万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

カラディモスさんの工房

2016-05-07 11:18:13 | 万華鏡ブログ

誰もが認め、憧れる万華鏡作家 チャールズ・カラディモスさんが万華鏡を製作する場を見せてくださいました。

サイロの横にある建物が工房です。 サイロの中には何もありませんが、いつかキャッツキルで作ったように、これを巨大万華鏡にしたいとおっしゃっていました。

工房の中は、まわりをぐるりと棚と窯と工作機械などが囲んでいて、中央に大きな作業台があります。 棚から取り出して見せてくれたのは、ガラスをスランピングの際に載せるモールドと呼ばれる石膏の型です。 ガラスにカーブをつけて窯の中で成型するときに使います。

スランピングやフュージングを施したガラスの本体をカットする機械だそうです。 何層も重ねて焼きあげたガラスは結構な厚さがあります。

こちらはたくさんの工具が並んだ作業机。 この前に座ってバーナーワーク、はんだの作業など、いろいろな作業をなさるそうです。

こちらはミラーカットのための道具です。 カラディモスさんの作品は、覗いた先にぴったりと中心が来るように、また繊細さをしっかり見せられるように、逆テイーパードというミラーシステムを取り入れています。 筒の中のミラーの幅が均一ではなく、先に行くほど広くなっているもので、それをカットするときに使う道具です。 傾きの角度を決めて、固定された台で、ミラーをカットします。万華鏡のスタイルによって、違ってくるので、それぞれにこのミラーカットの台を用意しています。

そのほか、材料となるガラス、オブジェクトを作るバーナーや、ガラスを削るグラインダーなども見せて説明してくれました。 訪問した作家さんたちは質問を交えながら、写真を撮ったり、作業に見入ったり・・・   カラディモスさんはミラーを組む時にハンダで固定するやり方だそうです。 フラックスを使わないハンダという話にも興味を覚えました。 簡単そうにミラーを組んでいましたが、きっとそんなに簡単ではないはずと思います。 作家ではない私にも大変興味深い経験となりました。

カラディモスさんのオブジェクトの特徴である黒いオブジェクトについて聞いてみました。
黒いオブジェクトをあえて入れる人はあまり多くないかもしれないけれど、自分には黒のオブジェクトを入れることが、自分らしい表現であると考えているそうです。 外観のガラスのイメージに合わせてオブジェクトの色を組み合わせる時、補色を差すことでバランスをとり、そしてアクセントに黒を使うとおっしゃっていました。 映像に、ステンドガラスのイメージを持っていることも黒を使う理由の一つだそうです。

工房を見せていただき、製作の過程を説明いただいて、ますます尊敬の想いが深まりました。 彼の素晴らしい作品を、多くの方に見ていただけるよう願います。 
今年の7月には仙台万華鏡美術館で、作家さん向けの教室をなさると聞いています。
また、来年(2017年5月25日~28日)の京都でのBKSコンベンションへの参加も決まっています。
直接作家さんにも会え、作品を見せていただける貴重な機会を、皆様どうぞお楽しみになさってください。

 

 

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