万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

メタルワークが独特 豊田万里さんの万華鏡

2007-05-21 17:57:53 | 万華鏡ブログ
金属を素材とする万華鏡作家さんの作品は、たとえば細野朝士さんのように、シンプルで飾り気がない円筒形ボディーや、角敏郎さんのように、機械や時計のようなカチッとしたボディーが良く知られています。若林寛さんの金属製の万華鏡は、真鍮や古風な雰囲気を醸し出す色合いのメタルでの作品が多いかなと思います。
今日取り上げる豊田万里さんの作品は、平板な銀色のステンレススティールを素材としながら、女性らしいあしらいが独特のデザインとなっています。筒の形はユニークなオーバル。曲線のデザインが美しいワイヤーワークの装飾。装飾はんだ。外から見ても美しいオブジェクトのガラス細工。そしてオブジェクトセルそのもののデザイン。
以前個展のときにも似たような作品をご紹介しましたが、似ているのは蝶のデザインだけです。オブジェクトはピンク系のガラスを中心にいろいろな素材が見えて楽しいです。ミラーシステムは2種類入っていて、ひとつは狭い角度の2等辺三角形に組まれている3ミラーシステムで、大きめの8ポイントの映像の周りに重なるように曼荼羅映像が映り込みます。もうひとつは、サークルミラーでグルグルと色が立ち上ってくるような映像です。ドライワンドを左右に少し動かしたり、前後に回して映像の変化を楽しみますが、好きな映像のところで止めてゆっくり眺めやすいスタイルです。ピンク系の映像は時に可愛らしく、時に優雅でうっとりとしてしまいます。光をたくさん通すタイプのセルなので、覗く場所や明るさでも雰囲気がすごく変わります。

このスタイルの作品は、筒の形や大きさは同じですが、ワイヤーワークのデザイン、ミラーシステムの種類、オブジェクトセルのデザインの違いで、いずれも同じものはないので、(ご本人曰く、同じようには作れないので)万華鏡展や専門店で見かけたら、ぜひお確かめください。これは何ですか?と聞くと予想外の答えが返ってくるオブジェクトが使われていたり、ちょっとした工夫があって、いつも感心させられています。創りながら楽しんでいらっしゃるのだろうなあと思うと、覗く人も楽しくなることでしょう。
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