俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月19日(火)

2011-07-19 06:44:38 | Weblog
★大朝焼車一台ずつ染まる  正子
作者が目にしたのは、ぼんやりとした朝焼けではない。燃えるような紅黄色が東の空からじわりと広がり、太陽に近い車から1台ずつ深く染められていくのであろう。夏の太陽のエネルギーをその色に感じる。(安藤智久)

★すずしさに星座の話読みつなぐ  正子
縁台に腰掛け、物干しに立ち、涼を求めて空を仰いだ夏の日々を懐かしく思い出します。夏の夜は遠い歴史、遠い宇宙に思いを馳せる広やかな時間でもあります。(小西 宏)

○今日の俳句
★青田から青田をつなぐ水の音/藤田洋子
青田に流れ込む水は、水源から小川へ、そして、それぞれの田へ分けれた水。「つなぐ」が的確で、どの田も青々と育っている。(高橋正子)

★向日葵の黄がひろびろと丘をなす/小西 宏
丘一面に広がるひまわり畑。向日葵の黄の色が空に触れるまでにひろびろと丘をなしている外国のような風景が鮮やかだ。(高橋正子)

○さるすべり)(百日紅)
さるすべりには、白、赤、ピンクの花がある。赤とピンクの色は、微妙に違った花が見られる。夏の間、夾竹桃と並んで咲き継ぐのが「さるすべり」。幹がつるつるして木登り上手な猿が滑り落ちるから、こんな名がついたのか。四国松山に住んでいた頃、わが家の庭の真ん中にあったのが、薄紫に近いピンク。風が吹けばフリルのような花がこぼれる。真っ青な空も、炎昼の煙るような空にも似合う。

 女来と帯纏き出づる百日紅   石田波郷
 煙むほどの高き空なり百日紅  高橋正子

○緑陰ネット句会/7月17日開催
今日も一日暑い日でした。その中、緑陰ネット句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。
今回は、会員以外にもお二人がご投句くださって、新しい雰囲気になりました。ネット句会なので、気軽に参加いただけることもあるでしょうが、花冠句会のファンができたことはうれしいことです。会員のみなさまにも、盛夏の力作をたくさんご投句いただいて、暑い暑いと言いながらも、夏もやっぱりいいなあ、と思いました。選とコメントをありがとうございました。すべての入賞俳句にコメントが付くということは、大変素晴らしいことですので、これも皆様に感謝です。洋子さん、いつも集計をありがとうございます。お疲れ様でした。信之先生には、管理運営を暑さの中、お世話になりありがとうございました。これで「緑陰ネット句会」を終わります。次回は、8月14日(日)の盂蘭盆(満月)ネット句会です。楽しみにしてお待ちください。(主宰 高橋正子)

信之先生、正子先生、ご参加の皆様、今日も各地で真夏日の中、「緑陰ネット句会」お世話になりありがとうございました。連日厳しい暑さが続きますが、その中でも皆さんの、盛夏ならではの明るく生き生きとした俳句、緑陰句会に相応しい、涼やかな情感あふれる俳句に、しばしの憩いを感じさせていただきました。24名の皆さんのご投句、また選句やコメントも楽しませていただきました。今回も、句会の開催、管理運営をお世話いただく信之先生、正子先生に心よりお礼申し上げます。暑さの折ですので、皆様、どうぞご自愛ください。(世話人 藤田洋子)

▼緑陰ネット句会入賞作品
http://blog.goo.ne.jp/kakan15

◇生活する花たち「百日紅」(横浜日吉本町)
コメント (3)
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