
まだ富山の護国神社で開かれている蚤の市に出店していたころ、
賑わう神社の境内で知り合った人形作家のぴ~さん。
東京の松屋銀座や谷中の猫町、伊勢のおかげ横丁などでも個展をおこない、
全国に大勢のファンがいます。
その彼女の作った豆猫さんが、
とうとう念願かなって我が家にやってきました♪
載せた椿皿の大きさからもお判りいただけるでしょうか、
とてもとても、小さく愛らしい仔です。
金沢でのお互いの住まいが近いこともあり、
近所のファミレスで待ち合わせをして、受け取りました。
箱からそっと取り出し包み紙をあけると、
知らず知らずに頬が弛んでしまった私。
江戸縮(えどちり)の台座に座って愛敬たっぷりに手招きするこの子は、
単に可愛いだけではなく、ふうっと命が吹きこまれていて、
作り手の愛情が伝わってきます。
可愛い豆猫さんが落ちつける良い場所を、
しつらってあげましょう。
【美味しい余談】

「腑抜け」とはこういう状態なのだろう。
さて、いったいどこから、何から書けばいい?
そうだ、まずは結論だ。
13日水曜日。朝7時56分ごろ。ユウキが逝った。
最期を母と私で看取った。
ユウキの具合が顕著に悪くなってから、
私は夜に、弟は朝の出勤前に、ほぼ毎日のように実家へ寄っていた。
ユウキが逝く2日前、11日月曜。
私は不甲斐なくも体調を崩してしまい、7度8分の発熱。
ちょうど年度改めの総会が続く最中で、仕事を休む訳にもいかず、
熱で痛む身体をひきずり行った。
もちろん、熱のあることなんて、おくびにも見せない。
案の定のトラブルが二つ、三つ発生し、休まず無理して出て大正解~~。
ヤレヤレ、やれやれ、ヤ~レヤレ!
月曜日、仕事はこなしたが、流石の私も、実家へ向う気力も体力もわかず、
ユウキのことが気にかかったが、その日は倒れこんで眠った。
12日火曜の朝。
「ユウキが一晩じゅう吐血、もう危ない」と父から携帯電話にメールがあった。
水曜日は休むと決めて、その日も乗りきる。
仕事を終えての夜8時。
実家へ向ったが、灯りはついているものの1階には誰もいない。
ユウキのいる2階に父も母もいて、二人はユウキを囲むように座っていた。
ユウキは目を開いたままフローリングの床に横たわっていた。
「ユウキ、ユウキ?」呼びかけると目だけがくるりと動くが、
もはや意識はない。無意識に吐血し、音だけに反応している。
「ユウキ……」そのあとは言葉にならず、堪えきれずにただただ号泣する。
8日金曜の夜、トリのささみを食べて、いくぶん元気な頃の目の耀きをみせていたが、
思えばそれがユウキの命の最期の耀きだったのだ。
時折意識が戻り頭をもたげて起き上がろうとするが、
もうその体力は残されておらず、虚しく足が床を掻く。
父のベッドが大好きだったので、ユウキをその上へ横たわらせ見守った。
ずっと起きていようと思ったが、つい睡魔に襲われ寝入ってしまう。
はっと気が付くと上半身がベッドからずり落ちているユウキ。
慌てて持ち上げて元に戻すが、そのあとまた同じようになったらしく、
コツンという音で目がさめると、
目をあけたままのユウキが、縫いぐるみのように床に落ちていた。
「ユウキ、大丈夫?」呼びかけるも反応はない。
朝になり、ユウキの呼吸は早く浅い。
ユウキの様子を見に出勤前に弟が立寄った。
ユウキは仔猫のとき、父と弟がゴルフレンジでもらってきた。
もうあまり音にも反応せず目も動かさなくなったユウキが、
弟の声に反応し目をクルッと動かす。
ユウキがまだ毛糸玉のような仔猫のころ、弟はユウキと一緒に寝ていた。
そっと瞼をぬぐう弟。ユウキと二人にしてあげた。
出勤する弟を見送ったすぐあと、
2階へ戻るとユウキは頭をぐっとのけぞらせていた。
「ユキ!!」。
一瞬、誰もいない間に逝ってしまったかと思った。
私はまだ階下で弟を見送っていた母に
「お母さん!ユウキが逝ってしまった、早く来て!!」と叫んだ。
だがまだユウキは幽かに息があった。
でも、やがて舌を突き出し、またのけぞりはじめてしまい、それを見た母は、
「ゴロウも最後はこうだった、もうだめだわ……、ユキ、ユウキ…」と涙声。
そして瞳孔を大きく開いて、ユウキは逝ってしまった。
「ユキ、ユウキ…」と泣きじゃくる母の肩越しには、幼い女の子が見えるよう。
思えば17年間、ユウキは母が大好きで、いつも母の後を追いかけ傍にいた。
私も彼が大好きだったのにね。
15日金曜日。
埋めたくもなかったし、燃やしたくもなかったが、
小さな骨壷にユウキは納まってしまった。
S・キング「ペットセマタリー」の主人公の気持ちがリンクする。
さよなら、ユウキ、大好きなユウキ。
ずっと忘れない。
また猫の話で、恐縮です。
ゴロウが逝ったと聞いて実家へいったところ、
ユウキの様子もおかしいというのです。
まずはここ数日、餌をあまり食べていない、
冬でも人の寝床に入ってくることがなかったのに、
父の布団へ毎夜入ってくる。
2階へ様子をみにいくと、母の鏡台の下でユウキがこうばこに座っていました。
眠っているのかと思うと、ぼーっとしており、生気がありません。
鼻の先も触ると乾燥しています。
抱き上げると、驚くほど軽くなっています。
17年生きている老猫とはいえ、歳のせいだけではすまされない異変。
毎日、ユウキと一緒にいる両親は、その変化を深刻に感じていなかったようですが、
たまに見る私からみると、どう見てもユウキに深刻な異変が起きていると感じました。
「明日、病院に連れていってあげて。どう見てもおかしい。動物って急変すると死ぬのは早いよ……」。
そうして病院に連れていかれたユウキの診断は老衰と腎不全。
もって半年の命。
老衰は仕方がないにしても、腎機能は殆ど果たしていないという・・・・・・。
もっと早くに気づいてあげていたらと悔やまれることしきりですが、
ユウキの余生をいかに楽にして苦しみを少なくしてあげられるのか、考えていかねばなりません。
たかが猫ですが、家族なのです。
ゴロウが逝ったと聞いて実家へいったところ、
ユウキの様子もおかしいというのです。
まずはここ数日、餌をあまり食べていない、
冬でも人の寝床に入ってくることがなかったのに、
父の布団へ毎夜入ってくる。
2階へ様子をみにいくと、母の鏡台の下でユウキがこうばこに座っていました。
眠っているのかと思うと、ぼーっとしており、生気がありません。
鼻の先も触ると乾燥しています。
抱き上げると、驚くほど軽くなっています。
17年生きている老猫とはいえ、歳のせいだけではすまされない異変。
毎日、ユウキと一緒にいる両親は、その変化を深刻に感じていなかったようですが、
たまに見る私からみると、どう見てもユウキに深刻な異変が起きていると感じました。
「明日、病院に連れていってあげて。どう見てもおかしい。動物って急変すると死ぬのは早いよ……」。
そうして病院に連れていかれたユウキの診断は老衰と腎不全。
もって半年の命。
老衰は仕方がないにしても、腎機能は殆ど果たしていないという・・・・・・。
もっと早くに気づいてあげていたらと悔やまれることしきりですが、
ユウキの余生をいかに楽にして苦しみを少なくしてあげられるのか、考えていかねばなりません。
たかが猫ですが、家族なのです。
先週の木曜の夕方、実家にいる3匹の猫のうちの1匹、
ゴロウが静かに旅立ちました。
ゴロウは苦労の多い猫でした。
近所の家が引っ越すときに置き去りにされ、
野良猫になりかけたところを、実家が引取りました。
5年ほど前のことです。
ゴロウはとても性格の穏やかな猫でした。
先に家にいたユウキとモモには遠慮をし、自分の分を弁えるかのよう、
2匹の前では決して人に甘える事がありません。
2匹の目が届かないところでゴロウの傍に座ると、
そっと前足を人の膝に伸ばして、喉をならし甘える子でした。
実家の前の道路は車の往来があるので、ユウキとモモは外に出さずに飼っています。
けれどもゴロウは前の家で、内と外を自由に出入りして飼われていたためその癖が抜けず、
また去勢もしてなかったので、外へ出たいと訴えると出すようにしていました。
それが災いして、この子にはまた過酷な生を与えてしまいました。
ある日、バタン、バタンとおかしな音が玄関先でするので母が玄関に向かうと、
ゴロウが前足に大きな虎バサミをつけたまま帰ってきていました。
実家なら外してくれると必死に帰ってきたのでしょう・・・・・・。
母は隣の家の奥さんに頼み、二人がかりで虎ばさみをはずしました。
かろうじて骨こそ折れていなかったものの、ゴロウの足は腫れ上がり、
しばらくは、まともに歩くことができませんでした。
そしてそれから2年ほどたったある日、
それは今から半年ほど前のことだったでしょうか。
4、5日ほど帰って来ないと母がもらしていた挙句、
帰ってきたゴロウは口の周りを血だらけにして帰ってきました。
これは想像ですが、たぶん、心無いどこかの誰かに、
顔を思い切り蹴り上げられたのです。
それ以来、ゴロウは鳴き声を出すことはなくなり、
感情を一切、表すことがなくなりました。
可愛がるのも人、痛めつけるのも人。
今、赤々と燃えるツツジの花のもと、ゴロウは静かに眠っています。
ゴロウが静かに旅立ちました。
ゴロウは苦労の多い猫でした。
近所の家が引っ越すときに置き去りにされ、
野良猫になりかけたところを、実家が引取りました。
5年ほど前のことです。
ゴロウはとても性格の穏やかな猫でした。
先に家にいたユウキとモモには遠慮をし、自分の分を弁えるかのよう、
2匹の前では決して人に甘える事がありません。
2匹の目が届かないところでゴロウの傍に座ると、
そっと前足を人の膝に伸ばして、喉をならし甘える子でした。
実家の前の道路は車の往来があるので、ユウキとモモは外に出さずに飼っています。
けれどもゴロウは前の家で、内と外を自由に出入りして飼われていたためその癖が抜けず、
また去勢もしてなかったので、外へ出たいと訴えると出すようにしていました。
それが災いして、この子にはまた過酷な生を与えてしまいました。
ある日、バタン、バタンとおかしな音が玄関先でするので母が玄関に向かうと、
ゴロウが前足に大きな虎バサミをつけたまま帰ってきていました。
実家なら外してくれると必死に帰ってきたのでしょう・・・・・・。
母は隣の家の奥さんに頼み、二人がかりで虎ばさみをはずしました。
かろうじて骨こそ折れていなかったものの、ゴロウの足は腫れ上がり、
しばらくは、まともに歩くことができませんでした。
そしてそれから2年ほどたったある日、
それは今から半年ほど前のことだったでしょうか。
4、5日ほど帰って来ないと母がもらしていた挙句、
帰ってきたゴロウは口の周りを血だらけにして帰ってきました。
これは想像ですが、たぶん、心無いどこかの誰かに、
顔を思い切り蹴り上げられたのです。
それ以来、ゴロウは鳴き声を出すことはなくなり、
感情を一切、表すことがなくなりました。
可愛がるのも人、痛めつけるのも人。
今、赤々と燃えるツツジの花のもと、ゴロウは静かに眠っています。