻を楽しむという万華鏡の味わいもなかなかです。
3ポイントのこの映像は、限定版フラワースコープスシリーズ「チューリップ」の映像です。映像の中にチューリップの花が映りこんでいるのがお分かりになるでしょうか?ガラス細工の花々をオブジェクトに加えるのが、このフラワースコープスの特徴です。
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×2の楽しみ

2008-05-05 21:38:53 | 万華鏡ブログ
コーキー・ウィークスさんはたくさんのアイディアを万華鏡に実現して、万華鏡の楽しみを増やすことに大きく貢献なさった作家さんです。例えば1つの万華鏡に2つのミラーシステムを最初に取り入れたのも彼女のアイディアで、その後多くの作家さんがそのアイディアを自分の作品に取り入れてきました。
オブジェクトセルにもこんな工夫があります。
この写真は二重になったオブジェクトセルです。2つのセルを背中合わせにしたような造りで、表と裏、それぞれに違ったタイプのオブジェクトを組み合わせます。ミラーシステムの先端で、セルの向きを入れ替えて、2倍の楽しみ方を提供しています。その名もTimes Two(×2)という万華鏡で、全くタイプの違う映像を見ることができます。かなり前の作品ですが、重ねるというアイディアだけでなく、簡単にできるセルの取り外しやなめらかな回転の仕組みがとてもよくできているのも、万華鏡の心地よさにつながり、素晴らしいと思います。
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万華鏡に咲く菖蒲

2008-05-04 22:41:46 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介しました溝口好晴さんの「菖蒲」の映像です。珍しい3ポイントの映像は、まさに菖蒲の花をイメージしていることは一目瞭然。紫の濃淡や緑のガラスを中心に、いろいろな菖蒲の花を演出しています。外観の雰囲気に合わせて、日本的な色使いですね。少し霞がかったような部分は、あえて半透明な薄いオブジェクトを使っての表現だそうです。くっきりとした映像ではなく、ラインをぼかしたあたり、薄墨で描いた絵のようで、幽玄の美を万華鏡内部に表現しているように思います。
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菖蒲の万華鏡

2008-05-03 23:10:10 | 万華鏡ブログ
風薫る5月になったらご紹介しようと思っていた、溝口好晴さんの万華鏡、琳派シリーズ「菖蒲」という作品です。素焼きの陶器に黒い漆と金箔を施し、菖蒲の花を描いた伝統工芸のスタイルを万華鏡に表現しています。研かれて生み出された艶のある黒と、光を抑えた金の組み合わせがとても魅力的で、現代にも通じる美しい和の表現だと思います。このタイプで椿や山吹の花を描いた作品や源氏物語の女御を描いた作品があります。
また溝口さんは、同じテーマでもさまざまな工芸の技術を尽くして、素材を変えたりスタイルを変えた万華鏡を創られ、自らの万華鏡の世界を広げていらっしゃいます。そんな溝口さんの万華鏡は、5月9日から14日まで金沢市の「ギャラリー・アルトラ」での作品展で、拝見することができます。
(電話076-231-6698)「彫刻と万華鏡」展(清水利次さんとの二人展だそうです)
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