万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

希望に満ちた旅人

2010-04-23 22:53:06 | 万華鏡ブログ
東京駅近くの丸善・丸の内オアゾ本店で開催中の「魅惑の大万華鏡展」では、日本の作家さんだけでなく、海外の著名な作家さんの珍しい作品も拝見することができました。
今日ご紹介させていただくのは、ランディー&シェリー・ナップさんの2009年に発表されたThe Hopeful Traveler という作品です。ナップ夫妻は最近では限定版や、このような番号付きのシリーズをゆったりとしたペースで創作しています。
この The Hopeful Traveler はシリーズの#4ということで、私も初め拝見して、興奮しました。タイトルの由来は、幸いとは到達することではなく、希望を持って旅する人のその旅の過程であるといった意味の先人の言葉からだそうです。ナップさんたちにとって、この万華鏡を作り上げようとする過程そのものが喜びだったと。
使う木材の種類は作品によっていろいろあり、基本的な構造は同じでも、木工の表現は一つずつ違っています。船の舵輪のような取っ手付きのオブジェクトセルは、軽く触るだけでなめらかに回転します。

映像はオーソドックスな2ミラー6ポイントです。黒い背景で横から光を取り込むオイルセルは、ナップ夫妻のいつものスタイルですが、決して期待を裏切らない魅力的な映像がこの万華鏡でも見られます。


ナップ夫妻がこの万華鏡の製作を喜びと感じたなら、それを覗く私たちはその過程も含めてこの万華鏡から何倍もの喜びを感じることになるでしょう。そして私たちも人生において希望に満ちた旅人でありたいと感じさせる作品でした。

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