とても細かい映像を見せているのは、細野朝士さんの新しいテレイドスコープです。 大きな球面いっぱいに細かい反射を繰り返しています。
3ミラーシステムでテイパード(先のほうが細くなるよう)に組んだミラーの先端には、球体が浮かび上がって見えることはご存じの方も多いと思います。
この小ぶりなテレイドスコープは、隅まで見きれないほどの大きな球体と、何が映っているか、まずわからないほどの細かい映像の組み合わせが、ちょっとマニアっぽいテレイドスコープです。
テレイドスコープは先端部の球体レンズが向こうの景色の広がりを筒の中に取り込んできます。
そのレンズはこんなに小さいのです。つぶらな瞳ですね。
この瞳を通して見えてきた景色が正三角形に組まれたミラーの筒を通して、こんな風に見えているのです。
なんだかぎりぎりのところまで突き詰めている・・・・そんな気がします。
筒のデザインはシンプルでスマートな細野さんのスタイル。 一つ一つ妥協することなく、目指す映像を追求して作った作品には、とても小さな字ですが、ちゃんと作家さんのサインが刻まれています。