俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月31日(日)

2011-07-31 06:49:16 | Weblog
★冬瓜にさくっという音のみありぬ  正子
大きく武骨でユーモラスな形の冬瓜、包丁を入れるとさくっという音がします。冬瓜そのものは無味無臭でまさしく「さくっという音のみありぬ」です。しかし、料理次第でどんな風にもなるところが冬瓜の大物たるところでしょうか。 (後藤あゆみ)

○今日の俳句
弧を描く夜汽車の灯り大夏野/後藤あゆみ
平野の果を走る夜汽車の灯が弧を描いてみえるのは、さすが「大夏野」。(高橋正子)

○向日葵
 わが家から東へ数軒先に毎年決まって向日葵を咲かせる家がある。小さな用事の外出に通りすがりに見上げて楽しむ。この家には、2年ほど続けて2メートル以上になる「木立ダリア」が咲いていたが、何の花だろうと、これも見上げて楽しんだ。背丈の高い花がお好きなようだ。

最近大輪の向日葵を見ることが少なくなった。子どものころの向日葵は大輪だった。種が実ると重くて頭を垂れた。この大輪が「ロシア向日葵」だということを、はるか昔、たぶん中学生のころだろうが、知った。ロシアンケーキ、マ-マレードを入れる紅茶、ロシア民謡など、ロシアのイメージの一つとして記憶していた。それを、今日ここで思い出した。

向日葵の原産地は北アメリカ西部で、ネイティブアメリカンの食用作物だったとのこと。食用向日葵に、ノースクイーンとか、アメリカンスナックという品種があるらしいが、もっともなこととうなづける。が、私のイメージは、向日葵は東欧かロシアの花のイメージが強い。食用向日葵の種子の生産の先進国は、ロシアとのこと。理由は、ロシア正教のものいみの食品制限で、油脂食品の禁止食品に向日葵が入っていなかったので、ロシアで盛んに栽培されたとのこと。こういうこともあるのか。

丘をなす一面の向日葵畑は、ロマンティックな叙情がある。ゴッホの向日葵も有名だ。ゴッホの向日葵は、向日葵とその背景の色彩が、さすがゴッホと思わせる素敵な色だ。これは大輪ではない。花瓶に活けられた向日葵もまたよい。

 向日葵の蘂を見るとき海消えし     芝 不器男
 ゴッホの向日葵切りとられ切口を見せ  高橋信之
 向日葵に空の青さがあり余る      高橋正子
 向日葵の丘ひろびろと雲の旅      小西 宏 

◇生活する花たち「向日葵」(横浜日吉本町)

コメント (1)
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